※この作品はR-18です。

恥丘征服   作:トラロック

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02 青春の後押し

 

 更に一年、つまり転移して二年ほど過ぎた頃にマイヤとカイリには引越しという理由で国外に出し、不慮の事故として処分する。

 後腐れも無いように身辺整理は適当にさせる。完璧すぎると不審がられる可能性が出ないとも限らない。

 元々結婚しているわけではなく家を貸しているだけの関係だ。いわゆる同棲というもので。

 独り身となった後で無愛想な少女と再会し、妊娠傾向が無いかの確認だけして別れる。

 別段、出会ったから殺すというのは短絡的だ。

 長い時間をかけているお陰で色々な貴族と繋がりが持てた。その中で貴族派閥が都合がいいと判断。もちろん、王派閥にもろくな人材は居ないようだが。

 貴族派閥に属する下位の貴族をいくつか動員し、秘密基地作りを始める。

 犯罪組織に利用されるようなものではなく、あくまで表向きは新しい農村の実験施設とか適当な肩書きにして冒険者に邪魔をされないような理由をいくつか用意してもらう。

 山の麓(ふもと)に秘密基地を作るのはワクワクする事だ。

 入れ替わり立ち代わり貴族に依頼された土木関係者や建築関係者に工事を始めてもらうが総事業費が金貨八十万枚規模。

 これが安いか高いかで言えば高い。

 少なくとも二つか三つの貴族を潰すほどに。

 大貴族であれば十分の一の資産に相当するらしい。

 土地購入で五十万。それと近くに村や職人を招く施設を作るのに余裕のある土地も必要になった。

 残りは人件費と建築費。こちらは意外と安く済んでいるのが疑問だが。

 通常であれば十年近くかかる工期だが、ナコトも参加するのでだいぶ短縮出来る筈だ。

 そういう仕事は割合嫌いではないので。

 序盤の穴掘りは一番時間がかかりそうだと判断した。

 

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 二キロメートル四方の四角い穴。

 溶岩地帯は出来るだけ避けたいので、事前に火山地帯の調査も行(おこな)わせた。

 山の一部を削り取る作業になるから安全は期した。

 水脈も必要。泥だらけになる事も覚悟の上だ。

 そうして十日ほどかけて掘り抜いた深さは百メートル。土砂は外壁作りと宿舎の建設に再利用する。

 意外と重労働であり、掘った後で地上を見上げると深く掘ったな、と感慨深いものがあった。

 いくらナコトでも一日で終わらせる事は出来ない。楽をすると後々落盤とか瓦解とか怖いので慎重に作業した。

 地道な作業だが別段、面白くない事は無かった。

 何かに集中して作業する。それはそれで新鮮な気持ちだった。

 深さはどれくらい掘ればいいのかは考えていなかったが深すぎるのは良くないかもしれない、という意見が出た。

 無限に掘る事はそもそも出来ないので。

 まず綺麗に正方形に掘りぬいた後、作業員が移動できるように簡易的な階段を設置していく。

 百メートルとはいえ上り下りは相当な労力となる。目標は五百メートルだ。

 初期の案では五キロメートル四方に一キロメートルの深さを想定していた。だが、実際に測量すると思っていたよりも長くて深かった。

 これはさすがに現地の職人でなくても断りそうだし、自分でも無茶だと自覚した程だ。

 それでも千メートルの穴は本当にあけたらきっと脅威だ。その二倍は尚更だ。

 すぐさま設計を直したのは言うまでもない。

 壁の土も瓦解しないように処置しなければならないが高い位置での作業になるので結構な期間を要する。

 急ぐ仕事とは思っていないので作業員の仕事風景を見物しながら自分も作業する。

 それは特に嫌いではなかったので苦にならず、日々興味深い生活が送れた。

 秘密基地にしては大々的な作業になってしまったが、変に隠しては後々煩わしくなるだろうから、これはこれでいいのかもしれないと思うことにする。

 掘り抜きの合間に村がいくつか出来て表は活気付いていた。

 作業員達の宿舎や日用品売り場などが出来た為だ。

 彼らが喜んでいる間に資金提供してくれた貴族が滅びていることなど露知らず。

 地下水が流れ込むのを色々と防ぎつつも肌寒さが襲ってくる。

 床は水浸し。確実に水源は確保できたのだが早い対処をしなければ水没してしまう。

 とはいえだ。

 綺麗に正方形に掘り抜くと見事としか言いようが無い。それを自分がやったとしても。

 大勢の作業員を守りつつ壁に木枠を当てたり、コンクリートを塗り固めていく。

 梯子なども使うし、賑やかな工事は久しく一人で活動していたナコトにとっては楽しいひと時だ。

 これら全てを口封じするつもりは無いが、のんびりと作ろうと思った。

 階層構造にする予定だが中心地に柱などがなければ自重で圧解してしまうので、どうすればいいのか。

 床を薄くすれば踏み抜いてしまうし、広間のままにすることも考えられるが屋根を作るのが大変になる。特に中心地に近い位置は真下まで吹き抜けになるし、作業員が怖がってしまう。

 地上からの入り口と後は何が必要なのか、図面を見ながら決めていく。

 そもそも何を作ろうとしているのか、はっきりしないのは困るだろうから。

 試行錯誤しながら更に深く掘っていく。その間に階層構造についての議論や柱の強度に関する資料がまとめられる。

 

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 季節が移り変わる頃、壁を補強しつつ五百メートルの深さに到達したのは三ヵ月後。

 普通は数百人規模で足場などを整えながら一年か二年はかかると言われた。正直、ナコトは一人で穴掘りして途中で飽きてきたけれど、放置するわけにはいかないと思い頑張った。全ては女体の為に、と。

 バカバカしくても原動力がいくらかあれば人は頑張れるものだと自分で感心した。

 殆ど一人での作業になったが測量などを行(おこな)い、意見などを聞いて綺麗に掘り進めると気分がいい。

 天気の移り変わりも影響したけれど、それは別にナコトにとってはどうということはなかった。

 それにしても巨大な穴が出来たものだと感心する。上に覆いをかぶせたいがニキロメートル四方を塞ぐものは都合よく見つからない。

 端から端へ、格子状にロープを渡したり、ナナメに新たなロープを渡して補強し、その上に縫い合わせたシーツを乗せたりする。

 普通であれば中心に行くたびに重さで沈み込み、職人が行けなくなる事態になる。

 空を飛ぶ魔法を持つ者には容易いのだが、第三位階の術者が近くにほとんど居ない。

 ましてニキロメートル四方の天空を移動する度胸を持っている人間はそうそう居ない。

 断るのが普通というか当たり前な程だ。

 もし浮遊する魔法がもっと普及していれば拡大も出来たかもしれないけれど、職人たちの青ざめた顔にはクズ人間のナコトも良心の呵責を感じた。

 作業員を酷使する気は無く、安全に作り上げてくれれば文句は無い。

 だかといって雑な仕事をしてもらっても困る。作業員には困難な仕事は出来るだけ自分でやる事にした。

 土砂崩れを考慮して壁の厚さは数メートルはほしい。気になった点はどんどん作業員と相談して決めていく。

 単に厚くしてもひび割れの問題がある。

 ゲーム時代であれば破壊不能オブジェクトで気にしなくて良かったのだが、色々と問題が山積みだ。

 鉄筋コンクリートは時代に合わない気がするし、現代建築も同様だ。

 だいたいこんな縦穴の建築など誰もしない。

 天然の洞窟をそのまま利用する方がいい。

 とはいえ、都合のいい洞窟があるわけでもない。

 まず必要なのは錬金術師と鍛冶師。

 近くに高い山があるので水源はほぼ問題は無く、下水道の完備や風呂施設は業者に任せても大丈夫だと思った。

 隠れ家として森の奥地に倉庫を建造し、今まで集めた容器類は保管している。ただし、埋設型なので建物として見つける事は難しい。そうでなければセキュリティーとして心許ない。

 自分に足りないのは持っていない能力と職業(クラス)だ。あと、狩り場によるパワーレベリング。それと経験値の割り振りなど。

 手持ちのステータスには限界がある。このままでは寿命が尽きてしまうのではないかと思う。

 それはそれで今までの苦労が水泡に帰して勿体ない事だが。

 縦穴の外壁は城砦建築に詳しい業者の意見を聞くとして、しばらくナコトに出来ることは足場作りくらいだ。

 それらが終わればしばらく業者任せの自由時間が出来る。

 見られて困る部屋があるわけではない。完成してから改造すればいいのだから。

 完全に埋設施設になると地上部分が寂しくなる。偽装を兼ねて農村でも作っておくか。それとも旅人用の集落を置いて人の往来を増やし、国に税金でも納められる施設にするか。

 それはおいおい考えればいいか。

 明らかな謎施設だと盗掘に来る不届き者が現れるかも知れない。

 

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 建設が天候に左右されないように天幕を張り終え、しばし大都市に向かい、息抜きをしようと思った。

 気が付けば転移後二年以上過ぎた下土月(三月)となっていた。

 時は無情だとしみじみ思う。

 大掛かりな施設なので隠しようが無いけれど。

 たくさんの人間の往来がかえってナコトの存在をうまく隠している。

 久しぶりの都市観光なのでナコトの事を覚えている者は少ない筈だ。居たとしても冒険者くらいだ。

 次の昇進で更に行動範囲と収入が増えるはずだが、それは急ぐ案件ではないから数日はのんびりしようと思った。

 南方から北上して近くにある都市と言えば『城塞都市エ・ランテル』だが、相変わらず変わり映えのしない風景に安心する。

 何者かの襲撃で廃墟になっていれば色々と不都合な証拠も消えて助かるが、利用する都市が減るのは素直に嫌だなと思う。

 検問を抜けて三重の守りの最奥にある市街地に赴くと多くの人間が歩いていた。

 強固な城塞都市とはいえ人の営みは活気があって自然と嬉しくなる。

 外道な自分とて幸せを感じられる心があるのは滑稽だが。

 さっそく手近な子供を洗脳しておく。つい可愛い女の子が歩いていたので。

 見た目では六歳くらいで出自は貧しいようだが、それはそれで別に構わない。

 あと、自分と同じプレイヤーが居ないか確認するのを忘れていたが、監視体制については特に気になる気配は無いようで安心する。

 まずは冒険者ギルドで情報集めだ。

 結構な間が空いたので新しい話題が無いか期待したのだが、街を危機に陥れるほどの事は無かったようだ。

 自分はソロプレイヤーなので仲間が居ないと目立つ気がした。

 あのメイドを仲間にすればよかったかな、とあっさり殺した事を後悔するが役に立つか分からないし、足手まといになっては困る。

 過ぎたことは仕方が無い。

 

「………」

 

 掲示板に緊急性のあるものは金級以上だから銀級の自分には受けられない。

 ここは不正する気は無い。

 エ・ランテルで出来そうな仕事はせいぜい墓地の見回りか、近場のモンスター討伐と薬草採取が多い。

 一年近く経てば現地の言葉もだいたい分かるようになる。

 もちろんエロい事ばかりではなく勉学も勤しんできた。

 収入に関して今のところ不自由していないが昇進には興味がある。

 目ぼしい噂が無いようなので宿屋探しに向かう事にした。

 名指しの依頼というものもあるけれど、今は受ける気が無かった。

 安宿で夜まで休み、それから夜間の街並みの探索に出かける。

 事前に得た情報では王国随一の錬金術師(アルケミスト)が居るのは知っていたが外に出るまで、すっかり忘れていた。

 それは次の日でもいいか、と思う事にして歓楽街を目指す。

 身を隠すために黒い服装で物陰に潜みながら。

 監視が無いか、追跡者の気配が無いか気をつけつつ。

 

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 どこの世界にも悪党は居るものだ。この街にも裏組織とかが根城を築いているかもしれない。

 洗脳に対する対策を取られている場合があるので、出来るだけ下っ端を狩っておく。

 それと酒場の美人看板娘とか居ないかも確認する。

 前は少し殺しすぎたので、今回からは生かす方法も模索しなければならない。

 殺人の容疑者捜索などを依頼に出されては色々と面倒だ。特に同じプレイヤーに感づかれるのは不味い。

 仕事熱心になってから喋る機会が少ないが発声には問題は無いようだ。

 

「いらっしゃい!」

 

 夜中なのに元気な挨拶をする酒場のおばちゃん。

 特に理由は無いが笑顔になってしまう安心感がある。

 

「オススメの定食をひとつ」

「はいよー!」

 

 威勢のいい声は年齢に関係なく耳に優しいものだ。

 毒に耐性がある装備で固めているから食事に関してはなにも問題は無い。

 一通り食べ終わり、街中の探索を続ける。

 狭い路地から薄暗い下水道に入れば根城にしている浮浪者達の姿が見えてくる。

 悪臭漂う世界ではあるけれど住処の無い者にとっては一つの安住の土地だ。もちろんネズミ型のモンスターがおり、戦闘になれば病気になる者が出てしまう。

 それらも冒険者の仕事ではあるけれど、エ・ランテルの下水は事前に駆除作業が行(おこな)われたのか、割りと清潔になっている。

 戦争時に多くの兵士を招き入れる都市なので健康管理は徹底されていて、下水も定期的に見回りがされていると聞く。

 寝泊りできるのは多くの努力の賜物だ。

 地上と下水道を何回か移動した後で事前に作らせた隠し部屋に向かう。

 横壁を破壊しない限り、下水道からの進入はほぼ不可能。そんな場所が各都市にいくつか存在する。

 荷物と呼べるものは無く、代わりにグリーンシークレットハウスを丸々収納できるスペースになっているので、モンスターやゴミでも無い限りは特に問題は無い。

 

