※この作品はR-18です。

恥丘征服   作:トラロック

7 / 10
07 性的興奮の果て

 

 漸くにして最初の目的に戻れた気がしたナコトはそれだけで満たされた気持ちになった。

 馬車の中には今まで探していた人材がいる。今までの鬱屈とした気持ちが無いだけでこうも晴れやかになれるのは久方ぶりである。

 普通に移動すると一週間近くかかるので、深夜寝静まった頃に転移で移動する。問題は別行動しているアルシェ達との合流だ。それに関しても先回りすれば問題は無い。

 彼女達が途中で襲われる事が無い限り。

 

「君達が強くなった後の事は考えていない。だが、普段通りに過ごしていれば余計な敵が現れないかもしれないし、もっと強大な敵に簡単に駆逐されるかもしれない。それらは君達の冒険だ」

「秘密の実験って話しだったと思うんですが……」

 

 ヘッケランは懸念を伝えてくる。

 それに対してナコトは誠心誠意言える事は答えた。隠すほどの重大な案件がまだ無かったから、ともいえる。

 実際、用意しかしていない。

 

「施設を荒らされたくないってだけだよ。無駄に広いから。……自分でも失敗したなって思う」

「……行きたくないような、少し見てみたいような」

 

 不安が入り混じる彼らの懸念はそのままナコトの不安の表れだ。

 実際自分でもそう思った。

 期待していたものと違って先行きが不透明になったのだから。

 理想は理想だ、と割り切り先に進む。

 目的地は南方の山岳地帯。だが、その前にいくつかの都市を経由する。

 進む先にあるのは農村と宿場町が点在する都市がいくつかあるだけ。主要な大都市はエ・ランテルより下には無い。

 広大な雑木林、丘に平原。それにともなう野生動物達。もちろん、モンスターも膨大に居る。

 野盗もいくつか根城にしている洞窟類もあるとか。

 一日かけて辿り着いた都市で小休止する。そして、ここがアルシェ達との合流地点だ。

 

「王国の南側は初めて来たけど、結構活気づいているんだな」

 

 いくつかの農村を開発させたお陰で農産物の物流による利益が回ってきていた。

 大きな犯罪組織の関与の噂は聞いているが、それらは冒険者に任せる事にしている。それとスレイン法国側がちょっかいをかけてくれば攻める口実が出来る。

 彼らの未知なる戦力を引き出すには打って付けの場所でもあるから。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 宿を取り、一息つく。アルシェ達が訪れるのは二週間以上である。その事に思い至ると便利な魔法に頼っていたナコトはその間のどう過ごそうか悩んだ。

 この世界の人間達は長い期間の生活には慣れていて一ヶ月くらいは些事だと思っている。

 ナコトも長く住んでいるが時間に追われていた世界の住人でもあるので、長期間の時間のつぶし方には慣れていない。

 

「……彼女達が来るまでの間、どうしたらいいのでしょう」

「往復に二週間ほどとして、その間の過ごし方ですか?」

 

 一人で悩むことが多かったが今回はヘッケラン達が居る。

 酒場の一角を借りて素直な気持ちで尋ねてみた。こういう所も慣れが必要だなと思いつつ。

 

「こういう場合、冒険者はどう過ごしているものですか? 私は単独行動が多いので」

「待合場所を指定したら、それまで自由時間が多いですね。冒険者としての行動で言えば武器の新調や情報集めで時間は意外と早く過ぎるものです」

 

 飲み食いの代金は全てナコト持ち。それ自体に文句はない。

 宿泊費もそうだが、金は好きなだけ手に入るし、自前でも色々と用意できる。

 かといって豪遊したいわけではない。

 

「待つしかないのか」

 

 瞬間移動を駆使してばかりだと物凄い速さで飽きが来る。のんびりと待つことも時には必要なのかな、と。しかし、退屈な時間の過ごし方が下手なナコトにとっては苦痛だ。

 近場でモンスターを倒したりとか、何らかのイベントが欲しくなる。

 適当な食事と飲み物を注文し、イミーナに顔を向ける。

 華奢な体型の半森妖精(ハーフエルフ)は意外と出会いが無い。闇妖精(ダークエルフ)もトブの大森林以外で見かける事が無いほど。

 自分の居る地域の問題かもしれないが、他の場所にもいずれは向かいたいと思った。

 

「半森妖精(ハーフエルフ)……でいいのかな?」

「ええ、そうよ。男と変わらないくらい平坦な身体つきの半森妖精(ハーフエルフ)」

 

 耳が横に長いのは種族の特徴ではあるが、それ以外は人間と大差がない。

 可愛い娘だとしてもどうしてか美しく感じるのは何故なのか。

 そこはナコトが日本人で異国の女性は思った以上に奇麗に感じるからか。

 白人で金髪の女性を見ると一緒、とか。

 

「魔法ではなく、武器が主体?」

「中遠距離型って感じかしら。魔法は得意ってほどじゃない」

 

 見た感じでは野伏(レンジャー)だ。

 薄汚れた革製の防具をまとっている。いかにも使い古した装備品だ。これも新調してあげるべきか、と頭を働かせる。

 良い装備は高い。だからといってそれだけを目的としているわけではない。

 現代社会の様な仕事が無く、モンスター退治を生業とする職業が成り立つ世界だ。これはこれでお役所仕事のようなものと割り切れば依頼を受けて仕事を完遂し、給金を貰う。

 問題は命の価値が低いこと。労働基準法がほぼ無い。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 ナコトがやろうとしている事は自己満足の趣味だ。協力してくれるのであれば生命の保証は約束する。

 今回は外部に漏れだす様な秘密を彼らには扱わせない。

 増強はそれほど秘匿性が無いからだ。多くの人材が勝手に来た場合は命の保証は無い、ということにすればいい。

 

「イミーナが半森妖精(ハーフエルフ)だと都合が悪いのか?」

「それとも尖った耳がお気に召さないとか?」

「むしろ触ってみたい気持ちが……」

 

 イミーナは嫌な顔をしたが触るだけなら別にいいか、と。しかし、人間の耳と大して感触に差は無い。それはナコトも知っている。

 他に言葉が無かったから、つい言ってしまっただけだ。

 

「肉体的にも人間と大差ないけどな」

「森妖精(エルフ)と山小人(ドワーフ)以外にどんな種族が居るのか、分かります? 有名どころしか知らないもので」

「他の人間種は見当たらないな、そういえば……」

「昔はたくさん居たらしいけど、凶悪なモンスターが国ごと滅ぼしたせいで絶滅したのがいくつかあるって聞いたことがあるわ」

 

 数百年も昔の事だとか。

 資料や見当がつけばなんとかなりそうだが、調べるには現地に行くか大きな図書館のようなものが必要だ。

 その手の問題で一番有力なのが宗教国家。

 それはそれとして会話が続かない。今更逃亡を図るとは思えないが、念のために人質でも取ろうかなと思いつつ、アルシェ達が来るまで何をしていたらいいのか尋ねた。

 ここから目的地までさらに数日かかる。その間、日用品でも買ってもらおうか。

 冒険者ギルドがあるわけでもないし、この辺りの仕事の殆どは冒険者向けではない。

 無為に時間を潰すことはせわしない現代人にとって苦痛であった。

 イミーナを仮の人質として側に置き、ヘッケランが買い物に向かう。

 

「……ただ待っているだけというのは辛いな。こういう時は……どうしたらいいのか」

「さあねー。大都市で待ち合わせしていれば少なくとも仕事はあったかもしれないけど……」

 

 冒険者ギルドがあれば少なくとも退屈はしない。確かにそうだ。

 だからといってこの都市に設立するには色々と面倒ごとが多い。それと仕事が多くなければならない。

 物流以外ではまだ活気づいていない。何らかの鉱山でも発見されない限りは。

 領土的にも南方の国家に接してしまうので、そこはまだ手が出ない。

 

「そういえば、増強って事だけど……。それが成功したら私達はどうなるの?」

「良い助手であればしばらく雇いたいところだけど……。君達が望む強さを与えて、放置かな。別に永久に監禁する気は無いよ。良ければ世界の事を色々と教えてほしいところだ。このところ寂しさに飢えていてね」

 

 当初ほどの性欲に興味は持たず、けれども全くないとも言えない。

 同じことの繰り返しはナコトでも飽きてしまうし、生きる気力も減退してしまう。

 旅の供は都合よく見つからないものだ。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 懸念を持たれる事は本人自身が良く理解している。今まで一人で活動していたから仕方が無い事だが。

 ここに寂しさを覚えるのは都合が良すぎる言い訳だ。

 イミーナの質問に色々と答えつつもナコトは始終落ち着いた様子を見せていた。

 

「長期間滞在を可能にする秘密基地だ。目立つ施設だと犯罪組織とか来そうだからね」

「動かしているのが貴方一人だけ?」

「建設は多くの作業員を雇い入れたけど、実質私一人だけだ。怪しいところに来てくれそうな人材に覚えが無くて」

 

 その人材候補としてヘッケラン達が該当していた。

 長く見つけられなくて用意だけ整えていた、という次第だった。

 

「君達が実験台になってくれそうな生きの良い人材でも紹介してくれるのか? 出来れば怪しくない人物がいいな。女性は歓迎だ」

「……あはは。そうねー。同業者に覚えはあるけど……、それぞれ忙しそうだからなー」

 

 長く連れ添った仲間以外の新たな人材はイミーナとて見つけるのは簡単ではないと思っている。

 なにより仲間を募集してすぐに見つかるものでもない。それと殆どの知り合いはバハルス帝国側だ。ここまで連れてくるのは大変だから、良い返事は期待できない。

 

「もっと多くの人材がいれば賑やかだろうけれど。いきなり大勢でも困る。その辺りが難しいところだ。……生活については保証できるが……、君達がこのまま来てくれることを望む」

「今更逃げるわけにはいかないだろうし、なにより……。アルシェはあんたに恩を感じている。それは間違いないわ」

 

 返金を迫られるかと思っていたが今のところ話しを聞く限り、実験とやらの方が大事だという事は理解した。

 どんなことをやらされるのか、今更な話しだとイミーナは苦笑する。

 その後でヘッケランが戻ってきた。

 

「お帰り」

「……ん」

 

 自分が居ない間にイミーナが連れ去られていると思ったのにまだ現場に居る事に驚いたような顔をした。

 というのはナコト側の憶測だが、確かに彼は僅かに驚いたのは確かだ。

 強引な手は浮かんでいる。けれども飲食店の中で色々と能力を使うのは躊躇われた。ただ、それだけだ。

 それよりもアルシェ達が来るまでの時間の潰し方で悩んていた。

 このまま馬車で移動するもよし。物陰から転移するもよし。

 あまり楽な方法は焦りを生むので使いたくなかった。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 ヘッケラン達が向かうところは南方の山岳地帯。更に奥地の隠れ家だ。

 多くの職人を招いた後で色々と隠蔽工作を施したので、簡単には見つからないし、職人たちに聞いても無駄であるように細工も済んでいる。

 先行して二人を先に実験に付き合わせるか、と。

 四人揃うまで待つ必要もない。

 翌日宿を引き払い、荷物を小屋に集めさせる。

 

「〈集団人間種魅了(マス・チャームパーソン)〉」

 

 彼らの背後から魔法を唱えるナコト。

 高い位階魔法はそこらの冒険者でも対処が難しい。特殊な魔法(マジック)アイテムでも所持していな限りは大抵通用する。

 今使った魔法は低位と効果は同じで、自分の意識を保っている。

 今頃、自由が利かない事に疑問を覚えている筈だ。

 まずは簡単な命令で効果を確認する。それから持ってきた荷物は全てインベントリ(異空間の倉庫)に収納する。

 

「耳栓を付けて目隠しして」

 

 二人が大人しく言うことを聞いている間、淡々と作業をこなすナコト。その辺りの方法は実に手慣れたものとなっている。

 人格を壊すほどではないし、そうするつもりもない。

 目隠しが終わった後は転移で一気に目的地に送る。

 彼らに用意させた荷物を整理した後、もう少し強めの睡眠魔法にて眠ってもらう。

 

「なんでも操っていたら楽しい事も無くなりそうだ」

 

 そんなことを言いつつベッドを用意し、それぞれ寝かせる。

 後はアルシェ達が来るのを待つだけだが、この先自分は何を楽しみにすればいいのか、改めて考えて行かなければならない。

 一人では限界がある。仲間が必要だ。特に裏切らない人材が。

 そんなことを思いつつ彼らの為の用意を整える。それが終わってから魔法を解除する。

 少し強引ではあったがのんびりと会話していたら日が暮れる。それはそれで構わないのだが、迅速な行動は時に有益に働く。

 

「お、おお……。うわぁ、朝か」

「……なわけないでしょ」

 

 彼らは秘密施設『チャタル・ヒュユク』にて目覚める。

 地下世界は陽の光りが届かないので薄暗いものだ。だが、各地点に魔法の灯りを用意しているので、わりと明るい。

 特にヘッケラン達にとっては眩しいくらいの白さに思えるほど。

 

「やあ、おはよう。といっても数時間程度しか経っていないけどね」

「……想像よりもとんでもない人物だったようだ」

 

 見た目は飄々とした平凡な男にしか見えないナコトが実はとんでもない実力者であると、なんとなく分かりかけてきた。

 全貌が掴めない人物ほど怖いものは無い。

 イミーナは自分の身なりをまず確認し、それからヘッケランに顔を向ける。

 

「ここが私の秘密基地だ。想定よりも大きくて自分でもびっくりしている。それと……、大雑把な設計のせいで無駄に広い空間が勿体ない」

 

 荷物の場所を二人に伝え、地上の戻り方を教えておく。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 山岳地帯の隠れ家『チャタル・ヒュユク』は中こそ衣食住に困らないが外はモンスター蔓延る危険地帯である。

 天然の要塞でもあり、村人を招けるような平和な世界にはなっていない。

 

「こういう場所は多くの研究者などを入れるものだが、残念ながら人材確保で行き詰まっている。目ぼしいものは無いが……、こういう所だというのは理解しておいてくれ」

「それで……、強引に俺達をここに入れて何をさせるつもりだ?」

「モンスター退治だ。専用の部屋を用意してある。……正直、高さまでは考慮していなかった」

 

 この施設の部屋はとにかく高い。何段にも分けていた方が効率的ではないかと。しかし、ナコトには階層の作り方が分からなかったし、後から作ると構造的に脆そうと思ったので今まで放置してきた。

