※この作品はR-18です。

冴えない彼氏の育てかた   作:もっち~!

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取材旅行Part3*

---土間うまる---

 

次の宿泊先に着くとお兄ちゃんが、既に到着していた。部屋割りはお兄ちゃんと二人部屋のようで、お兄ちゃんの部屋へと急いだ。

 

「お兄ちゃぁぁぁぁん!」

 

私はこまるとなって、お兄ちゃんに泣きすがった。

 

「うまる、どうしたんだよ?なぁ…」

 

久しぶりの私の大泣きに戸惑うお兄ちゃん。

 

「また、こまる…どうしてかなぁぁぁぁぁ~!」

 

こんなことは、お兄ちゃんにしか出来無い、お兄ちゃんにしか訊けない。

 

「一人の時か?」

 

恐る恐る訊いてきたお兄ちゃん。

 

「わからない…気づいたら、こまる状態でマサムネ君と…」

 

昨夜の大問題を告白した。

 

「へ?人生に一度きりのイベントの記憶が無い…おぃ…」

 

絶句するお兄ちゃん。

 

「気づいたら…マサムネ君の上にいて…既に…」

 

「上にうまるって…」

 

上にいるって事は、そういうことだ。マサムネ君主導ではなく、私が自発的に…それは明白である。

 

「おめでとうと言って良いのか、わからん状態だな…で、その時は戻れたのか?」

 

「うん…マサムネ君のキスで…でも…でもねぇ…全裸状態で…私の神秘を見たらしい…」

 

私自身でも仕組みがわからないのに、それを目撃されてしまったのだ。

 

「全裸で、こまるからうまるへ?それはそれで衝撃的だな…」

 

衝撃だと思う。幼児体型から高校生へって…

 

「で、どうしたいんだ?」

 

「わからないよ~!お兄ちゃん、どうしたらいいかな?うぇぇぇぇぇ~ん!」

 

お兄ちゃんに泣きすがる私。どうしていいか、見当も付かないし…

 

「どうって…う~ん…」

 

考え込むお兄ちゃん。

 

 

 

---和泉京香---

 

甥の正宗から招待を受け、温泉宿に来た。結構高級な部類に入る有名な宿だ。どこにそんなお金があったのだろうか?累計発行部数20万部程度のラノベ作家と学生の二足のわらじなのに…ロビーで待っていると大勢の女性に囲まれて、正宗が現れた。ハーレム?何をやっているんだ?

 

「正宗!どういうこと?」

 

甥っ子に声を掛けた。

 

「あっ、叔母さん…お久しぶりです」

 

以前より、逞しく見える甥っ子。女性達に手で合図をして、フロントで鍵を受け取り、私と二人で、部屋へと向かった。部屋はこぢんまりとした二人部屋のようだった。

 

「この部屋をお使い下さい」

 

私と共に部屋へと入って来た。

 

「あの女性達は誰なの?あなたは、何をしているの?」

 

渦巻く疑念が口から、次々に呼び出す。彼は何も言わずに、私に言われたい放題、言われている。

 

「何故、答えられないの?」

 

「京香さん…モデルになってくれませんか?」

 

想像とは違う返答が彼の口から、飛び出した。モデル?なんの?

 

彼はスケッチブックを手にして、鉛筆で私を描き出した。小説家を止めて、画家になったの?聞いていないんだけど…

 

「どういうことよ?」

 

彼は私の背中の後ろに座り、私の肩を揉み始めた。心地良い刺激…気持ち良い…だけど、徐々に違う刺激が私を襲い始めた。耳タブをハムハムされ、頬を重ねている。甥っ子のもたらす至福の刺激にうっとりしていく。まるで、兄さんにされている気分になっていく。

 

はぁ…はぁ…はぁ…

 

息遣いが荒くなっていく。

 

ネチョ

 