「地下生活に慣れてしまうと地上に出るのが怖くなるな」

 

 防音対策が取られているので独り言をつぶやいても問題は無い。

 息苦しさはあるが仕方が無い。

 敵はいつ何時(なんどき)襲ってくるか分からないから。

 殺人事件の捜査が無いのは確認した。身寄りのない者や冒険者を選んだのだから当たり前だが、偽装という点が残っている。

 この世界が異世界で良かった、と言えるかもしれない。

 まずは定番の情報収集だが大きな事件は無い。ならば趣味の時間に使うべきか。

 錬金術師の確保。鍛冶師の情報は不明だが他の都市かバハルス帝国にでも行かなければ駄目かも知れない場合もある。

 行ったり来たりは面倒臭い。

 とはいえ、一つの都市に全てが揃っているわけではないし、実に難儀する事だ。

 後は仲間の問題がある。

 ソロは何かと目立つのではないかと。

 手足となって動いてくれる部下、という線の方がいいが変な犯罪組織になってしまうと色々とやはり面倒臭くなる。

 かといって都市の近場に巨大施設を作れば目立つ。

 どちらにせよ、派手になっては行動がし難くなる。

 

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 しばし休んだ後、地上に戻る。とはいえ周りは暗黒空間。夜目の利く対策をしていないと歩行が困難な程だ。

 そんな闇夜を念のために不可視化し、移動していく。

 足音と気配断ちは油断しない為だが後ろめたい事をするとドキドキする。

 散々悪さして警告一つ来ないのだから今更な話しだ。元のゲームは終わりを告げたし、今更登録を消されても毛ほども気にならない。

 というのは嘘だ。

 折角色々と作っているので、もうしばらくは現界していたい。容器類も放置しておけないし。

 淡い希望を抱きつつ狭い路地を静かに移動していく。

 普通ならば様々な裏組織の人間が血生臭い死闘を繰り広げているところだ。

 都合よく毎日イベントが起きるわけはないけれど、どこで期待している自分が居る。

 毎日であれば騒動の一つも噂として聞こえてこないとおかしい。

 死体の量産を無視できるほど治安は悪く無い筈だ。

 

「……わぁ……」

 

 と、小さく聞こえるのは誰かの悲鳴。

 待ち望んでいたイベントの発生か。それにしてはタイミングが良すぎて逆に怪しい。

 今まで何も起きていないからこそのエンカウント(遭遇)ということもあるかもしれない。

 慎重に塀に上がり、駆けていく。もちろん、身体はローブで隠し、仮面もかぶり気配も断つ。

 不可視化も併用しているので一般的な人間なら感知はほぼ無理だ。

 暗殺に長けてはいないが隠密系の技は自然と身につけた。

 本格的なものではなくてな(・)ん(・)ち(・)ゃ(・)っ(・)て(・)だが。

 そうしてものの数分で現場に到着する。

 暗闇でも見通す『闇視(ダークヴィジョン)』の仮面のおかげで真昼のように辺りを見渡せる。

 それによれば黒いフードを被った何者かが何者かを追い詰めているところだった。

 話し声は聞き取れないが片方は男性。もう片方は軽装鎧を着ているのが見えた。

 どちらかを助ければイベント発生かもしれないが、ナコトは別に正義の味方とかではなく、自他共に認める外道でゲス野郎だ。

 両方が野郎(男)なら共に始末するか無視する。片方が女性で追い詰められていれば野郎を殺して女は好き放題にする。

 逆でも同じだけど野郎は確実に死ぬ。

 女を殺す趣味は無く、なんとなく口封じしていただけ。

 拷問するほどの趣味があればもっと完璧なゲス人間になれたのかもしれないけれど、残念ながらそこまでのめり込めないし、弱者をいたぶる楽しみが理解出来ない。

 そこは淡白だなと思わないでもない。

 そんな事を考えていると追い詰められていた人物が始末されたようだ。

 観察した程度では武器に何らかの魔法がかかっており、相手を操るタイプのようだ。

 途中で攻撃者がフードを開けて素顔を晒す。

 金髪のボブカットという髪型なのか、ふっくらと膨らんだ短髪が見えた。

 風に揺られるローブの中身は胸の盛り上がりが確認出来たので、襲撃者は女性だと判明する。いや、そう思い込んでいるだけで実は男というオチがあるかもしれない。

 

 その時は殺すだけだが。

 

 女戦士か、女暗殺者か。

 どちらにしても男性相手に全く気後れしないのは歴戦の戦士かもしれない。

 他に潜んでいる者が居ないか見てみたが、どうやら全て彼女が倒したようだ。というか女性だとしておこう。遠目からも顔立ちはある程度見えている。

 ナコトの印象では男性には思えない。だが、今は女と思い込んでおく。

 

「………」

 

 監視者は居ないようだし、挨拶でもすべきかな、と。

 臭いセリフを言う気にはなれないし、どういう出会い方がいいのか。

 相手が一流の戦士なら殺気だけで特定されるかもしれない。それはそれで凄いけれど。

 この世界の一流と戦う機会はそうそう無いし、政府の諜報員なら安易に始末も出来ない。

 そんな事を考えていると小石が飛んできた。当然、物思いに耽っているとはいえ避けられない事はない。

 気配を消している相手を察知する相手のようだ。

 すぐさま地面に着地するナコト。

 

「……まさか追手か?」

 

 と、相手の声が聞こえてきた。

 とても可(・)愛(・)ら(・)し(・)い(・)女(・)性(・)の声で安心する。だからといってバカ正直に返事はしない。

 無音の接敵。それに対して相手は驚いたようで、武器を手に取り迎撃態勢に移行した。

 不可視化しているのに動きが読まれている、というのは意外だと思った。

 空気の流れでも読んだのか。

 沈黙地帯(ゾーン・オブ・サイレンス)の魔法は使っていないけれど、見事だと思った。

 

「〈超回避〉、〈流水加速〉」

 

 ユグドラシルでは聞き覚えの無い技名だ。

 物凄い速度で移動する敵。

 少し残像気味だった。

 魔法名とは違うので固有の特殊技術(スキル)と認定する。

 それでもカンストプレイヤー相手に対しては遅(・)い(・)と言えるけれど。

 技を使った懸命の攻撃なのは認めるが、素のステータスの差が現実の厳しさを教えている。

 流れるような動きは本来ならば視認出来ないところかもしれない。しかしながら、ナコトには相手の動きがち(・)ゃ(・)ん(・)と(・)見えている。

 彼の実力はユグドラシルでは中の中。

 カンストはしているが何かに秀でた能力は持ち合わせていない。適度に楽しめればそれで良かった。それゆえに面白さに飢えていた事があるのかもしれない。

 規制だらけの真っ当なゲームプレイに飽き飽きしていた。

 異世界転移という空想上のありきたりな設定が現実に起きて、少し浮かれていた事は認める。

 だからとて拷問大好きの外道なプレイはどうも面白みがない。

 達成してしまえば、こんなものか、という失望感でもあったのか。

 とにかく、新しい事に自分は飢えている。もちろん、常に楽しい事が起きる保障が無い事は分かっている。

 制限が無いからこそ長く楽しむ方法を模索すべきだ。

 こんな世界に来た事自体が奇跡なのだから。実に勿体ない事だ。

 ナコトは不可視化した状態のまま襲い掛かる者に一撃を見舞ってみる。すると気配だけで危機を察知した敵が反応する。

 

「……ふ、〈不落要塞〉っ!」

 

 見えないまま攻撃が飛んできて相手は素早く対応しようとした。

 武器でこちらの攻撃を防ぐ技のようだ。だが、残念ながらステータス的に優位にあるようだから相手の対策は割りとよく見えている。

 出された武器を掴み、強引に引き寄せる。

 普通ならば驚くに値しない。だが、今はお互い超加速の戦闘中だ。

 一秒にも満たない攻防で急に方向転換する相手に対応することはとても難しい。

 空いている方の手を拳にして相手のこめかみを殴りつける。

 一瞬、白目になったのが確認出来た。それはすなわち攻撃が通った事を意味する。

 武器を放し、反対側からもう一撃見舞い、脳を揺さぶる。

 あまり強すぎると頭が破裂するかもしれないので慎重に行(おこな)った。

 

「……あぅへ?」

 

 変な言葉が漏れ出る相手。

 露(あらわ)になった胸部はやはり女性。それも結構露出度の高い軽装鎧。

 すぐさま引き寄せて人間種支配(ドミネイトパーソン)などの魔法を叩き込む。それで戦闘は終了する。

 ここまでの戦闘はおそらく一秒ほど。

 体感時間的には一分ほどだが。

 状況判断の早さにはナコトも驚いた。けれども、終わってみれば相手がどの程度強かったのかは分からなかった。

 

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 相手の名前は『クレマンティーヌ』といい、スレイン法国出身の戦士。

 秘密部隊『漆黒聖典』を裏切り逃亡中。

 二つ名は『疾風走破』で兄が居る。

 ここまでは分かった。その後はまだ続くようだが名前と簡単な紹介だけ分かれば充分だ。

 後は傷などを治して改めて質問するだけだ。

 短時間で聞き出す理由は非効率的な魔法の弊害だからだ。

 記憶操作(コントロール・アムネジア)は相手の過去を遡るほどにMP(マジックポイント)がどんどん減ってしまう。一休みしてしまうと最初からやり直しになる。

 隠れ家に連れ込んだ後、自害しないかの確認を終えて色々と聞き出しておいた。

 すんなり喋る事に今はもう何の抵抗も無い状態だ。

 過去に敵に捕まり拷問を受けたり、非処女であることも分かった。年齢は高めだが別段、問題になるほどではない。

 答えさせているがナコトは仮面で身元を隠しいる。

 クレマンティーヌは自分が何処にいるのか自覚できていない。そういう自己暗示にかかっている。

 彼女が所属する組織について、女性がどれだけ居るのかだけ聞きだした後はどうでもいい。

 いや、本当は大事なことなんだろうけれど、ナコトの興味は見目麗しい女性ばかり。

 後は適度にモンスターの情報くらいだ。

 このエ・ランテル周辺は骸骨(スケルトン)や小鬼(ゴブリン)などの雑魚モンスターが多く、亜人は都市部からかなり離れた場所に行かないと駄目らしい。

 あと、スレイン法国の近くの森には森妖精(エルフ)の国がある事が分かった。

 尋問はそろそろ終わりにしておこう。

 彼女の防具は冒険者プレートで出来ていたが別段、興味は無いので無視する。

 仲間にするには色々と問題がありそうだから保留にしておく。他国の人間では動き難いかもしれないし、何だか有名どころのようだし、素直に帰した方がトラブルが減るかもしれない。

 それはそれとして早速全裸になっていただく。

 ここは防音対策がしっかりしているので多少の嬌声は漏れ出ない。

 血まみれになっても水を浄化するアイテムや魔法があるので下水にも優しい。

 まずは風呂場で軽く女性器を切除。子宮までボロボロだという話しなので内臓をある程度引っこ抜く。そして新しく再生させる。

 意識があると色々とトラウマが記憶にこびりつくだろうから目隠しや睡眠(スリープ)と混乱(コンフュージョン)をかけておく。

 別に女性が暴れる姿が見たいわけではない。それは最初のうちで満足した。

 弱い者いじめする趣味がなくて良かった。とは思うもののやってることは非人間的だ。

 引き締まった肉体を持つクレマンティーヌは高い身長を持ち、金髪に赤い瞳。胸は大きめ。身体は全体的に整っているので足も長めで素晴らしい。

 バラバラに持っていくのが勿体ない。

 とはいえ、まずは赤い瞳から頂いていく。

 鼻とか唇はやはり気持ち悪い。整った形と言えば耳と眼球だ。

 あまり顔を傷つけないし。

 心臓とか内臓は個別に綺麗だ、とは思わない。

 舌も要らない。食人に興味は無いので、食用という考えは無い。

 普通の食生活でよかった、と今は思う。

 掛け値なしのクズ人間なら理性も吹き飛んで、気がついた時は破滅していること受けあいだ。

 残念ながら自分は趣味が偏っているお陰でグロテスクにあまり染まりきれていない。

 ただ、眼球を取り出す作業には少し抵抗を感じるけれど。

 性器切除に比べればまだマシかもしれない。

 新たな容器を満たして、目隠しした後は性器も玉状で保管すれば次は大きな胸。

 飾り用だとしてもちゃんと区分けしていないと困るので、そこはちゃんと考えておく。

 金髪碧眼ばかりでは集める楽しみが減退してしまう。

 脳と心臓は避けているが適度に治癒しないと普通なら出血死しているところだ。あと、ショック死しないように『睡眠(スリープ)』などをかけて痛みを軽減することも忘れていない。