 現行の階層の耐久度は高く、これ以上は手を加えない方がいいと判断した。

 

「武器はこちらで用意した。それと、モンスターは君達を襲わない。好きなだけ自由に倒してくれ」

 

 ナコトは二人を『三の部屋(ルヴァ)』の入り口に案内した。

 強引に連れてこられることはヘッケランもある程度は覚悟していた。しかし、こうもあっさりと行(おこな)われると恐ろしさが湧いてくる。

 イミーナの様子からも特に異常は感じられないが、とにかく部屋が広すぎて怖い。

 これほど巨大な空間は今まで見たことが無い。

 

「こんなに広い場所は見たことが無い」

「なかなか壮観だろう。私も出来上がって驚いた。……広すぎたことに」

 

 苦笑するナコト。

 それにもまして何もないのが不安を煽る。

 人ごみの中で育ったヘッケラン達からすれば誰も居ない事も不気味であった。

 部屋はとにかく広い。端から端まで徒歩での移動が辛く感じるほど。それと無人である事も。

 ここまで見事な平面を演出する場所はおそらく城の中にもない筈だと思わせる。

 

「君達の了承を得るのは面倒だったが、実際のところ強引な手は取りたくない。この先の扉には想像絶する数のモンスターが居る。……今日は疲れるまで倒してもらうけれど、魅了を受けた方が楽だが……。どうする?」

 

 どうすると言われて拒否するするに決まっている。しかし、強引な手を使われるのは目に見えて明らか。

 端から拒否権は無いと見ていい。そうヘッケランは判断する。

 

「命の保証はあるんですかい?」

「もちろん。生きていてくれないと困る。最終的に君達には理想の力を得てもらう。その後は自由だ。更なる鍛練を積もうと構わないが……。末永く生きてくれ」

 

 長生きするのは当たり前だが、意外だなと思った。

 いや、これも何らかの魔法の影響か、と。

 

「じゃあまずは……。私の部下になる、という宣誓をしてもらおう。契約書とかは必要ない。ただ、言葉に出して言うだけ。拒否すると死ぬ、みたいなものは無い」

「……不穏な言葉ばかり聞いているから、言いにくいな」

 

 形式にはこだわらないという事でヘッケランが簡単な文言を言う。身体に何か違和感があるかと思ったが、何も感じない。

 続いてイミーナにも同じように宣誓させる。

 ナコトは二人を正式に自分の仲間として認める、と胸の内で決める。

 それだけで頭の中でカチリとした感触を得る。

 大人数のギルドを結成するには特別なアイテムが必要だ。仲間の場合は『フレンド』登録だ。だが、特別なコンソールを出せないこの世界の場合は宣誓や認める行為だけで済む。

 問題は『同士打ち(フレンドリー・ファイア)』だ。

 仲間に当たらなくなる、という現象をこの世界は理解しないらしい。どうやっても攻撃は当たる。その不可解さが存在するので思う様に運ばない。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 部下というのは適当な単語が思い浮かばなかったから、と説明してから彼らに武器を渡す。

 それなりの金額を弾まなければ手に入らないようなものにヘッケランとイミーナはたじろぐ。

 

「効率を上げるため、魔法を受けてもらおうか、やはり。この実験は単純な強さの証明だ。失敗してもいい。何年もかかるようなものではない。……正直、一人での作業に飽きてきた」

 

 長く一人での活動が続いた精神的影響のせいか、他人との会話も上手く続かない。

 本当は強引に進める気が無く、試行錯誤したい気持ちがあった。

 思っていた程追い詰められている事にナコト自身驚いている。

 

「……いや、漸(ようや)く始められる事に戸惑っているだけだ」

 

 多くの失敗を重ねて、がっかりしていたが。

 彼らの増強からが本来の道筋だ。改めて始めればいいだけ。

 そして、魔法を問答無用で行使する。

 

「………」

「悪いけど、悠長に会話するのは疲れた。初日は施設に慣れてもらうくらいだ。それと……、本当に命を取る気は無い。報酬は強さだが、君達の冒険を邪魔するつもりは無いよ」

 

 そして、戦闘の効率を上げるための強化(バフ)を施していく。

 高レベルクリーチャーの大量討伐。一見するだけで怖気づいてもらっては困るので、やり通してもらう。

 極度の疲労を感じたら終わり、と命令していく。

 

「了解した」

「ええ」

 

 それと互いを殺し合わないように。命令の不備は時に不測の事態を招く。

 後は扉を開けて彼らを放り込む。その後、ナコトは地上の施設に向かう。

 山岳地帯で露出した建物は小さな一軒家。外観は廃墟っぽいが中は新築同然。寝泊りも出来るが、あまり利用したことは無い。

 

「彼らのステータスを表示。蓄積される経験値が多ければ成功だ」

 

 戦闘が始まり、ステータスの数値が乱高下する。

 単独(ソロ)で活動していたナコトにとって他人のステータスは不思議な光景に移る。

 HP(ヒットポイント)自体は減らない筈だ。無防備のモンスターと戦っているのだから。それが変動する場合は異常事態を意味する。

 しばらく眺めていたが自分が今いる位置からヘッケラン達を確認できる方法を確立していないので、数値のみが頼りだった。

 映像についてはアルシェの到着から考える予定だった。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 外からの襲撃に警戒しつつ静かな時が流れる。

 経験値自体は順調に得ているようだ。問題はそれらをどう振り分けるか、だ。

 まずは目いっぱい戦ってもらう。その後は色々と詰めて行けばいい。

 ずっと同じ画面を見つめていると気が滅入るので仮眠に入る。それから何事も無く、目が覚める頃には夜中になっていた。

 隠蔽しているとはいえ、外の景観は窓から確認できるようになっている。

 建設当時はかなり目立っていたが、今は雑木林などで隠されていて建設に携わった者でもない限り、特定するのは難しい。

 ただ、近くに街への獣道が出来ているので慣れた住民ならば見つけるのは難しくない。

 誰も来ないような場所に一人で住むのもかなりの覚悟が要る。

 

「………」

 

 ヘッケラン達の体力からいって、既にバテている筈だ。

 無限に戦える程冒険者は強くない。そこはやはり人間である、と言える。

 地下に降りるとすぐに倒れている二人を見つけた。

 彼らの周りは血まみれだった。返り血が凄い事になっていた。

 

「……まあ、思った通りで安心した」

 

 疲労困憊の二人。

 すぐに治癒魔法をかける。

 二人が今まで倒してきた中には人間も含まれる。とはいえ、そこら辺から拉致してきたものではないので殺したところで問題は無い。

 しかし、意識を取り戻した彼らにとっては問題かもしれないが、そこは上手く対処すればいい。

 魔法を解除をしても彼らは起き上がらない。蓄積した疲労は治癒魔法で即座に解消する程の万能なものではない。

 しばらくは立ち上がれないものだ。

 

「……おい、あ(・)れ(・)はなんなんだ」

「見た通り。人間というクリーチャーだ。高レベルのクリーチャーで人間は殺しやすい」

「……そうじゃねえ。……同じ顔がたくさんいた事だ」

「不思議だろう? 魔法の深遠さ。都合のいいモンスターはそう簡単に見つからなくてね。居ない者は作るしかない。強大なモンスターは強くて倒しにくい。……これはただそれだけの話しだ」

 

 殺したのが人間だとしてもそれらは本物であって本物ではない。

 だからこそ洗脳でもしない限り、彼らにとって倒せない強敵だ。

 

「クリーチャーだと思ってどんどん倒してくれればいい。君達に人殺しをさせている事には心を痛めるが、罪悪感を植え付けるためではない」

 

 ナコトの言葉で彼がモンスター求めていた理由が理解できた。そして、それを実際に目の当たりにして改めて恐れを抱く。

 

 まともじゃない。

 

 だからこそこんな施設を作ったのだろうけれど、理解を越えていた。

 イミーナはただただ涙が止まらなかった。自分達は何をされているのか、怖くて言葉に出来ない。

 モンスターは多く倒してきた。それでも今回は精神的にもきつかった。

 

「君達はゆっくりと休みなよ。実験はまだまだ続く」

 

 強引な動作によって動きたくても動けない。

 部屋から這い出るだけで体力を失った。治癒魔法によってある程度は回復したと言ってもあとの震えは止まっていない。

 ナコトはクリーチャーの死体が転がる部屋に向かい、少し経ってから戻った。

 

「最初にしては健闘したね。増強はちゃんと行(おこな)う。……だから、今日はもうお休み」

 

 魔法によってヘッケラン達は眠りに落ちる。

 この施設の主に逆らうのは一筋縄ではいかない。そう理解するのはもっと後になってからだ。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 翌日、早朝から過酷なクリーチャー退治かと思われたが豪勢な食事を振舞われた。ただし、ガランとした広い空間内で。

 ナコト本人も自覚しているが、小さな小屋を作るべき一人で悩んでいたら今に至るまで何もできなかった、と言われた。

 

「近所の農家から頂いたものだ。食料の備蓄は充分にある。君達で料理するなら台所も用意しよう」

「何から何まで。随分と用意が良いな」

「元々たくさんの人間達に働いてもらう為に用意したものだ。この施設を作る時もそうだった。今は誰も居ないが……。居るとしても君達が戦った動かない生き物たちだ」

 

 ナコトはヘッケラン達の疑問に出来る限り答えていった。それでも多くの疑問が解消されたわけではない。

 魔法の能力の高さはアルシェ以上。それがまず信じられなかった。

 おそらくまともに戦っても勝てる保証がないのでは、と。

 正体不明の怪人ナコト。改めて脅威を抱く。

 

「助手が欲しいとは言ったが……。誰かを一生閉じ込めておく気は無い。奴隷とかも考えたが……。まだ始めたばかりだから」

 

 それから、と続け。

 施設の中をどう改造すればいいのか、ナコトはヘッケラン達に尋ねた。

 職人を入れる事になるが、まず必要なものが分からない。

 ナコトが掘り抜いたのはあくまで無駄をなくした結果だ。ここから付け加えていく事には異論はなかった。

 元から魔法で全てをやろうとは思っていない。しかし、何でも思い通りというのも面白くないものだ、とナコトは思う。

 今日は部屋作りを行(おこな)うことに決めた。

 必要な材料は豊富にある。無いのは人材だけだ。

 ベッドがあっても灯りで眠れない、ということはない。一気に光量を落とすと闇に閉ざされ、行動不能に陥る。最低限度の光源は確保されている。

 板を何枚か持ち寄り、壁を作ったり、屋根や灯り、着替えの為の箪笥。

 風呂場にも案内し、様子を見せておく。

 

「強さを得る方法に驚かれたと思うけれど、とにかくたくさん倒し続ければいい」

「……倒す対象が……、人間というところがな」

「アンデッドを倒す分には大差がないんだけど……。気持ち的に抵抗を感じるわね」

 

 抵抗を感じなくするには魅了などの魔法を受ければいい。確かにその方法であれば楽に事が進む。

 イミーナとて多くのモンスターを倒してきた熟練の冒険者だ。奇麗も汚いも無い事は知っている。

 ある程度の作業を終えたところで魔法を使う。すると面白いようにヘッケラン達は人形と化した。

 対策を取っていないせいもあるし、高い位階魔法に手も足も出ないのは仕方がない。

 

「……でも、命を取ろうとは思っていない。協力してくれることに感謝している」

「そうかい、それは嬉しいな」

 

 という言葉は自分が言わせているようで面白くはないが。

 ナコトは続いて別の魔法をそれぞれにかける。

 洗脳支配系を多く持つナコトではあるが得意というほどではない。単なる気晴らしだ。

 二人が恍惚状態になったことを確認し、指示を与える。

 

「私が合図を出したら……、私の言葉に関して何の疑いもせずに指示に従ってくれ」

「了解した」

「は~い」

 

 術者レベルが高いと大抵の事が通りやすい。ただし、万能かと言われると自信がない。

 魔法の効果が切れた後、夢から覚めたように周りを見渡すヘッケラン達。

 毎回魔法による魅了では頭痛の原因になるかもしれないので、色々と試すことにする。

 自分でも寝て起きてを短時間に何度も繰り返すと具合が悪くなる。それを少しでも解消しなければ彼らは身体を壊してしまう。

 

「まずは……、四人分の部屋作りからか」

 

 資材をナコトが運び込み、ヘッケラン達は並べる。

 組み立てに関してナコトが事前に職人から教わっているので、支えだけ手伝ってもらいながら造り上げていく。

 この施設には何もないようで膨大な資源が別の部屋に詰まっている。そこに不用意に行かないように命令しておく。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 二日目の午後に差し掛かる頃にはヘッケラン達の部屋が完成する。そして、それぞれの荷物を整理する。

 武具の他に日用品や保存食。もちろん、充分な食料は蓄えられているけれど。

 それらが済めば充分な労働によって疲れが襲ってくる。

 服の汚れは便利な魔法で一発解決する。モンスターを並べている部屋は清掃と追加で一日いっぱいは使えない状態だ。無理に使うことは出来るけれど。

 風呂場と小部屋が離れすぎているのは大変そうだ、と思っても簡易的な湯船の都合がつかない。

 ナコトは転移で自在に行き来できるので想定していなかった。

 現在いる部屋にも風呂場が無いわけではない。壁際まで数百メートルもあるだけだ。トイレはその風呂場の近くにある。

 物置程度の感覚で作ってしまったので、今更だ。

 ヘッケラン達を探す前に色々と作っておけばよかったか、といえば気分的に難しかった。しかし、それは言い訳だ。

 様々な実験の都合で血生臭い現場に職人を入れるの事には抵抗があった。

 

「……明日当たり職人を連れてきてちゃんとした小屋を作ってもらおう」

 

 部屋も広いし、と。

 今日は簡易的なもので我慢してもらうとして一日目の成果を思い出す。

 彼らが獲得した経験値は数値だと相当量稼げた。しかし、それを適当に振り分けることは出来ない。

 それぞれ伸ばしたい目的を聞いていないので。

 

「今のままの戦闘形態を維持するのか、なってみたい職種というものはありますか?」

「王国戦士長のような強い男になりたいな」

「私は……戦闘補助以外は考えてないわね。ずっとダンジョンや遺跡専門をやりたいわけじゃないし。魔法も得意ではないから」

 