股間が生暖かい。正座をしていたのだが、足をモジモジすると、股間から音が…恥ずかしい…恥ずかしければ恥ずかしく思う程に、股間の湿り気は増大していく。どうしよう…甥っ子で欲情なんて…恥ずかしい。

 

胸を揉まれ、乳首をソフトタッチされていく…?乳首?服は?えぇぇぇぇぇ~!いつの間にか全裸で、彼の胸に背中をもたれていた。この子は、いつの間にマジシャンになったのよ…

 

「京香さん…その表情…いいですよ」

 

耳元で彼の囁き…吐息が耳に甘美な刺激をもたらしていく。胸が苦しい…キュンとして、切ない…兄さん…どうしよう…空から見守ってくれているであろう兄さんに問い掛ける。

 

柱に背中を預けて、刺激に耐えている。目の前では彼が、私の淫らな姿を描いている。しかるつもりだったのに…しかられる立場になっていた私。兄さん…

 

コンコン♪

 

彼が訪問者の応対へ…誰にも、こんな姿を晒したくない。でも、全身が金縛りにあったのか、自力で動けない。

 

「スゴい♪兄さん…京香さんを…」

 

紗霧ちゃんの声…ゆっくりと、声のした方を見ると、ペンタブレットを手にして姪っ子が、私を描いていた。こんな姿を描かないでぇぇぇぇぇ~!

 

「京香さん♪次のシーンに行きますよ」

 

彼にお姫様抱っこをされて、運ばれていく。どこへ?次のシーンって?部屋の奥の障子を開けると、内風呂があった。樽状の湯船が置いてある。洗い場は無いようだけど…風呂場の状況を観察していた私の身体は、彼の手により正座の状態にされ、彼女の手により、左手首と右足首、右手首と左足首のペアで拘束された。動けない…どうするの?動けない私を彼が抱えて、樽の中に置いた。樽の中は空だ。湯船で無いのか?

 

「熱い!」

 

背中に熱いお湯が流れている。

 

「源泉掛け流しです。ここで暖まってくださいね」

 

え?まさか…樽の蓋が閉められた。真っ暗な樽の中…熱いお湯が流れ込んでいる。茹だっちゃうよぉぉぉぉぉ~!今まで、つらく当たり、冷たい態度で接していたから…仕返しなのか?これって、拷問じゃないの…

 

「助けてぇぇぇぇ~!出してぇぇぇぇぇ~!」

 

大声で叫んだつもりだが、か細い声しか出ない。あの兄妹は鬼か?いや、鬼のように接した私への仕返しなのか…兄さん、助けてぇぇぇぇ~!

 

---------

 

どのくらい経ったのだろうか?ここはどこ?兄さんの元に来られたのかな?どこかに横たえている。どこ?あの兄妹が上から私の惨めな姿を描いていた。のぼせているのか、頭がクラクラしている。湯あたりか?

 

「京香さん、協力してくださいね。兄さん、京香さんに言われた通り、学業と仕事を両立させています。少しくらい身体を張ってもバチは当たりませんよ」

 

って、彼女が私に向かって言う。こんなに物事をはきはき言える子だっけ?

 

「兄さん、どう?」

 

「まぁ、釜茹での刑の描写は行けると思うよ」

 

「でも、生徒役じゃないよね?」

 

「風紀担当の先生って設定でどうかな?」

 

「それだと教師ばかり3名だよ」

 

「だよね…生徒役のモデルを探さないとダメだな…」

 

モデル…そう言えば、モデルになってって言われたような…

 

「ねぇ、どういうこと?これは一体?」

 

茹だった身体の上体を起こしながら訊いてみた。

 

「肉親って京香さんしかいないから…ギリギリまで責めるには肉親でないと…」

 

他人様には頼めないってことか…だからって、これは酷いでしょ?声に出して言えない、実は小心者な私。そんな私の前に、彼が本を1冊置いた。『混合する性』と言うタイトルだった。作者は和泉マサムネ、画はエロマンガ、朝霧沙樹とある…あの朝霧先生の挿絵なのか?

