---八神コウ---
マサムネ君の持ち込んだ企画、電子絵本…うちの会社の企画会議で没になったのだが、スポンサーの芳文堂から製作依頼が来たり…う~ん、没にした意味が無いと葉月さんが怒り心頭ではある。
マサムネ君の依頼で、うみこがプライベートで作っていたプログラムを会社で買い取ることに…この会社は、儲けの2つも逃したようだ。
そして、マサムネ君から持ち込み企画があった。青葉のしたいことを後押しする企画である。あの二度見してしまう顔を生かす企画というか…
「ゲームをコンプリートした後、青葉の描いたイラストバージョンでも再プレイできるようにしたら、どうでしょうか?」
新しい企画のゲームに入れてみたらと、マサムネ君が企画を書いてくれた。敵にやられた時だけ、見られる恍惚な表情…ゲーム内は3頭身、やられた時だけ8頭身…そんなゲームは無い。奇抜な発想をするマサムネ君らしい。
「う~ん…その分、ゲームの価格も上がってしまう。どうするかな?」
葉月さんが悩んでいる。ここまで採用を見送り2連敗中であったから。
「コウ的にはどうなの?」
「私ですか?我が社のこれまでのスタイルを逸脱しますけど…まぁ、変革も大事ですし、新たなファン層も獲得できれば、悪い話では無いと思います」
「りんはどうなの?」
「コウちゃんと同じです。たまには変化球を投じて、反応を見るのも悪くないかと思います。それに、正規にコンプリートしないと出来無いので、従来のファン層を裏切ることは無いと思います」
「私は、有りかなって思います。個人の意見としてですけど」
って、大和さん。マサムネ君が言い出した現場にいたからなぁ。
「上に掛け合ってみるわ。現場の意見として、上に報告してみます」
葉月さん的には、あの絵はグッと来る物は無かったようだ。葉月さんの好みは、かわいらしさだしなぁ。
マサムネ君達の作業場で一皮剥けた青葉。マサムネ君並みに没が多いけど、おっ!これはって言う、目を見張る作品も多々ある。負けられない。私もペンタブレットを導入して、描き始めてはいるのだが…う~ん、何かが違う。
青葉がエロマンガ先生をリスペクトし始めたように、私は朝霧先生をリスペクトするかな。って、ことで、マサムネ君に相談してみた。
「う~ん…人それぞれですからね、描き方って…」
「マサムネ君はどうなんだい?」
私の下にいるマサムネ君に訊いてみた。
「紗霧のようにペンタブレットは使えません。なんかペンタッチの感覚が合わないというか…俺は紙と鉛筆派ですね」
全裸での相談に応じてくれたマサムネ君。なんか不謹慎な相談スタイルではあるが、彼とこうしたい私がいた。
「ペンタブレットだと、掠れが出ないから…鉛筆画で出来ることがしにくいからかな」
自己分析をしている彼。彼の言葉をしっかりと聞きながら、腰の運動をする私…なんだかなぁだ。
「コウはどこが気持ち良いの?」
いきなり話題を変えられてしまった。えっ!なんだって?
「どこって?」
彼の顔を見ると、真剣であった。エロ的な発言では無いようだ。
「悪魔と天使シリーズで、天使が悪魔をいたぶるシーンを考えて居るんだけど…どういたぶれば良いのかなって。でね、気持ちの良い部分を責めたり、スルーしたりも良いかなって」
なるほど、参考資料扱いなのか、私は…ここで、断ると違う相手に訊くんだろうな。
「こうしているのが気持ちいいかな」
正直に言った為か、耳が熱い…体内で疼いている。どうしよう…
「そうか…悪魔も天使も女性だから…ねぇ、女性同士でも…なんだっけ…あぁ、そうそう貝合わせって気持ち良いの?」
想像するだけで悶悶としていく。
「気持ちいいよ…女性だけの特権と言うか…」
何を言っているんだ、私は…ふと、りんと貝合わせをしている妄想が浮かぶ…イカン…
「なるほど…で、どう気持ちが良いの?」
えっ…えぇ…っとねぇ…
「吸い付き感と解放感の繰り返し…かな」
顔が熱い…たぶん、真っ赤だと思う。薄暗い部屋が幸いして、マサムネ君にはバレてはいないと思うけど…
「後は、女性同士だと何をするの?」
もしかして、こういう質問をする為、全裸での相談に応じてくれたのかな?追い込まれていく私。言えない…そんな具体的なことを…