 イミーナは戦闘以外の能力が欲しいということだった。

 料理とか細々とした作業のできるもの。商人の様な職人系。

 先の戦闘でも自動的に職業(クラス)に経験値が流れていき、新たな職業(クラス)候補が発現している。

 この世界の住人は意図的ではなく自動的。全てではないが少しずつ経験値が流れていく仕組みになっている。

 それがどうして起こるのかは不明。彼らも知る由(よし)が無いようであった。

 急激な経験値の獲得の場合、全てを割り振るには時間がかかるのは見ていてわかった。

 ナコト達は意図的に振り分けられるので余計な危惧は生まれない。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 魔法の効果は絶大である。それを改めて知る事になるナコト。

 胡散臭い人物の質問にも饒舌に答えてくれるのだから恐ろしい事だ。

 とはいえ、調子に乗り過ぎれば自滅する事もまた知っている。現に退屈を感じている。

 長く生活する上での飽きというのは飢餓と同義だ。息をしているだけの死人と変わらない。そして、それもまた恐ろしい。

 生き急ぎ実験を済ませ、落ち着いた環境を整備しなければならない。

 焦りが強引な手法になってしまう。それは反省するところだ。

 

「君らは恋人なのか?」

「そうともいうわね」

 

 ある程度、尋ね終わった後は彼らのプライベートの話題に移る。

 普通ならば答えないところも特に気にした様子を見せずに話してくれる。ヘッケラン側は風呂に入る準備をしていた。

 それはイミーナ側も同じで上半身裸だ。傍にナコトが居るのに。

 引き締まった肉体。華奢な体格なのは服を着ている時から知っていたが、見事なものだった。

 この世界の冒険者は低級でも良い身体つきをしている。

 平坦な胸とはいえ女性的な形は僅かに残している。これはアスリートの身体に酷似していると言ってもいい。

 誰もが巨乳なわけがない。

 試しに森妖精(エルフ)特有の長い耳を触ってみる。これは既に触り慣れていたが、ついつい手が行った。

 当然、他の耳と同様に新しさは感じなかった。

 イミーナの顔は触りたければ好きにすれば、というような興味の無い不愛想なものだった。

 ついでに脇を触ってみた。肉体的な反応は無いので敏感な部分ではなかった。これにはナコトも羨ましいと思ってしまった。

 脇を触られて平気な人間は意外と少なく、ナコトもいきなり触れられればくすぐったさを感じる自信がある。

 アバターというよりは本体の条件反射が関係するようだ。実際には何も感じない筈なのだが不思議な事だ、と。

 

「肉体関係は?」

「当然。あるに決まってるでしょう」

「妊娠はしているのかな?」

「さあ? どうかしらね。……お腹の感覚では……しててもいいのにとは……思ってるわ」

 

 当然、というよりは当たり前の質問だと言わんばかりに自信満々に答えてくれた。

 聞こえている筈のヘッケラン側はどう思っているのか。

 個人的に興味があるのは女性だけ。男性側はどうでも良いのだが恋人である彼がもしヘッケランではなく、見知らぬ男性であれば気にしなかった。

 しかし、当人が側に居るので多少は気になった程度だ。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 対するヘッケランの肉体も鍛えられたアスリートのように引き締まっていた。主に腹筋が。

 イミーナ共々痩せ型だが、こんな身体で日夜凶暴なモンスターを倒したり、未知のダンジョンを攻略したりしている。

 特に探検は様々な部分で筋肉を使う。時には苦しい体勢も要求されるはずだ。

 ナコトもアバターとして色々な場所に行った事はあるがゲームだからか、それほど苦しくはなかった。しかし、今は息苦しさを感じている。

 こちらが本当の感覚とでもいうように。

 それにしても。分かってはいるのだが、目の前で平然と裸になられる様子はいつ見ても気恥ずかしい。

 露出癖があるわけではないナコトも羞恥心はある。アバターだから平気だ、というのは精神面での話しではあるがゼロではない。

 羞恥をゼロにする魔法は凄いなと改めて思った。それとも元々人前というか同性の前で裸になるのは平気な人かもしれない。

 金髪の彼の陰毛も金色の毛並み。その下には大きめの男根がブラブラと揺れている。

 

「ご立派なものが付いてて羨ましい限りだ」

 

 仮に彼の男根をもぎ取って自分のと取り換えたとしても、それは他人の男根だ。

 平気な人は取り換えるかもしれないが、ナコトは先の実験の失敗で肉体改造はしばらくこりごりだった。

 妙な外科出術での創造は理想であって現実は残酷だった。

 姿が見えていると暗示にかかっているとはいえ気にするかもしれないので透明化しておく。ただし、この魔法は攻撃と受け取られない限り、相手に声が伝わっても解除されない。

 完全隠蔽型ではないので音は普通に出る。

 この状態でヘッケランの男根を撫でる。するとムクムクと動き出す。

 他人に触られる事による興奮は正常に働いているようだ。

 

「これがイミーナさんの膣に入るんですね」

「引き締まった身体だから気持ちがいいんだよ」

 

 自慢するように言い放つ。

 ナコトの言葉に何の疑いも持たない、という条件が無ければ平然と言えない言葉だ。

 それはイミーナも同様だ。

 二人の間を行ったり来たりするのは面倒なので、並んでもらった。

 イミーナは既に靴以外は脱ぎ終わっていた。髪と同色の陰毛が見えた。

 風呂場まで素足で移動するのに抵抗があった為だ。靴で往来する床だから奇麗とは言えないし、スリッパの代わりだ。

 靴下は高級品ですぐ汚れる一般市民は基本的に裸足だ。そういう文化の為に素足で森の中には居る事にも抵抗は無いらしい。実際、多くの森妖精(エルフ)達は裸足に近い履物だった。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 屹立する男根のままのヘッケランの横に不愛想な顔のままのイミーナが並ぶ。

 普段の自顔が目つきの鋭いものであるなら凛々しいと表現すべきだと思った。

 互いが裸でも特段、恥ずかしがったり身体を隠そうとしないのは見慣れているからか。

 いや、通常であればそんな事態にはならない。

 明るく人目に付きやすい部屋の中だ。露出の気は無い筈だから平気な訳がない。

 ナコトがお願いしたからだ。

 その証拠にヘッケランの男根は限界まで硬く屹立している。多少の羞恥はお互い感じているようだ。

 

「イミーナさん。実際に彼の男根を膣に挿(い)れてみてください」

「えっ? そんなに珍しいものでもないでしょうに……。仕方ないわね」

 

 ヘッケランは腰に手を当てて仁王立ち。好きに使ってくれ、という合図だ。対するイミーナは少しだけ頬を赤らめつつ彼の男根を優しく撫でる。

 お互い立ったままなので真下を向くことになるイミーナにとっては距離感を掴むのが難しい。更に接近すればするほど頭が彼の胸板に当たる事になる。

 普段はベッドに横たわり、両足を広げる体勢で迎えるのが多かったので。

 自分から膣に男根を挿入するのは滅多にない。しかもお互い立ったままという姿勢は初めてに近い。

 だが、ナコトが要望したのでやらないわけにはいかない。別段、拒否する理由も無かった。

 透明化している彼はしゃがんで様子を窺っていた。みっともない恰好をしている事は自覚している。姿を隠しているとはいえ、恥ずかしい恰好をしているな、と呆れてしまう。

 視点移動がままならないのでどうしようもない。やろうと思えば出来なくもないけれど、それはそれで恥ずかしい。

 自分で自分の姿を見る事が、特に。

 

「ほら、挿れるから。よ~く見てごらんなさい」

 

 鼻息を強く吐きつつ指で大陰唇を広げて男根を膣に当てる。互いの肉が触れ合うと妙な吸い付きを感じて吐息が漏れる。

 長い陰毛が邪魔でナコトには見辛い状況なので二人に足をもう少し開くように頼む。

 透明化しているとはいえ、彼の存在は認知されているので驚かれることは無い。

 もし、第三者がいきなり声を出せば二人はきっと慌てふためく。それが通常の反応だ。

 開いた股の間に仰向けになりながら身体を滑り込ませるナコト。

 ゲーム時代では絶対に出来ないような行動に苦笑する。

 

「いい眺めです」

 

 カメラの視点移動でならあり得る光景だが、直接自分の目で見るのは中々できない事だ。

 尚且つ、何かしらの体液がしたたり落ちてきそうな予感がする。

 一番良い眺めにするには陰毛の上に眼球でも設置しなければならない。そうなると妙な化け物になってしまう。

 都合のいい映像は物理的には無理でも魔法的には可能になったりする

 ここで排泄してください、と頼めばやってくれそうだが、落ちる場所はナコトの腹だ。

 ボトボトと排泄物の落ちる様子を楽しむ趣味は無いが、完全に嫌いともいえない。半森妖精(ハーフエルフ)の脱糞シーンを間近で拝める機会はナコトが住んでいた世界には無い。

 肛門がどういう風に動いて盛り上がり、どのくらいの量が出てくるのか。その後、小水がタラタラと漏れ出る様も。

 スカトロの趣味があれば確かめないわけにはいかない。

 第三者視点で今の自分の姿を見れば確実に変態だと言う自信がある。

 恋人同士の性行為を股座(またぐら)から覗いているのだから。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 亀頭がゆっくりと膣の奥に押し込まれ、イミーナは甘ったるい吐息を吐く。

 何度も経験した行為ゆえに少し入った後は彼の腰を掴んで自分(イミーナ)の腰を押し込んでいく。それと同時に少しずつ互いに歩み寄る。互いの身体の間の空間が空いたままだとやりにくいからだ。

 イミーナ側から男根を奥まで挿れ終わると軽く一息ついた。

 下から見ていたナコト側は最初だけ興奮したが後は変わり映えのしないものだったので特に何も感じなかった。

 男根は長いので仕方がない。

 

「後は抜けきらないように……、こう、あっ、して動かしていくの、はっ……」

 

 説明しながら実演するイミーナ。

 ゆっくりと引き抜かれ、また入っていくヘッケランの男根。

 出入りする時に大きな音は鳴らないが、彼の睾丸が強く揺れるのが目に入った。

 

「こうやって。抜き、差し。抜き、差し。彼の一物の突起を感じながら、抜き、差し、と……。はぁ……あぁ……。気持ちいい気分を味わうのぅ。はぁ……、ああっ……」

 

 吐息をつきつつ説明しながら腰を動かし続けるイミーナ。

 顔が完全に上気した彼女を優しく抱きしめるヘッケラン。

 気持ちよさで腰の動きはどんどん早くなっていく。

 

「こ、この狭い穴に彼の太い男根が刺激を与えていくたびに気持ちが良くなっていく。いく、いくのぅ……。激しければ激しいほどにぃ……。ああ、くうぅ。ここまでくると目が痙攣し始めて開けていられなくなるのよ。気分も高揚してきてぇ……」

 

 彼女の言葉を聞いているだけでヘッケランは性的にも興奮していた。だから余計な口は挟まない。俺もとても気持ちいい、と言いたげだ。

 

「んっ、んっ……。最終的にぃ、彼が限界を迎えると……私の中に白くて熱い精をたくさん吐き出すのよ。……だけど、そこまでに至るには、まだまだ時間がかかるわ」

「ああ、そうだな。俺はまだまだ大丈夫だ」

 

 平坦な胸が上下してきたが腰の動きは一向に衰えない。イミーナ側はまだまだ満足していないとでも言いだけに。

 だが、ここでナコトは中止を勧告する。それはまた後でやってください、と。

 そう言うと気持ち的にはまだ満足しいない二人だったが、ナコトのお願いなので聞かないわけにはいかない。

 ゆっくりと腰の動きを止め、名残惜しそうに膣から男根を抜き放つ。

 彼女の膣内で分泌された粘液がまとわりついて糸が引いていた。

 抜きたての膣周りを観察できるのも魔法のお陰と思いつつ深く感謝する。

 閉じかけの膣を間近で見る事が出来るのだから。

 小陰唇が微妙に蠢きつつ膣の穴はどんどん小さくなる。僅かに奥が見えたが粘液まみれではっきりしない。

 指を突っ込んで広げることも出来るけれど、そんな無粋な真似はしない。正しくは今回はしない、だ。

 代わりに陰毛に埋もれた陰核を軽く擦る。するとイミーナは甘ったるい声で喘いだ。

 それと陰核の上の膨らみ、恥丘を撫でたり、押してみたりする。痩せ型なので盛り上がりがはっきりと確認できる。

 盛り上がった肉を摘まんでみると膣の上部が面白いように歪む。

 

「くすぐったいわね、もう……」

「性器周りを見せてください」

「えっ? 性行為したばかりだから汚いわよ」

 

 女性の口から卑猥な単語が次から次えて出てくる。それに関して恥ずかしいと思っていないのか、はっきりとした言葉で返答してくる。

 一通り単語の名称はお互い知っているのか尋ねた。

 

「ええ、もちろん」

「詳しいところまでは知らないが、有名なところは知っている」

 

 名称について英語とドイツ語が入り混じるのだが、現地の人間は漢字表記が標準なようだ。

 翻訳の都合ともいえるけれど。なんともおかしな現象だと思った。

 尿道は尿道。大陰唇は大陰唇。陰核は陰核でそれぞれ通じる。

 男根と亀頭、自慰行為も同様に。

 彼らの耳には本来の単語として伝わっているのかもしれない。それをナコトが知る事が出来ないのはありがたいのか、残念な事なのか。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 ナコトの要望に応えるイミーナは両手で大陰唇を広げる。ヘッケランの目の前で、恥じらいを感じつつ。

 彼も彼女の性器を見ているので男根は先ほどから痙攣したように一定間隔で跳ねた。まるで血管の流れに従う様に。

 透明な姿になっているので彼の視界には邪魔な姿は映らない。それがまた性的興奮を呼び起こさせる。

 広げられた膣壁を指で摘まむとイミーナは僅かに上ずった声を上げた。

 処女膜のない膣口はとても軟らかく、それほど力を籠めなくても広げる事が出来た。そして、奥までしっかりと見える。

 粘液にまみれている内部は不気味な桃色の肉壁の塊だった。その際奥には円形の肉と点のような穴とも窪みともつかないものがあった。そこが子宮への入り口である子宮口だ。

 指を入れた程度ではギリギリ入り口に届くか、という距離にある。

 膣の大きさから言って拳を丸々入れるにはまだまだ広げる必要があるが、そうなるとヘッケランの男根の太さでは余裕に入るようになり、快感を得られにくくってしまう。

 丁度良い狭さが膣の魅力である。

 透明化の為、少し離れた位置から見ると仁王立ちしたまま女性器を広げている半森妖精(ハーフエルフ)として見える。それは自分の意志だけで膣を自在に動かしているようにもとられる不思議な光景だ。