 普段から身体を鍛えているのか、型崩れしない肉厚な胸は揉み甲斐がある。

 まずクレマンティーヌを後ろ手に縛り付けて天井から吊るすようにしておく。あとうるさくなるので猿轡(さるぐつわ)も噛ませておく。

 寝転がった自分(ナコト)に馬乗りにさせ、正座した状態で男根を挿入する。咄嗟に逃げようとしても動きにくいし、自分である程度腰を動かせるようにしておく。

 目隠しはグロい状況を見せない為の措置だ。

 動きに余裕を持たせるのは痛みを快感で紛らわせる為。

 激痛を感じるほど腰を激しく動かすように命令しておく。

 胸を突き出した状態でクレマンティーヌは鼻息荒く腰を上下させる。

 その間にナコトは果実を収穫するように肉厚な胸を搾取していく。

 片方に刃が入るたびに半狂乱で腰を動かすクレマンティーヌ。その動きによって手元に狂いが生じるような貧弱なステータスではない。荒々しい動きでもちゃんと合わせられる。

 作業時間としては片方で数十秒ほど。

 形を把握し、一気に刃物を通せば意外と簡単に済む。

 両方の胸が無くなると血が飛び散るがすぐに治癒魔法で回復していく。

 脂肪分の補給の為に濃厚な牛乳を適度に飲ませておく。腹を下してもお構いなしに。

 血と混ざって桃色の液体が辺りに飛び散る。

 それを何度も繰り返し、何度も絶頂に達した女戦士は息も絶え絶えとなっていた。

 下痢による脱糞。それによる悪臭により、気持ち悪くなって嘔吐もした。それでもナコトは文句一つ言わない。

 数分も経てば匂いは消えていく。それは浄化の魔法などを駆使しているからだ。

 搾取した胸は放っておけば血の巡りが悪くなり、いずれは腐っていく、と思う。

 それを防ぐ為に心臓を抜き取っておくことにする。さすがに意識がある状態では死んでしまう気がするので慎重に行動する。

 完全に眠らせた後で丁寧に心臓を取る。血液に関しては再生した部位から採取した方が楽だし、早い。その辺りは後で実験する必要があるけれど。

 心臓だけだと誰の者なのか分からない。これは完全に観賞として飾る事は出来ない。

 それから更に大掛かりな搾取が何度も繰り返される。

 行為が終わって目隠しを取れば綺麗な風呂場しか見えない。

 軽く身体を洗われた後、意識を失うクレマンティーヌ。

 

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 次にクレマンティーヌが気がついた時は薄暗い路地裏が見えた。

 余程疲れたのか、壁際で眠っていたらしいが側には自分が殺した人間が転がっていることに気づく。

 

「あっれー? なんでこんなところで……。えー、全く思い出せない」

 

 疑問符がたくさん脳裏に過ぎるが立ち上がると不思議と身体が軽くなったような気持ちよさを感じた。

 充分な睡眠を取ったからなのか、クレマンティーヌには分からない事が続いていた。とはいえ、側に死体があっては誰かに見られてしまう。いや、すでに見られた後かもしれないけれど。早く現場から離れた方がいいと判断し、立ち去る事にした。

 そんな彼女の後ろ姿をナコトは見なかった。

 もし見送ろうとしていれば察知される恐れがあったので、黙って引き下がった。

 それよりも風呂場の清掃で今はとても忙しい。

 次の日は目的である錬金術師(アルケミスト)の店に赴く。

 冒険者向けの回復アイテムなどを製造する店で高額な回復ポーションなどを扱っていた。

 薬草類も豊富で加工もしている。

 従業員は店主の老婆『リイジー・バレアレ』と孫の『ンフィーレア・バレアレ』という男子の二人っきり。

 他の店も冒険者の為の様々なアイテムを販売している。

 特にバレアレは王国でもかなり高名な錬金術師(アルケミスト)だと言われている。

 アイテム製作について色々と教えてもらえるかもしれない。

 さっそく店に赴き、店内を物色する。

 加工を行(おこな)っているだけあり、様々な臭いが充満していた。

 高額商品があると聞いていたので客足は殆ど無かった。

 それでも貯めた金でポーションを買い求めたり、毒消しや麻痺などの薬草を買う客が居るという話しだった。

 

「いらっしゃいませ」

 

 と、店の奥から元気よく声を出したのは金髪で目元を隠した怪しい人物だった。

 老婆ではないことは分かったので、この人物がンフィーレアだと思う。

 肝心の老婆は店の奥にいるのか姿は見えなかった。

 まずナコトは店にある物を尋ねていく。

 

「毒消しに回復薬や滋養強壮、様々な病気に対する薬などを製造しています。販売のほかに森で薬草採取をしたり、依頼を出したりしますね」

 

 他に店員が居ないのか、一応尋ねてみた。

 

「おばあちゃんは店の奥でポーションの製造研究をしています。今日は研究に掛かりきりじゃないかな」

 

 それを聞いて安心するナコト。

 別段、どちらでもいいがまず確保すべき人物に魔法をかけておく。

 何気なく近くに寄る行為は自分が同性愛者ではないのか、と我が事ながら疑いたくなる。

 確かに可愛い男の子なら好きかも知れないけれど。程度があるので誰でも良い訳ではない。

 店で聞くと他の客に迷惑だから非番の日に来てもらう事にして魔法を解除する。

 約束の日まで街の散策や冒険者ギルドの受付嬢の確認などをしておく。

 冒険者で目ぼしい人物は居ないが高レベルプレイヤーが混じっているのは危険なので、今はまだ様子見だ。

 約束の日はンフィーレアが冒険者ギルドに依頼を出す日で、その帰りに次の日まで時間が空く事になっていた。

 名指しの依頼の予約だとか。

 ナコトには無関係の話しのようなので待ち合わせの場所に向かう。

 拠点には既に人間種支配(ドミネイトパーソン)をかけておいた女の子を一人用意しておいた。

 ちょっとした顔見知り、という役回りで食料の買い出しなどを行(おこな)って拠点に向かう。

 翌日まで自由時間を祖母から貰っておいたので邪魔される事が無い、という。

 数年来の友達であれば色々と後々不都合が生まれるので多少の世間話しとナコトが欲しい情報などを聞き出す。

 大事な事は錬金術師(アルケミスト)として何が出来るかだ。

 ンフィーレアの持つ職業(クラス)を一通り聞いておく。

 折角来た女の子は事前にいくつか眼球やら性器は取っておいた。ほぼ観賞用だ。

 痛がる泣き顔に興奮するような、もっとゲスな人間であれば良かったのだが、そこまで冷血にはなれない。

 最初のうちは結構殺していたけれど。

 そもそも目玉をくり抜いておいてゲスではないと言い張る自分は立派な駄目人間だ。もっと言えば倫理観もほぼ無いに等しい。

 まあ、やっちまったもんは仕方が無い。出来るんだからしょうがない。

 きっとたくさんの言い訳をこれからも言い続けると思う。

 こんな世界に転移させたのが間違いだからな、と神様とやらに言っておく。

 ンフィーレアは室内にある椅子に座り、テーブルの上にナコトの為に持ってきた情報が書かれた羊皮紙や書物を並べていく。

 その後でナコトは薬草臭い身体を洗ってくるように言っておく。もちろん事前に湯は沸かしてある。

 特定の言葉に従順な反応を示す彼は二つ返事で頷いた。

 季節的に肌寒くはない筈だが女の子の方もタオルやら飲み物などを床(・)に用意させておく。

 このまま帰さず殺したりはしない。

 あまりに殺しすぎると孤独感に支配されそうなので。

 誰も居ない世界を独り占めしても虚しさしかない。

 それから女の子に自由に食事などをしておくように言いつけ、今後の事を考える。

 

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 施設の建設はまだしばらくかかる。その間に特殊技術(スキル)やパワーレベリングの方法などを模索する必要がある。

 今のままでは時間ばかりかかってしまうので。

 特殊な職業の人材をある程度集めておかないとこの先、とても不安だ。

 一人では限界がある。それはよく分かった。

 一年などあっと言う間に過ぎ去ってしまう。

 そんな事を考えてながらンフィーレアの座る椅子の様子を見ておく。

 座る部分に尻がはまらない程度の丸い穴が空いている。ひび割れが無いか確認する。

 椅子の下は囲いの付いた受け皿が置かれている。

 

「用意はいいかい? 教えた通りにするんだよ」

「は~い」

 

 子供に悪い事を吹き込む大人。

 現実だったら逮捕されている事も異世界では平気で出来る。それはある意味、自由というか馬鹿げている。

 風呂上りのンフィーレアが戻ってきた。上半身と足元の靴以外は丸出しで。

 髪の毛と同じ色の少し濡れた陰毛と茹で揚げたような陰茎と陰嚢をブラブラと揺らしつつ見せつけながら椅子に座る。

 テーブルがあるから違和感は無いけれど、下は完全に裸だった。

 椅子の穴からこぼれるンフィーレアの柔らかく皮に包まれた小さな男性器。

 ナコトは彼の対面に座り、話しを聞く体勢になる。

 上だけ見れば気にならない。

 少女は早速テーブルの下に潜り込み、ンフィーレアの両足を開く。普通なら拒絶されるのだが今の彼はされるがままだ。

 幼い手で触れられても文句一つこぼれない。

 まずは軽く股の周りをタオルで拭いていく。そして、少し尻を浮かせてもらい手拭を挟めておく。

 これは長時間座ることによって素肌と椅子がくっついて立ち上がる時、皮膚を傷めないようにする為だ。もちろん念のために。

 それが終わった後、少女はンフィーレアの股に顔を突っ込み、陰毛に気をつけて男根を吸い込むように口に含む。

 その上では頬を少し赤く染めつつ錬金術の説明を始めるンフィーレア。

 わざと音がするようには言いつけていないが小さな少女にプロ並みの行動など出来ない。だからど(・)ん(・)な(・)音(・)が(・)し(・)て(・)も(・)指摘しない事になっている。

 苦しい体勢かもしれないので、辛かったら休むようには言ってある。

 口に含んだ後は彼の両膝にそれぞれ腕を絡めて体勢を維持する。

 後は口の中で舌を動かしていく。それだけでンフィーレアの男根は刺激により勃起して少女の口の中で真っ直ぐな棒状となり形が安定していく。

 喉に到達すると吐き気を催すので、ある程度の長さを感じたら顔を少しずつ離すように細かい指示は与えてある。

 後は舌と唇による往復運動を繰り返す。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 それから十分くらい経ってンフィーレアが急に呻いた。

 少女の口の中に射精した合図だ。もちろん、全部飲み込むように指示しているので、テーブルの下では丁寧な作業が続けられている筈だ。

 もしンフィーレアの男根が射精後に萎えるようであればナコトに軽い蹴りで合図が来る事になっている。

 

「……はあはあ。し、失礼。急に……尿意が……」

 

 と、顔では笑っているが自分に何が起きているのか理解していないンフィーレア。

 その様子はとても少年らしく見えて微笑ましい。

 歳は十六歳を超えたところだったかな、と。

 話しを再開しようとしたンフィーレアはブルリと身体を震わせた。本当に尿意が来ているようだ。下半身が丸出しなので無理もないけれど。

 尿意を感じた場合はテーブルの下に居る少女の頭を両手で挟み、そのまま本当に放尿する。

 

「……ああ、気持ちいい……」

 

 目の前にナコトが居るのに一人個室で用を足している気分になっているンフィーレア。

 彼の頭の中ではテーブルの下で少女の口がトイレになっているとは全く思っていない。

 少女は急に温かい水が怒涛のごとく喉に当たり、驚きつつも一生懸命にこぼさないように飲み込んでいく。

 それが一分ほど続き、満足したンフィーレアは少女の頭を撫でる。それが合図となって少女は彼の男根を舐め始める。

 残尿一滴残さないように吸い込みながら。

 大便の方は流石に食べさせず、そのまま下の受け皿に落とすようになっている。もちろん、後で捨てる。

 飲尿は許しても食便は気が引ける。そこまで出来れば立派なゲス人間へ一歩近づけるのだが。そこまでの勇者にはまだなれそうにない。

 これが汚いおっさんなら平気だ。

 そして、話しが再開する。

 ナコトは下を覗き込まないので話しは本当に真面目に聞いていた。だが、ンフィーレアは合間合間に呻く。

 普通なら三回ほども射精すれば萎えるところだ。出し終わって気が緩んだ隙に彼の腕に触れて治癒魔法をこっそり使っているので精力はすぐに回復する。

 飲み物も多めにテーブルに載せているので水分補給は絶えず出来るようになっている。

 さすがに百回も射精はしないだろうけれど、若さゆえにどれだけの頻度で射精するのか、それは少し興味がある。

 ナコトの身体はアバターなので実感が分からないが、現地の人間の精力の強さは気になる。

 

「……ううっ。……あぁっ」

 

 生々しい呻きを聞きながら話しを聞くのは意外と恥ずかしいな、とナコトは楽しくなって頬が緩む。今のは少し長めに出たな、と。

 舌を動かすのが辛くなれば、先端部分だけ含んだまま手で刺激する方法に切り替える。

 少女の小さな両手による優しいマッサージ。

 一分ごとに呻くところを見ると相当気持ちがいいようだ。

 尽きない精力にも関わらず話しに集中しようとする真面目な性格のンフィーレアは人間的に好ましい。だからこそいじめ甲斐がある。

 必要な事をどんどんメモする事は忘れていない。

 精確な数は数えていないが話し終わるまでに四十回は射精したのではないだろうか。普通であれば不可能だ。とんでもない大きさの陰嚢でもない限り。

 放尿は七回ほど。

 少女は話しが終わるまでずっと待機していたので何回か漏らしていた。しかし、それは織り込み済みで、事前に掃除用具は揃えている。

 

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 白熱した議論だったように酷く疲れを見せるンフィーレア。

