---八神コウ---
欠勤明け、うみこ、りんと共に出社。りんの豹変振り…マサムネ君ですら、近寄れなかった。その為、りんは自己嫌悪の真っ盛りである。うみこはモデル三昧だった。腹筋の割れた女性が、目新しかったのか、紗霧ちゃんが手放さなかったのだ。
「で、三人揃って休みって、どういうことかな?」
上司である葉月さんに突かれる。
「新しい方向性を取ってきました」
私達3名を欠勤させたことに、マサムネ君が責任を感じ、企画を作ってくれていた。彼のせいではなく、私達の都合である要素が大きかったのだが、りんの豹変に責任を感じたようだ。それだけのことだけども、私とうみこの心を掴むのに効果あったと思う。当のマサムネ君には、そんなつもりが無いこともわかってはいけるけど。
「どういう方向性だね?」
「朝霧先生の原作でゲームをと考えております。朝霧先生には許可もらっており、ゲームの企画書も共同で制作してくれました」
「あの朝霧先生かぁ?!」
葉月さんもファンだったはず。案の定、喰い付いた。差し出した企画書に目を通してくれ、
「原作沿いのADVかぁ。何々、ミニゲームもあるのか…う~ん…企画会議に出そう」
企画会議を通れば採用だ。
「なぁなぁ、風の噂で聞いたのだが、何か新しいプロジェクトを、されているそうじゃないか、朝霧先生は…」
「そのプロジェクトの一部です。それは♪」
おぉ、神楽坂さんの暗躍が役立っているようだ。
「そうなのかぁぁぁぁ~。う~ん、通したいなぁ、この企画…」
な感じで、集団欠勤は、問題視すらされなかった。マサムネ君の用意してくれた企画のおかげで。
「週末、行きますか?」
うみこに訊かれた。
「そのつもりだよ。マサムネ君には迷惑を掛けたし、デッサンの行方が知りたい。どう使われるのかをな」
「ですね」
表情がわかりにくいうみこであったが、少し恥ずかしそうに見えた。
「まさか、あんなポーズ、そんなポーズを取らされるなんて…お嫁に行けない気がしないでもない」
あぁ、それは私もそうだ。まして、私は中で出されているし…彼のせいでは無いけど。
「彼は女嫌いって訳では無いですよね?」
「そうじゃない…それだけ、深刻なことだと思う。紗霧ちゃんも心配しているし」
「草食すぎますよね」
イヤらしい視線で見ないことを謝るマサムネ君。それはそれで異常ではある。
---和泉正宗---
前日、学校を休んだので、智恵にノートを借りに、たかさご書店へと向かった。
「ムネ君、昨日はどうしてのよ?」
学校ではスルーしているのに、お店では心配そうに俺を見ている。
「取材って、感じだよ」
「新しい女体を入荷したの?」
人聞きが悪いことを言う智恵。なにか犯罪組織のような会話である。
「地下室に降りた女性がいて…」
『地下室』という単語を聞いて、青ざめる智恵。
「あぁ、興味本位の人がいて、大変なことになったのね」
逃げるように奥へと行き、昨日分のノートを持って来てくれた。
「はい、これ。学校では返さないでね…意識しちゃうから…」
頬を赤らめ、視線を逸らす智恵。こういうのが色っぽいのかな?よくわからない。そうだ、棚を見ないと…『縁』の棚に行くと、和泉マサムネ名義が平積み…1列だけ…
「あぁ、平積みにしてもらっただけでも、ありがたく思ってね!朝霧先生なら、5列くらいにしてあげるけど…」
作者は同じなのに、その差別はなんだ?
