EXTRA編(1)
月の聖杯戦争。
その絶対不可侵であるマイルームで白野はベッドに腰掛けて端末の操作をしていた。
そんな彼女の後ろから抱きつく人影が迫る。
「マ~ス~タ~ッ!!」
「キャッ」
「アハハ!可愛い声!」
「ちょっとライダー!?」
驚かされたことに抗議の声を出すも本人は気にした様子もなく、後ろから腰に手を回して肩に顎を乗せてくるサーヴァント。
「なにを見てたのさマスター」
「アイテムの確認だよ。いよいよ明日だからね」
明日、聖杯戦争の最強の主従であるレオとガウェインとの決戦を控えている。
最弱のマスター。聖杯戦争に参加した当初はただ死にたくないという願いだけで戦ってきた彼女だが、幾多の戦いを潜り抜ける中で成長し、自分なりに戦う理由を見出し、残り2人のマスターになるまで勝ち抜いてきた。
「緊張してるのかい?マスター」
「……うん。だって相手はあのレオとガウェインだもの」
聖杯戦争が始まった当初から自分のサーヴァントの存在を隠そうとすらせずに堂々と振舞う少年王。
白野とてここまで勝ち抜いた自負はある。踏み付けにした者たちの為にも負けられないという想いも。
それにここまで一緒に戦ってきた自身のサーヴァントの力も信じている。
それでも記憶に残るあの騎士の戦闘力を前に自分たちに勝てるのだろうかという不安は拭えない
例え、絶対であった太陽の守りを無力化したとしても。
「えい」
そんな風に暗い考えに囚われそうになる白野からライダーは端末を取り上げてそのスイッチを切った。
「ライダー!?」
「そんなこと一々気にしても仕方ないじゃないか。ボクたちがこれまで培ってきた全てをアイツらにぶつけてやるしかないんだぜ、マスター」
さも当然のようにライダーに白野はうっ、と言葉に詰まる。
確かに今ここでアイテムの整理をして劇的に勝率が上がるわけではない。
強いて言うならこれは自分を安心させるための行為だった。
「だから~。ボクに構ってよマスター!」
端末をベッドに投げ捨てて胸を張って言うライダー。
それに白野は呆れてしまった。
「……ただ自分に構って欲しいだけなんだねライダー」
「へ?そだよ?」
なんでそんな当たり前のこと訊くの?と言った風な自身のサーヴァントに白野は肩の力が抜けてしまった。
それからベッドの上で寄り添いながら話をする。
聖杯戦争が始まって今日までの日々を思い返しながら。あの時、自分は何を思っていたのか
ライダーが一番関心を寄せたのはまだライダーと契約する前である聖杯戦争予選でのことだった。
「ボクと出会う前の全く知らないマスターのことだからね!」
ということらしい。
しかし、自我を持ったAIである岸波白野が話せるライダーと契約する前の繰り返す日常しかない。
それでもライダーは白野の話をニコニコと聞いていた。
段々と話すことも無くなり、そろそろ寝ようかという雰囲気になった頃に白野はライダーの肩に自分の頭を乗せる。
「マスター?」
「本当に、色々なことがあったんだよね……」
今までの対戦相手を思い出す。皆が皆忘れることのできない人達だ。
自分は彼らに胸を張れるように生きなくてはならない。
でも――――。
「でも怖いの。この聖杯戦争が終わったら、自分はどうなるのかって考えると」
もし、レオに勝てたとしてもAIである自分が本当に聖杯戦争の勝者として聖杯に認められるのか。もしかしてその先にもとんでもない落とし穴が待ってるんじゃないだろうか?
