※この作品はR-18です。

冴えない彼氏の育てかた   作:もっち~!

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夏合宿その2 Part2

---和泉正宗---

 

感覚がおかしい。エミリーと紗霧に隠し事が無いかを訊いた。大事になるまえに、阻止をする為に。

 

「今回は持ち込んでいないよ~」

 

って、紗霧。

 

「うん、うん、処分をしたって」

 

って、エミリー。

 

「でもさぁ、あの香りを嗅いだ気がするんだよ」

 

どこかで、甘い香りを嗅いだ気がする。どこだっけ。そのせいで、変な夢を見た気がする。でも、あれって男性に効果が無いはずだが…

 

「この別荘は新築か?」

 

エミリーに訊いた。

 

「中古だよ…」

 

イヤな予感がする。

 

「なぁ、まさか、あの館の所有者から買ったってオチか?」

 

頷くエミリー。固まる俺と紗霧。

 

「エルフちゃん、マズいって」

 

「でも、ここは地下室は無いよ」

 

クリスさんを呼び出して、事態を知らせた。

 

「あれが、ここのどこかにあるんですか…何かの拍子で漏れているってことですか?」

 

「ですね。倉庫みたいな物ってありますか?」

 

「図面上では無いです。それにリフォームもしているので、変な物は排除されていると思います」

 

気のせいかな…いや、待てよ…

 

「ここの飲み水は?」

 

「ミネラルウォーターだよ。昨年もそうだったし」

 

後は…池…そうだ、池の水…

 

「池の水の水源って?」

 

「湧き水と雨水のはずだよ」

 

クリスさんから、湧き水の場所を聞いて、耐性のある俺とエミリー、サバゲの達人のうみこ、手を挙げた深雪の4名で、探索へと出た。勿論、ガスマスクを装備して。

 

池の畔を歩いて行くと崖があり、そこから水が湧いていた。

 

 

 

---羽島伊月---

 

なかなか良いモデルに出逢えた。妹枠の生態を知る上で、貴重なサンプルである。俺の妄想には間違いが多々あった。それをタダしてくれている。

 

「そんな目でみないでくださいよ~」

 

俺はどんな目で見ているんだ?鏡で確認。凶悪犯のような目である。危ない目だな。反省だけはしておく。

 

「で、どうやって、男達を誘惑したんだ?」

 

取り調べ室の刑事のように尋問を重ねる。

 

「声を掛けるとコロっとです」

 

そんなに魅力のある声では無い。いや、達する間近の声は確かにそそるが。そうなると、様々な男達と…偽ビッチでは無く、マジビッチの可能性もあるのか。メモに書き込んでいく。

 

とにかく、リアル重視の妹物が書きたい。ちっひーに立ち直った俺を見せる為にも。

 

 

 

---和泉正宗---

 

池の水源はハズレだった。ゲストハウスに戻る俺達。

 

「あっ!」

 

エミリーが声を上げた。

 

「どうした?」

 

「あのスーツケース…確か、ヤバい薬を詰めたケースに似ているんだけど…」

 

エミリーの指差したスーツケース…あれって、めぐみんが入っていたスーツケースだよな。そうか、めぐみんを取り調べた時に嗅いだんだ…って、風に乗って甘い香りがする。ガスマスクをしないと…

 

---------

 

「マサムネ!正気にもどりなさいよ~!」

 

エミリーの声が遠くで聞こえる。俺は深雪とうみこに粉を吸わせて、下僕にして、エミリーを拘束した。そして、深雪の口で奉仕させて、うみこのセルフショーを見ている。

 

「まさか、男性にも効く薬もあったとは…」

 

エミリーは対象外なので、スルーする。

 

「深雪、女豹のポーズをしてくれ」

 

深雪が四つん這いになり、そそるようなポーズをした。それを後から襲い掛かり、深雪と乱暴に交わった。

 

「深雪の絶望的で恍惚な表情…いい♪それだよ、深雪♪」

 

「はい…ご主人様…」

 

こときれたように、その場でグッタリとする深雪。次はうみこを…

 

-------

 

海岸にスーツケースがいくつも放置してある。どの娘と遊ぶかな。スーツケースを開いて、深雪を取りだした。グッタリとしている深雪。海の中に入れて、海の中で交わる。

 

「喉が渇いたのか?好きなだけ呑んでいいよ」

 

海に沈める。苦しそうに藻掻く深雪。後一歩って処で、口を合わせて人工呼吸をした。

 

「もう…止めて下さい…もう、無理です」

 

深雪をスーツケースに戻し、蓋を閉めた。

 

------

 

「ダメ!」

 

誰かの声が遠くで聞こえた。僕は僕のあるべき場所へ帰る。誰かに後から抱きつかれ、僕をどこかへと連れて行く。

 

「マサムネ!」

 

誰かが僕の為に涙している。

 

「正宗君、しっかりして…うみこさん、みゃーさんをに事態を知らせて下さい」

 

「わかった。彼を頼む!」

 