「ゴメン、変なことを訊いちゃったね。どうするかな…うみこなら分かるかな?女性捕虜の虐め方とか」
うみこに訊くのか…それは負けた気がする。どうにかしないと…
「いやいんだよ。もっと、訊いてくれて構わないよ」
自分で自分を追い込んでいる気がする。
「そうだな…乳首同士で押し合いとか…男性にはわからない刺激だと思う」
あせる気持ちと裏腹に、冷静に答えている私。何を言い出しているんだ。
「なるほど…」
「女性の武器は弱点にもなる。諸刃の剣だよ」
うっ…私の乳首を押して、何かを確認する仕草をしているマサムネ君。感じるから、やめて…
「本当だ。興奮してきたんだね」
乳首責めに遭い、呼吸が荒くなっていく私。そうです。興奮してきました。
「乳房より乳首が感じるのか…」
乳房も責めてきた。ダメだって…感じる…あぁぁぁぁ~。腰を激しく動かし始めている私。身体の中が疼くんだよ~。
あっ!達してしまい、静かにマサムネ君の上に覆い被さるように倒れた。
「あぁ、そうだね。コウの乳首…気持ちいいよ」
そう、言ってもらえて嬉しいよ。達した私はそのまま、朝を迎えた。
---和泉紗霧---
最近は兄さんと添い寝をしなくなった。兄さんを異性と意識しすぎるのか、添い寝をすると興奮して一睡も出来無いのだ。困ったことだ。私がいないと、他の女が兄さんを…エルフちゃんにもらった兄さんの等身大抱き枕で、心を静めて寝入る。
まぁ、一人で寝るようになり、随分となる。お陰で睡眠不足は解消され、昼間に居眠りすることもなくなった。良いやら悪いのやら、ビミョーだけど。
最近、お友達が増えた。学校で作った訳で無く、ネットで作った。エリさんと知り合ったのもネットだったし。ネットは引きこもりにとって、救いの神だな♪
新しいお友達は『うまる』ちゃんだ。私よりも小さいようだ。私と同じようで違うけど、お兄さんと二人で暮らしていて、家はここから遠いようだ。
「うまるちゃんは小学生なの?」
『えっ!高校生だけど…』
私よりも歳上なのか…小さく見えるけど…
『外では偽りの姿なんだよ』
偽りの姿?なんだろうか?変身能力があるのかな?
「変身できるの?」
少し考えてから頷いたうまるちゃん。そして…私の目の前、モニタ越しで変身をした。マジですか。スゴい…
「スゴい♪スゴいよ、うまるちゃん」
モニタに映る彼女は照れているようだ。すごくかわいい女性だ。兄さん好みかな…小さいうまるちゃんは私的には好きではあるが…う~ん、見たい…大きいうまるちゃんのおパンツが…
「大きいうまるちゃん、遊びに来られないかな?」
『ちょっと、遠いかなぁ…でも、電車だとすぐかな…』
「そうだ。クリスマス会があるんだけど。お泊まりで来られないかな?」
『クリスマス会…行きたいけど…お兄ちゃんに訊いておくね』
大きなうまるちゃんは、小さいうまるちゃんと言葉遣いも違うようだ。変身能力ってスゴいんだなぁ…
---和泉正宗---
はぁい?変身能力持ちの友達が出来た?紗霧が、そう言っているのだが。紗霧も変身するだろうに…エロマンガ先生に…性格が真逆になることに気づいていないのか?
「スゴいのよ。大きくなった、小さくなったり…」
楽しそうに話す紗霧。何が大きくなったり、小さくなったりするんだ?興味が有る。
「まぁ、料理は多めに作るから良いし、もし来たら、紗霧の部屋に泊めてもいいし、作業場の2階でもいいかぁ」
「いいんだね、兄さん。私、猛プッシュするよ♪」
紗霧が楽しそうなのは良いことだ。友達が出来ることも良いことだし。学校では出来無いのが難点だな。まぁ、めぐみんが牛耳っているクラスでは、固まって動きは取れないだろうし。
「なぁ、めぐみんはどうしているんだ?」
「大人しいよ。ムラマサとエルフちゃんが焼き入れてくれたから」
先輩に睨まれたらめぐみんはタジタジだろうな。そうかエミリーもいたんだ。エミリーの居るとき紗霧は別人のように強くなるからか。
「兄さん…色々、ありがとう…」
俺に抱きついて、俺の頬にキスをしてきた紗霧。
「へへへ♪中学生だから、ここまで。高校生になったら…」
耳まで真っ赤になっていく紗霧。何を想像したんだ?