 膣口のすぐ上には穴があり、左右にも目立たないくらい小さな穴がある。

 中央が尿道で左右にあるのが愛液と呼ばれる興奮時に分泌される液体が出るところだ。

 潮吹きの場合は尿道奥にある別の穴から男性の射精と同じように出てくる、と言われている。

 通常、人間の尿道は小さく広げる事は困難である。しかし、細い棒などで拡張していけば、あるいは確認する事も不可能ではないが、放尿に差しさわりが出るかもしれない。

 ナコトは陰核をこすりつつ尿道を観察する。

 

「あっ、ああ、あんまり擦らないで。お、おしっこ出ちゃう」

 

 頬を緩ませながら抗議するイミーナ。

 自分が何をされているのか理解しているようだ。

 陰核を擦り、小陰唇に指を這わせてイミーナの顔を見ると瞬きしながら身体を微妙に震わせている。

 先程の性行為の快感が戻ってきているらしく、頬が上気し始める。

 生暖かい吐息が間断なく吐かれる。そんな状態にもかかわらず、決して止めてとは言わない。

 自分でもわかっている。気持ちいいから続けて、と。でも、側に居るヘッケランが自分を見ているから言えない。言い知れない背徳感がさらに快感を募らせる。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 少し調子に乗って触り続けていたナコトは我に返り、彼女を開放する。

 途中で止められたことに苛立ちつつもいつまでも続けているわけにはいかなかった事に安堵の表情を見せるイミーナ。

 互いの股間はまだ快感に飢えている状態だったが風呂場に行くことをナコトに進められ、素直に従う裸の二人。

 ヘッケランは落ち着いてきたのか、男根は垂れ下がっていたがイミーナは歩くたびに内股に敏感になっている陰核が擦れるせいで歩き方がぎこちなかった。

 自然と彼の腕に自分の腕を絡めて歩くようになる。

 そして、四の部屋(ユリゼン)の地下二階へと続く階段を下りていく。ただ、今の二人には結構な長距離なので申し訳ない気持ちになった。なので手っ取り早く飛行魔法をかけ、一気に階下の扉まで連れて行った。

 この辺りも改良の余地あり、とナコトは心のメモ帳に記載する。既にいくつか忘れている気もするけれど、と。

 ヘッケランが次の部屋への扉を開けると白い湯気が発生し、二人を包む。

 広大な大浴場が広がる四の部屋(ユリゼン)は温度差によってとにかく湯気が視界を阻む。

 

「……おお、すげー」

 

 人工的に作られているので火山などの影響はない。ただし、人肌まで温めるのにえらく時間がかかるので、大半は魔法による即席のものだ。

 それゆえか、極端な灼熱地獄にはならなかったのが救いである。

 利用者がナコトだけだったので他人の意見は中々聞ける機会に恵まれなかった。今回はヘッケラン達に貴重な感想をくれる事を期待する。

 タオルや洗面用具、着替えなどを用意しつつ感想を尋ねる。

 足首まで浸かった限りでは温かいと。靴を脱いだイミーナも同様に。ただ、こちらは内股をモジモジさせていた。

 まずは旅の疲れを癒す、と思いきや。それほど疲れてはいない。むしろ戦闘の疲れが一番で二番目に性行為だ。

 ナコトは湯船の特色を伝える。身体が水没するような危険なところが無いのと足元が滑りやすいので特製の『すのこ』の上を移動するように、と伝えた。

 本来の用途は死体洗いだが、浴場としても使える。大浴場なのは大量の死体を処理するのに打って付けだから。

 個人で使う分には各部屋に設置してあるこじんまりとした風呂場で充分だ。

 無数に点在する浴槽の深さは大人が胡坐をかくと肩口まで湯が来る高さになっている。基準はナコトの身長だ。

 肩まで浸かったヘッケランは胡坐(あぐら)をかき、実に気持ちよさそうな顔で大きく息を吐く出す。イミーナも同様にするのだが、快感と同様に気持ちよさが襲い、顔がとても熱くなってきた。

 あまり長く居るとのぼせそうなくらい。それゆえについ言葉に出た。

 性行為を途中でやめ、歩きながらもずっと陰核が刺激され続けてきた。その上で湯の温かさで更に快感が増幅されたのだから我慢している事に耐えられなくなっていた。

 このままだと立ったまま一人で達してしまいそう、とイミーナは焦りを覚えていた。

 

「早くやろう。もう我慢できないわ」

「まだ入ったばかりだぞ」

 

 両足の膝辺りまで湯に浸かりながら温かさを感じつつ彼女は陰核を摘まみながらヘッケランに詰め寄る。そして、彼の顔に大陰唇を近づけていく。ほんのりと香りそうな雰囲気があった。

 普段であれば絶対にしない痴態である。というよりも顔から火が出そうなくらい恥ずかしい行為をしている自覚があった。それても性欲が彼女を突き動かした。

 この自然と開きかけている膣口に男根を入れてくれ、と。

 むしろ膣口が喋りそうな感じになっていた。

 

「どうぞご自由になさってください」

 

 目がグルグルと回りだした彼女の為にナコトは言った。するとヘッケランは仕方がないな、とばかりに立ち上がり、愛する彼女を引き寄せる。既に男根は爆発寸前にまで硬く屹立していた。

 お邪魔虫たるナコトは透明化したまま彼らがのぼせないように見張る。自身ものぼせないように風呂場での作業を目的とした対策を施す。

 単純に水風呂を用意するだけ。頭が熱くなりかけたら冷やす。古典的だが有用に働く方法でもある。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 イミーナは湯船の縁(ふち)に腰を下ろし、両足は温かい湯の中へ。股を広げて両手を前に突き出し、受け入れ準備が整った事を示す。

 対するヘッケランはただ前に進むだけだ。

 滑りをよくするために湯を露になった小陰唇に擦り付け、自身の硬くなった男根を握る。

 念のために先にかけていた魔法を改めて掛け直し、同じ指示を与える。

 

「本格的な恋人同士の性行為ですね。楽しみです。是非、拝見させてもらいたいです」

 

 言葉に出すと二人とも反応した。

 友好的な雰囲気の今ならば何の抵抗もされなくて助かる。

 

「そうよ。しっかりと見ておきなさい」

「俺の愛の激しさに驚いても知らねえぞ」

 

 その言葉の後で男根は膣口にぴったりとくっつく。その瞬間に軽く呻くイミーナ。

 観客が居るせいか、細かな指示がヘッケランから零れる。それは無理に言わなくていいと言うと大人しくなった。

 行動に集中していいですから、と。そう言うと彼は笑った。

 

「そうかい? じゃあ、遠慮なく……」

 

 腰を前に突き出し、男根をゆっくりと挿入し、喘ぎそうになるイミーナに口づけするヘッケラン。

 最初の突きでしっかりと奥まで挿れて体勢に変化を付ける。

 口づけしたままイミーナの開いた脚を掴んで自分に引き寄せつつ押し倒す。それから彼女の開いた脚の外側を通す様に湯船の縁を掴む。

 イミーナは両足を湯船から飛び立たせるように空中に投げ出す格好になり、両手は自分の太腿に当てて体勢を固定する。

 お尻もギリギリ床に載った状態だ。

 そのまま腰を動かし、様子を見ながらお互い体勢を調節していく。

 背面から覗こうとすると玉袋が邪魔になる。特に腰が触れる度に一緒に動くものだから。

 こういう時、男性側を透明化した方がよく分かりやすいのでは、と思いつくナコト。

 少しずつ腰動きに遠慮なくなった所で透明化の魔法をかけると見えない何かを抱きつつ恍惚の表情を浮かべる女性の姿が浮かんだ。尚且つ、膣は勝手に不気味な動きを見せる。

 ヘッケラン側は自分が透明化した事には気付いていない。これは視覚的にも死角になる奇妙な現象で、顔を逸らして手の位置を見ない限りは何が起きているのか分からないという。

 観衆としては女性の身体のみ見る事が出来るのでありがたいし、男性側も男根を膣に入れられる意外に興味は無いだろうから気にせず行為を続けられる。

 それとイミーナはヘッケランの口づけを受けているので相手が透明化したことに気づいても行為は止まっていないから、すぐに気にしなくなる筈だ。

 

「……んっ、んんっ」

 

 口を塞がれたまま喘ぐイミーナ。膣から快感が止め処も無く頭に届いてくる。

 ヘッケランの太い男根が膣内を擦り続ける。とても気持ちいい、と。

 狭い出入口の奥に突き入れられるだけで下っ腹がこそばゆく、自然と声が漏れる。

 気持ちよくなるたびに目元が痙攣したように筋肉が反応する。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 最初はゆっくり目だった動きをしていたヘッケランは口づけをやめ、彼女の脇から胸をマッサージするように滑らせる。それだけでいつも以上に甘ったるい声を出すイミーナ。

 抵抗を意思を見せず、両手の位置は固定したまま。

 何度か繰り返していた彼は今度は彼女の耳を優しく揉みしだく。

 床に散らばっていた紫色の髪の毛はナコトがまとめておいた。

 髪留めのようなものは無く、雑に扱っていたが簡易的に結んでおいた。

 全身程よく濡れて蠱惑的な雰囲気になっている半森妖精(ハーフエルフ)。色白の素肌は上気した気分のせいか、桃色のように見える。

 

「……ああ、気持ちいい。もう、おしっこも出そうだわ」

「我慢は良くないな。景気よく出せばいい」

 

 彼の言葉に薄く笑う彼女。

 下っ腹が奇妙に動き始める。

 生きている生物だからこそ内臓が動く。ヘッケランが透明ということもあり、普段は見られない光景が拝める。

 男根を引き抜きにかかったかと思うとゆっくりと奥まで押し込む。

 

「……あふん。……ああ、今ので我慢の……限界……。もう一回、引き抜く……頃に出る……」

 

 自らの放尿を宣言する顔が真っ赤のイミーナ。

 同じく透明化しているナコトが陰核を擦りつつ男根によって潰れている尿道を探す様に肉壁を軽くめくりあげる。男根から浮かせると折角の快楽が台無しになるので気を付けた。

 ヘッケラン側からすれば勝手に性器が動くのでイミーナの意思でやっているように見えてしまう。

 もう一度、男根を引き抜きにかかる。

 亀頭の突起部分によって性器の内壁が刺激され、それと同時に絶頂感を覚える。

 ゴツゴツと引っ掻くように当たる感覚がとても気持ちよくて、下っ腹から全身に奇妙な痺れを覚えさせる。

 

「……はあんっ」

 

 我慢の限界を迎えた彼女は尿道の力を緩めた。すると通常ではありえない吹き出し方の放尿とは別の潮吹きが始まった。

 勢いが強すぎたためにヘッケランの透明化が解除された。

 

「凄いな」

 

 吹き出しつつ痙攣した様に身体を跳ねさせるイミーナ。

 一気に高揚した為に白目をむいて失神状態になりかける。それでもまだ意識が辛うじて残ってはいるが股間からの快感があまりにも気持ち良すぎて言葉にならない。

 もし、言葉が出せたら、このまま続けて、と言っていた。

 呻き声を小さくあげるイミーナの様子を見て満足するナコトは動きを継続するように伝える。

 

「まだ俺は満足していないからな」

 

 腰の動きを再開するヘッケラン。

 一往復する度に僅かな潮吹きがあるものの勢い自体はすぐに治まった。

 体内に残っている体液を出し切ればどれだけ動こうとも出ることは無い。生物の身体には限界がある。

 それを無にするのが魔法である。

 潮吹きに使った体液を補充するような便利なものは無いが、水分補給なら可能である。

 なにより飲める液体はそこら中にある。脱水症状になる事は無い。

 

「イミーナー。生きてるか~?」

 

 腰を動かしつつ尋ねると頬が緩んで微笑む声が僅かに漏れる。それだけで無事を確認した彼は遠慮なく行動する。

 意識が半分吹き飛んだ状態にも関わらず、快感に身を委ねたイミーナは幸せのただなかに居た。

 だらしなく半開きになった唇から涎が垂れる。

 脳内には次々と気持ちの良い快楽が届く。それに無理に抵抗するより脱力にて受け止めると更に幸せな気分なる。それによって彼が腰を動かすたびに僅かな放尿が断続的に起きる。

 先程は無色透明の液体だったものが黄色いもの。はっきりと匂いまでわかる尿へと変わっている。

 ナコトは吹き出る尿を見ながら恥丘を押す。丁度、彼の男根とぶつかる頃、強く快感が生まれ身体を跳ねさせる。

 中と外から性器に刺激を加えられることは今まで無かったので、新鮮な気持ちに包まれた。

 

「……もっと……して……」

「ああ、まだまだこれからだ」

 

 反応する事をやめたイミーナは全てを任せ、辛うじて意識だけ残すことに精神を集中させる。

 ナコトは陰核を擦りながら恥丘を撫で続ける。ただ、手に感じるのはヘッケランの男根であって自分のではないのが残念なところだった。

 後で自分もやってみようかな、と思いつつも体勢的に難しそうに思えた。

 ヘッケランに協力してもらえば今まで以上に気持ちよくなれるかな、と薄っすら脳裏に浮かべる。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 男性側が気持ち良くなる為に女性の首を絞めると膣が閉まってくるという話しを思い出した。しかし、それは命が危うくなるので却下する。というより初期に試して何人か死なせた経験がある。

 実験と称して結構な人数を死なせたし、だからといって楽しかったわけでもない。

 彼らが気持ちよくなってくれれば別段、それはそれで嫌な気持ちにはならなかった。

 それとは別に性行為中のヘッケランは普段以上の快楽に溺れ、失神気味の彼女をもっと気持ちよくしてやろうという気持ちが強くなっていた。

 普段はここまで激しいやり取りはしない。慎ましやかに済ませて終わるものだ。それが人に見せるために容赦なく激しく腰を打ち付けている。

 どうだ、すごいだろうと言葉に出して言いたいところだが、実際に出ているのは唸り声だ。

 激しい運動中に暢気に喋っている事は出来ない。

 

「ふっ、……ふっ」

 

 力強い鼻息と熱い吐息。今のヘッケランはイミーナと共に快楽の中にある。

 第三者の手により新たな刺激も加わり、亀頭から受ける感覚は気持ちよかった。

 このまま更に勢いを付けていく。今日はとことんまで上り詰められそうだ、と。

 それがどれだけ続いただろうか。

 見ているナコトも同じ作業を延々と眺めていると退屈を感じる。しかし、当人たちにとっては幸せの絶頂だ。

 自分も初期は気持ちよくて誰彼構わず繰り返したのに、今は飽きを感じていた。

 何事も程ほどがいい。それは良く理解した。

 

