「
バスルームで天女の髪をシャンプーしながら
悠生は、爆死する前の天女の真っ赤な髪が気に入っていたので、少し残念だった。
「はい、死んで再生すると元の姿に戻ってしまうようです」
悠生にシャンプーされる天女は幸せそうな顔をしている。
天女は、シャンプーしなくても髪や地肌が臭くならない。
履いているショーツにもしみはおろか、かすかな匂いすら着かない。
不思議な体質をしている。
それでも、悠生が天女をシャンプーしたいので、頼み込んで洗わせてもらっている。
天女をシャンプーしていると、自分の気持ちもきれいになっていくような気がするからだ。
シャンプー後、人をダメにするクッションにだらしなくもたれかかった天女は、ふんわりとカールした黒髪を指でいじりながら香りをかいでいた。
そのクッションは、もっぱら天女が使うことが二人の間で暗黙の了解になっていた。
天女がだらしない姿を悠生に見せるのは、このクッションにもたれかかるときだけだ。
何が天女をそこまでリラックスさせるのか分からないが、スカートを履いていても大股を開き、ショーツを丸出しにしてはばからない。
しかも、そこでやっていることは悠生のコレクションである陵虐ものの薄い本を読むことだ。
天女は、本の登場人物を自分に置き換えて、自分が陵虐される空想に耽ふける。
当然、性的に興奮するのでショーツがしとどに濡れる。
その濡れたショーツを隠さないばかりか、悠生の目の前でオナニーもする。
今では、神をダメにするクッションになっている。
「天女さん、気持ちいいですか?」
悠生は、テーブルで仕事をしながらオナニーをしている天女を見下ろして声をかける。
「はい、とても気持ちがいいです。ですが、何か物足りません」
天女が何かを訴えるような顔で悠生に答えた。
悠生は悠生で、天女のオナニーを見るのが楽しみになっている。
そのクッションは、神だけでなく悠生もダメにしていた。
「足りないのは、こういうことですか?」
悠生は、椅子に座ったまま足で天女の顔を踏みつけた。
「あ、そのとおりです。悠生さん、ありがとうございます」
天女が喜んだ。
「あの、悠生さん……わがままなことを申し上げてすみませんが、もう少しひどいことをしていただけますか?」
天女が顔を踏まれながら懇願した。
「私もずいぶん神様にひどいことをしています。本当に罰が当たったりしないんですか?」
悠生は、少し不安になった。
「タカミムスビ神様もおっしゃいますように、私は人間ではありません。痛みも感じません。どうぞお好きなように壊してください」
天女が鼻血を出しながら笑顔で答えた。
悠生は、罰が当たらないかと心配しながら天女の鼻っ柱に踵落としをしていた。
鼻骨が折れる感触が踵に伝わりゾクゾクした。
言行不一致の極みだ。
「もう少しひどいことって、何をすればいいんですか?」
悠生は、具体的なイメージが湧かなかった。
自分が読んでいる薄い本は、ハードすぎてどれも実行をためらうものばかりだ。
「では、こんなことはどうでしょう」
天女は起き上がると鼻歌を歌いながら踊るような足取りで物置に入った。
物置からごそごそと物を探すような音がした。
「これなのですが……」
天女の手には、長さ40センチくらいの木の板と五寸釘の束、そして金槌かなづちが握られていた。
それを見た悠生は、天女が何を求めているのかをだいたい理解した。
「ずいぶんハードなことをやるんですね」
悠生が苦笑した。
「すでに私の肉を召し上がっている悠生さんのお言葉とも思えません」
天女が失笑した。
「あはは、そうですね。どこに刺せばいいんですか?」
「やはり見た目の残酷さという点からもおっぱいがいいです」
天女が乳房を揺すった。
「分かりました」
悠生が笑顔で応じた。
「あれっ、でも、うちにそんな板とか釘なんてありませんよ」
物置にないはずの物が出てきたことに気づいた悠生が首をひねった。
「不思議ですねえ。私が物置に入ったときにはありました」
天女が無感情に答えた。
「お願いいたします」
テーブルの上に板を置き、その上に乳房を乗せた天女が期待に満ちた目で悠生を見上げた。
悠生が金槌と五寸釘を手に持った。
左手に持った五寸釘を天女の右の乳房に押し当てる。
右手に持った金槌を軽く釘の頭に当てて位置を確認する。
金槌を振り上げて一気に釘を叩いた。
ぐちゃっ
金槌は、釘を叩かず天女の乳房を叩いた。
叩いたところの皮膚が裂け、肉が潰れる音がした。
「あん」
天女が甘ったるい声をあげた。
「ごめんなさい、狙いが外れちゃいました」
悠生が謝った。
「いえ、これはこれで気持ちいいです。このまま金槌でおっぱいを潰されたいくらいです」
天女は、ぶるっと身震いすると、潰れた乳房を見てうっとりした。
「じゃあ、今度こそちゃんと刺しますね」
「はい」
悠生は、もう一度釘の頭に金槌を当てて、しっかりと狙いを定めた。
「えいっ」
ずるん
ごつんっ
五寸釘は、簡単に乳房を貫いて下に敷かれた板に突き刺さった。
金槌を持つ手に釘が肉を貫く感触が伝わった。
「痛くないですか?」
「はい、とても気持ちいいです。ありがとうございます」
「もっと刺します?」
「お願いいたします」
この会話がすべて笑顔のまま交わされる。
「釘が刺さるときの感覚が楽しいです」
悠生が興奮ぎみに言った。
「よかったです。悠生さんに楽しんでいただけて光栄です」
「じゃあ、続けて刺しちゃいますね」
「はい」
悠生は、夢中で天女の乳房に五寸釘を打ち続けた。
悠生が打った釘の数は、優に20本を超える。
天女の乳房と乳首は無惨な姿に変わり果てた。
ところどころ血を流し、真っ赤に腫れ上がっている。
「もう抜きますか?」
悠生が確認した。
「抜かないでいただきたいのですが……」
天女が蕩とろけたような顔で囁ささやいた。
「じゃあどうします?」
「板を引っ張ってください」
「え、おっぱいが千切れちゃいますよ」
「はい、千切ってください」
「分かりました」
悠生は、釘が刺さった板の両端をつかんで足を踏ん張った。
「んんーっ」
悠生が板を引っ張る。
天女も身体をのけ反らせて悠生の力に対抗する。
天女の乳房があり得ない長さに伸びたが、千切れることはなかった。
釘が刺さったところから血が流れ落ちる。
「なかなか千切れないものですね」
悠生が額の汗をぬぐった。
「せーので同時に力を合わせて一気にやってしまいましょう」
「はい、じゃあいきますよ」
悠生がタイミングを合わせた。
「せーの!」
ぶちぶちぶち!