 勃起したまま風呂場に向かい、ゆっくりと寛ぐ、と思わせて実は違う。

 まず少女が酷い有様なので全裸にして風呂場に行ってもらう。その間にナコトは床掃除などを行(おこな)う。

 それらが終わった後は風呂場を覗く。

 中では椅子に座った少女の身体に射精し続けるンフィーレアの姿があった。

 一向に萎えず、衰えない精力を収める為に。

 記憶操作(コントロール・アムネジア)により皮被(かわかむ)りしていた男性器は既に立派な姿に変貌していた。

 白人系の身体のせいか日本人よりも少し長めに見えた。まだ歳若い筈だが形は立派な大人と遜色ないものだ。

 自慰行為の方法は何となく分かっていたのか。少女の刺激を真似たのか。とにかく自分でも出来る所は感心した。

 いちいち呻かなくてもいいのだが、少女に合図として知らせる意味でもあるのか。そこはナコトの関知するところではなかった。

 精液が何処から出るのか間近で観察する少女。

 ンフィーレアは少女の小さな足首を掴み椅子から落ちないように気をつけつつ左右に開いていく。その間、少女は一切の抵抗を見せない。

 しっかりと延ばされる脚は少女の意思によるもの。それだけ見れば世の男性陣で勃起しないのは機能不全を起こしている者くらいか。

 まだ勃起が収まらない男性器を割れ目程度の小さな女性器に当てる。

 年齢的に差し入れることは可能かもしれないが、そこまでの指示は与えていない。童貞卒業は彼(・)女(・)の為に残してあげようと思った。

 いたぶる趣味があれば少女の洗脳を解いて観察するかもしれない。それをする場合は悪人からだ。

 今のところ悪のロールプレイに魅力は感じない。というより、洗脳系で既に手遅れのような気がしないでもないけれど。

 あくまで自分が面白いと思わない事はやりたくない。現状はまだ試行錯誤中だ。

 ナコトが物思いに耽っていてもンフィーレアは言葉無く行為を続ける。

 皮がめくれ上がった今にも爆発しそうな太さの男性器。限界まで堅くなった男根をゆっくりと女性器の上で擦り始める。

 柔らかい肉の上で蠢く棒。ゆっくりと腰を動かすンフィーレア。性行為についての知識を彼が持っているのかはナコトは知りえない。

 自分が腰を動かす行為に対し、何も疑問は抱かないのか。

 魔法による命令でも出来ない事があるかもしれない、と思っているのだが、今のところ与えた命令を忠実に遂行している。それらも時間をかけて解き明かしていく事にする。

 相手の尿道などが見えている中、自分の肉の割れ目に半分ほど埋まったり、出てきたりする様を少女はただ興味深げに見つめるだけだ。

 数十回、肉同士を擦り合わせた後、勢いの付いた射精をする。

 はっきりと音が出るわけではないけれど、呻き声が射精感を伝えてくる。

 性器からお腹へ、そのまま首元まで飛んでくる白い粘液。それが更に何度も噴き出してくる。

 

「……あっ……。うっ……」

 

 射精するたびにンフィーレアは仰け反るが行為は止めずに一心不乱に擦り続ける。

 続けていると男性器に当たる小さな突起物に気付き、それが更に快感を覚えさせる。

 それは少女の硬くなりかけた陰核だった。

 彼女の顔や声にはまだ何も現れていないが、いずれは快感を覚えていくのかもしれない。

 

「……おしっこ、していい?」

 

 可愛い少女の声に対し、擦り付けることは決してやめないンフィーレア。

 

「い、いいよ」

 

 他人の肉棒が少し邪魔だな、と思いつつも下半身に力を込めていく少女。

 尿道部分が刺激されているので早い段階で放尿が始まる。だが、ンフィーレアの陰茎が入り口を邪魔するので辺りに飛び散っていく。

 陰茎が後退すると飛び上がり、迫ると飛び散る。それを数回繰り返す。

 終わる頃に彼の射精が飛んでくる。

 その様子が面白かったのか、少女は微笑みながら文句一つ言わずにンフィーレアの行為を眺め続け、顔にかかった時は手で救い舐め取る。

 更に二回ほど射精した後、少女の脚から手を離し、重労働を終えたように荒い呼吸をするンフィーレア。

 

「……はぁ……、ふぅ……」

 

 その様子を見ていた少女は自分から男根を口に含んで射精のお手伝いを始める。

 口に含んで舌で舐めたり、小さな手で刺激を与える彼女の頭をしっかり固定する。

 快感が頂点に達した後、遠慮なく彼女の口腔内に射精。それを何度繰り返したことか。

 無限かと思われた一連の行為は三十分ほど経って終わりを告げた。

 そこまで続けられたのはナコトが定期的にンフィーレアに治癒魔法をかけていたからだ。だが、彼は精力が定期的に回復する事に違和感を覚えず、ただただ事務的に行為を続けていた。

 

「……はぁ、はぁ……」

 

 一生分の射精をしたように男根は一気に萎えて、見違えるほど小さくなっていった。

 それはまるで萎れた花のようだった。

 その後は二人共何事も無かった様に身体を洗って普通に出て来た。

 少女には手伝ってもらったお駄賃を渡し、真っ直ぐ帰ってもらうことにした。

 ここであった事は白い飲み物を飲んだ、くらいしか覚えておらず、次第に忘れていく。

 

「……凄い疲れて眠くなってきました……」

「寝床があるから泊まっていきなさい」

「ありがとうございます」

 

 尋常ではない疲労感の為か、ナコトの言葉に何の疑いも見せずに従うンフィーレア。

 当然、泊まる事は織り込み済みだ。

 抗えない暗示というのは空恐ろしい。

 名も知らぬ少女との行為も次の日には覚えていない。というか自分が射精した事なども全く覚えていない、かもしれない。

 というところまではナコトでも分からないけれど。

 せっかくの錬金術師(アルケミスト)なのでありがたく頂いておく。

 胸が無いのが残念だが。

 深夜前に自宅まで送り届けておいた。

 翌朝には話し以外の事は綺麗さっぱり記憶から消えている。

 一人残ったナコトはンフィーレアの記憶で鮮明に残っていた風景を思い出す。

 とある女性の顔がたくさん浮かんでいた。彼の思い人なのは確かだ。

 今度は彼女を交えて議論するのも悪くは無いかもしれない。より激しい姿が拝めるかもしれない。

 それはそれとしてアイテム製作のスキル。それはとても欲しい能力だ。

 無から生み出すより、必要な素材が無いと効果が発揮しないのはゲームと似通っているので理解はしやすかった。

 

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 翌朝から連続殺人に勤しむことはせず、街に居る美人の確認作業を始めた。

 正直、人間ばかりでは面白くないのだが王国には人間しか今のところ居ないらしい。

 亜人の国などの話しは知っている。

 種族によってナコトの魔法が通じないことがあるので、今後の課題となってくる。

 今のままでは魔法的に限界を迎えてしまう。そもそも必要な素材が全然揃っていない。その解決もしなければならない。

 鉱山を手に入れても自動的に再生成されない。それにそれ(再生成)はあくまでゲームの中での話しだ。

 難題が山積みだ。

 それとレベルアップ方法は誰も知らないのも問題だ。

 経験値を積むのはなんとなくは分かっている。問題はそれを振り分ける方法がこの世界には無い。

 ゲーム時代は個人のコンソールを呼び出して色々と操作できたが、この世界は電子の世界ではないのでそんなことは当然、不可能だと思われる。

 だが、魔法やモンスターが存在するし、職業(クラス)の特殊技術(スキル)もゲームに似たものが備わっている。

 現地の人間も知らない世界の秘密でもあるのか。

 それは国の中心たる王都に行き、城の探索でもしないと駄目かも知れない。

 鍛冶師については有名どころは王国には居ないようだが、アゼルリシア山脈の奥深くに山小人(ドワーフ)の国がある、という噂は聞いた。

 ゲームと同じならあまり会いたくない種族だ。特に見た目で。

 ヒゲモジャの小人に全く興味が無い。

 だが、職業(クラス)構成を知るには会う必要があるのかもしれない。

 国交は何年も前から途絶えているが、敵対しているわけではなさそうだ。

 山の奥に引きこもって出て来ないけれど、今も居るのかは不明だとか。

 とりあえず、色々と問題を増やしては混乱するばかりなので気晴らしに仕事を一つ請けようかと思った。

 銀級でも無難な仕事は無いものかと冒険者ギルドの掲示板を眺めていると薬草採取がいくつかあった。けれどもソロプレイヤーでは非効率的だと思うのでモンスター退治にしようかな、と。

 このあたりに出没するモンスターで危険なのは大型の人食い大鬼(オーガ)くらいが関の山。後はエ・ランテルの中にある巨大な墓地に出没するアンデッドモンスター。

 他は『トブの大森林』の奥に居るモンスターだった。

 隣国の国境に近いが国境警備の仕事は一冒険者にはなかなか回ってこない。それは国に関わる仕事は基本的にできない規則があるからだ。

 あと、仲間が居ないと受けにくいのが多い。

 

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 スレイン法国の近くにある森の中に森妖精(エルフ)の国があったっけ、と思い出すナコト。

 早速向かおうかと思ったが施設の完成も気になるところだ。

 荷物の保管などがそろそろ不安なので。

 今日はとにかく警備の仕事でも取り、次の昇進の糧(かて)にしておく。

 仕事を終えた次の日はンフィーレアから教えてもらった村に向かってみる事にする。

 街から一日がかりのところにある『カルネ村』と呼ばれるところに可愛い女の子が居るらしい。

 宿を引き払い、馬車を調達して向かう。

 のんびりとした時間を過ごした後、夜になる前の休憩を挟み次の日の昼頃に到着する。

 この世界では時間はとてもゆっくりと流れている。

 転移で一瞬の到達などという技術は無い。

 この調子では百年など簡単に過ぎてしまうかも。

 カルネ村は坂の下にあり、周りを柵で覆われていた。更にその周りは森林になっているので動物避けの意味があると思われる。

 この世界に来て感じたことは空気が綺麗で景色も明るく、とにかく元の世界とは雲泥の差があった事だ。

 空が見えないサイバーパンクにして荒廃した世界とは真逆。

 ここまで連れて来てもらった御者(ぎょしゃ)に礼を言い、村に入る。

 基本的に農村は街のような物々しい検問はなく、旅人などが自由に寝泊りできるのが基本だ。

 だが、事件好きなイベントによればしょっちゅう襲撃を受ける可能性を秘めているので割りと危険な部類ともいえる。

 あと、意地悪な領主から税金を多く巻き上げられたりとか。

 一応、モンスター反応を調べてみるとあちこちに何かが潜んでいるのが分かった。

 村全体は把握できないが期待通りの危険があるのかもしれない。

 傭兵モンスターという線もあるので迂闊に攻められないけれど。

 当たって砕けるしか無い。

 農業を営むカルネ村は他の村と大差の無い普通の農村で、麦の生産拠点のひとつだ。

 戦争状態であったり犯罪組織の拠点として王国内のいくつかの村は滅ぼされたりしている話しは聞いていた。

 王国が窮地に立たされると帝国が勢いを増すらしいが、国民目線ではどうして戦争しているのか、実は分からない人が多い。

 所詮は権力者同士の政治、という感覚かもしれない。

 

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 来てそうそうナコトは村の中を散策する。

 事前に寝泊りできる施設は把握した。

 村の中央付近に井戸があり、村人の生活用水として使われている。

 機能的な水道は無いけれど冷たくて美味しい水が森から齎(もたら)されている。

 自分達の水は消毒でもしない限りはとても飲めたものでは無いし、店で買う事が多かったりする。

 大気汚染。水質汚染の世界ではない本当の水の味はどんなものなのか。

 というのは拠点の湧き水を飲んで確認済みだった。

 とにかく、混ざり気のない冷たくて美味しいと心から言えるものだ。魔法で出すものとは何かが違う感動があった。

 モンスターの姿は無いがナコトを監視するような気配は感じていた。つまり傭兵か召喚モンスターの可能性が高い。

 普通の敵対モンスターは高度な知性で村に潜伏していたりはしない、と思う。

 これは今までの街中とは緊張感が違っている。

 のんびりと能力を見せることは命取りになるかもしれない。

 だが、そこはカンストプレイヤーの腕の見せどころだ。

 村人の様子からモンスターに支配されているわけではなく、何者かに守ってもらっている印象を受ける。

 声をかければ笑顔が返ってくる。

 村の様子などを質問しつつ女性の情報をさりげなく聞いていく。

 人口は百人ほど。全員が家族ぐるみで暮らしている。

 あえてモンスターの話題はしなかったが麦の収穫を終えたばかりなので周りは刈り取った田畑が広がっている、と聞いた。

 次の収穫まで村人はそれぞれ野菜などの作物の準備を始めたり、家畜の世話で忙しい。

 何人かで近くのトブの大森林にて薬草採取を行(おこな)う。

 冒険者達とは入る場所が違うし、役割分担はちゃんとしているので喧嘩になる事は稀(まれ)だと聞いた。

 夜間に一人寂しいナコトを食事に誘う村人がいて、素直に厄介になる事にした。

 それまでの間、各地の様子を見たり、村の外について尋ねたりした。

 そして、夜になり各家々の窓から明かりが点き始める。

 電気は無いが蝋燭(ろうそく)やマジックアイテムが光源となっている。

 家は粗末に見えるけれどしっかりとした石造りで、屋根は瓦となっていた。

 文明レベルは比較的高いのかもしれない。けれども機械の文化はほぼ無い。その代わりに魔法文化が発達しているともいえる。

 異世界ファンタジーなので所々疑問点があるけれど、それはそれで面白い世界だと思う。

 