「で、和泉先生の新作は?」
「没の山です…気が滅入ったところで、朝霧をしています…」
「朝霧先生は、幻想系とか怪奇系だから、それ以外のジャンルだよね?」
エルフシリーズを見ながら言う智恵。
「だね。学園異能バトル物だと、ムラマサ先生に勝て無いし…どうするかな?」
「それよりも原画集はまだ?」
あぁ、そっちか…
「もう少しだよ。編集担当と詰めの段階だから」
「サイン入りでお願いね♪」
「はいはい」
お店を後にする。
---加藤恵----
安芸君がしつこい…
「いいか、お前みたいな冴えない女を、ヒロインにしようと思っているんだ。感謝しろよ!」
冴えなくても良い。そんなこと、どうでもいんだけど。熱弁をする安芸君には困り者である。
「倫理君、ギャルゲーは作らないわよ。私もエリさんも恵もねぇ」
詩羽先輩が助け舟を出してくれた。
「どういうことですか?」
「もっと、夢のあることをするの♪ギャルゲーまっしぐらの倫理君には、わからないと思うけどね」
「何を言っているんですか?ギャルゲーだって、夢が詰め込まれてこそのギャルゲーですよ!」
う~ん、のれんの腕押し状態な感じだ。
「それに、倫也。私達の後ろには、ゲーム会社も付いているし♪」
と、エリさん。コウさん達の会社ですね。
「何?ゲーム会社だと!俺の構想を売ったのかぁぁぁぁ?!」
売れ無いよ…コミケでも売れ無いのに…
「違う構想だよ。ギャルゲーには成らない気がするよ。そういうゲームメーカーで無いし」
ファンタジー色が濃いゲームでしたよね。エルフちゃんの持っていた資料によると。
「そうか…引き抜かれたのか…」
「引き抜かれた覚えはないかなぁ~」
「そうだ。引き抜かれた訳じゃない。むしろ、こっちから参加を申し込んだ気がする」
私の言葉にエリさんが、便乗した。
「許さん!」
「だから、倫理君に許可なんかいらいのよ。そういう話よ」
「文句を言いに行ってやる!どこのメーカーだ!」
「イーグルジャンプだよ」
「はぁ?ギャルゲーメーカーでは無いではないか」
「だから、そう言っているだろう…まったく…」
不毛な会話だよねぇ…
---和泉正宗---
土曜の午前中に、画集の打ち合わせで出版社に…現場で手直しをして、ようやくゴーサインが出てた。来月には発売できそうだ。で、プロジェクト企画の方も、神楽坂さん達のおかげですんなり、オーケーも出た。複数の会社、レーベルを巻き込んでのプロジェクトになりそうだって。俺の描いた物よりも大きく展開しそうだ。
出版社を出ると、コウと知らない女性が待っていた。
「マサムネ君、どうだった?」
コウに訊かれた。
「来月、出版出来そうです」
「そうか…絶対に買うから、サインを頼むよ」
「勿論です♪で、そちらの女性は?」
「あぁ、篠田 はじめだ。エロマンガ先生のファンで、手土産だよ」
「初めまして、和泉正宗です」
はじめさんに挨拶をした。
「え?手土産って?あぁ、篠田はじめです」
ボーイッシュな服装ではあるが、紗霧の好きな巨乳系である。コウは紗霧の好みでスカウトしてくれたようだ。
「あぁ、りんとうみこは先に行ったよ」
「そうですか」
「コウさん…彼とはどういう関係ですか?」
「弟…みたいな…彼から見れば、手のかかる姉かな?ははは」
「手なんかかかりませんよ。優しいお姉さんです♪」
「そうか…」
苦笑いをするコウ。
「なんか、よくわからない関係ですね」
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作業場に着くと、りんと恵が食事を作って待っていた。
「チャーハンと味噌汁にしました♪」
と、りん。
「おぉ~、今までにいないタイプだ♪」
はじめさんの近くにいくペンタブレットを手にした紗霧。エロマンガ先生モードのようだ。
「え?何?何かな?この子は?」
紗霧の行動を不審に思っているようだ。
「はじめの会いたかったエロマンガ先生だよ♪」
って、コウ。
「え?こんな幼子が?」
ショックをうけるはじめさん。
「それでも中学生ですよ、幼子って言うは失礼だと思います」
うみこが、説明をしてくれた。
「あぁ、原画集はプロジェクトの第1弾として、来月発売されます」
出版社での話を、皆に報告した。
「買う♪」
と、エリさん。
「冷めちゃうから、食べましょう」
昼飯がスタートだ。紗霧ははじめさんをモデルに、お絵描き中であるけども。
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「おぉ、久しぶりの作品ですね。和泉先生♪」
神楽坂さんに新作2作を読んで貰った。
「2作とも良いですよ。う~ん…斬新な作品ですね。1作は…」
ストーリーが浮かばなかったので、エロマンガ先生の描き溜めたイラストを、話が構成できるように紗霧と並べて、イラストの紙芝居に合う話を考えた物であった。
「イラストが多い原稿とは斬新ですね。これはこれで、エロマンガ先生ファンの方が買われるでしょうから、続けて下さい」
問題はもう1作の方である。目の前の現実をフィクション仕立てで書いた、妄想小説である。
「『世界で一番かわいい妹達』…ふ~ん、モデルは紗霧ちゃん、エルフ先生、ムラマサ先生ですか?」
図星だ…三人とも真っ赤な顔で俺を見ている。怒っているのか?
