※この作品はR-18です。

冴えない彼氏の育てかた   作:もっち~!

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エロい女性絵選手権

---氷堂美智留---

 

「なあ、最近露出が減ったんじゃないか?」

 

トモの部屋でまったりしていると、トモに言われた。

 

「気のせいだよ」

 

いや、減ったと思う。モデルとして、肌を空気に晒すのを控えているのだ。あの日以来、あの家に通っていた。お呼びの声は一斉無いのに、通っていた。脅されたからでは無く自分の意志で通っている。

 

「まさか、お前…彼氏が出来たのか?」

 

ぎくっとした。その一瞬をトモは見逃さなかった。

 

「はぁ?出来たのか?お前、勝手に彼氏を作るなよ!そういう話は俺を通せ。俺が吟味してやる!」

 

以前なら、『そうか、頼むよ』って笑って返したかもしれない。でも、恵達の話を聞くと、私までトモの物になっていると実感できた。

 

「トモには関係ないだろ?これは私の問題だ」

 

「関係ある。お前のマネージャーなんだ。俺を通せ。今回のそいつとは別れろよ、俺は認め無いからな」

 

こういう態度、物言いが恵には耐えられなかったんだろう。今の私になら分かる。

 

「トモ、私はお前の物では無い。寧ろ、彼の物になりたい。もう、お前とは会わない。じゃな!」

 

そう別れ文句を言って、トモの家を飛び出した。その足で、彼の家へと向かう。彼は嫌な顔をせずに、招き入れてくれ、仕事を再開し始めた。彼は小説家である。ネタに詰まった時以外は、私を相手にしてくれない。でも、相手をしてくれないだけで、厄介者扱いは決してしてこない。これはこれで、私にとっては嬉しかった。

 

「また、来たのか?モデルにされるぞ」

 

ムラマサ先生に言われた。モデル…陵辱三昧されるのだが、エロ心無し、エス心無しの観察者たる彼。そんな彼に興味があるが、男性として問題だと思う。

 

「美智留さん相手でエロ心無しだと、問題だよね」

 

って、彼の妹の紗霧ちゃん。露出の多い服装でも、エロ目線では見ず、私目線の感想を聞きたがる彼。問題だな。職業病なんだろうけど…

 

「う~ん…どうするかな…あっ、美智留、来ていたんだ。モデルを頼めるかな?」

 

頭を掻いて悩んでいる彼。

 

「うん、そのつもりで来ている。その代わり、最後まで頼むよ♪」

 

観察が終わると、悶悶とした私を放置しがちの彼。これが一番困るのだ。この館の女性陣、皆の悩みらしい。『悶悶とさせた挙げ句の放置プレイ』これが、彼の得意技らしい。

 

「最後まで?う~ん…努力はするけれど…」

 

困ったような顔の彼。結構好きな表情だよ♪

 

 

 

---羽島伊月---

 

目の前におパンツ星人がいる。俺の作品である『妹のすべて』のコミカライズを担当するマンガ家なのだが、おパンツを髪飾りにするほどの下着フェチな女である。今日は、コミカライズの方向性を相談に来たのだが、俺の部屋で或る物を見つけ、書き手に会わせろと、駄々をこねていた。

 

「どうして、会わせてくれないのですか?」

 

「あ~、だから、さっきから言っているだろ?直接の知り合いじゃないんだ」

 

「じゃ、誰を経由して、書いて貰ったんですか?」

 

或る物とは、とある事件で俺が紛失してしまったイラストの再現版であった。画像データを色紙に印刷してくれて、直筆のサインをしてくれたそうで、それなりに値打ち物らしい。

 

「義理の弟だよ」

 

「義理の?はぁ?伊月先生って、弟さんしかいないですよね?えっ!同性婚ですか?」

 

作家仲間及び関係者には、ちっひーは弟と思われている。なので、ちっひーの彼氏は同性婚と思われてしまうのだ。

 

「ノーコメントだ」

 

彼のおかげで、週1のペースで、ちっひーの手料理が送られてくるようになった。その際、どこで紛失したか思い出せるようにと、料理と共に、作者作成のレプリカが送られてきたのだった。

 

「どこにいるんですか?義理の弟さんは」

 

目の前のおパンツ星人は、エロマンガ先生の大ファンらしい。

 

「言えないよ。彼に迷惑を掛けられないからな」

 

散々多大な迷惑を掛けてしまっている俺。これ以上は掛けられないと心に誓っている。ただでさえ、ちっひーの心の支えになってもらっているんだし。

 

「ズルいです!教えてくれるまで、帰りませんよ」

 

それはそれで困る。仕事のジャマである。いや、待てよ…

 

「俺の妹枠になるか?ふふふ♪」

 

「えっ?いやらしいことをするんですか?ダメです!大声を出しますよ」

 

警察沙汰はこりごりだし、どうするかな。しばらく、ごねていたおパンツ星人は、何を見つけて、帰って行った。アイツ、何を見つけたんだ?

