---山県 きらら---
GF文庫編集部で、那由多の担当をしている。締め切り破りの常習犯だった那由多だったのだが、ある時を境に締め切りを護る様になった。隣のデスクの同僚の担当している羽島伊月先生もだった。『プロダクション縁』に参加してから…
その実績から、編集長に命じられて、『プロダクション縁』の賛助企業の登録作業をしていた。彼らの社屋の会議室で、このプロダクションのサポートをしている芳文堂の大和さんを前にして、書類に記入をしていた。
「大和さん以外にサポート出向されている編集者って居るんですか?」
「あとは、フルドライブ文庫の山田クリスさんと、常駐じゃないけど、電撃文庫の神楽坂あやめさんです」
業界でも敏腕と噂されているお二人がサポート出向しているのか…
「メインで働いているのは京さんだけどね」
うちの編集部でバイトをしていた白川京さん。芳文堂にスカウトされて移籍した有能な人材である。
「その節はお世話になりました。今は、ここでプロジェクトマネージャーをしています」
まだ正社員は彼女だけらしい。なので、大学中退で新入社員で有りながら、いきなりの重要職になったそうだ。
「彼女が、各パブリッシャーと作家の間のパイプになります」
と、大和さん。
「そういえば、伊月先生のコミカライズ担当の三国山先生も、参加されたそうですね」
「えぇ、そうです。朝霧先生の元で修行をしたいそうです」
ここに参加している作家陣はスゴい。朝霧沙樹先生はミリオンを連発、千寿ムラマサ先生は累計2000万部が近いそうだ。そこに山田エルフ先生、伊月先生、那由多の中堅作家が後を追っている。
「で、朝霧先生には会えませんか?」
「無理ですね。お忙しいですから」
コンコン!
京さんが応対をすると、高校生らしき青年が現れた。
「あぁ、紹介します。ここの代表である和泉マサムネ先生です」
えっ?高校生作家なのか…まてよ、確か累計20万部程度の作家だったような。なんで代表なんだ?売上的には朝霧先生のはずだと思うのだけど。
「和泉マサムネです」
手を差し出してきたので、握手をした。
「なんで、朝霧先生が代表では無いのですか?」
疑問を口にした私。
「彼がいるから成り立つプロジェクトだからですよ。発行部数は関係無いんですよ。ここでは縁を大事にしていますからね」
大和さんの説明は、わかるような、わからないような。
「わからないなら、わからないで良いですよ」
大和さんと京さんの冷たい視線が、私に降り注ぐ感じがした。
---大野 アシュリー---
羽島伊月先生から紹介をされた。専属の税理士を探している作家さんだそうだ。早速、依頼主の元へと伺う。丁度、不破春斗先生という欠員が出たばかりなので。
依頼主は和泉マサムネ先生。事前調査では累計20万部という、売れ無いラノベ作家であった。専属の税理士が必要なのかと疑うレベルである。まぁ、雇って貰えるなら、お金を貰えるなら、そんなことは関係は無い。私はプロであるから。
彼の家で対面、高校2年生だと言う…若い…彼以外にも少女が4名いる。ハーレムなのか?
「で、レシート、領収書の類いは保存されていますか?」
「その前に専属料は如何ほどですか?」
「毎月1万円の決算時期に10万円でどうでしょうか?」
赤字かな?まぁ、いいか。
「え?いいんですか?そんなに安くて…」
契約書にサインをする彼…え?何々…聞いていた話と違う。依頼人欄には『プロダクション縁』と書かれ、代表者印を押されて、契約が締結した。おい、彼一人で無いのか…
「一人で無いのか…」
「え?一人分でこの価格?それは高すぎるなぁ」
「マサムネ、契約は締結されているわよ。今更料金アップは有り得ないわよ」
私と姿と服装が被っているような少女に言われた。いや、そうだけど…
「何名くらいいるんですか…」
彼は税理対象者名を書きだした。
『プロダクション縁、和泉マサムネ、エロマンガ、朝霧沙樹、山田エルフ、千寿ムラマサ、霞詩子、柏木エリ、可児那由多、三国山蚕、羽島伊月…』
え?こんなに…ビッグネームが数名いるし…え?伊月先生…含まれるのか…個人契約は破棄になるようだ。
「5人分でどうでしょうか?」
首を縦に振ってくれない…高いのか?毎月5万の決算50万なのだが…全員合わせると億行くだろうに…
「では4人分では?」
「じゃ、年100万で手を打とうではないか」
和服姿の女性に言われた。4人分より多いから、そこで手を打った私。そして、社屋の方へと連行された。自社ビルは3階建てで、カードキーで出入り出来る場所の制限をしているそうだ。1階には担当編集達の詰め所兼休憩所と会議室が有り、2階には作業スペース、3階は資料庫だそうだ。
2階に通された。パーテーションで区切られただけの倉庫のようなスペース。そこに机や本棚、事務用品などが置かれていた。
一番奥の区切られたエリアに連れて行かれた。そこには段ボール箱が幾つも積まれていた。
「ここを大野先生の作業スペースにします」
入館の為のカードキーを渡された。
「入出記録は保存されます。用も無く来ない方が良いですよ」
きっと、監視カメラも充実しているのだろう。早速、仕事を始めた。今年の1月に正式な起業したようで…初年度の出費はデカイ物になっていた。建物代、設備費、消耗品など、綺麗に領収書の類いが分類されている。
「大野先生、彼女達が経理担当です。加藤恵、羽島千尋、土間うまるです」
女性を3名紹介された。あれ?羽島って言ったよな?
