---テコ---
長いようで短かった夏休みが終わると、あれが出版された。私の元へ直筆サイン本が5冊、イラスト集、大人の絵本が送られて来た。大人の絵本?山田エルフ先生とエロマンガ先生の合作のようだ。こんなシリーズがあったのか…
直筆サイン本は、私、ピカリ、姉ちゃん先輩、弟くん先輩、マトちゃん先生の分のようだ。部室で、皆さんに配った。
「うっぴょ~!遂に発刊ですかぁ~。って、発売前ですよね」
発売は明日らしい。いち早く届けてくれたようだ。内容は…ほぼ、回し読みした内容通りで、一部手直しもされていた。挿絵…引き込まれるような、イラストなのに、物語を語っている感じがする。
「おぉ~、このカットはスゴいなぁ」
って、姉ちゃん先輩。シルエットだけのイラスト…抱き合う二人…シルエットだけなのに、物凄く恥ずかしい。
「これって、全裸同士だよな」
って、マトちゃん先生。う~、ですね…だから、物凄く恥ずかしい。そして、同時発売のイラスト集をみんなで見る。これは発行部数が少ないので、1冊だけいただいた。
イラストを無言で見ていく。ツッコミを入れる者は誰もいない。引き込まれるようなイラスト…見ようによっては残酷であるが、儚さとエロスを感じる。まぁ、それが朝霧先生の魅力であるけれど…
「テコのヌード画だよねぇ~」
顔の無いヌード画…全裸でこんなポーズを取っていないのに…作家さんってスゴい。想像力が現実を勝っているし。
週末、浜辺へ行くと、ロケ地が割り出されたのか、ピカルのお祖母さんのやっている海の小屋が満員であった。
「すっご~。昼前なのにトン汁が売り切れとは…」
トン汁を注文したマトちゃん先生が残念そうである。そして、海に潜る私達。海の中も人が多い気がする。朝霧効果って言うのか、ロケ地が判明すると、観光客が増えるらしい。
---和泉紗霧---
短い夏休みが終わってしまった。次に逢えるのは、冬休みかぁ…兄さんは、だいぶ安定してきたのは良かった。ライバルが増えた気がするが、なによりも兄さんの体調が第一である。
「う~ん…」
兄さんの新刊本を読んで、唸っているムラマサちゃん。
「何を唸っているのよ?」
エルフちゃんの問い掛けに、指を指して答えたムラマサちゃん。それは、テコって子のヌード画である。本物より妖艶であり、色香を感じる。
「見ていないのに、ここまで描けるって、マサムネ君は透視能力持ちか?」
兄さんは彼女の裸を見ていない。だけど、顔が無いイラストなのに、モデルは彼女って分かる。イラストレーターとして、兄さんはライバルであるが、方向性が違うので、勝負にはならない気もする。
「紗霧、アンタも、練習しなさいよ」
って、エルフちゃん。私は見たままの物しか描けない。でも、兄さんも見た物しか書けないんだから、同じだと思うのだが…モデルという名の餌食になっているエルフちゃんとマサムネちゃんの苦情が、多いのも事実である。
「それよりも、ウェットスーツを全裸で来てみてよ。ムラマサちゃん♪」
ムラマサちゃんのサイズで購入したウェットスーツを、彼女の前に置いた私。
「なぁ、亜人の言ったこと、スルーするのか?」
「うん?何?」
「いや…」
「ムラマサちゃんのサイズで買ったんだよ。私やエルフちゃんじゃ、ダメなの!」
この三人の中で、ムラマサちゃんが一番巨乳である。彼女のサイズだと、私達は胸が緩すぎるのだ。
「って、なんで全裸なんだ?」
「肌にフィットして方が、良いかなって♪」
私は描く準備をしている。タブレットを起動して…
「ねぇ、どこに行くの?」
ムラマサちゃんが部屋から出ようとしていた。
「着替えて来る」
「ここで生着替えだよ。いつもそうでしょ?」
「それはそうだが…」
