---千葉エリカ---
「正宗君、なにか良いアイディアでも降臨したのか?」
奥から着物姿の少女が出て来た。ここの家族構成がわからない。一体、何人兄妹なんだ?
「まぁ、裏稼業の方ですけど」
裏稼業?何をやっているんだ、コイツは。正義感の強い達也君が動かないってことは、問題無いレベルのことなのか?
「どれどれ…」
着物姿の少女が、アイツの書いたノートに目を通した。
「そうなのか?それは新説だな」
「先輩は違うんですか?」
どうみてもアイツの方が歳上に見えるのだが、少女を先輩呼びしている。
「どうだろうな。こういうのは自分ではわからないものだ。って、私で実験なんかするなよ」
「先輩は締め切り間に合いそうですか?」
締め切り?はて?
「間に合わせるよ。一人留守番はイヤだからな。それに、『混合する性』の4巻のゲラを貰った。これで、一気に書き上げることができそうだ」
え?書き上げる。締め切り…まさか、小説家なのか?道すがら、達也君に訊かれたことが関係するのかな?『混合する性』って、和泉マサムネ先生のエロ系学園バトル物だったっけ…って、マサムネ?深雪の彼氏も正宗って呼ばれていたけど…おぃおぃ…
「まさか、和泉マサムネ先生なのか?深雪の彼氏って…」
にっこりと笑って頷く深雪。はぁ?
「エリカ、着物姿の彼女が、お前の好きな千寿ムラマサ先生だぞ」
って、達也君…はぁ?こんなに幼い少女なのかぁぁぁぁ~!
「あの赤毛のおなごは誰だ?」
「深雪の友達のエリカさんだって」
「そうか、私のファンなのか」
嬉しそうな表情の少女。マジに千寿ムラマサ先生なのか。アイツがスケッチブックに何かを描いている。深雪が覗き込んで頷いている。
「うん?見ないでも描けるのか?」
達也君も感心している。何を描いているのだ?
「良し。出来た♪」
出来上がった物を見せてくれた。私が達也君に身を任せている絵だった…しかも全裸で…
「これはこれでスゴいなぁ。突っ込み処が満載だけどな。俺とエリカはそういう関係では無い」
否定された…
「エリカの乳首はこんなに大きくないわよ」
って、深雪…
「そうなのか…乳首は服の上からだと、わからないよな」
「ブラがシールドみたいな物だからね」
って、この家の住民はおかしいだろ?深雪が染まっているのもダメだろうに。ても、達也君は微笑んで二人のヤリトリを見ている。
帰り道、達也君とぎこちない雰囲気である。
「エリカ、意識するな」
って、言われても…あんな絵を見せられて平常心ではいられない。メンタル面が少しアレだから…
---土間うまる---
紗霧ちゃん達とゲーム大会。新作のゲームが出ると、始まるゲーム大会である。ゲーム仲間は、私、紗霧ちゃん、エルフちゃん、千尋ちゃん辺りである。たまに、コウさん、りんさん辺りが乱入するけど。
「そうだ、うまるちゃん。兄さんの前でエロい恰好をしたことあるのかな?」
って、紗霧ちゃんから質問をされた。
「無いなぁ。エロい恰好が分からないから」
「美智留さんの普段着とか」
短パン状にジーンズを切っていたっけ。パンツが見えちゃうのに。
「パンツが見えちゃうよ~」
「夏合宿で、エロい姿で兄さんにアタックとかは?」
え?えぇ~っと…
「しないかな…恥ずかしいよ~」
「紗霧、うまるさんには無理よ!やはり、叶さんをそそのかして、さぁ」
って、エルフちゃん。何かを画策している鬼畜コンビ。
「そうなのか…私的にはうまるちゃんのエロい姿を見たいけど」
って、紗霧ちゃん。エロい姿なぁ~。どんな姿だろうか?そうだな。前回の失敗を取り戻さないとなぁ。
「ちっひーは、エロい恰好はしないの?」
「うん?無いかなぁ。うまるさんみたいに身体に自信無いし。それに、ボクは男の子体型だし」
笑顔で言い切る千尋さん。まぁ、弟だと皆に思われていた訳だし、そうなんだろう。
「何を画策しているの?正宗君に怒られるよ」
「たぶん、大丈夫。ちっひーとうまるちゃんと深雪さんに害を与えなければ、兄さんは怒らない気がするし」
って、私達以外に、何をするのかな?