 

 

 

---三国山 蚕---

 

伊月先生の家で、ゴミ箱から宅急便の伝票をゲットした。この送り主が弟さんの筈だ。『羽島千尋』とあるし。この住所へ行けば…ふふふ♪

 

翌週の週末、羽島千尋君に会いに、書かれている住所を頼りに出掛けた。五反野駅で下車して、商店街を抜けて、住宅街に突入した。地図アプリで見るが、目的の番地の位置がわからない。最近出来た建物なのか?

 

目新しそうな建物を目印にして捜索をして、それらしい建物を発見した。しかし、中には入れない。カードキーのセンサー部分があるので、それが無いと入れないようだ。

 

エントランスにインターフォンを発見。そこで、羽島千尋君を呼び出した。

 

「羽島伊月さんの紹介で来ました。マンガ家の三国山蚕です♪」

 

「義兄さんのコミカライズ担当の人?」

 

「そうです」

 

「何の用ですか?」

 

「エロマンガ先生を紹介してください。大ファンなんです」

 

「…」

 

インターフォンが切れた。あれ?何か変な事を言ったかな?

 

 

 

---羽島千尋---

 

妙な人が訪れた。義兄さんの作品のコミカライズ担当のマンガ家さんらしい。正宗君が義兄さんに確認をしてくれた。義兄さんが言うには、完全に拒否したらしいのだが、ボクの送った宅急便の送り状をゴミ箱から盗んだらしい。

 

「泥棒か…お仕置きは必要だな」

 

「そうね、兄さん」

 

鬼畜兄妹が動き出した。言葉巧みに、和泉邸に連れ込んだのだ。

 

「で、千尋君は?」

 

「俺がそうだよ」

 

正宗君が名乗りを上げた。危険な香りがプンプンするのだが。

 

「おぉ…兄さん、コイツ下着フェチだよ」

 

紗霧ちゃんが何かに気づいた。

 

「兄さん?あなた、千尋君じゃ無いのね!あなたは誰よ!」

 

「おっ!絹恵じゃない」

 

エリさんが彼女に声を掛けた。

 

「エリさん…どうして、ここに?」

 

後で聞いた話だと、エリさんのファンで、コミケで知り合ったらしい。

 

「絹恵、泥棒はイカンなぁ」

 

「泥棒じゃないです。ゴミ箱から拾っただけですよ」

 

「室内のゴミ箱だと、泥棒になるけど、どこのゴミ箱で拾ったのかな?」

 

正宗君が追い込んでいく。紗霧ちゃんは、ペンタブレットを手にして、既に書き始めていた。

 

「正体不明のあなたに言う義理は無いわ」

 

「じゃ、不法侵入ってことでいいな?ここ、俺の家だし」

 

「えっ?!不法侵入?あなたが招き入れたんでしょ?」

 

「証拠は?」

 

「へ?」

 

「兄さん、いいかな?」

 

紗霧ちゃんは気になる物があるらしい。

 

「お前、モデル決定だな。紗霧、いいぞ♪」

 

彼女の前に進みでた紗霧ちゃん。

 

「絹恵ちゃん、頭に飾ってあるおパンツと、履いているおパンツを見せてください♪」

 

え?頭に飾ってある?あれって、リボンで無いのか…絹恵さんと紗霧ちゃん以外、リボンと思しき物をロックオンした。

 

「え?あなたも下着フェチ?」

 

絹恵さんのスカートを捲り上げ、前後左右からみつめる紗霧ちゃん。

 

「う~ん、つまらないおパンツだな。作品に出てくる、シルクのおパンツでは無いのか」

 

落胆する感じの紗霧ちゃん。

 

「つまらないですって?これはこれでコスパが良いのよ!」

 

「エリさん、コイツはどの程度のマンガ家なの?」

 

「新人よ。あの妹好きの『妹のすべて』がデビュー作だったかな」

 

義兄さんの作品がデビュー作?それはそれで問題無いか?

 

「新人だけど…エリさんにはおパンツ画は負けないです!」

 

「私はパンツに執着していないから…あんた、アレは異常だよ。原作では全裸のシーンに下着姿って…よく妹大好き星人が許したよね」

 

作品を弄られるのが嫌いな義兄さんの作品に手を加えたの?

 

「えぇ、私が下着のすばらしさを教え込み、伊月先生には理解して貰いましたから」

 

「ふ~ん、下着のすばらしさを?俺に教えてくれないか?」

 

「ふん!どこの馬の骨かわからないヤツには教えません」

 

正宗君にケンカを売るようなことを…勇気有るなぁ…

 

「なら、作画対決するか?」

 

「ふふふ、何者か知らないけど、下着姿の女性のエロさを、見せつけてあげますよ」

 

そして、『エロい女性絵選手権』が急遽行われることになった。

参加者は、絹恵さん、エリさん、紗霧ちゃん、正宗君。会場は、社屋の3階になった。広いスペースに作業台が有り、画材のストックもあるので。

 

「ここは、何をする部屋?」

 

「資料庫だよ。ここなら、ギャラリーが多くても大丈夫だしな」

 

絹恵さんは、集団が放つ毒気に気づき始めているようで、顔色が優れない。

 