誰かが僕と唇を重ね合わせ、息を吹き込む。

 

「マサムネ、大丈夫だよね?」

 

「大丈夫です。脈が触れていますから」

 

 

 

---白川京---

 

うみこさんが駆け込んできた。正宗君の体調不良の原因がわかったそうだ。ガスマスクをして、問題のスーツケースを締め、砂の中の奥深くに埋めた。

 

原因は、2薬混合で効果が出る幻覚剤だったらしい。昨年、吸い込んだ分のは女性にだけ効果が出る媚薬であったが、もう1つが混ざると、男性にだけ効果が出る幻覚剤になるそうだ。深雪さんが、スーツケースに入っていた。データシートから突き止めたらしい。

 

正宗君は、何かを見て体験した気になって、絶望して池に身を投げたし、深雪さんが機転を利かして、救助したそうだった。現場に急ぐ私達。

 

池の畔で、深雪さんがグッタリしていた。彼は、その横で虚ろな目で彼女を見ている。

 

「大丈夫?」

 

「大丈夫です…でも、正宗君が…」

 

ショック症状のようだ。彼を抱き起こし、抱き締めた。

 

「大丈夫よ、正宗君」

 

耳元でゆっくりと話掛けた。

 

「み、や、こ…」

 

私の名前を口にした彼は、私に身体を預けて、寝息を漏らし始めた。安眠抱き枕状態だな、最近…

 

------

 

その夜、紗霧ちゃんが、めぐみんに暴言を吐いていた。

 

「ゴミ出したスーツケースを持ち逃げって、どういうことよ!この泥棒娘が!」

 

「捨ててあったんだよ~まだ、使えるのに、もったいないじゃない」

 

「粗大ゴミのシールを貼ってあったはず。シールはどうしたの?シール泥棒!」

 

「違う粗大ゴミで使ったよ~使えるもの、もったい無いでしょ?」

 

「なんで、あんたは何でもないのよ~!兄さんは酷い目にあったのに!」

 

「知らないって…」

 

「兄さんが死んだら、一生許さないからね、この殺人未遂者!」

 

「え?えん罪だって…紗霧ちゃん」

 

「あなたなんか、知らない!名前で呼ばないでよ!」

 

紗霧ちゃんの暴言を止める者はいない。この呼んでいない客には、困っていたから。伊月を除いて…

 

「な!俺が責任を持って、躾るから、カンベンしてやってくれよ」

 

って、妹枠では無く娘枠になりつつ有る気がするのだけども。

 

「じゃ、次に問題を起こしたら、伊月と共に海に流すからね!」

 

最後に、無茶な裁定をした私♪

 

 

 

---司波深雪---

 

「深雪に酷いことをした…ごめん…」

 

翌日、彼の部屋にお見舞いに行くと、いきなり謝罪された。

 

「幻覚だから、気にしないでください」

 

幻覚で私に何をしたのかを訊いた。きっと、彼の望みなんだろうな。彼の中にある狂気…絶望を感じながらの恍惚な表情を浮かべる私。私をどうにかしたいのだろう。正気の彼には出来無いことを。

 

「好きにしていいんだよ、正宗君」

 

「深雪は達也さんを好きなんだろ?」

 

彼の目は絶望的に見えた。

 

「私達は兄妹ですから…」

 

「血は繋がっていないんでしょ?ずっと傍にして、ずっと頼りにしていた男性…恰好良いもんね達也さんは。僕なんか冴えない男だよ…絵を描くことしか取り柄の無い…」

 

彼は目を瞑り、何も私に話し掛けてくれない。どうすればいいんだろう。

 

------

 

夜、彼の部屋を訪れた。でも、彼はいなかった。スケッチブックも無い。何かを描きに出たようだ。どこに?誰にも伝えずに、島内を一人で探す。そうしたかったから。

 

森の奥にある池の畔に彼がいた。彼の目の前には無数の光が乱舞していた。その光景を見て涙している彼。

 

「僕も…連れて行って…光の彼方へ…」

 

彼の手からスケッチブックが落ちた。そして、池に吸い込まれるように沈んでいく彼。咄嗟に、彼の元へと飛び込んだ。池の水は澄んでいて、月明かりだけでも見えていた。彼は静かに何かに誘われるように、底へと沈んでいく。藻掻いたり、苦しんだりせずに、淡々と底を目指して落下していく。

 

マズい…息が続かない…でも、浮上したら彼を見失ってしまう。意識が遠のいて行く。そんな時、太い腕が私を抱き締めた。水面に浮上して、私を誰かに託し、再度潜っていく…太い腕の持ち主…

 

------

 

「深雪!しっかりしろ!」

 

お兄様の声…

 

「お兄様…」

 

お兄様に抱きつく私。

 

『それでいんだよ、きっと…』

 

彼の声が聞こえた気がした。

 

「正宗君は?」

 

「生きてはいる」

 

でも?