「ああ、クソ……。なんて気持ちがいいんだ」

 

 両足を湯につけているお陰もあるのか、血行が普段より良くなっているからかは分からない。

 とにかく、気持ちがいい。そして、身体が熱い。ナコトも風呂場だから気持ちが高揚しているのかな、と疑問に思うほど。

 あまり長く続けると危険かもしれないので、二人の身体に優しい冷水をかける。

 イミーナが薄ら笑いを浮かべつつうわ言を呟き、鼻血を出していたので。対するヘッケランも腰を動かすのに全神経を集中させて物凄い力の入った怖い顔で今にも血管が破れそうに見えた。

 二人とも色白の白人だったせいか、興奮によって茹でられた感じになり、桃色から赤くなりそうな肌色となっていた。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 二人とも命を散らしそうになっているが、そこまで危険な暗示はかけていない。

 それとも普段から命がけの性行為でもしているのか、と疑問を覚える。

 確かに冒険者はいつ死ぬか分からない。子孫を残そうと必死なのか。いや、イミーナは妊娠していないと言った。

 人間と半森妖精(ハーフエルフ)では子を成しにくい設定でもあるかもしれないが、それを確かめるすべはない。

 半森妖精(ハーフエルフ)が実際に居るわけだから不可能ではない。

 

「……そろそろ、俺も限界のようだ」

 

 わざわざ教えてくれてありがとうございます、と言い返せばいいのか。ナコトは律儀な彼らに苦笑を持って申し訳なさを感じた。

 それにしても平然と性行為を見せてもらったばかりか、ご丁寧に果てるタイミングまで教えてくれる。

 この人達は優しい人種かもしれない。更にアルシェ達が居ればどうなっていたことか。

 そんなことを思っていると限界が近い彼は腰を可能な限り強く激しく動かした。

 間断な男性の喘ぎも加わり近くで見物できる生の性行為は迫力があった。自分でやるより興奮するのが憎らしい。

 ナコトもここまで純粋に楽しめたらいいのに、と残念な思いを自覚する。

 

「い、イミーナぁぁ!」

 

 宿屋では絶対に出せない大声を出す。

 大浴場も結構な広さがあるので彼の声は良く響いた。

 

「……んあっ、はぁ~ん……」

「ああっ! んっあっ、あぁ!」

 

 最後の一突きでヘッケランは天井を見上げるように仰け反り、叫んだ。対するイミーナは身体を痙攣させるように腰を僅かに動かすのみ。こちらは大声を出す気力を失っているようだ。

 イミーナの膣内に思い切り射精するヘッケラン。様々な条件から普段以上に強く、何度も出て、その度に喘ぎつつ腰が痙攣するように動いた。

 激しい戦いを終えた戦士は体力を使い果たしたように喘ぐ。

 

「はぁ……。はぁ……、はぁ、はぁ……。まだ、出そうだ」

「……は、ははっ……。ヘッケランの熱い精がお腹にいっぱい……」

 

 行為が終わった彼らは湯にのぼせる寸前だった。すぐさま、温度を下げる行動に出る。

 ナコトが働いている間、二人はまだ繋がったまま。

 息切れしているヘッケランは目の前に倒れているイミーナの姿を見て、美しい女だ、と思った。

 脇をさすり、平坦な胸まで移動させた後親指で乳首周りを撫でる。そうすると艶めかしい声を漏らすイミーナ。実に気持ちよさそうな微笑みだった。

 それを見ているだけで男根にまた力が戻ってくるような気持ちになる。

 調子がいい日は三回ほど続けられるが、ここまで激しい場合はさすがに彼でも無理だと思った。なにより、先の射精で男根が擦り切れたんじゃないかというくらい亀頭部分から痛みがあった。

 続け事は出来ても気持ちがいいのはイミーナ側のみ。それでもいいか、と思うも少し悩む。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 ヘッケラン達の周りの温度だけゆっくりと下げ、冷水を用意して二人の顔や身体を軽く拭っていくナコト。

 頭部に水で濡らしたタオルをそれぞれに巻く。

 冷たい水によって二人は冷静さをゆっくりと取り戻す。

 

「終わったんですか?」

「ああ。証拠でも見るか?」

「是非」

 

 透明化していても声は普通に届くので彼らは素直に従う。

 みっちりと接合されていた男性器を引き抜くと白い粘液が絡みついていた。

 様々な擬音が聞こえそうだが、思っていたよりも気持ち悪い音が鳴って男根は膣から抜け落ちた。

 汚らしい精子が湯船に落ちる。それと同時にイミーナが軽く放尿した。いや、潮吹きかもしれない。

 亀頭の突起が引き抜かれる瞬間がとても気持ち良かった為だと思われる。

 彼女の方もお腹が上下し、呼吸が荒くなった。それと膣口からゆっくりと精子が垂れてくる。

 離れるヘッケランに対し、両足を広げたまま寝転がるイミーナの姿は背徳的で興奮を覚える。

 女性だから、ということもあるかもしれない。

 異性で女性器をさらけ出してだらしない顔のまま涎を垂らす半森妖精(ハーフエルフ)だ。性欲に溢れている男性が見れば性的興奮しないわけがないほどの光景である。

 まだ身体が火照っている為か、陰核がはっきりと露出している。それを軽く擦ると身体を跳ねさせる。

 性行為終了後とはいえ、まだ少し身体は快楽を求めているようだ。

 疲労している二人に治癒魔法をかけておく。心臓麻痺を起こしてほしくないので。

 

「イミーナ。まだ出来るか?」

「……へへっ、とことんまで……やりましょうよ~」

 

 気絶寸前の女性とは思えない強靭な意思。ただの強がりかもしれないけれど、震える手で小陰唇を広げて見せた。その直後、中に入っていた精子が勢いよく零れる。

 今度はナコトに許可を求めずに屹立したまままだ元気な男根を挿入する。

 自身の精子が潤滑油となった為か、意図も簡単に沈み込む。

 先程とは違い、自分の精子が絡みついて気持ち悪いと思いつつもイミーナの顔は実に幸せそうなので腰を動かし始めた。

 粘液の粘りと引きはがしによる気持ち悪い音が聞こえてくるが無視する。

 

「気持ちいいか?」

「ええ、とっても~」

 

 イミーナの脇をさすりつつ合間合間に乳首を刺激する。

 鷲掴みできるほどの膨らみは無いが、女性の胸だ。引き締まった腹筋に指を這わせば彼女はくすぐったそうに身体を捩(よじ)ろうとする。しかし、動こうとすれば下半身から快楽が襲ってきて口から艶めかしい声が勝手に出てしまって恥ずかしくなる。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 ナコトも混じろうかという雰囲気には慣れないが、長い耳を触ったり、激しく突かれている手助けとして陰核を強めに擦る。

 そうすると腹筋が奇妙な動きを見せた。横隔膜でも動いているのかもしれない。

 言い知れない感覚により内臓が自分の意思とは関係なく動き回るような不快感に似ている。けれども気持ち悪さではなく快感が襲っている。だから、拒否はされなかった。

 

「……ま、また、出るっ!」

 

 寝転んでいるイミーナはお腹を突き出すように仰け反る。しかし、腰はヘッケランがしっかりと掴んでいた為に自由に動かない。

 それにも構わず透明化したナコトが陰核を擦り続けている為、ヘッケランが男根を奥から手前に引き抜くタイミングで潮吹きが始まる。それも何度も。

 ビシャ、ビシャ、と痙攣するように短い間隔で。一緒に出る喘ぎ声がヘッケランに性的興奮を呼び起こさせる。

 いつも以上の反応に戸惑いつつも腰の動きは止められない。

 

「出る。出る。出るっ」

 

 同じ単語ばかり口走るイミーナの声は聴いていて気持ちがいい。そうヘッケランは思い、感じた。

 これほど自由に声を出す彼女を長く恋人をしてきた彼は知らない。

 普段から禁欲的な生活をさせてしまって申し訳ないという罪悪感が湧く。

 

「あっ、あっ、まだ出るっ」

「ああ、好きなだけ出せ。我慢するな」

「ああ、あっ。あっ、でっ……」

 

 快感を表現する言葉はこの世界では浸透していない。それは当たり前のようでつい教えたくなる。しかし、聞き覚えのある言葉では面白くないので、ここは彼ら自ら開発してもらおうと思い、黙っている事に決めた。

 胸の内では『いく』って言いたいのか。そういう感覚が分からなくて困っているのか、と。

 言葉を教えた女性達は拙いながらもそういう言葉を言い続けた。

 自分が言うよりは自然に任せた方がいいのかもしれない。

 そう思っていると白目をむいていたイミーナが正気を取り戻したように瞼を大きく開き、碧玉の瞳を輝かせる。それは驚愕するような雰囲気を持っていた。

 何らかの緊急事態でも起きたような、そんな驚きに包まれているようにナコトには見えた。

 

「ヤバイ、ヤバイ、別の……。出ちゃう、出ちゃう……。このままだと……」

「何が出るって?」

 

 ヘッケランは自身の快感を優先させている為、行動を止める事が出来なくなっていた。

 対するナコトは彼女の陰核を擦りながら様子を窺う。そして、すぐに焦りの理由を理解した。

 彼女のお腹から異音が轟いたからだ。

 大きい方の排泄が近い、と。

 急な便利により思考が冷静さを取り戻したが、すぐに様々な快感によって身体を捩(よじ)る羽目になる。

 ナコトは彼女の腹筋を強め押す。そうすると今まで下げていた両腕を引き上げ、顔を覆う。

 性行為以上に恥ずかしい事に耐えられない、という意思表示だ。

 

「お風呂場ですから。我慢せずにどうぞ」

「んっ? おしっこならさっきから出しているじゃないか。……ああ、大きい方か……」

 

 腰を動かしながら暢気に言うヘッケラン。その後継だけで滑稽だ。

 じゃあ、と言いながら腕を彼女の太腿の下に入れ、腰を少しだけ浮かせる。それだけで慌てるイミーナ。

 そんなことをされたら余計お腹に力が入り出易くなる、と。

 

「いや~。ヘッケランが……。他人に見られながらするの、いや~」

「出すのは気持ちいいぜ。俺も一緒に出すからさ」

 

 野郎の排泄はちょっと嫌だなとナコトは思うものの掃除するのは簡単だから構わない。ただ、匂いに耐えられるかは分からない。

 見る分には楽しいのだが、結局のところ排泄物は臭い。女性で良い匂いだと言うのは幻想だ。臭いものは臭い。

 そうしている間にもゴロゴロという音が聞こえてくる。それとお腹が奇妙に蠢く。どうやら下痢かもしれない。

 それとも溜めに溜めまくった結果ということも。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 華奢な体型のお陰か、それとも鍛えた筋力がなせる業か。

 腰を浮かせた状態で性行為を続けるヘッケラン。決してナコトがこっそりと腰を支えているわけではない。

 木片かクッションでも挟めばいいのかもしれないが、折角の光景を見逃すことになりそうなので諦めた。

 性器を丸出しにするより恥ずかしい事態だと思って泣き顔になるイミーナ。

 快感にのぼせた艶のある女の顔から子供っぽい一面がまた興奮を呼び起こす。

 

「や、やめて~。出る、出る出る~。あっ、あ~」

 

 上から見ているヘッケランには見えないが下から覗けるナコトは彼女の肛門の様子がしっかりと見えていた。

 何かを出そうと括約筋が懸命に動いていた。

 引っ込んだり、盛り上がったり。しかし、それも我慢の限界だった。

 普通の排泄より下痢は我慢しにくい。

 

「うっ、あっ!」

 

 潮吹きと同時に肛門が盛り上がり、そのまま吹き出す様に茶色い排泄物が止め処も無く出てきた。

 その後は止めようがなく、間断なく湯船に落ちていく。けれどもヘッケランは腰の動きを止めない。

 彼女が肛門に力を籠めようとすると膣が閉まり、逆にそれが気持ち良かった。

 腰を奥まで突き入れられる毎に排泄物が出る。しかし、それも次第に治まっていく。

 食べた量以上は出ないので。

 匂いが凄まじいが魔法で全て解消できる。それが不思議なところだ。

 

「はぁ、はぁ……。はぁ……」

「結構出たようだな。まだ出そうか?」

「……うっ」

 

 今度は液状の便が吹き出た。

 下痢の経験があるナコトにとって腹痛の辛さはしている。

 長旅に過酷なクリーチャー退治、急激な温度変化など。慣れない土地にイミーナの身体が耐えられなかったようだ。逆にヘッケランは平気そうだ。

 そんな彼とて排泄しない生き物ではない。

 

「……まだゴロゴロいってる……。はうぅ……」

 

 言っている側からおしっこのように吹き出る。それも出し尽くせば楽になる。それまでは結構辛いものだ。

 イミーナは既に泣いていたがお腹の痛みによるものだ。ナコトは彼女のお腹をさする。

 既に排泄物は奇麗に消えていて匂いも無くなっている。けれども彼女の感覚はどうにもできない。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 愛する恋人を慰めつつ、けれども腰の動きは容赦しない。そんなヘッケランは男の鑑(かがみ)であった。

 肛門からの吹き出しが無くなった後、湯で濡らした指を入れるナコト。

 丁度腰が浮いているので、掃除を兼ねて排泄の手伝いをする。

 

「あ、いや……。へ、変な気持ちになるから……。ああ、前から後ろから~」

 

 陰核とは別のところから来る快感に戸惑うイミーナ。

 肛門からの刺激もまた気持ちよく感じ始める。しかし、さすがに排泄したての肛門に男根を入れようとはナコトも思わない。

 更なる快感を与えるため、陰核と板挟みにしてみる。

 腹痛が収まり、すぐに新しい快感に悶え始めるイミーナ。力の掛け方が分からなく、動くたびに尿道付近が気持ち良くなって仕方がない。

 

「……このまま続けて」

「もちろんさ」

 

