※この作品はR-18です。

女子高生准査ヌルデバと萌える寄生虫の共生捜査本部   作:ぬるでば

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第29話 双竜

「いやー、龍生のおかげだよ」

 龍生との結合を解いた茶々がぺニスのコンドームを抜き取り中の精液を飲み干した。

 その後、改めて龍生に深々と頭を下げた。

「俺も頑張って教えたけど、ちゃーちゃんの熱意があったからこそだよ。やる気のない人には教えようっていう気にならないからね」

 龍生が茶々の頭を撫でた。

「お前は優しすぎるな。もっとあたしにきつくしろよ」

「変なドMだなあ」

「変なのは否定しない」

「そんなちゃーちゃんと付き合ってる俺も変態なのかな?」

 龍生が自問するようにつぶやいた。

「あたしと似て間違いなく変態だ」

 茶々が断言した。

「やっぱりそうか。そんな気がしてた」

 龍生が明るく笑った。

「なあ、入学手続きってどうやるんだ?」

 茶々が龍生に訊いた。

「えっと、調べてなかったんだね」

 龍生が苦笑いしながら大学のホームページから入学手続きのページを選んで表示させた。

「なになに、戸籍抄本がいるんだってよ」

 茶々がモニターを指差した。

「そうだね。去年まではいらなかったらしいけど、今年から不正防止のために本人確認が厳しくなったんだって」

「ふーん、めんどくさいんだな」

「そういえば俺は自分の戸籍って見たことないなあ」

 龍生が思い出したように言った。

「あたしもだ」

 茶々が頷いた。

「市役所に行かないとね」

「そうだな。どうせ同じ市内だから一緒に行こうぜ」

「うん」

「今から行っちゃう?」

 茶々は、案外せっかちだ。

「時間あるし行こうか。早く行っておいた方がいいからね」

 茶々がショーツを履いて、部屋着の薄汚い女からシャカパンのヤンキーに変身した。

「ママ、合格してたわ。んで、なんか入学手続きに戸籍がいるんだって。今から龍生と市役所に行ってくるよ」

 茶々がキッチンの母親に声をかけた。

「あら、おめでとう。手続きに戸籍がいるの?」

 母親が少し戸惑ったような声で返事をした。

「うん、今年から変わったんだって」

「そうだったのね。ま、人生色々あるわよ」

「じゃあ行ってきます」

「行ってらっしゃい」

 母親に送られて二人は市役所に向かった。

 市役所は、思ったほど混雑していなかった。

 二人は、あっさりと戸籍抄本の交付を受けることができた。

「初めて戸籍取ったけど、思ったより楽チンだな」

 市役所の庁舎を出た茶々が煙草に火を着けながら龍生の顔を見た。

「ほんとだね。今日は混んでなかったみたいだし。ていうか、街中で煙草はやめた方がいいんじゃない? 警察に見つかったら補導されるよ」

 龍生は、茶々が補導の常連だということを知らなかった。

「なに言ってんだ? あたしは煙草吸ってなくても歩いてるだけで補導されんだよ」

 茶々が笑いながら煙を吐いた。

「え、なんで?」

「あたしは必ず煙草を持ってるから、いちいち声もかけられなくなった」

「ちゃーちゃん、すごいねえ」

 龍生は、真剣に感心していた。

「ふふん、まあな。これでも茨城県警の警察官なんだぜ。県警の警察官が県警に補導されてんだ。どうだ、参ったか」

 茶々は、鼻高々だ。

「さて、帰るか」

 煙草を携帯用吸殻入れに押し込んだ茶々がバイクのヘルメットを頭に乗せた。

 市役所から茶々の家に帰る途中、萌が茶々の胃の中で運動した。

 胃の中で動く虫をリアルに感じるのはとても不快だ。

 茶々は、吐き気を催した。

「龍生、ちょっとタイム」

 茶々がひろちゃん号を停めた。