「ムラマサちゃんの生着替えの映像を、兄さんにプレゼントしたいのよ~」
「それは嬉しいが…」
恥ずかしがるムラマサちゃん。まぁ、毎回、そうであるが。兄さんの為って強調すると、実行してくれる優しいお姉さんである♪
恥ずかしそうに生着替えを始めたムラマサちゃん。あのウェットスーツの内側には、ある仕掛けを施してある。うふふふ♪
「うん?内側が濡れているようだが…」
「着やすいようにオイルを塗っておいたよ」
媚薬成分入りをね…何かを警戒しつつ、着替えてくれたムラマサちゃん。
「これでいいのか?」
腕と脚は生身で、股間部分はハイレグのウェットスーツ。既に太股が震えている。
「うっ…紗霧…貴様…やらかしたのか…」
仕掛けを看破したムラマサちゃん。だけど、もう遅い。ジワジワと効果が蔓延しているようだし。
脱ごうとするが、四つん這いになり、呼吸が荒くなるムラマサちゃんの顔は、紅潮している。それを描く私。
「鬼…」
エルフちゃんが引いているが、気にしない。いつものことだ。涙目のムラマサちゃん…いいよ、その表情…もらったわ♪
そうだ、水分補給させないと。ムラマサちゃんの前に哺乳瓶を置いた。吸い口がペニスのギミックになっているタイプだよ。それを手に取り、口に頬張る。
胸元のチャックを乳首が見えないギリギリまで下げ、描く。描く。描く♪
「あっ!」
果てたムラマサちゃん。意識が飛んだようなので、ポーズを好きな様にして、描く、描く、描く。
「おい!紗霧、マズいぞ!」
エルフちゃんの声で、我に返った私。ムラマサちゃんの口から泡が…エルフちゃんは窒息しないように、舌を引っ張り出していた。
ウェットスーツを脱がす。彼女の汗とかの体液が大量に、部屋に撒かれていく。エルフちゃんと二人でお風呂場へ連れて行き、身体を冷却していく。
マズい…兄さんにバレると…
「紗霧…貴様…」
ムラマサちゃんの意識が戻ったようだ。死なないで良かった♪
---千寿ムラマサ---
今日のはヤバかった。死ぬかと思ったよ。コイツ…どうにかしてやろうか?!力では私の方が上である。紗霧を全裸にして、手首で拘束して、天井から吊した。エルフには睨みを入れただけ制圧は終わって居る。今日の私の怒りは、尋常では無いのだった。
「ムラマサちゃん…ジョークだよ」
紗霧の小さな乳首に洗濯バサミを…
「痛いよ~、やめてよぉぉぉぉぉ~!」
泣き叫ぶ紗霧、だけど、この家の風呂場は防音装備だ。外には漏れないんだよ♪紗霧の部屋を捜索して手に入れた媚薬の数々。どれを使うかな…クリームタイプを指に取り、割れ目に塗り込んでいく。
「やめて…あぁぁぁぁぁ~!」
膣の入り口付近、膣の内部にも塗り込む。
「うぅぅぅぅ~」
言葉が話せないくらい、刺激が全身を駆け巡っているようだな。紗霧の部屋から押収した巨大なバイブにローション…いや、私を危険に晒したオイルを塗して、紗霧の中にぶち込んだ。そして、スイッチをオンに…オンにした瞬間に昇天した紗霧。たわいも無い。
「エルフはどうする?」
青い顔で首を激しく横に振っている、紗霧の相棒。
---山田エルフ---
ムラマサが初めてキレた。その報復は5倍返しくらいである。私は見ているだけ。紗霧を助けられない。助ければ、次の標的は私になるだろう。
紗霧の全身が痙攣している。あの巨大バイブの破壊力のせいだろう。太股を伝う赤い細い筋…紗霧の初めては、あの巨大バイブってことだ。
「あっ!マズい…」
ムラマサが、紗霧の出血に気づき、正気になっていく。バイブのスイッチを切り、紗霧の身体から抜き、洗濯バサミを外した。だけど、紗霧に乳首は粉砕されていた。
「やり過ぎたのか…まずいなぁ…」
手首の拘束を外し、紗霧の部屋に運び込み、赤チンを乳首に塗り、絆創膏を貼った。そんなので、治るのか?
