※この作品はR-18です。

冴えない彼氏の育てかた   作:もっち~!

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千尋を襲った事故*

---羽島千尋---

 

「パンツ見せて下さい♪」

 

目の前にいる、天使のような笑みを浮かべた少女から、飛んでもない言葉が飛び出した。固まるボク…

 

「紗霧、初対面の人に、それはダメだよ!」

 

正宗君の声…

 

「だって、かわいいんだもの…」

 

困ったような、かわいい声…

 

「千尋君、ごめんな。妹の紗霧は、女の子のパンツフェチで、女の子の靴下フェチなんだよ」

 

この家では妹の方に狂気が舞い降りているのか…

 

「兄さん、今日の夕食は?」

 

冒頭の言葉を感じさせない日常感のある会話…妹さんの切り替えが早い。

 

「紗霧の好きなオムライスだよ」

 

「ねぇ、夕食が出来るまで、お姉さんと私の部屋で遊んでくるね♪」

 

「無茶と無理は止めろよ」

 

「わかっています。無茶振りはしても、無理強いはしません♪さぁ、行きましょう」

 

天使の笑みを持つ無邪気な鬼畜に手を掴まれ、彼女の部屋へと連れ込まれて行く。彼女の笑みに魅入られたようだ…

 

 

 

---和泉正宗---

 

「エミリー、手伝ってくれるか?」

 

「もちろんよ。何をすればいいかな?」

 

山田エルフ大先生を顎で使う。紗霧と一緒にすると、千尋君が危ないから。

 

「卵を泡立ててくれるか?空気を含ます感じで」

 

「ふんわり卵ね。了解です♪」

 

エミリーと並んで夕食の準備。そこに、

 

「マサムネ君、夕食は何かな?」

 

神楽坂さんに解放された先輩がやってきた。

 

「花ちゃん、オムライスだよ。味噌汁をお願いできるかな?」

 

「わかったよ。後、本名呼びは避けて欲しいんだけど…」

 

「そうよ、マサムネ。本名は二人だけの時にしてよ」

 

妹枠二人は、本名で呼ばれるのが好きでは無いようだ。先輩は、俺の部屋に置いてある割烹着を着込み、味噌汁の出汁取りから始めた。

 

 

 

---白川京---

 

高校生以上の女子ばかり…ガールズトーク会になっていた。

 

「で、みゃーさんは彼氏いるのかな?」

 

詩羽さんに訊かれた。あぁ、みゃー呼びは、千尋君がしたのを受けたようだった。

 

「いませんよ。誰かいませんか?」

 

「いるけど、女体として認識されていないからどうかな…」

 

って、りんさん。それって、和泉先生ですか…う~ん、イケメンって感じでは無いし、甲斐性があるようにも見えないのに、薦められてもなぁ。

 

「まぁ、青葉も認識されていないよな。マサムネ君的には妹枠の中学生だし」

 

コウさんが、からかうように言った。

 

「中学生ってひどいです。せめて、高校生にして欲しいですよ!」

 

「彼の判断基準って、わからないですよね」

 

って、うみこさん。この人も表情から感情が読めない。ここに集う女子自体、クセが強い気がするのだけど…

 

「いや、好みもわからないですよね」

 

って、大和さん。好み?あぁ、和泉先生のかぁ。

 

「来る者拒まないタイプなんで、好みがわからないと言うか」

 

誰でもいいのか?女なら…あれ?それだと、私の立場…

 

「そうだよな。誰でも良い訳でも無いよな。現にみゃーさんは、女体と認識されていないし。ボーイッシュの千尋君を、迷わず女体と認識したらしいし。う~ん…」

 

悩み込むコウさん。そうだよね。千尋君が女の子って、私は気づけなかったし。どうやって認識したんだろうか?

 

「みゃーさん、マサムネ君にせまってみたら?」

 

って、りんさん。

 

「いや、好みでは無いです…」

 

「みんな最初はそうらしいわよ。ねぇ、コウちゃん♪」

 

りんさんの言葉を受けて真っ赤になったコウさん。へぇ~、そうなんだ。

 

「私にとっては弟枠だし、コウちゃん、マサムネ君なら応援しようかな♪」

 

更に赤くなっていくコウさん…そんなに好きなのか?

 

 

 

---羽島千尋---

 

無邪気な鬼畜により、パンツは奪い去られた…彼女の描いたイラストに目を奪われた隙に…迂闊だった。注意するように言われていたのに…紗霧ちゃんは、ボクを描くのでは無く、奪ったボクのパンツを描いている。

 

「ねぇ、お姉さん…コレ履いて、ポーズ取って下さい♪」

 

彼女の手にしているのは、ヒモパン…えっ!あれ?ボクのパンツは?彼女の手にはヒモパンしかない。まさか、コレクション入り?