 可愛らしくイミーナにお願いされたので笑顔で応えた。

 射精後はしばらく痛みが続いていたヘッケランも次第に快感が湧きたち、下半身が興奮してくる。

 治癒魔法のお陰か、二回目はだいたい下腹部が痛くなるものだが今は随分と楽になっていた。これはイミーナも同様で、だから下痢してしまったんだな、と思った。

 途中、前のめりになり口づけする。その間に絶頂を感じてダラダラと透明な液体が股から零れる。

 ここまでの激しい行為は宿屋ではできない。ベッドを汚してしまうし、仲間のロバーデイクやアルシェに知られてしまう。

 少なくとも痴態は見せたくない恥じらいは二人にはあった。

 仲間の事を思うと膣に力が入る。その中を通る亀頭の突起部分の擦れに思わず声が漏れ出る。

 

「あんっ。あっ、あうっ」

 

 肛門からの刺激が強くてすぐに絶頂に至ってしまう。しかも、それで終わりではなく、次の快感の波が襲ってくる。

 ヘッケランの腰の動きに合わせるようにイミーナも腰を痙攣させるように動かしてしまう。そして、そのたびに放尿感が来る。

 

「ああ~。いい~。い~わ~」

 

 彼女の言葉に性的興奮を覚えたヘッケランは腰を突く速度を自然と速めていく。

 新たな射精感が近づいている。その前にもっと長く続けたい、と。

 ナコトは陰核の方は手放した。先ほどから手に当たっているので邪魔になってはいけないと判断した為だ。

 代わりに胸を摩る。

 性的興奮により平坦ながらも女性の胸として硬くなり、乳首が敏感になっている。ただし、乳首周りの感覚は知識のよるもので実際はどうなっているのか知りえているわけではない。

 性感帯の一種である、という程度だ。

 それと女性側は男性と違って体内に体液がある限り、無制限に近い絶頂を得る。

 既に何度も意識が飛びかけているけれど、新たな快感にイミーナは満足していた。対するヘッケランは二度の射精で今日は終わりかな、と着地点を予想していた。

 男性は一日に出せる精は多くない。ほぼ一度で勝負を付ける。その後はしばらく無気力が襲う。これを通称『性交後憂鬱(賢者タイム)』と呼ぶ。

 次に活気が出るまで早くて数時間を必要とする。

 一応、この状態でも性的興奮により勃起する事は出来るが性交時は快感を感じにくい。しばらく擦れによる痛みだけになる。更に二度目の射精は量が激減し、最初よりも薄まった状態になる。

 ナコトの場合は肉体がアバターのお陰か、無気力を除けばほぼ延々と性交し続けられるし、射精もコントロール出来る。

 ヘッケラン達現地民は魔法などの力によって回数を増やせるし、賢者タイムを縮められる。

 媚薬があればもっと面白い事になるかもしれないが、そういうアイテムはまだ出会ったことが無い。

 探せば麻薬が手に入るかもしれないが、身体を壊すような薬品には抵抗がある。個人的には手を出したくない。いくらアバターでも手遅れになりたくないので。

 

「ん……。そろそろ……出そうだ」

 

 気分が乗っているからか、言葉に出してしまうヘッケラン。

 これが当たり前の日常かもしれない。それに水を差しては雰囲気が台無しなので女性の快感を促すことにナコトは意識を集中させる。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 間断なく喘ぐイミーナの声に触発され、腰の動きも早くなる。

 痙攣を確認しながら腹の上から見える男根の動きに合わせて恥丘に掌を押し付ける。

 ナコト当人は野郎の男根の感触が手に伝わってくるので気持ち悪いのだが、イミーナとしては想像以上の締め付けによる快感に打ち震えていた。

 

「もっと、もっと……。気持ちいい、もっと……。気持ちいい」

 

 下半身を痙攣させながら同じ単語を連呼する。

 対するヘッケランは唸るだけ。こちらは一度の射精にかけているようなものだから間断な快感というわけにはいかない。けれども、気持ちがいいのは同じであった。

 腹の上から押されているので陰核も男根に押し付けられるように擦られる。恥丘の下には恥骨があり、その下が膀胱だ。それらを圧迫される事で強引な尿意を引き起こす可能性がある。

 しかし、今は膀胱を含めた様々な器官ごと男根に刺激されている。それがまた気持ちが良くて意識が飛びそうになる。いや、イミーナはもう我慢しているのが辛いくらいだった。

 

「はっ、はっ、はっ。来て、来て来て来てっ。もっと、もっと強く突いて」

「言われなくてもっ」

「いっ、いい。もっと、気持ちいい。あっあっ」

 

 聞いている方のナコトも恥ずかしさで顔が赤くなりそうだった。

 これが路地裏なら彼らは懸命に声を秘める。他人の目を気にする緊張感によって膣に力が入り、想像以上の快楽を得ているところだ。

 しかし、ここは透明なナコト以外は二人の世界だ。広くて大声を出しても良い。

 遠慮しなくていい分、気楽さで力が程よく抜けてしまう。

 

「……あっ、もう駄目だ、出るっ!」

「はあんっ」

 

 最後の一突きと同時に我慢した分を一気に放つ。

 子宮口に射精される感覚を味わったイミーナは全身から力が抜けていく。

 

「……はぁ。……気持ち、いい……」

 

 少しの間射精を続けた後、ゆっくりと引き抜かれる男根。最後の段階で擦られた事によって絶頂を迎える。

 白い粘液にまみれた男根に潮吹きによる体液が吹き付けられた。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 再度魔法をかければ性行為は続けられる。しかし、既に疲労は限界に達していたし、同じ行為を何度も繰り返すのはナコトとしては精神衛生上よくないと判断した。

 疲れ切ったヘッケランは湯船に沈み、ナコトは排泄物の汚れが無いか確認しつつ魔法で辺りを奇麗にする。

 飛び散った精液などは汚れだと判断されたようで、即座に蒸発させられる。

 便利な魔法も時には残酷だな、と。

 消滅なのか蒸発なのかは分からないが、不純物は消えていた。おそらく透明な潮吹きによって出た体液も。

 

「つ、疲れた……。風呂の湯が身体に染みるぅ」

 

 腰が痙攣していて起き上がれないイミーナを湯船に入れると浮いた。

 多少沈み込むので肩まで浸からせることは出来るが、ここまで軽かったかと疑問に思う。

 

「不思議だろ? イミーナの『生まれながらの異能(タレント)』は水に浮きやすいものなんだ」

 

 大き目の湯船に入れると手足を伸ばした状態のままゆっくりと浮かぶ裸体の半森妖精(ハーフエルフ)。

 激しい性行為の後だからか、更に蠱惑的に映る。それと両足を開いた状態なのと長い時間使われた為に開ききった小陰唇と空いたままの膣口に水が入ったり、残っている精液が漏れ出る様子が見えた。それを眺めていたヘッケランの性欲が少しだけ復活する。

 女性器を見る男性の生理現象はどうしようもない。だからこそ性行為したくなる。

 

「温かくて気持ちいいわ……。このまま眠くなりそう」

「こっちはいい眺めで眼福だ。足開いたまんまだから奥まで丸見えになっているぞ」

「見せてんのよ。女の恥部はなかなか拝めないものよ。有難く思う事ね」

 

 水面を漂いながら隠そうともしない女傑イミーナに感服するヘッケラン。

 かれこれ何時間、性行為したのかしら、とか呟く彼女に二時間ほどでは、と答える彼。

 しばし身体を温めて静かな時間を過ごす。その内、双方睡魔が襲ってきた。

 長時間の労働に匹敵する性行為を行(おこな)ったため、早くベッドで熟睡したいと思った。

 ナコトは漂うイミーナの膣口を開いて陰核を刺激する。すると程なく潮吹きが始まった。

 

「……あっ。もう、疲れて……眠いってのに……。気持ちよくてこのまま……眠っちゃいそうよ」

 

 程よく温まったヘッケランは湯船から上がり、身体を洗い始める。

 イミーナものぼせる前に湯船から上がろうとしたが足腰が震えて立ったり、歩いたりすることが難しかった。

 

「ちょっと、やり過ぎて歩きにくいんだけど」

「そりゃあ悪かった」

 

 彼の言葉に呆れているイミーナの身体は透明化を解いたナコトが持ち上げて用意した洗面台の前に移動させた。

 華奢な体型が先の性行為によって体重が削られ、より軽くなったように感じられる。

 いいものを見せてくれたお礼として身体を洗う事を手伝う。も(・)ち(・)ろ(・)ん(・)、イミーナは拒否しなかった。

 結婚時代に女性の身体の扱い方は色々と学んでいる。

 発色の良い髪の毛を解き、丁寧に洗い始めると気持ちよさげな感想を述べてくれた。

 

「……ああ、気持ちいい。……こればっかり言っている気がするけれど、本当に気持ちいいわ。……なんだか髪を洗われただけでおしっこが出そうね」

「そうですか? ありがとうございます、お客さん」

 

 頭皮のマッサージをすると艶めかしい声で喘ぐ。他人の手によって洗われているせいで普段以上に快感を感じてしまった。

 ナコトはふと、彼女の背中から下方の尻へと視線を移す。

 奇麗な身体だと思った。これはどの女性にも言えるのでイミーナだけ特別に美しい、というわけではない。

 

「もっと気持ちよくさせてあげますね」

「それは楽しみね。お願いするわ」

 

 恋人が横に居るのに他人に身体を触られる事に全く忌避感を持たない。これも魔法の神秘である。

 今のイミーナ達はナコトに対して友好度が高くなっている。無理のないお願いであれば何の疑いも無く引き受けるほどに。もちろん、無理な願いは無理だと言う。

 おそらく今のイミーナはヘッケランの目の前でナコトとの性行為も了承する程に彼を信頼している。事実、陰核を擦られても肛門に指を深く入れられても拒否しなかった。

 さすがに殺していいですか、と言えば魔法の効果はおそらく切れる。

 急な殺意は覚えないが、発言には注意している。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 彼女の髪の毛と身体を洗い終えた後、肩を揉んだり、足を揉む。もちろん、これらも拒否しなかった。

 先程から気持ちいい、としか言わなくなりヘッケランの男根は彼女の声だけで屹立する始末。しかし、三度目ともなると性行為するのに抵抗を感じた。

 眠いのにやってられるか、と。

 自分の分の洗い物に意識を集中する。

 

「按摩が上手いのね、貴方」

「自然と覚えただけですよ」

 

 石鹸の香りに気をよくしたイミーナは成すがまま揉まれていく。それから気持ちよくなったせいか、自然と両足が開いていく。

 真下を見ると陰毛と女性器が目に入る。

 他人が居る前で裸になっている自分に気が付く。けれども、風呂場だから別におかしなことはないか、と思った。

 いや、あれ、と。

 目の前の壁には自分を映す鏡があり、湯気で多少は曇っていたがにやけた自分が居た。

 性行為直後の自分の顔を見るのは今回が初めて。

 

「……女の顔って……こういう風になるのね」

 

 艶っぽい顔。命を懸けていた凛々しい自分は何処にも居ない。

 映っているのは性的快楽に溺れた女だ。しかも、股を開いている。更に脚を開いたことにより小陰唇が開き、残っていたと思われるヘッケランの白い精液が少しだけ垂れた。

 

「……性行為した後の姿を自分は今、見ているのよね。……とっても恥ずかしい事をした後って感じだわ」

「なんだ、イミーナ。やった後、宿の風呂場とかで見たことないのか?」

「こんなに大層なものじゃないわ。だいたい水浴びが基本なのよ。こんな……、立派な鏡に映して身体を洗ったりなんかしたことないわよ」

 

 普段とは違う光景。

 イミーナは違和感を感じ始めていた。しかし、それは後の祭りである。

 都合の悪い記憶の面倒もナコトは見る事が出来る。それと彼らの身の安全は保障する事に決めている。

 

「……なんで、こんなことになったんだろうって……」

 

 それはもちろん、ナコトが彼らの性行為を見たいとお願いしたからだ。それに二人は了承し、激しい交わりを結んだ。

 全てが終わって今に至る。それに今更疑問を覚えても時間は巻き戻せない。

 それに性行為の相手は愛する恋人のヘッケランだ。魔法で変装した別人ではない。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 なんだかよく分からない感情で気分が沈む。そして、目線が下がると性器から零(こぼ)れ続けている精液が見える。

 なんで精液が垂れているのかしら、と。性行為したからに決まっている。

 疑問と肯定が交互に脳内に浮かぶ。

 

「……ほんとに……広い大浴場で性行為なんかしちゃって……。随分と私……大胆なんだなって……」

 

 ふと先ほどまでの痴態を思い返せば顔から火が出そうなくらい恥ずかしい事の連続だった。

 宿屋でもここまで激しい事をしたことは無い。声だって控えめだ。

 どんどんはっきりと思い出すたびに顔が火照ってくる。しかし、疲労も酷い。早く眠りたい。そんな気持ちがない交ぜになって襲ってくる。

 

「……ああもう、なんでこんな事しちゃったの私……。とっても気持ちよかったけど。まだやり足りないけど」

「まだやりたいのか!? さすがに勘弁してくれ。二回でも俺は全力を尽くしたぞ」

「たった二回でしょ! 五回は必要よ。森妖精(エルフ)はそう簡単に妊娠しないから子宮が満タンになるまでは何度もやる必要があるの」

「初耳だぞ」

「まあ……、それは私の体感的な見解だから……。当てにならないけど……。普段の宿屋じゃあ全然っ足りなかったのよね」

 

 垂れる精液を見ているとイミーナの中の性欲が沸々と湧き上がってきた。それゆえに大胆な発言が勝手に出てしまい、更に顔が火照る。

 魔法による友好度の高まりが疲労によって性欲拡大へと変化したのかもしれない。

 とにかく、気持ちよくなれれば文句は無い、という風に。

 

「まだ満足できませんでしたか?」

「今日は充分疲れたから諦めるけれど……。また明日やりましょ。ここだと何の気兼ねも無く出来そうで好きだわ。それに……石鹸の匂いがいい」

 

 ナコトが用意した洗面用具は市販品で特別な薬剤が含まれているわけではない。

 恋人同士の性行為が彼女の性欲に火をつけ、風呂場特有の雰囲気や匂いが相乗効果を齎(もたら)したようだ。後はナコトのマッサージが予想外に気持ちが良かった。

 それらを思うと終わったことが残念で仕方がない。

 

「なら、今度は私と性行為しますか?」

「えっ? それはちょっと……。彼氏の前で別の男と……ん……抵抗は感じちゃうな」

 

 陰核を擦られる事は拒否しなかったが、本格的な性行為は更なる友好が必要らしい。

 ヘッケランも彼女の言葉にほっと一安心したようだ。

 しかし、他人に性行為を見せるのは平気というのが信じられない。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 身体を洗うのは男性が圧倒的に早い。対するイミーナは大部分はナコトにやってもらったとはいえ、本当ならもう少し時間をかける。しかし、ヘッケランと共に冒険者をしている為か、こちらも短時間で済ませる。