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ゲームが終わり、みんなでリビングへ降りていくと、深雪さんの膝枕で正宗君が寝ていた。う~ん…絵になる二人…まるで母子のようだ。私ならどう見えるのかな?
「ゲームは終わったんですか?」
深雪さんに訊かれた。
「女子トークがメインだけどね」
って、エルフちゃん。
「うぅん…あぁ、ゲーム終わったのか?」
正宗君が目を覚ました。
「うん、兄さん♪」
紗霧ちゃんが返事をすると、起き上がり、彼女をハグした。妹枠はいいなぁ…
「兄さん、恥ずかしいって…もう中学2年生なんだから…」
「妹の成長を身体で感じたいんだよ」
「それって、ラノベ主人公だよ。もぅ!」
怒っている口調で有るが、何か嬉しそうな紗霧ちゃん。いいなぁ…
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夜…お兄ちゃんが帰ってくると、こまる状態でお兄ちゃんに抱きついた。
「お兄ちゃん、私って魅力ないのかな?」
「魅力か?なんの?」
「女としてのだよ~」
「こまる状態では無いだろうな」
『うまる~ん!』
呪文により、うまるに戻った私。
「これなら?」
「健康美かな?」
「エロさは無い?」
「全然無いよ」
お兄ちゃんの言葉に凹む私。
「何かあったのか?」
お兄ちゃんに今日の出来事を話した。
「う~ん…そうだな…うまるにはうまるにしかない魅力を、アピールした方が良いんじゃないかな?」
「それって、私にはエロさの微塵も無いってこと?」
返答に困っているお兄ちゃん。そうなのか…
「叶さんは?」
「え?叶か?あれも、エロさは無いだろ?不器用だし、要領は悪いし」
そうなんだ。じゃなんで、叶さん狙いなんだ?あの二人は?
「そうだな、僕から見てエロさを感じるのは、可児先生、千寿先生、深雪さん、美智留さんかな」
って、お兄ちゃんでも、エロさを理解できていることに驚く私。
「美智留さんみたいな恰好ならエロさをアピール出来るかな?」
同じ健康美系の美智留さんを見本に考え始めた。
「どうだろうな?正宗君の基準は違うかもしれないぞ」
あっ!そうだね。問題はそこだよ。
「朝霧作品でぞっぞっとしたのは、妖精シリーズの終盤の妖精の死に顔だよ。あれって、千尋さんがモデルだっただろ?」
妖精シリーズの最終巻を本棚から出して確認した。確かに…引きちぎられた生首が、晒されている。その顔は死に顔のはずだが、どこか満足そうで、恍惚な表情にも見える。
「美意識は人により違う。だから、エロさも人によって違うんだ。正宗君本人に訊かないと、わからないぞ」
だよね。部屋を出て、正宗君の部屋に向かった。
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正宗君は、次回作の構想を練っていた。
「うまるさん、どうしたの?」
そんな正宗君に抱きつく。正宗君はどうしていいのか、わからずにいた。
「ねぇ、私って、エロさを感じないの?私って魅力無いの?」
正宗君に泣いて縋ってしまった。
「う~ん…エロさかぁ…感じない。むしろ、感じたら、うまるさんじゃなくなっちゃうよ」
私で無くなる?
「今のままがうまるさんなんだから。今のままでも充分魅力は有ると思うし」
「どんな魅力?」
困ったような顔の正宗君。私は彼を困らせているようだ。でも…正宗君が意外な行動に出た。私を抱えてベッドへ…服を来たまま身体を重ねて来た。身体が魅力ってこと?
今度は私が戸惑ってしまった。どうしたらいいのかな?
って、正宗君から寝息が聞こえて来た。それは静かな寝息だ。私って抱き枕なの?彼は身体を重ねたまま、動かない。一緒にいたいだけってことかな?私となら安眠出来るってことなのかな?あまり寝ないことで有名な正宗君が、寝落ちたって…
正宗君に真意を訊くため、彼を起こした。
「あぁ、ごめん。寝ちゃった…うまるさんといると安心して寝られるんだよ」
って、私が何もしないからかな?