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 少し大きめの家に招待されたナコトは村人たちから食事をご馳走になる。

 もちろん村なので大層な物は無いけれど、もてなしの心が行き届いた温かさを感じた。

 外道な自分が危うく浄化されるのではないかと思うほどの優しさはとても眩(まぶ)しい。

 自分からは話題らしいものは無いが農業開発する予定でもあるので興味がてら尋ねてみた。

 広い平原を遊ばせておいても殺風景だし、美しい自然のまま残すことも大事かもしれないけれど。

 あまりにも人が寄り付かない場所はかえって盗掘の恐れが増す。

 何も無いからこそ怪しく感じるものにとっては。

 

「パンは自分たちで作るんですか!?」

 

 村にはいくつか自前の窯があり、食器類なども作るらしい。

 水耕栽培ならば良質の土が取れる、とかなんとか。

 麦の他に稲作も広範囲で行(おこな)っていて、それがオートミールの材料となっている。

 家畜の中では牛と豚。鶏卵は見当たらないがファンタジーは生食はほぼしない傾向にあるようだ。

 火の通っていない食べ物ほど危険な物は無い、というのはどこの世界でも一緒のようだ。

 日本人なら『卵かけご飯』を食べるところだが、人によっては下痢する危険な食べ物と化す。

 病院もあまり発達していないから伝染病にもきっと弱い筈だ。

 薬と魔法で治すかもしれないけれど。

 『ワクチン』に類する薬は多分開発されていない。

 そう思うと異世界は結構危うい場所なのかもしれない。

 モンスターが居る時点で危ないのは確定済みだが。

 一応、家の中にモンスターの姿らしきものは見当たらないし、不可視化の存在も感知出来ない。

 すばやく何人かを支配下において簡単な質問をしておく。

 村の女性の様子や行動履歴など。

 歳若い者を中心に。

 差しさわりの無い質問であれば魔法の効果と気付かれにくい。

 その中で何人かの名前が候補に挙(あ)がった。

 帰りはその女性に街までの案内を頼めないか、と魔法を解除した後で言っておく。

 村の中で行動を起こすのは少し不味い気配があるので。

 それから別の話題で誤魔化しておく。

 もちろん農業の事はまじめにメモしていく。全てが嘘にならないように。

 

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 翌朝までモンスターの事を気にして眠れなかったが別段、何も問題は無い。

 維持する指輪(リング・オブ・サステナンス)を装備していたので。

 人間種は何かと不便だから、こういうマジックアイテムは必須だ。

 当初の予定では女性に送ってもらうのだけれど、実際は誰がいつ街に行くかだけ分かればいい。

 朝方の馬車の世話をしている村人たちを確認し、目的の人物を探り当てる。

 この世界の人間は黒髪と金髪の二分化された人間がとても多い。

 ゲームでは赤や桃色など多岐に渡る色合いだが、こちらはそうでもないようだ。

 化粧っ気の無い顔は農作業に必要ないから仕方がない。それでも十代後半ともなると言い知れない魅力を感じる。

 力仕事もこなすだろうから筋力はそれなりにあるはずだ。

 社交界に出るような貴族にはならなくとも、戦士として良い働きが出来るかもしれない。

 ンフィーレアの記憶にあった顔立ちにソックリな女性の名前は『エンリ・エモット』といい、十歳くらいの妹ネムの二人姉妹だ。

 顔立ち。胸の大きさは申し分が無い。とはいえ、早速寝取ってはンフィーレアに悪い。

 別に無理して女を抱きたいわけではない。

 他人の行為を観察するのももちろん大好きだ。

 自分の方は飽きが来ているので。

 なにせ自在に勃起と射精ができるふざけたアバターだから。快感に関して面白くない。

 彼女はエ・ランテルに薬草を卸しに行く予定になっていて、今はその準備に追われていた。妹は近所の人に預ける事になっている。

 女一人で馬車を操り、街まで行く事に不安は無いのか興味で尋ねてみた。

 

「村人は大してお金は持ってないですし、美人というわけでもないので人質の価値は無いですよ」

 

 それが盗賊たちに伝わっているので村人を襲うような輩は滅多にいないと言われている。

 今は護衛もあるのでだいぶ移動が楽になったと付け加えられた。

 逞しい彼女に少し興味を覚えるがナコトは先に帰還することにした。

 村人と行動を共にするのは監視が障害になる。

 そういう場合の攻略方法が無いわけではない。

 小声で話す分には遠くに居る者が耳でも済ませていないと聞き取れない質問を投げかけておく。

 そして、その答えを聞いた後は何食わぬ顔で立ち去る。

 ごく自然に何気ない質問と他愛の無い会話を混ぜ込む。それが自然であれば不審に思われにくい。

 急に空を飛んだりせず、しばらく村の中を散歩する。

 村長の家を発見し、一回りする。

 外敵を探す高見櫓(たかみやぐら)を見上げる。

 ところどころ段差になっている地形があり、見張り台を兼ねた建物がいくつかあった。

 完全に農業というわけではなく、モンスターの襲撃がある村という事を理解する。

 何人かの村人と言葉を交わし、たどり着いたのは話しに出ていたネムという妹を預ける家だ。

 台所や洗面台に興味があると言って近付き、色々と尋ねて行く。

 ほんの数分で家を出て次の家に入り、似たような事を尋ねてメモを取る。

 それから外に居た村人に挨拶し、歩いて立ち去る事にする。

 のんびりと平野を歩いていく、と言って。

 別に村長に挨拶する必要は無いし、せっかくの厚意はちゃんと断っておいた。

 帰り道は分かるが、道なりに進んでいくとモンスター反応はどんどん無くなっていく。

 やはりカルネ村はただの村では無さそうだ。だが、目的は果たした。

 農作業の事はもちろん嘘ではない。

 問題は街まで無事に帰れるか、だ。

 歩きだけなら二日はかかりそうな距離がある。

 地図上ではすごく近くなのだが、実際の距離は相当離れている。

 そのまま夕方になるころ、近くの雑木林に入り、不可視化の装備に切り替えて一気に速度を上げてエ・ランテルに帰還する。

 途中にもう一つくらい村でもあればいいと思っていたら、何者かに襲撃でも受けたのか、焼け野原になった村をひとつ見つけた。

 もちろんナコトの仕業ではない。

 馬車移動の時に見逃したもののようだ。

 安全ばかりではない証拠かもしれない。

 夜間にもかかわらず城塞都市エ・ランテルの検問は明るく大賑わいだった。

 二十四時間営業というわけではなく、深夜は検問も閉まり、間に合わなかった者は外でテントなどを張り、一泊する。

 それに乗じた商売もあり、食べ物や飲み物を売り歩いている行商人が居た。

 モンスターの襲撃が無ければ平和な風景に見える。

 そもそもこの世界の一日は何時間なのか。正確な二十四時間ではない筈だ。

 時計などはあまり確認していなかったので後で購入する予定を入れておく。

 受付が間に合い、都市内部に入ったナコトは今日の宿を探す。

 別になくても拠点があるけれど。

 せっかく夜間なので軽く散歩する。

 見知らぬ世界を気ままに歩けるのは貴重な経験だ。このまま一生を過ごしてもいいかもしれない、と思わなくもない。

 元の世界に未練は無いかと言われればヒロインの質の低さに不満がある事を除けば、ま(・)だ(・)無い。

 

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 昨日の今日という都市なので目新しいことはないけれど、深夜営業している店などに行き食事を摂っていく。

 アバターにも関わらず味覚がある。

 これが今の自分の本当の身体だ、という仕様になっているのかもしれない。

 アバターではなく異世界に用意された肉体に精神を宿らせたもの。だが、魔法やアイテムが使えるのは謎だが。

 特に異空間に手を突っ込める方法はとても日本のゲームメーカーの技術とは思えない。

 考えても仕方が無いが、まずは明日に向けて一休みすることにする。

 翌朝、おそらく昼ごろにエンリが到着する予定なので、その間に冒険者ギルドに行き、依頼内容を確認していく。

 すぐに新しい情報は出て来ないと思うけれど。

 一時間後に外に出て、他の店を回り、バレアレの店に向かう。

 必要になりそうな薬の確認だ。

 今回は店の主である『リイジー・バレアレ』という小柄の老婆が居た。

 どう見ても小鬼(ゴブリン)のような感じだが、王国随一の有名人と言われている。

 主に錬金術やポーション作成に関して。

 レベルも高そうだ。だが、さすがに身体はお断りしたい。

 

「病気に効く薬草は色々あるが……。風邪や切り傷は下の方で腹具合や頭痛、精力、生理痛と色々と取り揃えておる」

 

 どうしても欲しい薬、というものは今のところ無いけれど、知識として色々と尋ねておく。

 口臭に聞く薬。便秘に二日酔いなど。

 主に漢方薬のような使い方をする。

 回復役は金貨で払う高額なもので冒険者の一部が買い求めていく。

 製造が難しく、どうしても高額商品になってしまうのが頭痛の種となっている。

 それをリイジーは長年研究しているが未だに解決していない。

 ナコトの場合はアイテム製作のスキルで造っているのは見た事があるけれど、ちゃんと原理を理解して開発する方法の事はさっぱり分からない。

 素材をスキルで新しいアイテムにどうして変わるのか。出来るから出来る、という理屈は理解に苦しむ。

 

「保存液というものは作れるものですか?」

「何かの標本用か? 出来なくはないのぅ」

 

 錬金術に標本は付き物。それゆえに用意出来なくは無い、という考えからだ。

 同時に『培養液』もあるのか尋ねる。

 

「仕事に必要な物は一通り揃えられる。……じゃが儂(わし)にも知らない道具類はどうにもならんがな」

「分かりました」

 

 容器類の販売も聞いてみた。

 

「大掛かりなものはうちでは無理じゃのう。王都にある魔術師ギルドでなら買えるかもしれん。後は容器専門の職人に依頼するしかないの」

 

 冒険者ギルドと対をなすように存在する魔術師ギルド。

 こちらは冒険者への依頼より魔法専門店のようなものだ。

 魔法詠唱者(マジック・キャスター)が魔法を行使する時に必要なスクロールを多数取り扱い、仲間が死んだ時などに死体の鮮度を保つ『安眠の屍衣(シュラウド・オブ・スリープ)』という白いシーツ状の袋も売っている。

 とにかく存在が確認出来ただけ一歩前進できた。

 後は値段だが、高額でも必要経費として財布を緩める用意はある。

 また、大量購入する為に努力する楽しみが出来たと思えば苦にならない、かもしれない。

 聞いておいて何も買わないのは悪いと思い、口臭関連の商品を買うことにする。それと必要な物を手に入れる為に必要な店などの情報を貰う。

 さすがにこれら(口臭関連の薬草など)が高額なら口が臭い人が溢れているのではないかと心配になる。

 店を出た後で時計の事を思い出し、取り扱っている店を探す。

 商店街の一角にありそうだが人が溢れていた。

 活気ある風景は何処と無く懐かしさのようなものを感じさせる。それはきっと郷愁とかいう概念かも。

 しばらく散策し、店を一軒ずつ回って該当する店を探り当てる。

 それ程古くは無いが壁にたくさんの時計が設置されていた。

 デジタル表示ではなく円形のアナログ形式。ゼンマイ仕掛けだと思われるが古臭く見えた。

 自分達の文化に比べれば仕方がないけれど。

 体感的に二十四時間だと思っていたが、概ね合っていた。

 施設用。拠点用と用途別に四つほど購入することにする。

 製作が難しいゆえか、少し割高感はあったが必要経費として納得しておく。

 時間の合わせ方を一応尋ねておく。

 全部バラバラでは何かと不都合だ。

 もう少し高性能があるのかもしれないが、それはそれで高額だと思われる。

 欲しいアイテムを手に入れたので、次はエンリとの合流だ。

 護衛のモンスターが控えているかもしれないので細心の注意を払う。

 なにせ如何わしい事しか頭にないので。

 別に待ち合わせをしているわけではないが問題は何処から彼女が現われるかだ。

 検問所は複数存在し、カルネ村から一番近い場所は三箇所ほどある。

 店にどうせ来るなら近くで待っていれば早い。

 物陰に潜んで数時間後に対象を発見する。意外と遅く感じたのは移動方法や検問通過などで時間でも取られたのかもしれない。

 エンリは荷馬車で直接街中に入ってきたようだ。

 後ろの車体には売買するための薬草類を乗せていた。

 気配などは事前に確認したが遠隔視(リモートビューイング)系の場合もあるので迂闊に向かえない。こういう場合は探知阻害対策をしっかり整えておく事が大切だ。

 また単純に変装すればいい、という事に気付く。

 仮面を被る冒険者は別段、珍しくないようだし。

 簡単な変装で該当者エンリに近付き、言葉を交わす。外套を軽く揺らしつつ魔法を試みる。効果範囲が近距離なので接触しなくて済むから安心だ。

 その行為はまるで自然に痴漢行為を働く熟練の犯罪者のようだ。

 迷子の為に何事かをメモするエンリ。それは自分が泊まる宿の情報が書かれている。

 それを貰う振りをし、ナコトの情報のメモと入れ替える。

 後は彼女から離れて一時間後に店の裏から侵入し、ンフィーレアに命令を与える。

 更に二時間後にはネムと共に来た村人と接触し、泊まるべき宿の情報を人づてに渡しておく。

 別に自分で直接渡す必要は無かった気がしたが、近くに行かないと駄目な魔法があるので仕方が無い。

 下準備を終えて夜になる頃に拠点の近くで待っていたらンフィーレアがやってきた。

 店の方は祖母に任せても大丈夫だからこそ来てくれた。

 エンリは売買を終えて宿に記帳した後で来る事になっている。ネムは親(・)戚(・)の(・)家(・)に遊びに行く名目で確保している。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 三人が揃ったが会話は始まらない。