 

「この本の取材です。編集部の方から、ギリギリまで責めて描いてくれって…」

 

ギリギリ?パラパラと本を捲って見ていると、朝霧先生のタッチで、ギリギリの裸体が描かれている。そのバックには何時ものホンワカするキャラがいたり…なんとも不思議な挿絵である。

 

改めて見てみると、正宗はスケッチブックに鉛筆、紗霧はペンタブレットを手にしていた。それって…まさか…そんなはずは…

 

「正宗、あなたは和泉マサムネって言うペンネームよね?」

 

「そうですよ。どうしましたか?」

 

正宗の描いたペンタッチは、朝霧先生のソレに見える…

 

「あ…さぎり…さき…って…」

 

自分で口に出して、理解した。そういうことなのか…

 

「正宗…あなたの二足のわらじって…朝霧沙樹と和泉マサムネのダブルペンネームなの?」

 

「そうですよ♪売れ無いラノベ作家では、妹と一緒に末長く暮らせないでしょ?」

 

じゃ、紗霧は…

 

「あなたが、エロマンガ先生なの?」

 

「そんな名前の人は知りません」

 

真っ赤な顔で俯く彼女。そういうことなのか…この兄妹は二人三脚で本を作っているのか…で、もう一人の家族である私をモデルに…嬉しいような、末恐ろしいような…

 

「後、今後の予定表です」

 

書類が目の前に差し出された。書類に目を落とすと…プロジェクト縁…マンション化…飲食店経営…などの文字が躍っている。まだ、のぼせているようだ。

 

「将来的な収入源の予定表です。もう少し余裕が出来たら、同居しましょうよ、京香さん♪」

 

舐めるように私の全身を見る正宗…身体が目当てなの?

 

「じゃ、京香さん。夕食は19時ですから」

 

二人が、私の部屋を仲良く後にした。あれ?身体目当てで無いの?弱っている全裸の女性を放置って…

 

 

 

---羽島伊月---

 

警察とか通院とかで、まるで書けていない。締め切りだと言うのに…どうするかな?編集担当が目の前で唸っている。

 

「穴が空くのは困る。どうにか、一本書いてくれないか?」

 

「って、言われても…」

 

もう、ちっひーに無理難題は言わない。いや、言ったことは無いが。ちっひーの前で、妹妄想は口にしない。それはそれで良いのだが、妹妄想をすると顔がちっひーになってしまい、筆が進まないのだ。どうするかな…

 

「妄想しても良い妹枠の女性を提供してくれないか?」

 

「出来る訳無いだろ?下手すると、売春斡旋に間違われるし」

 

それは有るな。うんうん、もう警察のご厄介はカンベンだ。どうする…あっ♪いい手が思いついた。

 

「なぁ、穴が空かなければ良いんだよな?」

 

「それはそうなんだが」

 

「作者は俺で無くてもいいよな?」

 

「うん?素人はダメだぞ!」

 

スマホを手にして、義弟へ連絡をした。

 

「今いいかな?」

 

『どうしました?』

 

「頼みがある…没作品でいいんだけど、一作穴埋めに使いたいんだ」

 

『うん?マズいでしょ?出版社違いますよ?!』

 

「俺の作品として、アレンジはするから…頼むよ」

 

『お義兄さん…今回だけですよ。メアドはこの前ので良いですか?』

 

「すまん…借りは返す。必ずだ。倍返しにする」

 

『俺で無くて、千尋君にしてください』

 

通話が切れると同時に、俺のPCにメールが届いた。届いたメールに目を落とす。う~ん、改造すればいけるか。

 

「いけそうだ」

 

「おい、誰から原稿を貰ったんだ?」

 

「俺の義弟君で、没原稿製造器の二つ名を持つ、早書き名人の和泉マサムネ先生ですよ」

 

ちっひー、みやー、可児子は俺を着信拒否しているので、義弟君の連絡番号とメアドを交換してある。本当にアイツは、俺とちっひーにとって大恩人だよ。倍とは言わず、3、4倍にして、恩を返したいぞ。