「まぁ、これでお相子ってことにする」
逃げる様に去って行くムラマサ。私はどうするばいいんだ?マサムネに今更連絡しても、なんで助けなかったんだって、言われそうだよな。う~ん…これは夢だと思い込み、私も逃げ去った。
---和泉紗霧---
誰もいない私の部屋…いや、私はいるけど…全裸で放置されていた。何が起きたんだ?ムラマサちゃんの体液が部屋の床にシミになって残っている。蒸発したのか?脱がせたウェットスーツも部屋の隅にある。
うっ!痛い…股間から出血だ…無理ヤリやられたのか?隠してあった巨大バイブが…まさか、これを入れたのか…そうだ、ムラマサちゃんの反撃にあって…姿見の前に立つと、胸に絆創膏…赤く染まっている。乳首が損傷しているのか…やりたい放題の天罰が下ったのかもしれない。
痛い身体を引き摺って、兄さんの部屋へ…そこには先客がいて、全裸で正座をしていた。私も彼女の隣に行き、正座をして、兄さんの写真に手を合わせた。
『ごめんなさい…紗霧は悪い子でした…』
兄さんの写真を前にして、反省をする。本当に反省しないと…
---テコ----
中学時代の親友の茜から連絡が有った。
「ねぇ、朝霧の新作のアレって?もしかして、双葉がモデル?」
見る人が見ればわかる挿絵…
「私…モデルなんか、出来ないよ」
「ふ~ん…朝霧って、男?女?」
「言えないよ~」
「あぁ、モデルなのは認めたのね」
しまった。誘導尋問か…やられた…
「朝霧は男で、捧げた?」
「何を?」
って言った瞬間、顔が暑い。何をの正体に思い至ったから。
「捧げてはいないのね」
見て来たように言う茜。見ていたのかな?
「じゃ、ロケ地は、あの海女小屋なんだね。トン汁が旨いし」
「言えないよ…」
「朝霧に口止めされているの?まぁ、いいや。今度の週末に行くから、よろしくね♪」
って…どんな顔で会えば良いのだろうか?
---和泉正宗---
久しぶりに、五反野ベースに戻った。アニメ化の話と、ドラマ化の話の打ち合わせだそうで、深雪とみゃーと伊月さんとで戻った。
俺だけ自宅へ戻り、自分の部屋に入ると、何故か紗霧と花ちゃんが全裸で正座をしていた。
「何をしているんだ?」
二人ともギクっとして、俺の方へと振り返った。二人の顔は涙でグショグショである。これは紗霧がやらかして、花ちゃんがやりすぎた反撃をしてのだと思った。
「紗霧は何をして、花ちゃんが何をしたのかな?」
二人とも驚いた顔をしながら涙目になっていく。ビンゴだな♪二人から事情聴取をした。
「殺し合いだけはするなよ」
そう言い残して、仕事場へと向かった。俺が説教できる立場では無いから。散々、みんなに迷惑を掛けてきた俺。話を聞くくらいしか出来ない。
仕事場の会議室には、みゃーと詩羽先輩、エリさん、深雪、伊月さんがいた。後、テレビ局のお偉いさんが並んでいる。
「じゃ、版権は当社が持ちますので、グッズなどの販売のギャランティーは貰います」
みゃーさんがテレビ局のプロデューサーに、色々権利を主張し、納得させていく。
「シナリオは、こちらでチェックをします。作品をそちらの独自解釈で壊されない為です。いいですね?」
シナリオ監修は伊月さんと詩羽先輩がしてくれるようだ。で、アニメ化の作家はエリさんてことらしい。
今回の原作はドラマ化が連作『サクラ舞う坂』で、アニメ化は朝霧作品の『一夏の夢』だそうだ。
交渉ごとは無事に終わり、テレビ局の人達が帰っていく。
「初のドラマ化とアニメ化か、正宗、スゴいなぁ」
って、伊月さん。
「ちょうど、仕事が入っていなかったから、良い収入になるわ」
って、充電中の詩羽先輩。
「う~ん、私に取っても初めてのアニメ化だよ♪」
嬉しそうなエリさん。
「いつか、和泉マサムネ名義で出来ればいいな…アニメ化…」
難しいかもしれないが…
「思い詰めないで、正宗君。ゆっくり、進めばいいんだよ」
って、みゃーさんから優しい言葉を貰った。ゆっくり…そうだ、まだリハビリ中なんだ、俺は…
「気負わないでいいのよ。書きたい物を書いていれば、そのうち当たるわよ。伊月のようにね」
「当たる?大ヒットだろ?俺の作品は」
苦笑いしている伊月さん。そうだ、この関係を末長く維持しないと。壊れている場合では無いんだ。
「このまま、帰る?それとも、トン汁に行く?」
「トン汁、いいなぁ」
あの浜辺に連れていってくれるようだ。
「私達も行こうかな?」
って、詩羽先輩。じゃ、紗霧達も誘おうかな?