 ネムには別の部屋で待機してもらい、まずは二人共にそれぞれの話しを聞く。

 ンフィーレアは昔からエンリの事が好きなようだが、それを無理に聞く気は無く、エンリが彼のことどう思っているのか簡単に聞いておく。

 恋人なのか、昔なじみという奴なのか。

 他人の恋路の邪魔をする気は無く、応援する立場だ。

 ゲスらしく目の前で全てを台無しにする案もあるけれど、そこまで非道になれないのは自分の弱さかもしれない。

 改めて見ると可愛い娘だ。胸も大きいし。

 魔法の効果で胸を触らせろ、と言えば平然と触れるけれど。

 散々似たものは触ってきたので新しい発見があるとは思えない。

 極端な巨乳より肉厚で形の良い胸が好きだ。

 ただ大きければいい、というものではない。

 汚い女性器は抉(えぐ)って捨てる。そして、治癒魔法をかけて人間ごと改めて捨てなおす。

 

「エンリのことがっ、好きっ! です!」

 

 ンフィーレアの告白に対し、エンリは微笑んだまま。

 

「私もンフィーの事は好きですよ。頼りないところがありますけど……」

 

 と、広い意味の好き、という解釈で答えるエンリ。

 とにかく『好きですよ』という言葉が聞けたのでンフィーレアの顔は噴火寸前の火山の如く赤くなってきた。もちろん怒りではなく恥ずかしさで。

 目元を隠す髪形を何とかした方がもっとかっこよくなる気はしたが、個人の個性に口出ししても仕方が無い。

 魔法の効果とはいえ無理に喋らせるのも可哀相だ。

 もう一日ばかり滞在しても大丈夫なのか確認しておく。

 

「はい。二日ほど滞在することはよくありますので」

 

 ンフィーレアにも一日いっぱい店を休んでも平気かと尋ねてみた。

 エンリが居る内は平気と答えが返ってきた。

 ナコト自身、エンリに聞きたい事は無いので、明日また拠点に集合する約束を交わし、ンフィーレアには一旦店に帰ってもらう。

 残ったエンリに村での日常を一応聞いておく。もちろん、話している間に服は脱いでもらう。その間、栄養価のある食べ物や飲み物を用意しておく。

 好きなものや趣味に食べ物。

 村の暮らしに不満は無いけれど、忙しい時期は毎日が戦場に思えるほど大変だという。

 特に収穫時期は。

 今は薬草採取と次の野菜の準備作業に追われている。

 広大な農地を任されているので仕事の数は少なくとも行動範囲が広い。

 便利な機械は無い。殆どが手作業だ。

 歳をとればきっと腰が曲がった老婆となる可能性がある。

 何食わぬ顔で話しながら全裸になるエンリ。それが当然だと思い込んでいるので自分で不思議だとか恥ずかしいとか思っていない。

 正確には思わせていない。

 形の良い大きな胸が型崩れせず現れた。

 そのまま用意した食べ物を食べてもらっている間に風呂の確認の後、ネムも服を脱いでもらい風呂場に行ってもらう。

 食事中のエンリの胸を掴んで感触を確かめる。見た目以上に堅い。

 確認を終えた後、ネムの解体が始まる。そろそろ容器類の追加をしなければ保存しているとはいえ腐ったりして台無しになるかもしれない。

 そうして一通り終わった後、ネムを解放する。後でこっそり宿に戻す必要があるけれど。

 残りはエンリだけだ。

 風呂場で待っていると彼女が腹を膨らませたまま入ってきた。

 いきなり腹を切れば食べた行為が無駄になるので上から順番に作業を行(おこな)う。

 そうして数時間後には容器いっぱいの収穫物で満たされる。

 いくら便利な魔法とはいえ減ったMP(マジックポイント)の回復は早く出来ない。

 一時間の休憩の後で作業の再開。

 魔力譲渡というスキルがあればもう少し作業に専念できるが都合いい仲間が居ないので仕方が無い。

 今まで獲得した人物が急に死ぬような目に遭っても駄目だが、それを制御するすべはさすがに無い。

 それぞれ急死しない事を祈る。

 次の日、ネムは先に村人と共に見物した後で帰ってもらう事にしてンフィーレアとエンリは今日一杯自由時間だ。

 本来ならデートでもさせた方がいいのかもしれないけれど、それは次の機会にしてもらう。

 二度と会えないわけではないし、ンフィーレアがカルネ村に行く事も出来るようだから。

 床に直に寝転がっては背中を痛めるので水洗いが出来る植物の皮で編みこんだベッドを用意した。

 特別に作らせたものでギシギシと音は鳴るが柔軟性に優れている。

 家具職人に頼めば割りと簡単に作り上げるところは感心する。

 そのベッドの上にシーツを乗せ、頭と足を置く部分に枕を置いて行く。

 淡々と作業しているけれど誰も疑問を差し挟まない。

 設置を終えた後、二人には裸になってもらった。

 普通なら男女が同じ部屋に居れば恥ずかしさで抵抗を感じるものだがエンリは平然としているし、ンフィーレアもいつもの事のように対応している。しかも勃起していない。

 人間の思い込みというものは不思議だなと思った。

 脱ぎ終わった二人にそれぞれ指示を与える。

 

「私が上になればいいのね」

「僕が下……。分かりました」

 

 ンフィーレアがベッドに仰向けで乗ると多少はたわむがしっかりと体重を支えた。

 彼が仰向けになるころ、ナコトは二人の服を片付け、頭と足元に飲み物や食べ物の用意を整える。あと、タオルと手拭も積んでおく。

 その後でエンリがンフィーレアの上に俯(うつむ)き気味に覆いかぶさるように乗る。

 肋骨などが当たって痛くないようにお腹の部分に何枚かのタオルを差し入れておく。

 

「重くない?」

「大丈夫」

 

 と、普通に言葉を交わすエンリ達。

 ナコトはエンリの位置を調整する。

 ンフィーレアの枕の位置を確認して満足する。

 

「改めて聞くけど、二人は互いの事は好きなのかな?」

「はい」

「ええ。良き友人として」

 

 ンフィーレアにとってはエンリから好感を持たれるだけで幸せのようで頬を赤く染めた。

 そんな事を言った二人の体勢はとても好感を発表出来る様なものではない。

 ンフィーレアの目の前にはエンリの髪の毛と同じ色の陰毛と女性器が迫っているし、エンリの目の前には勃起前の男性器が鼻先にある。

 少し顔を押すだけで双方の顔と性器が触れ合う状態だ。

 それぞれの吐息が互いの陰毛を揺らした。

 

「好きな人同士なら出来るよね?」

「えっ? まあ……、頼みなら仕方ないわね」

「はいっ!」

 

 エンリはよく理解していないようだが了承し、ンフィーレアは元気よく返事した。

 ナコトは現実でも独り身なので恋人の気持ちはよく分からないけれど、仲睦(なかむつ)まじい二人の行為は見ているだけで少し興奮する。

 これで自分が乱入すると興醒めしそうだ。だから見ているだけで充分だった。

 今はそれに嘘は無い。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 エンリは目の前で大きくなりつつある男性器を掴み、皮をめくり始める。

 方法は指示したものだが丁寧に作業する事だけに集中していた。

 ンフィーレアは顔に近付く小陰唇を開いて吸い込むように口を当てた。

 

「きゃっ。……ンフィー、くすぐったい」

「……んんっ」

 

 軽く笑いつつ露になったンフィーレアの男性器を口に含むエンリ。

 その後は互いに口の中で舌を這わせていく。

 ほぼ同時に二人は身体を跳ねさせた。

 

「んふー、ふっふふ」

「………」

 

 ンフィーレアは股間から言い知れない感触に恥ずかしさで顔が赤くなり、エンリはくすぐったくて笑いが止まらないようだった。

 それから次第にエンリの頬も赤くなっていく。

 唸る静かな声がしばらく出る。

 ただ見ているのも退屈なのでンフィーレアの尻の下にタオルを差し入れ、水を入れた容器を側に置いた。そして、エンリの手にタオルを持たせる。

 エンリ側はナコト自ら行動する。

 ンフィーレアは完全にエンリの腰を両腕でしっかり固定していた。

 乾いたタオルをンフィーレアの額において、もう一つのタオルは軽く濡らし、エンリの肛門に突き入れる。

 

「んふゃんっ!」

 

 びっくりしたエンリが顔を跳ねさせた。

 その後にンフィーレアも驚きの呻きを上げる。彼女も濡らしたタオルでンフィーレアの肛門に突き入れているところだった。

 タオルを少しずつ奥に入れつつ肛門の掃除をしていく。途中で開いて中を覗き込む。

 柔軟な肉体ならいずれは拳が入るかもしれない。今はまだ無理だと思うけれど。

 昨日の今日で大便がすぐ出るとは思えないがンフィーレアの方は出そうな予感がする。

 事前に済ませておくように言うべきだった、と後悔する。

 それはそれとしてナコトはエンリの肛門に指二本を突き入れて抜き差ししてみた。

 びっくりして男根を噛み切るか少し心配になったが、そういう事にならないように指示しておく。

 ンフィーレアは暴れそうなエンリの腰を全力で取り押さえている。

 肛門の奥で指を折り曲げたり、色々と刺激を与えるたびにエンリは頭を上下させる。

 

「ん~! ん~!」

 

 激しく抜き差しした後で勢いよく引き抜くとエンリは力尽きたように腰を小刻みに左右に揺すって男根を深く咥(くわ)えこむように沈み込んだ。

 それと同時にンフィーレアの口元から液体が漏れ出た。急いで顔を左右に動かして液体を吸い込むンフィーレア。

 喉が動いたので飲み込んでいるのが分かった。そのすぐ後でンフィーレアが腰を上下させた。その後でズズッという音がエンリ側から聞こえた。

 互いに反応すると連動するように行動する様は見ていて面白かった。

 口の中で射精された精液を音を立てて吸い取るエンリ。

 それからしばらく経つと二人共身体を小刻みに震わせた。それは人間の生理現象の始まりの合図だった。

 ナコトはエンリの肛門を再度刺激し、左右の胸を揉み込んでいく。

 その後で互いの口元から液体が噴き出る。だが、二人共それを漏らさないように飲み込んでいく。時には咽(むせ)る事もあった。

 疲労する頃に互いに治癒魔法をかける。

 エンリは疲れてきたら頭を動きを止めるようにしている。あまり頭を動かし続けると頭痛で苦しくなるかもしれないので。

 先端部分だけ口に含み、舌は疲れない程度に動かしつつ、棒部分を手で上下に擦っていく。

 ンフィーレアは舌に感じる突起のすぐ上にある穴をとにかく広げるつもりで舐めさせる。

 少し経つとンフィーレアの腰が少し動き、呻き始める。

 エンリの喉に向かって精液が飛んでいる合図だ。それにも関わらずエンリは黙って作業を続けていた。

 そのエンリとて腰を動かす時がある。

 舌に感じる噴出感にンフィーレアは反応し、喉を動かしいく。

 射精した後でエンリは飲み物を補給する。そして、口から離れて倒れ掛かった男根を引き戻して咥(くわ)え、激しく手を動かしていく。

 ものの数分で再度射精するがエンリは口の中で男根の先端部分を舌で擦りつつ飛んできた精液は自分の唾液と共に飲み込む。

 ザラザラとした舌の感触が気持ちいいのか、ンフィーレアはすぐにまた射精する。

 ンフィーレアは作業を止めて、しばし恍惚状態でされるがままになった。

 口から離れた女性器から雫が垂れてンフィーレアの顔に落ちていく。

 

「気持ち良さそうだね」

「……はい。……あうっ、うっ……。はぁ……。こんな気持ち……、どう表現すればいいのか……」

 

 射精について詳しい知識を持っていないからどうして気持ちいいのか分からないンフィーレア。

 それはそれで初心(うぶ)な男子としては微笑ましい事だ。しかも大好きなエンリに気持ちよくさせてもらっているので、理由はどうしてか分からないが更に嬉しかった。

 ンフィーレアとしてはただのマッサージという認識しか無い。

 

「ンフィーレア君。目の前の光景はどうなっている?」

 

 ナコトの質問にンフィーレアは未だに射精の余韻に浸りつつも目の前に移る女性器の様子を眺める。

 見たことがない形の何か、というのは分かるのだが、それを説明する手立てが無い。

 見たまま素直に表現していく。

 

「舐めすぎて色味が落ちたようになっています。この小さな穴は先ほどから水を出すようですが……。中々広がりません。その上は特に何も起きませんが……」

 

 実際に水が出る穴に指を入れると少し埋まった。ふやけているせいだと思ったンフィーレアは更に指の根元まで入れる。

 それをゆっくりと抜き差しすると股間部分が更に気持ちよく感じた。

 勢いよく指を抜くと水が噴き出た。それを急いで吸い取らなきゃ、と思ったンフィーレアは口をつけて一滴残さず飲み込んでいく。

 