 

「うん?お前の義弟なのか?」

 

「ちっひーの彼氏だから…そうなるでしょ♪」

 

頭を抱えている担当編集者。

 

「おい、待て待て!違うレーベルの作家だぞ」

 

「大丈夫ですよ。プロジェクト縁ってレーベルだから…賛助企業になってくださいね」

 

「そういう抜け穴か…まぁ、あそことは協力態勢があった方が良いのは確かだ。伊月、お前も合流するのか?」

 

「ちっひーが許してくれればね♪」

 

義弟君の提供してくれた作品を俺流の作風へと書き換え始めた。

 

 

 

---土間うまる---

 

お兄ちゃんと正宗君の部屋にいる。今回も正宗君のキスにより元に戻れたのだが…

 

「原因は何ですか?」

 

正宗君に訊かれた。

 

「原因なぁ…どうなんだ?うまる」

 

お兄ちゃんにも訊かれた。

 

「わかりません…初めは甘えん坊キャラを演じていたら…」

 

「演じなくても…」

 

正宗君が何かを言いたげだ。うん?演じなくても甘えん坊キャラなのか…私って…

 

「甘えたくなると、あぁなるんですか…厄介ですよね」

 

厄介だよ~。

 

「で、訊きにくいのだが…うまるの初めては…」

 

お兄ちゃん!何を訊いているの?恥ずかしいってぇぇぇぇ~!

 

「初めて?ファーストキス?じゃないか…なんだ…あっ!アレかぁ…まさか、記憶に無いの?!」

 

正宗君の顔は驚きに満ちあふれた表情であった。あぁぁぁぁぁ~!どうしよう…

 

「お兄さんの前で言うのはアレだけど…あんなに激しかったのに?」

 

「激しい?」

 

お兄ちゃんの目が点になっていく。初めてが激しいかったの…私も驚きと共に、恥ずかしさが込み上げてくる。

 

「えぇ、初めて女性に恐怖を感じました」

 

苦笑いしている正宗君。え…恐怖って…私は何をしでかしたんだ?

 

「言いにくいとは思うが、どんな感じだったんだい?うまるの記憶に無いみたいなんだよ」

 

って、お兄ちゃんは更に恥ずかしいことを訊いている。耳が熱い、顔が熱い、胸が熱い…

 

「う~ん…いざって時に…こまるさんに変身して…」

 

はぁ~?それは失礼なことを…ジト目で私を見るお兄ちゃん…涙が溢れていく私の瞳。

 

「あぁ、泣かないで…で…こまるさんが僕のアレを玩具のようにして遊び始めたので…僕は疲れもあったので、ウトウトしてしまったんですよ。そうしたら…『隙有り!』って、うまるさんに戻られて…騎乗位で…」

 

あ…あ…あ…あの時…だ。その直後に意識が戻ったのかぁぁぁぁぁ~!それはタジタジになるよね…萎えるよね…

 

「ごめんなさい…本当にごめんなさい」

 

ひたすら正宗君に謝る。唖然としているお兄ちゃん。

 

「謝らないでください。そんな感じで、なんで、あぁなるのか原因が知りたいんですよ」

 

正宗君の言い分はもっともである。イザ!って時に、それでは…でも、原因って言われても…

 

「正宗君、こんな妹だけど、嫌いにならないでくれるか」

 

お兄ちゃんが彼に頭を下げた。

 

「頭を上げてください。嫌いになりませんから。ただ…僕とかお兄さんの前でなら問題は少ないけど…」

 

事情を知らない人の前でだよね、問題は…って、恵さんにも見られたのか…

 

「恵さんは?」

 

「たぶん、見ていない…意識が飛んでいたから…」

 

それなら、問題は少ないか、今回は…その後、夕食まで三人で意見を出し合ったが、解決には至らなかった。

 

 

 

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