 

「クリスさんを振り切って、池へと行こうとしているんだよ」

 

お兄様の指差した先で、クリスさんが必死に正宗君を抱き締めている。そこにみゃーさんが現れて、何かを注射すると、グッタリとして正宗君。安静剤かな。

 

--------

 

スケッチブックに描かれていた物…湖の底にある人魚とケンタウロスの家庭の団らん。彼は加わろうとしたのか?

 

「たぶん、兄さんは…発作が起きたんだと思います。夜中に目が醒めて、リビングに誰もいなかったから…人の気配を感じなかったから…旅行先って記憶に無くて、みんなに置いて行かれた気分になったんだと思います」

 

紗霧ちゃんから聞いていた。そうだった。一人で留守番が出来無いという精神的な病…発作が起きると自殺すら辞さない危険は病を持っていた。

 

「兄さんは基本一人で暮らせないんです。家事はこなせても、孤独には耐えられないんです」

 

紗霧ちゃんの悔しそうな表情。

 

「めぐみんが来たから…あんな物を持ち込んだから…許せない」

 

両手の拳を固く握りしめて、耐えているように見えた。

 

「で、これからの残りの日の夜は、誰かしら、彼と一緒にいてもらう。あぁ、作家組はダメだからね」

 

って、みゃーさん。

 

「うまるさん、ちっひー、深雪さん、恵さんにお願いします」

 

 

 

---土間うまる---

 

トップバッターは私になった。チューブトップの水着を寝間着の下に着込んで、彼の部屋へ向かった。

 

「どうしたの、うまるさん?」

 

昨晩までの記憶が無いのか、普段通りの彼であった。

 

「今夜は、一緒にいます」

 

「タイヘイさんと一緒にいたいんじゃないの?僕は大丈夫だよ」

 

「お兄ちゃんとはそんな関係で無いから…兄妹だし…」

 

彼はPCの前に座り、作品を打ち込んでいる。

 

「兄でも好きなんでしょ?見ていればわかるよ♪」

 

え…そんな素振りをしていたかな?耳が熱い…

 

「やはりね♪」

 

観察眼には定評がある正宗君。

 

「こまるさんになる条件も分かって来ました。タイヘイさんに甘えたい時とか、タイヘイさんに本心を伝えたい時なんじゃ無いかな?」

 

うっ…レポートの束を手渡してくれた。私がこまる状態になった時のことを思い出して、私の心理を分析したものだった。

 

「素直になった方がいい。僕のような変わり者は、うまるさんに似合わないよ」

 

なんで、そんなことを言うの?孤独に向かおうとしている正宗君。彼は、破滅的な道に進みたいのか?

 

「色々考えた。で、結論は出たんだ。僕に出来ることをして、消えようかなって」

 

え?催眠術…正宗君が私に何かの暗示を埋め込んでいる。ダメだよ…そんなことしちゃ~!

 

 

 

---羽島千尋---

 

今夜はボクの番である。正宗君の部屋に向かった。彼は、作品作りをしていた。ソレを見ているだけのボク。

 

「今度の作品はどういうの?」

 

「兄と妹の話だよ。妹が好きで堪らない兄と、兄のことを想っている妹。そんな兄妹の話になるんだよ」

 

それって…

 

「ボクと義兄さんのこと?」

 

「空想だよ。リアルでは物語にならないから…でもね、千尋君の寝言…伊月先生の事が多いんだよ」

 

耳が急に熱くなっていく。正宗君に隠していたことがバレて、恥ずかしいって感じである。

 

「素直が一番だよ、千尋君」

 

正宗君が何かをボクにしている。これって、確か…催眠術…

 

 

 

---司波深雪---

 

私の番になった。気が重い…彼の部屋に行くと、彼は仕事をしていた。

 

「どうですか?」

 

「清々しいよ。俺の存在理由が分かった気がするから」

 

妙なことを言う正宗君。存在理由?

 

「深雪は達也さんのことが好きだろ?」

 

「えぇ、お兄様として尊敬しております」

 

「尊敬?それだけ?」

 

何が言いたいのだろうか?彼から何点かのスケッチを手渡された。お兄様の各部位のスケッチである。見た物しか描けない彼…お兄様の全裸スケッチをしたのか…

 

「どうしたの、深雪?太くて頑丈な物が好きなんだろ?」

 

お兄様の太い腕…腿…アレ…お兄様の分厚い胸板…うっ…私とお兄様の淫らな行為が何点もある…そのスケッチに魅入る私。そして、妄想の世界へ入っていく私。

 

耳元で誰かの声がする…

 

 

 

----加藤恵---

 

そして、私の番だよ。ムネ君の部屋に入った。PCの前に座り、仕事をしているムネ君。

 

「恵の心理分析が一番難しかった」

 

仕事では無いのか?私の心理分析って?

 

「彼の強引な性格は許せなかった。それを除けば…」

 

彼って?ムネ君では無い。強引なことはしない。安芸君のことか?

 

「何を言いたいのかな~」

 

「何も言わないよ。見つめ合えばいい…それだけで終わる」

 

終わる?何がだ?

 

 

 

 

 

 

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