「……ふぅ。危なかった」

 

 互いに自分が刺激を与えているのが性器だという認識は無く、柔らかい肉という意識しか無い。だから見ても触っても平気でいられる。

 ンフィーレアはもう少し舐めて広げようと口をつけて穴に舌を入れる。

 互いに快感が連動したように反応し、同時に絶頂を迎えていく。

 エンリの方を先に休ませて見ると身体を震わせて快感に耐えているようだ。

 広げられた尿道にザラザラするものが入り込み、言い知れない尿意が連続で襲ってきている。そして、それに抗えなくなってきた。

 水を飲んでも真っ直ぐに出て行くようで、それでいて気持ちいいのでやめられない。

 それから三十分後に行動を止めて回復魔法をかけておく。

 相当疲れたが立てないほどではない二人は上体を起こしていく。

 普通ならば大量に水分を失って身体の震えで立つ事が難しくなるところだ。

 

「疲れた……。でも、すっごく気持ちよかった」

 

 と言いながら尿が漏れ出るエンリ。尿道に力が入らないのとずっと放尿感が維持されたままになっているからだ。

 ンフィーレアはタオルで身体を拭いているが勃起は全然治まっていない。

 今度はンフィーレアに立ってもらい、エンリは彼の男根を間近で観察してもらう。

 立ち膝で足の間に受け皿を置くと漏れ出た雫が皿に落ちる音が聞こえてくる。

 

「……随分舐めてたのに柔らかくならないのね」

 

 興味深げで男根を眺めるエンリ。

 口には含まず手だけで刺激してもらう。するとものの数分でエンリの顔に射精する事態になった。

 

「……わっ、随分と勢いがあるわね」

「ご、ごめん。気持ちよくて止まらないんだ」

「もう……。仕方ないわね」

 

 と、出たばかりの精液が男根から落ちそうになるのをエンリが苦笑しながら舐め取る。

 恋人同士なら別段、不思議は無いが今のエンリ達はまだ恋人未満だった。

 それが少し退廃的で面白いと思った。

 

「おしっことは違うのね。臭いがきついし」

「そ、そうだね」

 

 エンリは舌で先端部分を包むように舐め始める。手は上下運動を続けたまま。

 感触が気持ちいいのですぐにまた射精感が襲ってくる。

 

「え、エンリ。口を開けて!」

「分かったわ」

 

 阿吽(あうん)の呼吸でンフィーレアの男根をくわえ込むエンリ。

 そして、喉に感じる精液の感触。何度か射精が続く。

 

「……はぁ、はぁ。あっ、また……うっ……」

「んっんんっ」

 

 口に男根をくわえたままエンリは苦笑する。

 一回の射精だけで酷く疲労を感じる事に疑問を抱く。

 射精が終わった後は体温が少し下がるのか、次に尿意が襲ってきた。

 

「ごめん、エンリ。全部飲んでっ!」

 

 と言い終わった後でエンリの口の中で放尿が始まり、出てくる液体を懸命に飲み込んでいく。

 止め処も無い量に驚きつつエンリの頭をしっかり掴んだまま放尿しきるンフィーレア。

 普通なら女性の口をトイレのように使う事に抵抗がある筈だ。だが、今は二人共出る液体は全て飲むと指示されていたので、それに従っている。

 それが当たり前だと思っているので疑問に思わない。いや、多少は訳が分からない、という感じではあった。

 互いの尿を飲んでいるので二人は身体を通じて液体を循環させている。

 だからこそ漏らさない限り、延々と尿が出続ける事態に陥っていた。

 しかし、今はエンリが離れているので飲んだ分は今も受け皿に垂れ落ちている。

 数分もすれば今飲んだ分も出てくる筈だ。

 

「出し終わったらエンリのように立ち膝になって。代わりにエンリは立って」

「分かったわ」

 

 先ほどと立場が逆転した体勢になる二人。

 ンフィーレアの目の前には今も液体が出続けている女性器があった。

 それを見ているだけで勃起が起き、小刻みに動く男性器。

 ンフィーレアに新しい指示を与える。するとエンリの少し開き気味だった尿道に人差し指をゆっくりと入れていく。

 

「あっ!」

 

 ナコトは背後からエンリの胸を揉みしだき、乳首を摘んだりする。

 互い違いに引っ張り、上下左右優しく動かしていく。

 ンフィーレアは根元まで入れた指を第一関節まで戻し、また根元まで入れる作業をゆっくりと繰り返す。

 その間、エンリは嬌声を上げるが手は止めない。

 十回ほど繰り返した後で指を引き抜くと勢いよく液体が漏れ出た。それを今度はンフィーレアが吸い取っていく。

 勢いが止まるとまた指を入れて刺激する。それを更に十回続ける。

 昔からの幼馴染みに気持ちの良い事をされて頬が赤くなるエンリ。

 彼になら何をされても許せる気がしてきた。

 

「……もっと……。早く動かして……」

「うん」

 

 自然と出た言葉だが不思議とエンリは嫌な気はしなかった。

 もっと指を動かして気持ちよくしてほしい、と。

 それによってどうなるか怖いけれど、ンフィーレアなら信じられそうだと思った。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 先ほどよりも速度を付けて指の抜き差しが行(おこな)われる。

 それにより激しく悶えるエンリ・エモット。

 快感に伴ない乳首が堅くなっていくのをナコトは感じた。

 

「ああっ、いいっ! もっと……、もっと上の方まで……」

「こうお?」

「もう少し上……。そ、そこをもっと……あっ、抜いてぇ」

 

 勢いを付けて指を引き抜き、すぐさま口をエンリの女性器に当て、吹き出る液体を飲み込んでいくンフィーレア・バレアレ。

 

「あ、ああ。止められない……。全部、飲んで……、ンフィー」

 

 液体を飲みつつ舌で再度、尿道の奥を刺激する。すると身体を震わせるエンリが連続で仰け反る。

 

「……気持ちいい」

 

 五分は出続けたと思う。

 両足が震えて立っていられなくなってきた。

 出なくなったのを確認した後、ンフィーレアは尿道のすぐ上にある突起を優しく舌で転がすように舐めてみた。

 

「……そこ、丁度いいわ……。もっと舐めて……」

 

 快感を求めるメスとなったエンリ。

 またあの棒を舐めたくなってきた。

 

「ンフィー、ちょっと仰向けになってくれない?」

 

 ナコトは黙って離れて様子を見る事にした。

 エンリに言われるまま仰向けになる。

 ンフィーレアの顔にエンリは腰を降ろし、彼の股間に顔をうずめる。

 散々射精した筈の男性器は堅く勃起していた。それを口に含むエンリ。

 

「……これ、この味がいい」

「エンリ……」

 

 それからしばらく互いに絶頂し合い、体液を飲み下していった。

 このままではいずれ栄養失調になるかもしれないので、更に三回ほど絶頂に達したら離れるように指示していく。

 それから十分後には仲良く正座する事になった。

 広がった性器やしなびた部分は治癒魔法でゆっくりと元に戻っていく。その様子が実に不可思議でおかしかった。それと精力も戻ってきたようで男根がみるみるそそり立ってきた。

 女性器の方はしなびた外観から未使用品に戻ったように綺麗になっていた。

 魔法が無ければ使用後に二人共用済みにしているところだったかもしれない。

 

「……あ~、すっごく気持ちよかったわ」

「僕もだよ」

 

 互いに苦笑しあった後は二人共風呂場で身体を洗う事になった。

 お互いが全裸であるにも関わらず、互いの身体を見ても恥ずかしがらない。

 時には大胆にエンリが男根を掴んだり、ンフィーレアがエンリの胸を揉んだりする。

 

「……もっと気持ちよくなりたいわね」

「……そうだね。……僕の性器を……」

「私の性器に入れたいの?」

 

 と、女性の口から性器という単語を聞いて耳まで一気に赤くなるンフィーレア。

 不思議な響きに聞こえてしまった。

 

「い、入れていいのっ!?」

 

 つい大きな声で叫んでしまった。

 それに対してエンリは苦笑する。

 

「入れたくてたまらないって顔してるもの」

 

 入れて激しく腰を動かし、あの怒涛の射精をする。

 今度は喉ではなく、性器内部で感じる事になる。それがどういうものか想像できないが気持ちが良い事は間違いない、気がした。

 そう考えるだけで股間が何故かむず痒(がゆ)くなる。

 知らず知らずのうちに自分の陰核を摘んでいた。

 入れたい。出したい。気持ちよくなりたい。

 そんな言葉が脳裏にたくさん浮かんでくる。

 

「……え、エンリとはまだ恋人……ってわけじゃないし。……こういう事はなんだか申し訳ないっていうか……。でも僕、本気でエンリの事……好きだ」

「恋人? もう散々私の性器を貪ったじゃない。それ、あまり関係なくなってるよね?」

「えっ? そ、そうなのかな……」

 

 言われた通りの事をしただけ、という意識しかなかったンフィーレア。

 今思えばエンリの性器を激しく弄り回していたことに今更ながら気付く。そして、顔が爆発寸前のように赤くなり、気持ちが沸騰する。

 自分は何故、エンリの性器を吸ったりしたんだろう、と。

 エンリ側も何故、僕の精液を飲み続けたんだろう、と不思議に思った。

 いや、そもそもエンリの口の中にたくさん射精し、あまつさえ放尿して飲ませてしまった。

 当然、エンリ側の尿も自分はたくさん飲んだけれど。

 

「……なんでこんなことしてるんだろう、僕達……」

「気持ちよくなる為じゃない? もうやってしまった事だし……」

 

 取り返しは付かない。

 確かにそうだが、そんな大事な事を簡単にお互いが行(おこな)った理由が分からない。

 いや、命令されたとしても絶対に拒否するはずだ。

 苦悩するンフィーレアの男根をエンリは掴み、優しく撫で付ける。

 

「ここでやめる? それとも続ける?」

 

 今からやめても意味が無いし、続けるとしても気が変になりそうだ。

 エンリの笑顔を見ると余計に自分が何をしてきたのか分からなくなる。

 ならいっそ頭が変になったまま勢いに任せるべきか、と思うがすぐに決断できない。

 責任を取る意味でも行為を続行し、これから謝罪を続けるべきではないのか。

 

「……僕……エンリの事が好きだ」

「それはもう聞いたわ」

「責任を取って結婚して末永く幸せにしたい」

「……結婚は……ちょっと考えちゃうな~」

 

 苦笑しつつンフィーレアの男根の先端部分を舐めるエンリ。それだけで勃起の勢いが蘇った。

 

「……な、なら結婚を……前向きに考えて、僕と性交して下さいっ!」

「……なんか……最低な告白に聞こえるわね……」

 

 確かにエンリの言う通りだ。でも、それでも構わない。

 既に何度も最低な事をしているのだから、今更一つ二つの最低な事が増えても問題ではない。

 自分の男根をエンリの性器に突き入れたい。そして、何度も出し入れして一番奥でたくさん射精したい。

 将来的には妊娠させて子沢山な家庭を築けたらいいけれど。

 今は未来のことは妄想に留める。

 

「とにかく……。ンフィーは……。私の性器の奥にたくさん射精したくてたまらない……。で、合ってる?」

「もうトバトバと吹き付けたいくらいだよ。絶対に妊娠させて見せるよ」

 

 潔い言葉にエンリは苦笑し、そして、とても嬉しかった。いや、なぜここで自分は嬉しがるのか。

 恋人ですらないし、愛しているほど好きではなく、ただ単に性交してものすごく気持ちよくなりたいだけだ。

 自分の性器に男根を突き入れて、激しく出し入れしてほしくてたまらない。

 出せる体液は全部、出したい。相手の精液もたくさん飲みたい。

 恥ずかしい単語ばかり浮かぶけれど、それは自分の本心のようで否定できない気持ちが強かった。

 ンフィーレアの男根で気持ちよくなりたい、と。

 

「まず、恋人になりたければ私が満足するまで続けなさい」

「もちろんだよ」

 

 風呂場で仁王立ちするエンリは腰に両手を当てて胸を張る。

 それに立ち向かうのはそそり立つように勃起した男根をエンリの女性器に入れたくてたまらないンフィーレア。

 まずは倒れないように壁に背を預けるエンリ。

 男根を女性器に軽く埋まるところで立ち止まるンフィーレア。

 

「さあ、かかってきなさい」

 

 と、言いつつ相手の男根を掴み、自分の性器に擦り付ける。

 それだけで全身に言い知れない快感が広がっていく。

 

「行くよ。エンリっ!」

 

 気合の篭った声の後で一息に突き入れられる女性器。

 そのすぐ後で声を出す口をンフィーレアは自分の口で塞ぐ。

 エンリの中で何かが破られる痛みを感じ、ついで異物が確かに性器の中に乱暴に入ったのを感じた。

 痛みにより、涙が出て少し放心した。その間にンフィーレアはエンリの胸を両手で掴み、揉みながらこねくり回し、口の中では舌同士を絡ませた。

 腰は遠慮無しにバチンバチンと大きな音がする程、叩きつけるように前後に動いていた。

 最初の突き入れで破瓜(はか)による出血が起き、血が少し落ちていた。

 

「うっ、も、もう出そうだ。出すよ、エンリ」

「………」

 

 相手の声は聞こえていない。けれどもンフィーレアは構わず腰を激しく動かし、最後の瞬間で男根を最深部に突き入れる。そして、遠慮無しに射精する。

 