「え?伊月先生の妹さん?」
「えぇ、義兄さんがお世話になっています」
ボーイッシュな女性が頭を下げた。妹大好き作家に妹がいたとは…
「全員、簿記3級の資格有りです。普段の金の出入りの記録は、彼女達がしています」
マサムネ先生の説明。そうか。だから、こんなに見やすいのか。普通レシートの束を渡されて、後頼む的な展開なのだが、ここは効率的な仕事ができそうだ。
---神野めぐみ---
紗霧ちゃんからの信用はまるで無かった。エミリー・グレンジャーという編入生と仲良くしている。う~ん、どうすれば、信用を取り戻せるのだろうか。かと言って、無理も無茶も出来無い。警察には紗霧ちゃんのストーカーと言うレッテルを貼られているし。うむ、どうするかな。
と、考えていると、紗霧ちゃんの家の前に来てしまった。周囲を見回して、警官がいないかをチェック。そして、ドアノブに手を掛けると、あれ?鍵掛かっていない。チャンスだな。紗霧ちゃんの家に入った。
「めぐみん、前科が増えたな。不法侵入だぞ♪」
お兄様が玄関で待ち構えていた。え?なんで?戸惑う私を尻目に、
「監視カメラにお前の顔が認証されて、警報がなったんだよ。ようこそ、めぐみんホイホイに♪」
鍵が開いていたのは、罠だったのか…顔認証出来る監視カメラ…
「酷いです。私は犯罪者では無いんですよ~」
「え?これで前科3犯確定だけど、どうする?」
前科3犯…また警察で絞られて、学校で絞られて、両親に絞られるのかぁぁぁぁぁ~。いやぁぁぁぁ~!
「どうするって、何がですか?」
平静を装おう。
「警察に突き出されるか、モデルになるかだな」
両方、いやだよ~!
「私の身体は私のボーイフレンド達の物ですよ!」
『私の身体は私のボーイフレンド達の物ですよ!』
私の言った言葉がリピートされた。お兄様が音声レコーダーを手にしていた。マズい…ビッチ発言は警察の印象が悪くなるよ~
「どうする?」
項垂れる私…
「マサムネ、どうしたの?」
知っている声が奥から聞こえた。リビングから、私から紗霧ちゃんを奪ったエミリー・グレンジャーが現れた。
「あぁ?めぐみん…アンタ、懲りないわね。また、不法侵入したの?」
『また』って…過去の件も知っているようだ。お兄様が告げ口をしたの?
「エミリー、ちょっと、めぐみんとデッサンタイムだ」
名前呼び…お兄様とも親しいの?紗霧ちゃんだけで無くて…私はグレンジャーさんに掴み掛かろうとすると、お兄様に抱きつかれた♪
「おい、今、土足で家に入ったな!」
うっ…怒りを買ってしまった…マズい展開だ。
「お前には躾が必要だな」
抱き抱えられたまま、どこかに連れて行かれた。連れて行かれたのは倉庫のような場所。ここって、どこ?何をされるの?
「自分でエロいと思うポーズをしてみな」
はい?お兄様…何ですか?