 

股間がすぅすぅするので、パンツを受け取って、言われた通りのポーズを…恥ずかしいよ~彼女の目はパンツに釘付けのようだ。身体では無くパンツに…

 

「ねぇ、ボクのパンツは…」

 

「後で返します♪待っていてくださいね」

 

って、ペンを持つ手は止まらずに動いている。少し余裕が出て来て、部屋を見回して見たけど、普通の女の子の部屋のようだ。ベッドの上には…へ?正宗君の等身大抱き枕が置かれている。欲しい…どこで売っているのかな?って、そんなに人気作家だっけ?はて?

 

足を踏み入れてはいけない魔界に来た気分もする。半日前には、こんなことをするなんて、夢にも思っていなかったし。

 

「ふ~ん、お姉さん。お尻がいいよね♪」

 

って、お尻に抱きつく紗霧ちゃん。正宗君に助けてもらいたいけど、こんな姿は見せてく無い…困ったなぁ…

 

「そうか♪抱き心地が良いってこういうことなのか!」

 

何か、違う方向へ行く紗霧ちゃん…どうしよう…

 

コンコン!

 

ドアをノックする音、それに続いて、

 

「紗霧!飯だぞ!」

 

正宗君の声…少し安堵感が…

 

「はぁ~い、今いきます♪」

 

って、ボクのお尻に頬ずりしているのですが…あぅ…急に身体に異変が…身体の中が熱い…こんなこと、今まで感じたことが無いんだけど…

 

「あっ!まずい…」

 

紗霧ちゃんの困ったような声。何をしたんだろうか?下半身が震えている。

 

「兄さん…ごめんなさい!」

 

階下に助けを求める紗霧ちゃん。駆け上がってくる足音…ボクをお姫様抱っこする王子様…違う…正宗君。ボクはどこかに連れて行かれる。どこに?

 

服を脱がされていく。抵抗せずに正宗君に身を委ねている。こんなことは初めてだ。ボクの身体に何が起きたのか?

 

暖かい液体に身を沈められた。正宗君も一緒に…

 

「ごめんね。紗霧が…敏感な部分を…」

 

起きた事態が分かった…頬ずりしていて、指が触れたようだ…敏感なポッチ…クリトリスに…気分的に高揚していた処に、刺激を受け、ボクの身体は準備がなされたようだ。

 

「暖めるとリラックスして痙攣は治まるから」

 

いつも妹さんの後始末をしているのかな?こうやって…

 

「ねぇ、正宗君…抱いて…」

 

冷静な思考とは裏腹に、ボクの口は早まったことをしている。ちょっと待って!

 

正宗君の唇がボクの唇に重なった。手で彼を跳ね除けようとしたのだが、ボクの腕は彼の背中を抱き締めている。初体験は彼の家のお風呂場…頭がのぼせていく。湯船の温度のせいも有るとは思うのだけど、そうでも無い気がする。

 

気が付くとボクの腰は動いていた。こんなにも貪欲かって思えるくらいに…ボクの中で、これまで眠らせていたメスの部分が目覚めたのかもしれない。それも、彼の胸を背もたれにして…体位が変わっている…2プレイ目?思考が止まっている気がする。体内に刺激が波のように、打ち付けては引いていく…気持ちが良い…これが男女の禁じられた関係…

 

 

意識が覚醒していく。バスローブを着て、ベッドに寝かされているようだ。

 

「目覚めたね…ゴメン…妹が無茶をして…」

 

私にずっと付いていてくれたのかな?ここはどこだろうか?周囲を見回すと、正宗君の部屋のような気がした。部屋の隅にPCがあり、畳の上には原稿の山がいくつも有るし。

 

「大丈夫かな?」

 

「まだ、少しぼんやりしています…でも、大丈夫です。湯あたりをしたような気分です」

 

「お水は飲む?」

 

頷く私ボク…口移しで水が…抵抗せず、それを飲み干す。あぁ、そうか寝たままだからか…

 

「起きられるようになったら、食事の準備をするからね♪」

 

立ち上がった彼の後ろには、正座をして項垂れている紗霧ちゃんがいた。

 

 

 

---白川京---

 

「紗霧ちゃんがやらかしたのか?」

 

千寿先生が、事件の一報を知らせに来てくれた。

 

「話を聞く限り、事故のようだけど…封印されていたメスの部分が、覚醒したようだ」

 

義弟として接していた千尋君。精神的に葛藤していたのかもしれない。そこに、魔の手が…封印を破られたのか。

 

「今はマサムネ君が看病している。毎度のことだから、対処はわかっているようだ」

 

毎度?彼の妹は何度も事故を起こしているのか…

 

「ムネ君は紗霧ちゃんのしたことの責任は取るから…あぁ、またライバルが増えちゃうなぁ~」

 

って、恵さん。ライバル?また?分かっているのは、恵さんとコウさんだけだけど…彼のどこが良いんだ?