「エロ画対決かぁ…青葉は出ないのか?」

 

コウさんが青葉さんに訊いた。

 

「出ませんよ。師匠達が出るんですよ」

 

ちなみに、青葉さんの師匠は、エロマンガ先生&朝霧沙樹先生である。

 

「じゃ、持ち時間は1時間で、一番エロい絵を描いた人が勝ちよ。審査員はギャラリー全員。では開始♪」

 

詩羽さんの掛け声で開始した。皆、絹恵さんの絵に注目し始めたのだが、絹恵さんは頭のリボンらしき物を外して、顔面に被った…えぇぇぇ~パンティーだよ~。紗霧ちゃんの読み通り、おパンツ製のリボンだった。参加者以外の者の目が点になる。

 

いち早く復帰したのはなゆさん。

 

「私より、変態ね。パンティーを被って仕事って…」

 

ちなみに、なゆさんは全裸になって仕事するそうだ。ボクの視線は正宗君の絵に釘付けだった。あれって、ボクがモデルでは…顔はボクだと思う。身体は誰だ?ボクではなさそうだ。ボクよりも胸が大きいし、形も良い。周囲を見回すと、うまるさんの顔が紅い…身体は彼女なのか…

 

紗霧ちゃんは紅兎ちゃんの装備ボロボロシーンを描いているようだ。本には朝霧バージョンが掲載されるらしいので、これはこれでお宝ではある。

 

で、絹恵ちゃんの…下着の描写に主軸を置いているようだ。ブラの細かい模様まで書き込んでいる。でも…新品の下着に見えて、薄っぺらく見えてしまう。う~ん、知らず知らずの内にボクの観賞眼は鍛えられているようだ。生活感の無い絵…正宗君の絵に見慣れてしまうと、だから何って感じに思えてしまう。

 

そして、タイムアップ…ギャラリー全員で、協議をして順位を決めていく。

 

「ふふふ、私の絵が一番に決まっているわよ」

 

絹恵さんは被っていたパンティーを脱ぎ、折りたたんでリボン状態にして、頭に付けた。その行程をムービーとして保存している紗霧ちゃん。今後に生かすのかな?

 

「順位を発表します。4位は三国山蚕、3位は柏木エリ、2位はエロマンガ先生、1位は朝霧沙樹先生になりました」

 

「えっ!エロマンガ先生が参加していたんですか?どの人が、エロマンガ先生なの?」

 

絹恵さんが、周囲を見回している。

 

「う~ん…生活感が無いなぁ。お前、男と寝る度に新品の下着なのか?いや、いつ男とそうなるかわからないんだ。毎日おニューなのか?作品にそぐわないだろ?そんな金持ち兄妹とは思えないし」

 

正宗君が、ボクの感じた違和感を指摘している。

 

「おニューのどこがダメなんですか?美しい物は美しい状態で書くべきです」

 

「それが、分からないから、順位が低いんだろ?確かに、下着の描写は一番だと思う。だけど、審査員はプロだぞ。そんなリアルティーの無い絵に票は入らない」

 

リアルティー追求タイプの正宗君らしいなぁ。う~ん、恥ずかしい絵であるけど…絹恵さんは、正宗君の絵を見て固まっていた。ボクの顔を持つ女性が右後方へ顔を向けている構図で有り、その顔は恍惚である。横を向いているので、乳首が立った美しい乳房の側面からの描写。下腹部にはコウさんらしき女性が舌で舐めているように見える。

 

「何、これ…これって…朝霧先生じゃない…身体中がぞわぞわしていく」

 

身震いしている絹恵さん。隣にはエロマンガ先生の紅兎ちゃん。

 

「エロマンガ先生だ…スゴい、エロが浸み出ている」

 

腰辺りの割れた甲冑の部分には、ローライズのパンティーの上部だけが見え、股間部の甲冑も壊れ、そこからは少し破れ掛かったパンティーが見えていた。

 

「使用感…戦っていれば、擦れるもんね…」

 

エリさんの描いたパンティーやブラも使用感が見える。絹恵さんは衝撃を受けているようだ。

 

「じゃ、結果も出たし。お前に罰を言い渡す。妹のモデルをしろ。以上だ」

 

「ちょっと、待って!あなた達、何者なの?」

 

俯いていた絹恵さんが顔を上げると涙目であった。勝負に負けてくやしいのかな?

 

「俺達か?俺達はプロダクション縁だよ」

 

そう言い残し、この場を去って行く正宗君。

 

「彼は誰?」

 

「私の兄さん…朝霧沙樹よ♪さぁ、モデルしてね♪」

 

「えっ…あなた…そう、あなたがそうなんだ」

 

紗霧ちゃんの手にしたペンタブレットの絵を見て、彼女の正体を知った絹恵さん。

 

 

その後、絹恵さんこと、三国山蚕先生は、プロダクション縁に参加表明した。朝霧先生の元で修行をしたいそうだ。正宗君的には妹枠で、紗霧ちゃん専属のモデルになったとか…

 

 

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