「も、もっと出ろ。うう、まだ出ろ。まだまだ出せる筈だ」

 

 感覚的には六回ほどの強烈な射精感があった。

 あまり強く出そうとした為に少し痛みを感じた。

 

「……はぁ、はぁ。まだ続けるからね」

 

 返事の無いエンリに構わず腰を再度動かすとエンリは呻き始めた。

 本当の意味で性器の中に射精された、と。

 例えようの無い痛みと快楽が自分の思考を狂わせる。

 確かにお腹の奥にンフィーレアの精液が飛んで来るのを感じた。

 これが性交なのだと実感した。

 男女が子供作る為に行(おこな)う方法。

 それを今、ンフィーレアと共に行(おこな)っている。

 ンフィーレアの舌が自分の舌に絡みつき、胸は乱暴に変形させられている。

 股間部分は激しい突き上げで少し痛かった。

 それでも男根が性器内を移動する時、先端部分が内壁に引っかかりながら動くので快感が脳天を貫いていく。

 ンフィーレアのように自分も射精のような感じになっている気がする。

 突き入れられている穴とは別の尿道から体液を出したい。

 

「………」

 

 放心から戻ったエンリはンフィーレアを強く抱き締めた。

 簡単には離れたくない、という意思表示を見せる。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 気が付けば気持ち良過ぎて脱糞していた。

 ンフィーレアも射精後に軽く脱糞していた。それでも気にも留めずに性交を続ける。

 突き入れられる合間に放尿するエンリ。気持ちよくて止められない。

 もっと突き入れて。胸を揉んでと求める気持ちが強くなる。

 

「あっ、また出そう……」

「いっぱい出して」

「もちろん」

 

 射精が近づくと腰振りが激しくなり、最後の一突きにンフィーレアは大きく呻いた。

 

「そっちに……行くよ」

「ええ」

 

 射精と同時に脱糞。出る気持ちよさで何度も射精が続く。

 放たれたエンリも気持ちよくて脱糞し、荒くなった呼吸を鎮めようとした。

 

「これが僕の……限界かな……」

「容赦が無いわね、ンフィーは……」

 

 何度も荒い息を吐き、男根を引き抜くと赤い体液がエンリの性器から漏れ出る。

 力いっぱいの射精のために血が多く混じってしまったのかもしれない。

 既に男根は萎えかけていた。

 

「……気持ちよかった?」

「とっても。すっごい気持ちよかった」

 

 力なくしゃがみこむと手に汚物がついてしまった。だが、ここは風呂場などで今はどうでも良かった。

 エンリもしゃがみ、尻で自分の汚物を潰しているところだった。

 膝を開いてンフィーレアに性器がよく見える体勢になっていた。

 

「どれだけ出したの? どんどん漏れてくるけれど……」

「二十回近くは出したかも。……さすがに今日はここまでかな……」

 

 実際にそこまで射精できるわけは無く、彼らが気づかないように不可視化したナコトが適度な間隔で治癒魔法をかけ続けていたから可能だった。

 行為が終わったばかりだというのにエンリは自分の陰核を摘んだり、精液を指でかき出したりした。

 最初に見た綺麗な性器が今は肉の襞(ひだ)が赤く腫れ上がった醜い様相に変わっていた。

 

「……私の性器が随分と様変わりしちゃったわね」

 

 治癒魔法をかければ元の綺麗な状態に戻るかもしれない。

 それでも今はただ、男性と性交すると美しさが失われるのかもしれない、という事が脳裏に浮かぶ。

 だからこそ結婚してしわくちゃな老後を送る事になるのだと実感する。

 その後、互いに身体を洗ったり、風呂場の掃除をした後、ナコトのところに戻った。

 彼の治癒魔法により、荒れた肉体は完治した。

 それはつまりンフィーレアの精力も復活した事になる。

 特に会話も無く、食事に入るがンフィーレア達は全裸のまま空きっ腹に食べ物を詰め込んでいく。

 友達である二人の仲を魔法で自在に操ることに罪悪感はあるけれど、そこは無理強いしない。

 自然な流れに持ち込んでこそ味がある。

 そうナコトは思う。

 あまりにも何でもありだと新発見が無いからだ。

 冒険心の無い事に興味など抱かない。それは当然、人を殺していた時にも感じた。

 どれくらいなら死ぬのか。自分はどう感じるのか。

 好き放題殺人を行(おこな)う者はスリルを求めると言われる。だが、ナコトはそんなものは求めていない。

 ただ、どれくらい楽しいのかだけ分かればいい。意外と飽きやすくて困っている。

 それは後世に何も残らないから、とか思うからなのかもしれない。

 だからこそ、コレクション性に手を出している。

 長い時間をかけて確実に何かが残るものを。

 記憶などは刹那的なものだ。彼らは自宅に帰る頃には行為等は殆ど忘れてしまう。

 完全な白紙は可哀相だが、今後の付き合いに不安を残すのは胸が痛くなる。

 他人の故意の邪魔をする趣味はない。楽しみを覚えた後は割りと放任する主義だ。

 別にエンリに好意など抱かないし。

 首から下に興味が行っているだけ。

 自分が好きになる相手はおそらく同じプレイヤーでもないと好意など抱かないかもしれない。

 さすがに同じ趣味を持つ相手は天文学的数字となる気がするけれ。

 他人を操って性交させて楽しむ趣味を持つ女子が居るなら、それはそれで物凄く興味がある。

 居るわけないか、そんな外道でゲスでクズの見本のような人間は。

 かえって嫌いになりそうだ。

 身体がアバターという事もあり、恋愛感情を仮に抱いても仮想的な存在というところが問題となる気がする。

 所詮、まがい物。そういう気持ちがあるかぎり、本心から人を好きになる事は今後とも無い、そんな結論に至りそうだ。

 将来のことは分からないけれど。

 風呂場での出来事について、ナコトはンフィーレア達は割りと自主的に行動していたので童貞卒業おめでとう、と口には出さないが胸の内で祝福の言葉して二人に送る。

 妙な名言も興奮状態で言われると聞こえていたナコトでさえ恥ずかしさを覚えてしまったほどだ。

 さすがンフィーレア。立派な名言で尊敬するぜ、と胸の内で言っておく。そして、それに応えるエンリはきっと立派な大人物になりそうな予感があった。

 初心(うぶ)な男子はやたらと精力が有り余っている、と見える。

 一部の専門用語はエンリなら家畜の世話をしていれば自然と知識として身に付くもの。同様に錬金術師(アルケミスト)のンフィーレアもそれなりの知識は保有して居る筈だ。

 知(・)ら(・)な(・)い(・)振(・)り(・)から口(・)に(・)し(・)て(・)も(・)平(・)気(・)なところに来たと見るべきか。

 聞いている側もこそばゆいけれど、嫌ではない。

 この後、二人を惨殺するのが外道のやること。

 ンフィーレア達が悪人ならそうする可能性は高い。だが、人間を殺すのは早々に飽きてしまった。というか人体解体で殺人に匹敵する事を繰り返している。

 それで結構満足してしまった。だから二人は生きて帰す。

 口封じばかりするのはお約束ではあるけれど、短絡的でつまらない。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 食事を終えたエンリは近くに置いてあるベッドに寝転がり、ンフィーレアを手招きする。そして、ナコトが見ている前でも構わずに自分の胸を揉み、陰核を刺激する。

 無言でンフィーレアはエンリの近くに行き、彼女の性器を舐め始める。

 

「……もう少しやりましょう」

「……うん」

 

 エンリの両膝を開いて上に覆いかぶさるように移動する。

 既に勃起していて準備万端となっていた。

 まずエンリの胸を交互に吸いつつ揉んで感触を確かめる。これは性的興奮を促進する為だとンフィーレアの頭の中では認識していた。それから自分の男根をエンリの女性器に擦り付ける。

 

「じゃあ……、入れるよ」

「ええ」

 

 復活した処女膜となっているので、再度の挿入時にまた痛みがあった。けれども二回目ともなると慣れたのか、耐えられた。

 いきなり激しくは動かさず、ゆっくりとした動作で先端から根元までしっかり往復運動をさせていく。

 肩にエンリの両足を乗せつつ相手の腰を掴んでしっかり動かす。

 

「……どう? 気持ちいい?」

「もう出ちゃいそう……」

 

 互いに笑いあい、接吻し合う。そして、挿入を繰り返しているうちに腰の部分から体液が漏れてきて敷いてあるタオルを濡らしていく。

 それから数分後にンフィーレアが果てる。

 最初の無理な射精に比べれば痛みは軽減できたが、まだまだ出せそうな気がした。

 行為を終えた二人を見ていると自分も参加したくなってきた。

 急いで服を脱ぎンフィーレアを椅子に座らせる。エンリは彼の男根を口に含ませ、ナコトはエンリの腰を掴む。

 他人の精液が入った女性器に自分の男根を入れるのは少し抵抗を感じたが致し方ない。

 ンフィーレアから見て他人と性行為する様を見せられるわけだが、精神支配を受けているとはいえ何も感じないものなのか、ナコトは気になった。

 好きな女に自分の性器をしゃぶらせて幸せ一杯で他の事は気にならない状態だとか。

 気にするようにすれば慌てたり、怒ったりするのかもしれない。しかしながらンフィーレアは股に顔を埋めているエンリを愛(いと)おしそうに眺めていた。

 嫉妬心を煽(あお)る気は無いが自分の思い通りになりすぎるのはやはり面(・)白(・)く(・)な(・)い(・)。

 そんな事を思いつつ久しぶりに景気よく射精する。

 無関心で何も感じないわけではなく、それなりに気持ち良さはあった。

 もし完全に何も感じないような人間であれば生きている事にも無関心になってしまうかもしれない。それは飽き易いナコトでも恐ろしい事だと思った。

 

「………」

 

 絶頂に関して呻くほどの感覚は無い事もないが、ある程度は意識して出せるのは不思議だ。だが、黙って立ったまま急に射精はしない。もし出来るようであれば自慰と性交が意味を成さないし、バカバカしくなる。

 だからこそ熱心になり難く、醒めやすい。

 仮の身体であるアバターでも快感をある程度は感じる事は分かった。だが、元の身体は今頃どうなっているのか。二年以上経つが既に死んでいるか、精神だけ二分されて向こうは普通の生活を送っているのか。それとも時間が停止した状態だとか。

 調べられないのだからどうしようもないけれど。

 思考を戻し、男根を引き抜けば大量の精液が漏れ出て来た。

 短時間とはいえエンリは早くも息も絶え絶えとなっていた。

 ナコトとしては今日はここまでにした方がいいと判断する。

 護衛が居るなら長居はさせられないし、捜索されるのは嫌なので。

 ンフィーレアが二回ほどエンリの口の中に射精したところで眠りに就かせた。後は下処理を終えれば最初と何も変わらない状態が出来上がる。

 MP(マジックポイント)の消費が激しいので少し時間がかかるのが欠点だが。

 目覚めた二人はここであった行為のほとんどを覚えていないし、エンリは処女のまま。

 ンフィーレアは初心(うぶ)な童貞男子のままだ。

 脳が体験したこと覚えているのであれば童貞や処女性は無意味になる、可能性があるけれど。そこまでは知りえないので、様子を見ているしかない。

 外に出れば夕方になる時刻。

 精力がある若者の営みは簡単に時間を消費してしまうようだ。

 ナコトは次の街に向かう事にする為、思考を切り替える。

 エ・ランテルからエ・ペスペル。そして王都へ。

 バハルス帝国とスレイン法国は魔法的な加護があるので王国ほどの行動はしにくいが、目ぼしい人材よりまず素材だ。

 手持ちのアイテムも無限ではない。

 一旦、南方の隠れ家に向かい、重荷をしまう。

 工事の進捗は遅々として進んでいないが多くの職人達が今も働いていた。

 普通に考えてこの時代の職人でも数十年はかかる規模だ。

 最初の掘削だけで二年は軽くかかると試算されていた。だが、その分はナコトが終わらせたので少し工期が短くなったけれど。

 荷物が少し軽くなったところで、改めて自分の拠点を上空から見渡す。

 既に新しい村と小さな都市が出来つつあった。街道の整備も始められている。けれども他の都市からかなり離れているので移動は大変だが、それでも活気ある場所に人は集まる傾向にあるようだ。

 ならば工事が終わった後はどうなるのか。

 村は良いとして都市はすぐ廃れそうだ。しかももう少し南下すれば豚鬼(オーク)達の集落などがある。

 そこから人間を襲いに来れば危険度が上がる。

 適度に都市を配置し、人の往来を多くすれば脅威度は下がるかもしれない。けれども、そこに至るまでに数十年はかかる。

 それはそれで長い時間を有意義に使えると思えば苦にならないかもしれない。

 色々と考える事も増えるし、歴史が動くかもしれない。

 それに国の事はナコトが考えることではなく、王国の政治が頭をいためればいい事だ。

 留守にしていた間、大きな騒動は無く、数日ほど外壁作りに没頭する。

 階層構造にするに当たり、重量制限の壁が出てくる。

 柱を設置したり、その柱の太さや材質をするのか、など。

 大勢で使う事は想定されて居ないので三階層にされても困る。かといって一階層だと、広い空間を支える土台が必要となる。

 ゲーム時代はそういう事は考えなくて良かったが、この世界では地盤沈下も起きる。

 当然、事故も想定しなければならない。

 後、雨水の流入や保存食の痛み具合など。

 とにかく考える事が膨大で大変だ。

 

 

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