 

「みゃーさんが餌食になるか、賭けないか?」

 

って、霞先生。賭け?はぁ?

 

「成立しないでしょ?」

 

って、柏木先生。

 

成立しない?なんで?

 

「そうなるか…う~ん…」

 

「どう意味でしょうか?」

 

柏木先生に訊いてみた。

 

「紗霧ちゃんは当分大人しいわよ。今回はだいぶ絞ったようだし。一番の理由は、マサムネ君が興味を抱いていないことかな」

 

興味が無い…それは女体として認識されていないのか?

 

「見た目の年齢が高いって感じかな。神楽坂さんにも手を出していないし」

 

見た目…私って、老けているのかな?

 

「いや、作風のイメージに合わないだけでは無いかな」

 

って、千寿先生。和泉先生のコアなファンらしい。売れっ子作家が、あまり売れ無い作家のコアなファンって、ちょっと不思議ではあるけども。

 

「紗霧ちゃんは、マサムネ君のストーリーにあった物しか、描かないからな。みゃーさんは、弄りようの無い完成された姿なのだろう」

 

完成された姿…ちょっと嬉しいけど、仲間はずれ感が濃いのは悔しい。いや、進んで鬼畜の餌食には成りたくは無いけど…微妙な感じである。

 

「まぁ、新作を書き始めれば、また疼くだろうから、賭けはその辺りかな」

 

って、賭けはするのかい!

 

 

 

---羽島千尋---

 

ムラマサ先生に、家に連絡を入れて貰った。温泉に一緒に行って、湯あたりを起こしたので、ムラマサ先生の家に泊まるって事にしてもらったのだ。

 

正宗君はアトリエへ仕事をしに出て行った。代わりにみゃーさんと恵さんが、様子を見に来てくれた。こういうのは女性同士の方が良いって、ことらしい。

 

「どう?落ち着いたかな?」

 

って、恵さん。

 

「はい。少しボンヤリしていますけど…」

 

「のぼせたらしいよ。きっと、熱めのお風呂に浸かり過ぎたんだね」

 

咄嗟にお風呂の準備をしたため、温度設定をとちった可能性があるらしい。その件で、正宗君がボクに謝っていた。

 

「正宗君と…後悔はしていません。寧ろ、背負っていた物を、降ろさせてくれた感じで、感謝したい気分です」

 

「義理の弟の件?」

 

みゃーさんに訊かれた。答える代わりに頷いたボク。

 

「ここでなら、女の子していいんだなって…正宗君の前なら、本当の自分を出していけるかなって…」

 

「そうだと思う。ムネ君の前では本当の自分を出しているよ。私のダメな部分から目を背けないし、彼は嫌な顔せずに向き合ってくれる。こんな私を…たまに頼ってくれるのが嬉しいんだ」

 

って、恵さん。相変わらず、表情から感情は読み取れない。正宗君なら、読み取れるのかな?

 

「義理のお兄さんの件は、みゃーさんから聞いて、みんな知っているよ。ここでは、気にせずに過ごせば良いと思うな。後…ムネ君も、心の闇を抱えているから、注意してあげてね」

 

正宗君の心の闇…一人で留守番が出来無い…子供の頃、一人で留守番をしているときに、実の母親が交通事故で亡くなったそうだ。それ以来、一人で留守番が出来無くなったそうだ。更に、あの兄妹の抱える心の闇…二人が初めて出逢った日に、再婚した両親は新婚旅行へと向かう途中に交通事故で…それぞれの義理の親から、連れ子を頼むとそれぞれが頼まれたらしい。だから、兄を一人にしないように引きこもりになった妹…妹のしたいようにさせたいと願う兄…そんな感じらしい。

 

「誰しも心に闇は抱えていると思う。でもね、支え合えば、どうにかなりそうに思えるんだよ」

 

そう思います。今も支え合っているんだと思う。恵さんとみゃーさんはボクを支えてくれている。ボクも誰かを…

 

------

 

翌日、紗霧ちゃんが、書き下ろしのイラストとボクのパンツを持って、謝りに来た。

 

「昨日は…ごめんなさい!」

 

丁寧に土下座をしている。

 

「また、遊びに来ていいかな?パンツを脱がすのは禁止ですよ」

 

「はい♪脱がさずに描きます…」

 

まだ、描くんだ…パンツフェチ…う~ん、スゴい…

 

「お腹減っているだろ?オムライス食べる?」

 

正宗君からの言葉…それが無性に嬉しいボクがいる。

 

「食べます♪」

 

 

 

 

 

 

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