「おえぇ」

 道端で嘔吐した。

 胃の内容物と一緒に萌も道路脇の雑草に吐き出してしまった。

「あっ、萌」

 茶々は、慌てて吐瀉物の中から萌を摘まみ上げた。

 萌は、吐瀉物にまみれてうにょうにょと動いている。

〝ちょっと宿主殿、ひどいじゃない〟

 萌は笑っていた。

「ごめーん、だって萌がわざと胃の中で暴れるから」

 茶々も苦笑いで答えた。

〝早く戻してよ。乾いちゃうでしょ〟

 萌が催促した。

「え、でも、あの、ゲロにまみれてるよ、萌……」

 茶々がゲロまみれの萌を飲み込むのをためらった。

「じゃあこっちにおいでよ」

 隣から龍生が萌に手を伸ばして指で摘まんだ。

「はいどうぞ」

 龍生は、茶々のゲロにまみれた萌をためらいもなく自分の口に放り込んだ。

「んー、酸っぱいね。チーズの味みたい」

 龍生の顔が渋くなった。

「お前、よくあたしのゲロを食えるな」

 茶々は龍生が分からなくなった。

 自分ですらためらう吐瀉物をためらいもなく口にできる精神が分からない。

「え? 変? 全然気にならなかったんだけど」

 龍生は、きょとんとした顔をしている。

「ああ、たぶん変だぞ、お前」

 茶々が愛情を込めて罵倒した。

「そうなんだ。あははは」

 龍生は、茶々に罵倒されて喜んでいる。

「それじゃあまあ、帰るまで萌を頼んだぞ」

「いいよ」

 龍生は、萌を口に入れたままバイクに跨がった。

 家に着いたところで、龍生は萌を茶々に口移しにした。

 茶々は、喉を鳴らして萌を飲み込むと軽く身体を痙攣させた。

 喉の奥が気持ちよかったからだ。

「ただいまー」

「またお邪魔します」

 二人が玄関で元気に挨拶をした。

 茶々の部屋は、まるで二人の住居のようになっていた。

 龍生は、外泊することはないが、ほぼ茶々の部屋に入り浸りという状態だ。

「おかえりなさい」

 茶々の母親も普通に龍生をお帰りと迎え入れる。

「どれ、あたしの戸籍とやらを見てみるか」

 部屋に戻った茶々が市役所の封筒から戸籍抄本を出して机の上に広げた。

「へー、戸籍ってこんな風なんだ」

 茶々が感心したように言った。

「見ていい?」

 龍生が茶々の戸籍抄本を覗き込んだ。

「いいも悪いも、もう見てるじゃねえか」

 茶々がケタケタと笑った。

「で、お前のはどうなんだよ」

「あ、俺の? ちょっと待って」

 龍生がカバンから封筒を取り出した。

「よっと」

 市役所の封筒から戸籍抄本を引っ張り出して茶々に手渡した。

「なんだよ、自分の戸籍だろ。あたしに一番に見せていいのかよ」

 茶々は、ちょっと嬉しかった。

 戸籍という龍生の存在の根っこともいえる書類を真っ先に見せてくれた。

「いいよ、見て」

 そう言いながらも茶々の手元にある自分の戸籍抄本を覗き込む龍生だった。

「あれっ」

 龍生が声を上げた。

「どうした?」

 茶々が首をひねった。

「父と母の名前」

 龍生の顔に戸惑いの色が浮かんでいた。

「父と母の名前?」

 茶々は、二人の戸籍に記載されている父母の名前を見比べた。

「あれ?」

 茶々も不思議そうな声を上げた。

「でしょ」

 龍生が茶々の顔を見た。

 二人は、しばらく顔を見合わせて黙った。

「ちゃーちゃんと俺は誕生日が同じだよね」

「そうだな」

 また二人が黙り込んだ。

「どういうことなんだよ」

 長い沈黙のあと、茶々が口を開いた。

 茶々の声が震えていた。

「双子?」

 龍生が恐る恐る予想される結論を口にした。

「そうとしか考えられねえ」

 茶々も同意せざるを得なかった。

 二人の戸籍には、こう書かれていた。

 

 父 白川昌宏

 母 白川芳美

 

