未だに執筆はリハビリ中なので生暖かい目で見て下さい。
リクエストは継続しますが、飛び飛びになる可能性が高いので悪しからずm(_ _)m
エロなしなんですいません。
二話連続投稿なんで許して下さい。
補足※6月11日に内容を修正しました。
視点【深雪】
私は今日、1つの、一人の命を産み落とす。
それは望んだ訳でも無く、愛した相手のでも無い。
しかし間違いなく、私の身体で育ち、私の命を受け継いだ、私の分身。
この約十月の間に、私の中には複雑な、でも確かな母性が芽生えていた。
それがたとえ望み望まれた命でなくとも、本能であるのかは分からないけれど、無事に産まれ育って欲しいと願う心は本物で、それこそが母性という女にのみ許された権利であり、義務なのかもしれないと確かに思った。
私は今まさに病院の分娩室にいる。
何の問題も無く自然分娩。
恐らくはあの青年のルールによる力が働いたのか、本当に悪阻や妊娠に関わる体調の変化以外に問題は起こらず今日まできた。
お兄様は何度も産む必要は無い、何とかすると試行錯誤して下さった。
ですが私は産んで育てると、最終的にはお兄様にきちんと宣言した。
それでも最後まで試行錯誤をやめようとしなかったお兄様でしたが、やはりこの力には効果がなかった。
お兄様がおっしゃるには、恐らくこの世界の力では無く、別の概念が働いている能力であり、この私たちの世界である次元世界にいる間は干渉する事は出来ないらしい。
そしてこの能力は他者が干渉して解除する事も困難らしかった。
同系統の、魔法では無い、所謂BS魔法の様な特異な能力が無いと、だめらしい。
色々な事を考えている内に医者が姿を見せた。
いよいよその時がきたのである。
陣痛も最早限界に近い。
痛みをあまり感じないのは苦痛を和らげる薬が使われているから。
私を害する物以外は効果があるのだ。
お兄様は付き添うと言っていたのだが流石に断った。
そして・・・意外なほどあっさりと・・・出産は終わった。
私は今大人しく泣き声をあげている赤ん坊を抱いている。
女の子だった。
私が産んだ子供。
こんなにも愛しいのは何故なのだろう。
タトナを今でも許せないのは変わらない。
永劫変わらないだろう。
でも、この子だけは私が守りたい、そうこの子を抱いた時に思った。
私はその日の内に退院し、お兄様と一緒に自宅その子を連れて戻った。
おば様に知られない為でもあるし、何日も入院する訳にはいかなかったからだ。
それでなくても長い時間学校を休んでいるのはおば様には知られている。
なのに今日まで向こうからコンタクトがなかったのもあきらかに不自然でした。
これからどうなるのか・・・正直不安でしかたありません。
「深雪?大丈夫か?」
お兄様が心配して声をかけて下さいました。
「はい。身体に問題はありません。ただ・・少し不安になっていました」
「無理も無い。深雪には本当に負担をかけるが、病院に調べられる訳にもいかないからな」
調べられる。
お兄様がそう言ったのは私の事では無い。
産んだ子供の事だ。
今あの子はお兄様が専用に造った装置と術式で調べる為に、地下のベッドに寝かせて見守っている。
なにせ別の世界の存在との子供なのだ。
心配し過ぎていけない事などない。
『ぉ・・・』
「・・・?」
そんな時にそれは起こりました。
ベッドの赤ん坊がいきなり光輝きだしたのです。
「なに!?」
「深雪!!」
お兄様は咄嗟に私の身体を自身を盾に庇いました。
「・・・・」
「・・・・」
光が収まっても、先程の眩しさに目を細めながら私は確かに見た。
そこには一人の幼い少女が立っていた。
「お母様、おじ様、驚かせて申し訳ありません」
その少女は頭を下げてそう言った。
つまり彼女の言葉が正しければ、この少女は先程の私の娘という事だ。
お兄様は手を彼女に向けていつでも攻撃出来る様に警戒していた。
「私はお母様の娘であると同時にお母様の分身の様な存在です。詳しく説明するのは困難ですが1つだけ、私はお母様やおじ様の味方です」
「それを信用しろと言うのか?」
お兄様が険しい表情で睨みます。
彼女は仕方ないとでもいうように目を伏せて困った様に笑います。
「私はお母様と肉体だけで無く精神や魂等も繋がっています。お母様の力があったお陰で私はこの姿になれたのです。お母様が死ねば同時に私も死にます。もしどうしても信用出来ないのであれば、おじさまの魔法で消して頂いても構いません」
悲しげに目を伏せながら笑う彼女がそんな事を言う。
今現れたばかりの彼女が、お兄様の魔法について知っている様な発言をしている。
それだけで普通ではないのが分かる。
勿論私はそんな事を望んでいない。
でも信用を出来ないのも確かである。
信用出来ないのは確かなのに、私は彼女を疑う事が出来ないでいた。
「それと・・・おじさまは私の父を探しているのではありませんか?」
「それがどうしたというんだ?」
「・・・・」
彼女は空中に手をかざすと、そこに暗い暗い円形の空間が現れた。
「私は父と限定的ではありますが同じ能力を持っています。別の世界に渡る事も可能ですし、この世界に空間が生じれば感じとる事も出来ます。利用出来ませんか?」
彼女が手を閉じると空間は消えてしまった。
お兄様は警戒はしていても、それを聞いた瞬間殺気が一瞬だけ溢れ、そして先程までも敵意と一緒に収まっていきました。
「その能力に関して詳しく話すのが条件だ」
「勿論です・・・ありがとう・・・ございます」
彼女は深々と頭を下げてお礼を言った。
「っ・・・・・頭を上げろ」
お兄様は彼女の表情を見て驚いた様にそう言って背を向けると出口に歩きだす。
「あの・・・・」
「そんな顔をするな・・・・お前は深雪の娘なんだろ・・・もっと堂々としていろ」
「はい!」
彼女はその姿で初めて笑顔をみせた。
その顔は本当に鏡を見ているようだった。
お兄様が認め、私が彼女を受け入れたい気持ちがある以上、理解しようとお互いに話をした。
「お母様」
「何?」
暫く経った時、彼女はきりだした。
「・・・私の名前は決めていますか?」
「ええ、産まれたばかりの貴女を見てあっさり決まったわ」
「はい」
「貴女は『白雪』その綺麗な白い髪の様に、気高く白くありなさい」
「はい・・・嬉しい、です」
白雪は私の胸で、受け入れられた嬉しさで静かに涙した。
私とお兄様、白雪と共に異世界へ旅立つのは、それから二ヶ月後の事だった。
お兄様出現...
次はSAO世界でキリトと次元が違うシノンと合流予定。