「紗霧、背伸びはダメだよ」
「うん♪」
俯いているので表情が分からないが、力強い返事は聞こえた。
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通販で買った食材が次々に届く。クリスマスに向けて、料理の手順を考える。
「ケーキは前日に作った方がいいかな?」
「そうだね。冷めても美味しい物は前日が良いと思います」
ケーキはエミリーがスポンジ担当で、俺と千尋君でデコレーションを担当することにした。
「七面鳥のロースト?俺は出来無いけど」
「マサムネ、オーブン系は私がします」
って、ことで、エミリーはオーブン担当にした。
「サラダは先輩でいいですか?」
「わかった。ドレッシングも含めて面倒をみよう」
「俺と千尋君で、残りのオードブル系を作るか」
「はい♪」
「恵は配膳を頼めるかな?」
「わかりました」
「りんさんは煮物系で良いですか?」
「煮物より、鍋でにしませんか?足り無い材料は、コウちゃん達に買い出しに行ってもらいますから」
りんさんの申し出により、煮物はなくなり、鍋料理になった。後、料理できそうな人は…
「あぁ、アルコールを呑む人は、自分で用意してくださいね」
神楽坂さんに言った。神楽坂さんと葉月さんは飲み喰い専門と宣言していたから。
「未成年が多いですから、深酒は帰ってからしてくださいよ!」
アルコール臭は苦手である。って、言うか俺は高校生だし。
「わかっている。お酒の手配はこっちです。あぁ、ソフトドリンクも手配済みだ」
神楽坂さんからの返答。この時期になると、出版業界は、お休みモードだ。年末まで作家に急がせても、印刷出来無いし。寧ろ、年始から猛プッシュしてくる。正月ボケで締め切りが護れない作家が多いから…穴が空けば、穴埋めに没原稿が救われることがあるので、俺的には嬉しいのだが。
---羽島伊月---
目の前に落ち込んでいる春斗がいる。警察に絞られ、前科者になったそうだ。
「不法侵入の上、ストーカー法に抵触って…お前、暴走しすぎだろ?」
「そうだな。俺…どうかしていたんだ。京さんに会いたい気持ちが暴走して…」
京の半径2キロ立ち入り禁止だそうだ。もし、制限半径の内側にいた場合、正当な理由が無い場合は、手錠らしい…
「まぁ、箔が付いたと思えば」
しけたツマミしかない。ちっひーが全然来てくれないので、乾き物しか無いのだ。どうしたんだ、アイツは?俺は、アイツに何かをやらかしたのか?自宅に連絡しても、ちっひーのことは教えてくれない。いや、言われたのは、『あの子の幸せな時間を奪うな』だったっけ。俺は奪った覚えは無いのだが…
「あ!おい、伊月、これを見てろよ」
ネットサーフィンをしていた春斗が声をあげ、モニタを俺の方へと向けてきた。ナニナニ…作家集団、法人を設立という記事…参加作家に可児子の名前が…
「山田エルフもいるし…なゆちゃんと京さんは、そこに引き抜かれたんだよ、きっと」
引き抜くも何も、京は作家では無い。山田エルフ付きの編集者のバイトなんだろ?
「くそっ!山田エルフめぇ~!」
「春斗、それ、逆恨みだぞ…」
山田エルフ…作風が似ていると言われている作家である。開始15行目でヒロインを全裸にした作家…妹物は書かないようなので、被らないのはお互いの為だな。
後、参加する作家は…朝霧沙樹が責任者で、霞詩子、柏木エリ、千寿ムラマサ、和泉マサムネ、エロマンガ…はぁ?和泉マサムネだと…
「和泉マサムネってあの?」
「うん?あのって?」
「累計20万部のヘボ作家か?」
「そうだろう。同姓同名の作家はいないはずだ」
「おかしいだろ?累計20万部程度の作家が参加して、なんで、俺に声がかからないのだ!」
春斗が検索しはじめた。
「なんでだろうな?まぁ、考えられるのはエロマンガ先生の付録だろ」
エロマンガ先生とは、和泉マサムネの作品専属のイラストレーターである。和泉マサムネより有名であるが、なぜか専属なのだ。俺の作品にも描いて欲しいのに…
「なるほど、付録か…しかし、なんで、可児子は俺を推薦してくれないんだ!」
俺は1冊で20万部くらい越えてはずだ。なのに…
「で、クリスマスも、このメンツで呑みか?」
クリスマス…ちっひーが居れば、ご馳走が食べられたのに…なんで、俺を避けているんだぁぁぁぁ~!