 素早い対応は職業病のようなもの。けれどもナコトが用意した品物はちゃんと使ってくれた。

 

「そういえば、このお風呂場っていつでも入れるの?」

「普段は水を抜いています。今回は貴方達を捕まえられたので急遽用意したんです。後々色々と追加する予定ですよ」

 

 やる気をなくしていたところにヘッケラン達の情報が手に入った。それはそれで予定が狂うことだが、こういうドラブルも人生にとって必要だと判断した。

 広大な浴場全てに水を満たすのは手間で、大半が空だ。

 滞在日数次第ではずっと沸かしておくことも可能である、と伝える。

 

「食材も豊富です。寝室は急造ですが……。アルシェさん達が来る頃には一通り揃う事になるでしょう」

「ふ~ん。でも、これだけの施設を運営するとなると経費が凄そうね」

「ある意味、個人の趣味ですから。成功しようが失敗しようが私の自己満足です」

 

 鏡に映るイミーナの裸体を眺めつつ質疑応答をするナコト。

 ヘッケランは睡魔が酷い為にさっさと着替えに行ってしまった。先に行ってていいわよ、とイミーナの言葉を受けての事だ。

 一人残る彼女の安否を気遣わない彼氏というのはどうなのか。それともナコトを信頼しているから放っておいたのか。

 

「あなた達四人はいつも一緒なんですか?」

「そうね~。アルシェが一番新しい仲間だけど……。三人だった頃の方が長いわね」

「こういう裸の付き合いは?」

「さすがにみんな一緒のお風呂には入らないわよ。というか、こういう大浴場なんか無理。せいぜい私とヘッケランだけ。ロバーは……多分個人で入ると思うわ」

 

 背後から盛り上がりに乏しい彼女の胸を揉み込むナコト。

 その間、彼女は髪をまとめていた。

 濡れた髪を絞半森妖精(ハーフエルフ)を今はナコトが独占している。

 

「少し前まで汚い仕事もしていた請負人(ワーカー)だったけれど、アルシェの将来の事も考えて冒険者として登録し直したわけ。貴方から逃げるようになってしまったのは申し訳ないと思っているわ。なにせ、相手の素性を調べるのが私達の仕事の内でもあるし、怪しい人間だったら嫌だし。でも、結局、モーデという人間については何も分からなかった」

 

 仮にナコトと名乗っても何も情報が出てこない筈だ。結構頑張って証拠隠滅したし。

 その上で改めて名乗るのも恥ずかしいので、しばらくモーデでいいかな、と。

 覚えている自信が無いのが残念な点だ。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 上半身のマッサージと洗い物は済んだ。次は下だ。こちらは見ている限り、イミーナは何もしていない。

 ただ、両足を広げて鏡を見つめたまま大人しくしていた。

 

「……しっかし、あんたの前で激しい性行為をするとはね。思い出すだけで恥ずかしいわ」

 

 それを口に出している事にも気づいている筈だが、恥ずかしい言葉を言う理由はナコトには窺い知れない。

 それとも何か他に理由があるのか。

 

「ほら、見てよ。ずっと精液が垂れてる。これ、どうしたらいいの?」

 

 見ていいなら見ますよ、と胸の内で言いながら彼女の股座を覗き込む。

 膣口からゆっくりと下に垂れ落ちる白い精液の糸が見える。

 濃い体液であれば落ちるのにも時間がかかる。

 

「恋人の精液なら掬い取って舐めてみたらどうです?」

「これを? 舐める? ……あのね、これは子宮に入った後、赤ちゃんになるものよ。そんなの舐めて意味あるの? というか大丈夫なの?」

「赤子は子宮にしか出来ませんよ。精飲。顔射。口内射精という方法があるくらいです。……それらをしたところで栄養にはならないし、胃液で消化されるだけですけど……」

 

 とりあえず、分かる範囲で言うとイミーナは顔を顰めつつ聞き入った。

 そんなことするの、と言いだけだがナコトの知る文化にあるのだから仕方がない。

 さすがにアンデッドの精液は飲みたくないし、触りたくない。絶対にばい菌が繁殖している。

 それとそういう行為をした後はきちんと歯を磨くこと。これは何となくそんな気がした。

 他人の得体の知れない体液だから病気予防は必須だ。

 そうでなければ性病なんてものは発生しない。

 この世界だと都合の良い魔法で簡単に治せてしまう、かもしれないけれど。

 

「口内……って事は口の中で射精させるってこと?」

「そうですね。男性が自分の精液を飲ませたい女性にする方法です。別に強制ではありません。趣味の一つですよ」

 

 今までヘッケランにそういう事を頼まれたことは無いけれど、いざという時はやらなければならないかもしれない、という予感がした。

 それは射精した後の処理だ。

 

「女性の舌で掃除しろって事に繋がるのか。……そりゃあ良い趣味な事で」

 

 と、嫌そうに言う。

 男性側からすれば見栄えがいい。

 女性側からすれば不味い体液を飲まされる屈辱を味わう。もちろん、恋人なら平気という事もあるかもしれない。

 しかし、それをすぐにやれと言われれば今のイミーナでも抵抗を覚える。

 逆に自分の潮吹きを男性に飲んでもらう場合はどういう気持ちなのか。ヘッケランなら、嬉しいと思うかもしれない。そう思うと一概に否定できないのが嫌らしい。

 

「好きな人に自分のおしっこやうんちを飲んだり食べさせるのって……、興奮しそう……」

「……うんちはうんちでいいんですね。他の呼び方は?」

「他? ウンコじゃないかしら? お尻から出る排泄物はうんちと私は呼んでいるわ」

 

 女性の言葉で聞かされるとナコトも興奮してくる。

 それにしても遠慮なく言葉にするとは思わなかった。

 あまりに自分の知る単語だと異世界感が台無しになりそうなのでうっかり聞いてしまう単語以外は聞かなかった事にしようかな、と。

 特に性器周りは。

 陰核(クリトリス)や男根(陰茎)、性行為(セックス)に強姦(レイプ)というのは聞き覚えで知っているだけで正確な単語としては自信が無い。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 話しを終えたイミーナは今も垂れている精液を人差し指と中指の二本を使って掬い取り、舐めてみた。

 ヘッケランの精液なので抵抗は思いの他小さかったからだ。

 舌の上に転がしたりしながら味を確認すると苦(にが)い、という印象を受ける。そして、それを吐き出すことなく飲み込んだ。

 喉の感触もそれほど良いとは言えない。初めて口にする粘液なので最初は少しだけ嘔吐感があった。けれども愛する恋人のものだという意識で乗り越える。

 その後、気が付けば膣内にあった精液を掻きだして口に含むようになった。

 さすがに床に落ち切ったものは諦める。

 

「……時間が経ったから苦(にが)いのかしら?」

「おしっこと一緒の場所から出ますからね。うんちが美味しくならないのと一緒ですよ、きっと……」

「……そう」

 

 まだ残っていないかと膣内を掻き回すイミーナ。その姿はもっと精液を欲する野獣めいたものに見える。

 空だと分かるととても残念がっていた。さすがに更に奥の子宮まで広げて掻きだそうという気持ちにはならなかった。

 少なくとも妊娠願望は持っているようだ。

 

「彼の精液、美味しかったんですか?」

「んっ? ……んー、慣れたら平気になるかも……」

「男性の精液は量が少ないですからね。補充されるのに数時間から一日はどうしても掛かります。女性の場合は水分補給次第で結構な量が出せますし、快感の頻度は男性より多い」

「そうなんだー」

 

 舌なめずりしつつ満足いっていない不機嫌な顔になるイミーナ。

 話しを聞いている内に性的興奮が湧きたち、今すぐにでも性行為したくなってきた。しかし、今日はもう眠いし、明日すればいい。けれども身体は自分の意思とは関係なく男性の一物を欲している。

 精液は苦(にが)いが匂いがどうしても気になる。

 女性を引き付ける不思議な香り成分でも含まれているのか。どうにも股間がむず痒くなる。

 以前なら二回も性行為すれば疲れて眠ってしまうし、すぐに匂いは洗い流してしまう。

 今日のような長い時間匂いを残したまま過ごしたことは無かった。

 

「……クソ。量が少ないのがいけない……。もっと飲みたい……、そんな気にさせるとはね」

 

 まるでクセになった酒の肴(さかな)だ。

 匂いは物凄く酷いが味がいい為に止められなくなる。それに近い。

 

「性行為は駄目だけど、あなたの精液を飲ませてくれない? 代わりに私のおしっこを飲ませてあげるから。もちろん、快感で吹き出るやつよ」

「いいですよ。それは是非、お願いします」

 

 にこやかにナコトは答えた。それに少したじろぎつつ嬉しくなるイミーナ。なにしろ何の抵抗も恥じらいも見せなかったのだから。

 風呂に入るために既に裸であるナコトはイミーナの前で仁王立ちするだけ。

 女性の裸があるにもかかわらず、垂れ下がった陰茎に自分には魅力が無いのか、と不満を募らせる。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 イミーナの目線に他人の男根があり、それをまず湯で洗う。丁寧に刺激を加えながら。するとムクムクと屹立し始める。

 ヘッケランとは違う様子の男根は見事な形として目の前に出現した。

 とにかく、ナコトの男根は奇麗だった。汚れは無く、余計な皮冠(かわかむ)りもなく。

 大きさは普通。比較対象がヘッケランだが。それと形がとにかく奇麗に整っていた。

 ついつい凝視し、尿道や下から見上げてみたりする。

 

「口内ってことは口を開けて待てばいいのかしら?」

「口に含んで舌で刺激を与えます」

「……まあ、そうよね。でも、これを口に含むのかー……。下のお口は出来たっけ……」

 

 下を向いて小陰唇を開いて確認する。

 ついお前は凄いよな、と小声で呟く半森妖精(ハーフエルフ)。

 男根特有の匂いが漂ってきたところで意を決して口に含む。けれども一気に全部とはいかず、亀頭部分だけ。

 歯に当たる感触が嘔吐感を呼び起こす。それでも頑張って奥へと移動させる。そして、喉に当たるとより一層吐きそうになった。

 それでも愛するヘッケランの顔を思い出し、これも練習だと思って再度挑戦する。

 舌で刺激を与える、という事だったので懸命に舌を動かした。

 感覚としては亀頭の下側を這わせるだけ。縦横無尽の動きは到底無理だった。

 嘔吐感に耐えつつ涙目で今度は下の膣口に挿入する時は同じように唇による刺激も追加した。

 

「そうそう。お上手ですよ。亀頭部分を舐めながら指で輪を作って前後に動かす方法と、口だけでする今の方法が一般的です」

「ふわっ!?」

 

 そう言われて確かに刺激を与える方法はそれほど多くない事に気づく。

 舌が疲れれば唇だけでいい。頭を動かすのが辛いなら止まったまま指でやればいい。確かにその通りだった。

 それを結構長い時間続けなければならない筈だから、とイミーナは作業の大変さを理解する。

 舌を動かしながら顔を前後に動かそうとするとどうしても吐き気を催す。特に喉に当たる感触が気持ち悪い。

 それでも男性側からすれば気持ちの良い事の一つのようだからやらないわけにはいかない。

 とりあえず、亀頭部分を含んだまま舌と指で刺激を与える事にする。これも時間が経つと舌を動かすことが辛くなる。最終的には指でやるだけになる。こうなると単なる自慰と大差ない。

 女性の口で射精を促すのが正しい方法なのだから、何とかその形に持っていきたい。

 ナコトは自分の男根を含むイミーナが可愛く見えていた。彼女の森妖精(エルフ)の特徴とも言うべき横に長い両耳を優しく揉みしだく。

 イミーナは舌を懸命に動かし、早く射精しろと念じていた。

 舌が疲れたら唇で、それが大変だと感じたら舌で、と交互に切り替える。それを二十分ほど続けた頃、ナコトは射精を宣言する。

 さすがに開始数秒で射精するほど器用ではないが、頑張れば出来そうなのが怖かった。

 

「そのまま舌を動かしていてください」

 

 そう言いながらイミーナの頭を手でしっかりと掴んでおく。

 もうすぐ射精だ、と期待しながら舌を動かす。

 その後、舌に粘液が付着する感触があった。それから喉奥に吹き付けられる。

 

「ふぉ!?」

「そのまま舌を固定しててくださいね」

 

 その言葉の後、イミーナの震える舌の上に奥へと流れ込む感触が伝わる。

 射精が終わる頃、尿道部分を優しく吸い取るように言いつける。強引な方法だと痛むので、と。

 了解の意を示す様に軽く頷いて、吹き出た精液を舐めつつ飲み込む。

 味はヘッケランのものと大差がないが出たては生温かかった。嚥下する感触も決して良いとは言えないが、確かにクセになる味だと。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 飲み終えたイミーナは艶めかしくため息をつく。

 性的な行動の時、彼女はとにかく行動の全てが艶っぽくなる。少し酩酊状態の女性に近いかもしれない。

 半森妖精(ハーフエルフ)の華奢な肉体でなく、豊満な肉体であればもっと魅力が増すのだが、無い物ねだりしても仕方がない。

 精液が出なくなった男根を丁寧に舐めて奇麗にした後、イミーナから盛大な放屁が聞こえた。

 

「……きゃ。出ちゃっ……、うわうわっ、大きい方までっ」

 

 立ち上がろうとしたイミーナの肛門から大き目の排泄物が勢いよく躍り出た。

 放屁と脱糞を数度繰り返した後、椅子に力なく座り込んでがっかりする。

 丁度、足が開いていた為、放尿が始まった。

 

「あなたがずっとお尻を刺激したからじゃない? 人前で出すなんて……」

「大丈夫。処分しておきますから」

 

 と言っている間も椅子から新たな排泄物が出てきて床に落ちる。

 自分(イミーナ)でも驚くほど物を食べたかしら、と疑問を覚えるほど。

 

「うんちはそのまま食べるのは危険ですよ。雑菌まみれですから。胃腸の強い人なら平気かもしれませんけど……」

「そういう趣味の奴が昔居た気がするな……。私は絶対にごめんだわ」

「なら、自分うんちを手に取るくらいは出来ますよね?」

 