「ごめん。ネタキレで…ネタにしてしまって」
三人に頭を下げて謝った。
「兄さん…怒っていません。恥ずかしいだけです。そんな風に見ていたなんて…」
「マサムネ…そんなに細かく見ていたのね…少し嬉しい…」
「マサムネ君、モデルにしてもらえて嬉しいよ。でも、恥ずかしいよ~」
三人三様な反応であった。
「これに、コウとうみこも加えて、『世界で一番かわいい姉妹達』の方が、話が広がりそうよね」
「神楽坂さん…何を言っているんですか?」
「そうですよ…かわいいだなんて…言われた事無いです」
拒否なのかな?
「うみことコウは、モデル拒否かな?」
神楽坂さんの指摘は的を射てる場合が多いので、確認してみた。
「拒否ってことは無いけどなぁ…恥ずかしいぞ」
「かわいいというよりクールビューティーがいいなぁ」
二人とも顔を赤らめている。いや、うみこは小麦色な肌なので、わかりにくいけど。
「って、ことで、二人も了承よ。和泉先生、これは次回までに書き直してくださいね」
2作とも採用っぽいようだ。
「それよりも、朝霧沙樹先生の新作『七人の妖精達』は良いわね。なんで、こんな良い物が書けるのに、私の担当作品はこうなのかしら?本当に同一人物なの?」
同一です…作品のコンセプトが違うから…
「この挿絵がいいわよね」
神楽坂さんが1枚の挿絵を手にした。その途端、コウの顔が真っ赤になった。それは、コウをモデルにした妖精のカットで、手の平には新たな命を優しく載せているシーンであった。
「なぁ、顔をぼやかしてくれないか?見る人が見れば…」
コウから要望が…
「これってコウさんですね。いいカットだ♪」
と詩羽さん。
そう言えば、コウの手土産はどうした?
「紗霧、はじめって人はどうした?」
「今、型取り中です」
「型?」
「う~ん…です」
言え無い型?嫌な予感がする。地下室に降りていくと、棺桶のような箱があって、顔だけ出ていた。
「なぁ、助けて…」
涙目のはじめさん。
「あと、30分で出せます」
って、紗霧。石膏かな?セメントだと取り出せない気がするけど…
「そうだ♪兄さん、うみこさんを調教してみて♪」
調教?
「なんでうみこ?」
「表情が変わらないクールビューティーな女性の表情の変化が見たいです♪」
ペンタブレットを手にしている紗霧。かたまるうみこ。まぁ、紗霧のリクエストだし。
「うみこ、ごめん…」
うみこに抱きついた。
「マサムネ君…みんなの見ている前でですか?」
抱きつき、着ている物を脱がしていく。確かに表情が変わらない。クールな表情である。
---阿波根うみこ---
いきなりハグされ、服を剥がされていく。みんなの見ている前で…これはこれで興奮する。捕虜が陵辱されるって、こんな感じなのだろうか?