「何かすれば良いのですか?」
唇を重ねて来た。それが答え?私が私でいるのがいいってことかな?何かを敢えてしないで…
徐々に着ている物がお互いに減っていく。そして、全裸になり身体を重ねた。でも、彼は入って来ない。
「こうしているだけで、気持ちが良いんだよ」
って…さっきの私の質問の答えかな。
「でも…入って来てはくれないんですね」
「ゴメン…恐いんだよ。仲が深くなると、相手が消えちゃいそうで…」
そうだ…家族になるといなくなると思い込んでいたんだ。だから…正宗君は、自分から求め無い。家族にしてはいけないと、身体が受け付けないのだろうか。
「いなくならない。だから…ねぇ」
私は自分の手で正宗君を体内に誘導して、体内へと入って貰った。
「正宗君を一人になんかしない。だから…」
コンコン!
いい雰囲気になったのだが、ドアがノックされて、枕を抱えた千尋さんが入って来た。
「ゴメン…ジャマだね…でも、本当にごめんなさい。寝られないんだよ」
私の隣に枕を置いて、布団に潜る千尋君…う~ん…責められない状況ではある。私の上に載っている正宗君の左腕を抱き締めて寝入ってしまった。私と正宗君の顔は苦笑い状態である。
そして、暫くするとまた、ノック音。今度は枕を抱えた紗霧ちゃんが入って来た。
「え?うまるちゃん…大胆だな…」
って、言うと私の隣に枕を置いて、正宗君の右腕を抱き締めて、寝落ちした。
「いつもこうなの?」
「まぁ…あとは3時くらいに、夜這いの女王様が降臨かな」
なゆちゃんか?この状況でどこに入るのだろうか?正宗君は両腕を取られ、身動き出来ない。彼とコネクトインしている私もである。
ウトウトしていた3時頃、ドアが静かに開いた。そして、うっ!重いって…正宗君の上になゆちゃんが載ったようだ。
「あれ?背中だ…先客がいたのか。まぁ、いいか♪」
って、寝入っているし。重いよ~乳房が潰れちゃうよ~
明け方。下腹部に異変を感じた。いきなり、正宗君が私の体内で大きくなってそそり立っていく。なんだ?この現象は?何か嫌な予感がするのだが…
体内の敏感な箇所に正宗君の先端が触れているようだ。悶悶としていく。でも身動きが取れない。これって拷問かな?
そして、何かが撃ち出された感覚。萎んでいく正宗君…中出しってヤツかな…確認したくても身動きは取れない。せめて、なゆちゃんが起きてくれないと…
そして、事態は悪い方へ、両隣に寝ている二人が、寝ぼけて、私の耳をハムハムと…気持ちいいよ~ダメだよ~。唇を少し開けると、正宗君の舌が入って来た。何の罰だ?
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朝…目覚ましと共に、正宗君と千尋さんが起床した。正宗君はなゆちゃんを背負ったまま、シャワーに行った。千尋君は自分の部屋かな?これで、自由に慣れると思った矢先、紗霧ちゃんが上に載って、抱きついて来た。正宗君と勘違いしているようだ。
「兄さん…もっと抱いて…妹…と思わないで…兄さん…」
身体を横に動かすと、ベッドから抜け出られた。こまる状態になって脱出が出来たようだ。紗霧ちゃんは枕を抱き締めて寝ている。
『うまる~ん』
呪文を唱えてみたが戻らない。やっちゃいけない選択をしたからかな…服を着て、自分の部屋に逃げ帰った。
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「うまる…また、そうなったのか?」
「呪文で戻れなくなっちゃって…」
『うまる~ん』
まだダメだ。後は、王子様のキスだが、正宗君を探しに行けない。
「戻れないのか…正宗君を探してくる。それまで、どこかに隠れていろ」
布団の中に隠れた私。お兄ちゃんが正宗君を探しだして連れて来たくれた。
「またなのか?」
頷く私。彼の口づけを得て、うまるは復活した。
「どうして、そうなっちゃうんだろうな?」
「それは、私も知りたいです」
私の身体を見つめている正宗君。服を着ていても恥ずかしいよ~。そんなにじっと見られていると。
「そうか…そういうことか」
何かに気が付いた正宗君。
「何に気づいたんだ?」
お兄ちゃんが訊いた。
「うまるさんとして維持できなくたった場合、こまるさんに変身して、うまるさんとしての自信を取り戻すと元に戻れたり…」
「なるほど…」
って、納得しているお兄ちゃん。どういうことよ?