 ナコトのお願いに顔を顰めつつ自分が尻から出した排泄物に顔を向ける。

 匂いが鼻に来ると臭い、と小さく呟いた。しかし、ナコトのお願いなので聞かないわけにはいかない。

 ここはお風呂だから触る分には大丈夫かな、と。

 イミーナは下痢だったら断っている形の良い排泄物を両手で掬い上げた。

 生温かくて臭くて気持ち悪い。

 人食い大鬼(オーガ)の死体に触れているような感じだった。

 

「……ああ、臭いわね」

「でも、ご自分の肛門から出たものです。しっかり握りつぶして小さくして一気に飲み込んでみては? 病気になっても魔法やアイテムで治しますから」

「あらら。至れり尽くせりなのね。……そうね、何事も挑戦しないと……。大きいからダメなのよ。じっくりと匂いを嗅ぐのも駄目よね」

 

 両手でまずは握りつぶして感触を確かめる。意外と脆く、水に混ぜたらスープと遜色ない色合いになる。ただし、飲みたくない。排泄物だから。

 泥団子だと思って小さな球を作る。

 手がすっかりうんちまみれになってしまった。

 

「あっ、臭いっ! これ、匂い付いたんじゃない?」

 

 湯を入れた桶を渡す。イミーナは即座に手を洗い出した。

 石鹸も渡しておく。

 相当嫌がっていたが意外と挑戦的な人物に感心した。その後、新たな排泄が始まった。

 ここに来るまでどれくらい食べて来たのか、ナコトも驚きの量だった。

 特に華奢な体格にもかかわらず、意外と入るんだなと。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 さすがに人体の許容量を超えるようなことは無かった。

 涙目になりつつ反省の意味でも込めたのか、小さく丸めたうんちを最初は一息で飲み込み、次にじっくりと噛み砕いて味を確かめる。

 当然、美味い筈がなく、すぐに吐き出す。

 

「……うおぇ。これ、無理。無理でした。もうヤダ……。おおぅ……。折角精液飲んだのに……。勿体ないことしちゃったわ」

 

 手を洗い、口を漱(すす)がせ、歯磨きを渡すと一心不乱に匂い除去に努めた。

 喉の奥から湧いて出る排泄物の香りに何度も吐きそうになりながら。

 散らばっていた排泄物は魔法で消して、水洗いする。

 それからお腹の調子を確認し、もう出ない事を確かめると一息ついた。

 

「……なーにやってんだろ、私……。うんち食べちゃうなんて。あー、まだ喉の奥が気持ち悪い……。あれがまた肛門から出てくるわけでしょ? はぁ……」

 

 ヘッケランとナコトの精液とうんちが絡み合い、胃の中で混ざるのに数分かかる。

 それを思うと居た堪(たま)れない気持ちがイミーナを襲う。

 だが、興味があった。だから実行した。

 後悔した後は二度とやらなければいい。

 イミーナががっかりしている間に病気対策の魔法をかけておく。

 排泄物を食べたくらいで即日に死ぬわけではないが、腹をまた壊すことになりかねない。

 それだけならいいが、とにかく今日一日はずっと思い悩めばいい。

 

「なら、味を確認する為にもう一度飲んでみますか?」

「いいの? 助かるわー。精液の匂いと味は覚えていたいのよね、今後の為にも」

 

 嬉々として明るく振舞うイミーナ。

 他人の男性の精液でも飲みたいと言うほどに性的な事が好きになったようだ。

 これはこれで友好度が上がったと言えるのかもしれない。

 方法を理解したイミーナの行動は早かった。先ほどよりも手際よくナコトの男根を含んで舌と手と唇を動かし始めた。その彼女の表情は実に嬉しそうに頬が赤く染まっている。

 遠慮なしに汚らしい音を鳴らして。鼻息も荒い。こちらは匂いを覚えようとしているようだ。

 二度目ともなると慣れたもので、嘔吐感も無く器用に頭を動かす。

 喉に多少当たっても平気なほど。

 

「んふふー」

 

 男根を口に含んだまま微笑む。

 余程気に入ったのか、それとも知っている味を覚えたのか。

 とにかく上機嫌なのは理解した。

 真下にイミーナの頭があるので見辛いが、彼女は椅子に座ったまま両足を開いている。

 大抵の女性は人前ではぴったりと脚を閉じているものだ。異性を前に、しかも裸になって脚を開くのは男性を受け入れる時くらい。

 無意識で自然にやっているのであればいつでも受け入れる準備が出来ているという意味になる。それくらい今の彼女は性的興奮を味わっているのかもしれない。

 目の前にある男根を自分の膣に入れたいという願望で身体が反応した結果だ、と。

 事実、男性器を見る彼女の青い瞳は尋常ではない輝きを放っている。欲望そのものと言ってもいい。

 いや、あるいは単におしっこがしやすい形ということもあるが、人前でする格好ではない。

 

「すみません、おしっこしていいですか?」

「へっ? 別に……、いいわよ。……もしかして私の口の中でしたいって意味?」

「口の中でいいならそれで」

 

 亀頭を舌先でもてあそびながら目をぐるりと一周させるイミーナ。ただ、その顔は上気している。

 目線を男根に合わせ、尿道を確かめる。その後、舌を出して下方を丁寧に舐める。その間、目は真剣だった。

 

「……病気になったら責任とってよね」

 

 そう言って男根を口に含んだ。

 両手は膝に乗せていつでも来い、という雰囲気を演出する。

 彼女は将来大物になるかもしれない。ただ、冒険者以外で、と付く気がした。

 待っている女性を待たせては悪いので、早速放尿を開始する。

 いきなり強い勢いだと吐くはずだから弱めから。

 

「ふっ! ……んぐっ」

 

 喉に当たる温かい液体。それをすぐに飲み下すイミーナ。

 しかし、それは一回では終わらない。出来るだけ彼女のペースに合わせて出す様に心がけたが、多少は口の端から漏れ出てしまった。

 頑張って飲んでいる事は喉の動きで分かっている。本当に彼女は挑戦的で勇気がある。そして、負けず嫌いなのかもしれない。

 長く出すものではないので一分を少し超えたところで放尿は終わった。

 飲み終えたイミーナは口から男根を引き抜き、息切れしたように酸素を求めた。

 

「不味い酒を一気飲みした気分だわ……。はぁ、喉が焼けそう……。男の人のおしっこってみんなああなの?」

「飲んだことが無いので、何とも言えませんが……。女性とも違いは無いと思いますよ」

「そうだといいけれど……」

 

 と、もう本来の精液に思考が移り、男根を含んで舐め始める。

 もはやこの行為は特別異常とは思っていないようだ。これならヘッケランに対してもすんなりと同じことができる筈だ。

 例えばこれから寝ている彼の下で同じようにしたり、するかもしれない。それは恋人同士なので止める権利は無い。けれどもアルシェ達が来た時はさすがに男根を含むような真似をいきなりする事はないと、思いたい。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 改めて射精感が来たので合図を送ると嬉しそうに待ち構えるイミーナ。

 彼女は見た目とは裏腹に豪快、豪傑な人物のようだ。とても好感が持てる。

 でも、他人の女ということは忘れてはいけない。

 自分の女を得る事を早々諦めていたナコトとしては他人だからこそ良いのかもしれない、と思った。

 そうでなければ楽しくない。色々な女、というか異性や種族と出会いたい。

 早々都合よく出会えないけれど、様々な人種と触れ合うことは精神的にも良い刺激になる筈だ。

 なんて真面目な事を思いつつ他人の女の口の中に射精する。

 最初よりも丁寧に舌を使ってナコトの男根を奇麗にし、精液はしっかりと味わってから飲み込んだ。

 それだけで実に幸せそうな顔をする。

 

「この苦(にが)みにも慣れたわ。……やっぱりいいわね、新鮮な精液は……。えっと、精子っていうんだっけ?」

「そうです。よくご存じで」

 

 様々な分野である程度の名称は伝わっていてもおかしくない。

 気掛かりなのはこの世界の言語だ。未知の文字を使っている事は分かっている。なのに会話は不思議と通じている。

 翻訳の魔法は知っているが、世界規模の効果には覚えが無い。おそらく、その辺りをイミーナ達に聞いても分からないと思うから保留にする。

 

「……あー、今度は私のおしっこを飲ませるんだったわね。……なんか腹具合が悪いからまたうんち出ちゃうかもしれないけれど……。さあ、陰核を刺激して好きなだけ飲んでちょうだい」

「……陰核は知っているのに通称は……知らないんですね」

「他に名前なんかあったっけ? 女性器についてはなかなか教えてもらえなくてさ。殆ど知らないのよ」

 

 椅子から降りて、湯船の縁に腰掛け、そのまま仰向けに倒れ込む。頭には持ち込んだタオルを枕代わりにする。

 何処を刺激すればいいのか、本人は自覚しているところは凄いと思った。

 しっかり両足を開いて閉じないように手で押さえていた。

 ここまでしてくれるほどナコトを信頼しているというか、友好的な存在だと思っている。

 だが、性行為はダメ、と念押しされた。

 

「ここに男根を入れて射精していいのはヘッケランだからね。貴方は舐めたり、指で刺激するだけ。そうじゃないとあいつに悪いもの」

「そうですかー」

 

 と、言いつつイミーナの胸の中心から人差し指でなぞるように移動させる。

 くすぐったい気持ちを我慢して微笑む。

 ナコトは湯船の中に入り、女性器を特等席で拝む。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 両足が湯船に浸かっているので温かさが伝わってくる。その上で恥ずかしいセリフをたくさん言ったことにより、羞恥心で顔が赤く上気してきた。

 そして、胸から来るくすぐったさで股間部分が反応してきた。

 口の中に残る精液の後味を思い出すと余計にむず痒くなる。

 

「あっ、ごめんっ」

 

 突然の尿意に負け、ナコトの顔に放尿してしまった。

 安心していたら股間から力が抜けてしまい、勿体ない事をした。しかし、実際に飲んでもらうのは快感によって出る透明なおしっこだ。今は事故として処理する。

 

「構いませんよ。では、始めますね」

「お手柔らかに」

 

 まずは小陰唇を開いて膣口に指を入れ、上部を引っ掻くように刺激し、片方の手は恥丘を優しく圧迫する。

 それだけで急激に快感が襲ってきて下腹部が痙攣し始める。

 

「あっ、ふん……。き、気持ちいいわ。続けて、続けて」

 

 そうは言うがイミーナの膣内は湯によってふやけたのか、広げた後すぐには戻らなくなっていた。

 壁面の刺激は通常通りのようだが、弄るごとに歪な形になっていく。

 陰核を刺激するとイミーナは笑い出した。もちろん、気持ちよくて。

 ここまで素直な面を見せると可愛く見える。

 

「もうすぐ出ちゃう。もっと刺激して」

「はい」

 

 可愛い声音で要望する半森妖精(ハーフエルフ)。本当に心の底から楽しんでいるようだ。

 それとお腹が冷えないように湯をかける事も忘れない。

 完全に寝転がっているのでナコトの様子は分からない筈だが、それでも構わず現状を報告してくる。

 

「はい、そこで尿道に口を付けて~。もうすぐ……、すぐに出ますよ~」

 

 ナコトは言われるまま陰核の下にある小さな尿道付近を下から上へ舐め上げてから口を付ける。

 その行為で身体を震わせるイミーナは掛け声を出す。

 それを合図に尿道から吹き出すもナコトは器用に口に含む。それと陰核の刺激は継続する。

 

「あっははは。いい……そのまま、そのまま。とても気持ちいいから……」

 

 ある程度吹き出し終わった後はもう片方の手を肛門に当てる。

 二本の指を突き入れて更なる刺激を与える。

 

「おっ、あははっ。いっいい……。ま、また来る。また来たちゃうっ、ううっ、駄目、もう出るっ!」

 

 胸が激しく上下しつつ間髪入れずに潮吹きが再開された。それと同時に目元が痙攣して開けられなくなる。

 顔中が性感帯になったようだ。快感が治まったかと思ったら次の絶頂が起きる。

 その後は単調な言葉しか言えなくなった。それをどれだけ続けただろうか。

 呼吸が苦しくなってしばらく経ったのは分かっている。

 性行為並みに気持ち良すぎて眠ってしまう所だった。睡魔に負けない快感で驚いた。

 

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

 

 気が付くと身体を洗われ、着替えを着せられたイミーナは黙ってナコトに運ばれ、ベッドの上に置かれた。

 言葉にならないくらい気持ちよくなって後は寝るだけ。

 

「お休みなさい。また明日」

「……あ、うん……」

 

 それから数秒も経たずに眠りについた。

 久しぶりに熟睡できたのは何年振りか、と思うほど。

 それにもまして見知らぬ施設で自分達は性行為ばかりしていた。とても他人に話せる事ではない。

 そう思うと股間がむず痒くなってくる。まだやりたりないと主張しているようだ。しかし、さすがに疲れで身体が重く、目覚める事が出来ない。

 そのままずっと眠り続けたいくらいだ。

 次に気が付いた時、身体の重しが全て消えたように気持ちよく、意識がはっきりとした。

 目覚めはとても良く、隣で寝ていたヘッケランの鍛練する声が懐かしさを呼び起こす。

 自分はここで実験するために来たのだ、と気が付いて飛び起きる。

 昨日まで数多くのモンスターを倒し、極度の疲労で眠りこけたところまでは覚えている。それ以外の事は全く駄目だった。しかし、とても気分の良い時間を過ごした事だけは理解している。

 

「よう、随分と気持ちよさそうに寝ていたな」

「まあね。戦闘がきつかったからじゃないかしら?」

 

 自分の身なりを確認すると風呂上がりである事に気づく。いつ風呂に入ったのかは覚えていない。

 その後、いい匂いが漂ってきた。朝食のようだ。しかも作り立て。

 懐かしい匂いに食べずとも惜しいと確信できるほど。

 

「今日はアルシェさん達が来てもいいように施設を整理したと思います。色々と足りないものが多いので。それとお酒ですね。私は飲まないので用意していなかったのですが……」

「それは必須。それが無いと本気出せない」

 

 きっ、と睨むようにイミーナは言った。

 ナコトを見た瞬間、なんだか人当たりの良い人に見えて不思議に思った。言葉を聞いているだけで身体が火照るような。まるでヘッケランを恋人だと認めた時に似ている。

 その時、不意に尿意が襲ってきた。

 すぐにトイレの場所を聞いて駆け出す。

 寝間着姿のイミーナにヘッケランは軽く口笛を吹く。

 服の下は何も身に着けていなかったからだ。下着の無い尻がはっきりと見えた。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。