胸の谷間にマサムネ君の顔が埋まっていく。
「あっ…あぁぁぁ…うぅぅ…」
谷間を舐められたことで、迂闊にも喘ぎ声が漏れてしまった。マサムネ君のモノがお尻の谷間に埋まっていく。
「ダメ…ダメです…そこは…」
耳タブをハムハムされている。
「あぅ!」
達してしまった。荒い呼吸…全身の筋肉から力が失せていく。目の前には、ペンタブレットを操作しているエロマンガ先生。どんな表情なんだろうか?自分でも気になる。
「あっ…」
達して終わりと思って油断していた。何とも言えない刺激が全身を駆け巡っていく。何をされたのだろうか?身体に力が入らない…
「いい…もっと…」
お替わりをしている私。どういうことだ?何をされているんだ?腰が自然に動いている。自分の意志とは連動していない。身体の中には、入っていないのに…寧ろ入れて欲しいとアピールするように腰が…
「いく…」
意識は白濁した霧の中に埋没していった。
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意識が戻ると、椅子に縛り付けられていた。陵辱の第2ラウンドか?エルフちゃんと紗霧ちゃんの手には何かが握られている。マサムネ君は、どこだ?
「うみこさん♪身体に何が入っていると思いますか?」
紗霧ちゃんは、エロマンガ先生モードに突入している。マズい気がする。普段はシャイな子なのだが、エロマンガ先生モードの紗霧ちゃんは、女体調教士に変貌してしまう。目の前には、はじめさんが果てて居た。ピクリとも動かない。
「やめなさい!マサムネ君はどこ?」
「和泉先生は、お仕事中です♪」
マサムネ君を先生呼びするときは、完全にエロマンガ先生になっている時だ。マズい。
「エルフ先生、スイッチを入れてくださいね♪」
「ふふふ♪」
ズン!と何かが体内で衝撃が…その後断続的で変拍子なリズムが刻まれている。
「うぅぅぅ…」
二人の手にしたデバイスが乳首に襲い掛かった。身体がバラバラになるような感覚だ。媚薬?
「あぁぁぁぁ…」
口元から唾液が溢れ出て行く。こんな表情が見たかったのか?精鋭のコマンダーが廃人になっていく様を…
「ダメだって…」
ダブルで耳タブをハムハムしている。乳首はこれでもかとそそり立っているし…
「おぉぉぉ、乳房に血管が浮き上がってきた」
「本当だ。そうか、興奮すると血流が良くなるから、血管も太くなるのかぁ」
無邪気な少女達の声が聞こえる。が、やっていることは無邪気ではなく鬼畜だと思う。
「止めて…もうダメだって…」
血管が切れそうだよ。鼓動が早くなっていく。そして、意識はブラックアウトしていった…
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誰かに抱かれている。生暖かい場所にいる。
「うみこ…大丈夫か…ねぇ、うみこ…」
心配そうに私を呼んでくれている。誰だっけ…
「うみこ…息はしているから、大丈夫かな」
生きているようだ。って、何をされたんだ?
「叩けば目覚めるんじゃないか?」
誰だ、暴力的な発言…
「キスしたら目覚めたり?」
唇に柔らかい物が触れた。なんだろうか?恐る恐る瞼を開いていくと、マサムネ君が私にキスをしてくれていた。
「ほら、キスすれば目覚めるんだよ~」
恵さんだ。
「叩けば早いと思うんだけど」
はじめさん…何てことを言っているんだ?ここは?周囲をぼぉ~っと見てみる。湯船の中。私が潜らないように、マサムネ君が抱えてくれていた。
「ごめんなさい。紗霧とエミリーが無茶をして…」
私に謝るマサムネ君。そうだ、無邪気な鬼畜コンビに調教プレイをされていたんだ。
「ネット通販で、妖しげな薬を買っていたようで…監督仕切れていなくて、すみませんでした」
私を強く抱き締めてくれたマサムネ君。
「生きている…大丈夫です」
その後、湯船からお姫様抱っこで、更衣室に行き、全身の水分を拭って貰い、再度お姫様抱っこでベッドまで運んでくれた。私を一人残して立ち去ろうとする彼…引き留めた私。
「暫くの間…添い寝…してくれませんか?」
頷いた彼。でも、全裸で弱っている女体を前にしても、襲わないんだろうな?私と向き合うように寝そべった彼。でも…やはり、交わることはしないで、抱きつくことはしてくれた。
一歩前進かな?ミリタリーヲタの私の遅咲きの初恋…