「エロいと思うポーズ?」
「そうだよ。お前が男達を誘惑しまくったポーズをしてみろよ!」
お兄様の隣に紗霧ちゃんとグレンジャーさんが来た。
「また、兄さんを怒らせたの?懲りないな」
怒らせた訳では無いけど。なにか知らないけど、知らない女性達が集まってきた。
「どうするの、この子?」
「眺めていたけど、対象外かな…ビッチらしいんだけど」
『私の身体は私のボーイフレンド達の物ですよ!』
音声レコーダーを再生されてしまった。うぅぅぅ…
「ビッチだね。中学生でビッチ?ガバガバじゃないのかな?」
「え?ビッチってガバガバになるの?」
お兄様が知らない女性に質問をした。
「だって、中学生でしょ?筋力もそんなに無いし…確かめるか♪」
えっ?確かめる?知らない女性が近寄って来て、私の服を脱がせていく。え?みんな見ているんだけど…
「あぁ、かわいいパンツだ♪」
紗霧ちゃんが私のパンツに喰い付いた。でも、
「相変わらず、ブラのセンスは無いのか…」
ブラのセンスって何?
「蚕先生、どう思いますか?」
紗霧ちゃんが知らない女性に質問した。
「う~ん…初心者向けだな、あれって。冒険心は無いと思う。って、本当に男達を虜にしたのかな?師匠、あぁいう下着って興醒めしませんか?」
知らない女性がお兄様に訊いた。
「え?あまり下着に対しては、興味無いからな。総合的判断をするよ。めぐみんなら、この程度なんじゃないかな?」
私の下着について論じている、目の前にいる人達…あなた達の方がおかしいよ~!
「う~ん?まだ開通していない気がするけど…」
しまった。目の前の人達に気を取られて、全裸にされた上、股間を鑑賞されている。
「開通していないのにビッチって?」
「なぁ、めぐみん。どうやって、男達を虜にしたんだ?」
「え?えぇっと…」
追い込まれていく私。ビッチから嘘吐き女に転落していく気がする。紗霧ちゃんに軽蔑されちゃうかな?
「フィンガーテクニックですよ、お兄様」
この前読んだラノベに出て来たセリフを口にした私。
「じゃ、やってみて♪」
へ?頭の中が白くなっていく。『やってみて』って…どうやるんだろうか?直訳すると指技術である。指で何かをするのかな?
「どうしたよ?やってみてよ。そうだな、セルフでいいから」
『セルフ』?直訳すると『自分自身で』だっけ?自分の頭のマッサージをしだした私。
「何をしているの?」
紗霧ちゃんに訊かれた。
「自分自分の頭に指技術を施しているんだよ♪」
「警察を呼ぼう。こいつ、頭がおかしいだろ?」
「そうだね、兄さん。嘘吐きだし」
「なゆ、服を着せておいてくれるか」
「了解です」
服を脱がせた女性が、私に服を着せ始めた。お兄様はどこかへ連絡をしている。警察はいやぁぁぁ~!
でも、迎えに来たのは私の両親だった。
「今回は土足での不法侵入です。いくら、罪を問えない年齢だからって…」
お兄様が私の両親に苦言を呈しているようだ。警察に通報しないのは、私のことを思ってなんだろうな♪うふっ、少し嬉しい気分だ。
「後ですね、ノーパン、ノーブラで来るのは止めて貰えませんか?僕が疑われるのはゴメンです」
え?ノーパン、ノーブラ?あぁぁぁぁぁぁ~!服を着せてくれたけど、下着を着せてもらっていないよぉぉぉぉぉ~!
私の両親が何度も、深々と頭をお兄様に下げている。そして、両親と共に帰宅した私は、こってりと絞られた…
勿論、反論はした。罠に嵌められたのだと。下着は奪われたんだと。すると、父がスマホを手にして、何かを再生し始めた。
『私の身体は私のボーイフレンド達の物ですよ!』
「お前って、娘は…」
父の身体は震えている。母の目が物凄く恐い…
「中学生の女の子のホラでは、済まないレベルよ!」
更にこってりと絞られていく私…
魔法法科高校の劣等生をクロスオーバー作品にしようかと…魔法師とか魔法などの要素とバトルなどは排除しますけど。シンメトリーな女性…それに惹かれる正宗君とか(^^;
作品ジャンルの違うクロスオーバーに不安は有りますけど(^^;;;
魔法科高校でなく、ReLIFEにしようか迷ったのですが、ReLIFEだとストーリーがうまく浮かばなくて。
朝霧の作風的には、化物語が良いのですが、あっちの舞台は直江津だし…五反野にいる正宗君との接点が見いだせなかったですorz