 茶々の姓は白川だ。

 父の名前は昌宏で戸籍と同じ。

 しかし、母の名前が違う。

 そして、龍生の姓は門脇だし、両親の名前が今の親とまったく違う。

「どういうことだよ」

 茶々は、疑問の言葉しか出なくなった。

「お母さんに訊いてみたら?」

 龍生が口を開いた。

「そうだな」

 二人で茶々の母親のもとにかけつけた。

「ママ」

 茶々が母親を呼んだ。

「戸籍のことでしょ」

 母親は、茶々が用件を言う前に当ててしまった。

「あ、やっぱりなんかあるのね」

「大いにあるわよ」

「なに?」

 茶々は、ドキドキしながら母親の答えを待った。

 その隣では、龍生も心臓を高鳴らしていた。

「あなたたちは二卵性双生児なの」

 母親が二人の顔を交互に見ながら、ゆっくりとした口調で告げた。

「やっぱり」

 茶々は、予想が当たったことを喜んだ。

「ということは、お母さん」

 龍生が深刻な顔で茶々の母親に問いかけた。

「近親相姦よ」

 母親は、あっさりと言ってのけた。

「えー、ダメなやつじゃん!」

 茶々が喜びの表情から一転して焦りを浮かべた。

「別に双子同士だからって恋愛を禁じる法律はないわよ」

 母親は、まったく動じていない様子だった。

「それはそうですけど、近親相姦はまずいんじゃないですか?」

 龍生が青い顔で食い下がった。

「なんでまずいの?」

 母親が真顔で問い返した。

「あの、遺伝的によくないって言われてます」

 龍生が理由を答えた。

「そうらしいわね。でも、それは子供を作るということに限って言われていることでしょ。恋愛を禁止する理由にはならないわ」

 母親は、あくまで冷静だった。

「だからゴム使えってうるさかったのね」

 茶々が母親が繰り返しコンドームを使えと口うるさく言っていた理由に気づいた。

「あなたたち二人に遺伝的な異常が出てなければ、おそらく子供を作っても問題はないと思うわよ。ただ、結婚はできないからね。法律でそう決まってるから」

「じゃあ、あたしたちは今のまま付き合ってていいの?」

 茶々が恐る恐る訊いた。

「私は構わないわよ」

 母親が笑顔で二人を祝福した。

「ママ、ありがとう」

 茶々が母親に抱きついた。

「ところで龍生君はどうなの?」

 母親は、龍生が青い顔をしていたので少し心配になった。

「俺は……」

 龍生が言葉に詰まった。

 茶々は、固唾を飲んで龍生の言葉を待った。

「俺は、ちゃーちゃんが好きです」

「これからもお付き合いさせてください」

 龍生が笑顔で宣言した。

「茶々、よかったわね」

 母親が茶々に笑顔で言った。

「でもさ、ママ」

「なに?」

「あたしの母は、名前が違うよ」

「そうね。あたしは茶々の産みの親じゃない」

「じゃあ、あたしを産んだのは誰?」

 茶々が疑問をぶつけた。

「茶々の産みの親は、あなたたちを産んで間もなく急性心不全で亡くなったの」

「死んじゃったんだ」

 茶々が沈痛な面持ちになった。

「それで、男手ひとつで双子の新生児を育てることはできないっていうことで、龍生君がいまのご両親のところに養子として預けられたというわけよ」

「そういうことだったんですね」

 龍生は、事態を理解したようで、すでに明るい顔になっている。

「そう、そして私は後妻だから」

 母親は、肩をすくめてペロりと舌を出した。

「実の母親じゃないから近親相姦でも気にしないの?」

 茶々がストレートな疑問を投げかけた。

「あはは、私がそんな無責任な母親に見える? 私が産んだんじゃないけど、茶々は私の大事な娘よ、愛してるわ」

 母親が茶々の頬を指でつついた。

「ママごめんなさい。ママは、いつでも素敵なママだったもんね」

 茶々がこぼれんばかりの笑顔で答えた。

「近親相姦かあ、なんか淫靡で興奮すんな」

 茶々が龍生に粘るような視線を送った。

「ちゃーちゃんは、順応が早いなあ」

 龍生が苦笑した。

「ということだから、二人とも仲良くね」

 母親が軽く締めくくった。

「うん」

「はい」

 二人は、元気に返事をして部屋に戻っていった。

「どっちが上なんだろ?」

 部屋に戻った龍生が素朴な疑問を抱いた。

「お前がお兄ちゃんに決まってんだろ」

 茶々が断言した。

「なんで?」

「兄は妹をいじめるもんだろ。だからあたしをいじめろよ」

「そういう不謹慎な理由は受け付けられません」

 龍生が笑いながら茶々の頬を撫でた。

「お兄ちゃん……」

 茶々が恥ずかしそうにつぶやいた。

「もう決まっちゃったの?」

 龍生も照れ臭そうにしたが、まんざらでもない様子だった。

「あれか、あたしたちもニクシロンと同じ二卵性双生児だったってわけか」

 茶々が遠い目でくわえ煙草をふかした。

「全然性格が似てないっていうところも同じだね」

 龍生は、ちょっと困ったという表情を作った。

「なあ、お兄ちゃん」

「ん? どうした?」

「あたし、お兄ちゃんの精液ずいぶん飲んだな」

「なにを今さら」

 龍生が苦笑した。

「もしさ、あたしらが最初から双子だって分かってたら、今みたいになってたかな?」

 茶々がしんみりとつぶやいた。

「たぶんならなかったね」

「そうだよな。もし好きになっても我慢してたよな、きっと」

「だから知らなくてよかったんだよ」

 龍生は自信たっぷりの態度で答えた。

「本当にそう思う?」

「まったく疑いなくそう思う」

 龍生が言い切った。

「ふふ、お兄ちゃんありがと」

 そう言いながら茶々は龍生のズボンを下ろした。

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