天女の乳房が千切れた。
乱雑に釘を刺したところが千切れたため、傷口はぐちゃぐちゃだ。
大量の血が流れ落ちる。
滴るという量ではない。
悠生が持っている板には、釘が刺さった乳房と乳首が付いてきた。
「おっぱい取れちゃいましたね」
悠生が楽しそうに言った。
「はい、ぐちゃぐちゃになりました」
天女も満面の笑みだ。
「取れちゃったおっぱい、どうします?」
悠生がおっぱいの処分方法を尋ねた。
「普通にゴミとして捨ててください」
天女がさらっと言った。
「え、それはなんか天女さんに申し訳ないです。さっきまで天女さんの一部だったんですよ」
ゴミとして捨てるのは忍びない。
「とうぞお捨てください。それもひどいことのうちですから」
「あ、なるほど。ひどいことをすればいいんですよね」
「はい」
悠生は、板から釘を抜くと、穴だらけの乳房の残骸をゴミ箱に放り込んだ。
「これでいいんですか? 」
天女に確認した。
「はい、これくらいひどいことをしていただけると嬉しいです」
「なんかですね、ちっともひどいことをしている感じがしないんですけど」
悠生が苦笑した。
「そうですね、こんなほのぼのしたひどいことというのも変ですね」
二人で笑った。
悠生は、天女の傷の手当てをして、またテレワークに戻った。
乳房の傷が落ち着いた天女は、また人をダメにするクッションでダメな神に成り下がった。
午後の静かな時間が流れた。
「あ、そうだ、天女さん」
悠生が思い出したように天女を呼んだ。
「はい、なんでしょうか」
天女がクッションから下りて正座した。
「そんなにかしこまらなくていいです。と言ってもたぶんダメなんですよね」
「はい、悠生さんは私の主ですからダメです」
「じゃあ高木神の名により命じます。私が呼んだら、そのままの姿勢で返事をしてください」
「かしこまりました」
天女が床に額をつけた。
「それじゃあやり直してください」
「はい」
天女がクッションにだらしなくもたれかかった。
「天女さん」
「な、なんでしょうか……」
天女は、だらしない姿勢のまま申し訳なさそうに返事をした。
「天女さんは、お酒飲めるんですか?」
悠生は、天女と酒を飲んだことがない。
「いえ、飲んだことがありませんので、飲めるかどうか分かりません」
天女が軽くはにかんだ。
「高天原では、お酒を飲ませてもらえないんですか?」
神の世界の常識が分からない悠生は、疑問をぶつけてみた。
「タカミムスビ神様などは、浴びるほど飲んでいらっしゃいます。私から見たらただの酔っぱらいです」
天女は、人差し指を口元に当てて内緒の話であることを示した。
「天女さんは?」
「私は……ぽんこつでしたので飲ませていただけませんでした」
天女が寂しそうに俯うつむいた。
「そうだったんですね。天女さんのせいじゃないのに……そうだ、飲みに行ってみましょうか」
悠生が天女を飲みに誘った。
「よいのですか!? あ、でも……」
一瞬喜んだ天女だったが、何かを思い出したように言葉を濁した。
「でも?」
悠生が首をひねった。
「いえ、私はお酒を飲んだことがありませんので、酔ったらどうなるのは自分でも分からないのです。それが不安です」
天女が自分の不安を口にした。
「なるほど。飲んだことがないと不安かもしれませんね」
「はい、ですからお誘いいただいてとても嬉しいのですが、もし、私が酔っ払っておかしなことをしてしまうと、悠生さんにご迷惑をおかけしてしまうので、素直にお誘いにお応えできないのです」
「うーん、難しいですね。あまり酔わないように少しだけ試してみたらどうでしょうか?」
「はい、それでお願いいたします!」
天女が小躍りして喜んだ。