考えれば考えるほど不安が募って行く。
「マスター……」
「だからね、ライダー。私に、勇気をちょうだい……」
ベッドの上で2つの人影が重なる。
一糸纏わぬ姿となった白野とライダーは寝台の上で唇を重ねる。
「んっ、んふ……んん!」
最初は唇を重ねるだけのキスだったが、次第にライダーから舌を絡ませてきて次第にその動きが大胆になる。
並行してライダーは白野の胸を揉み始めた。
口内と胸を同時に攻められ、白野は次第に目をトロンとさせる。
「ぷはっ!アハ!マスターのお口おいしいね……」
長いキスを終えたライダーが妙に色っぽい表情と仕草をする。その姿に白野は息を荒くしたままドキッとしてしまった。
「それに、マスターって着痩せするタイプだよね。服を着てる時よりおっきく見えるもん」
言いながらライダーは白野の乳首を舌で転がし始めもうひとつの乳房を少し強めに揉む。
「んっ!?ライダー……!」
「痛かった?ごめんね?でもマスターの
ほら、と一度白野の秘部に触れて指に付いた愛液を見せてくる。それに白野は顔を真っ赤にさせて自身のサーヴァントから顔を背ける。
「ボクで感じてくれてるんだね。嬉しいよ、マスター!」
本当に嬉しそうな声をするライダーに白野はどこか納得できないものを感じてベッドの上下体勢を替える。
そしてライダーの下半身まで顔を移動させた。
「マスター?」
「わ、私ばっかりしてもらって悪いからライダーのことも気持ち良くするわ!」
そう言うと白野はライダーの肉棒を口に含んだ
「わっ!マスター!?」
驚くライダーの声を無視して白野は一心不乱に口内でサーヴァントの男性器を動かした。
舌で舐め転がし、吸い込む。
息が苦しくなると口を離し、アイスキャンディを舐めるようにしてライダーの肉棒に刺激を与える。
「ふあ!?ますたー……きもちいいよぉ……!?」
ライダーの喘ぎ声が鼓膜に届く度に白野はおかしな気持ちが沸き上がってきた。
(なんか、女の子にしてるみたい……)
男の子の象徴を相手にしている筈なのにライダーの喘ぎ声を聞く度に同性と肌を重ねている錯覚を覚える。
それが理由なのか。それともだんだん慣れてきたからなのか。白野は次第にライダーの肉棒を弄る動きに遠慮が消えていく。
「アッ!マスターゴメン!で、射精る!?」
ライダーがそう言うと同時に彼の肉棒から大量の精液が発射される。
なんとか飲み込もうとするが、堪えきれず精液を吐き出した。
「あっちゃ~。飲み込めなかったか」
「ゴヒェン、ハイハー……」
涙目で口元を押さえながら謝る白野。
「いいって……それよりマスター。ボク、そろそろマスターとひとつになりたいな」
ライダーからの申し出に白野は顔を真っ赤にさせて頷いた。
再び白野が下になる。その体を僅かに震わせているマスターを見て、ライダーは聖杯戦争で契約したばかりの頃の白野を思い出した。
聖杯戦争に参加したばかりの頃の白野はただ死にたくないという願いのみで戦っていた。しかしそれで対戦相手を殺して何も感じない訳がない。
善くも悪くも一般的な感性を持つ白野は対戦相手を殺す度に傷付き、泣いて、前に進んできた。
割り切ることをせず、彼らの死を刻み付けるように歩いてきた。
この折れそうな程に華奢な身体で。
なんて愛しい。
彼女の歩みを1番身近で見てきたライダーにはこうして身体を震わせる姿が堪らなく愛しかった。
「……ライダー?もしかして、私の身体、ヘン?」
何時までもこないライダーに白野が不安になって問うとライダーは笑って首を横に振る。
「ううん、キレイだよ。思わず見惚れちゃった」
ライダーの賛辞に白野は赤くなった顔を両手で覆って隠す。
「それじゃ、行くよ、マスター……」
ライダーが自分の肉棒を白野の秘部に合わせるとそのまま彼女の内部に侵入する。
「――――ッ!?」
初めて男を受け入れる痛みに白野は瞼を固く閉じその口を押さえる。
ここで痛みを訴えればライダーが止めてしまうと思って。
しかしあんまり痛そうにする白野の姿にライダーは問う。
「スゴく痛そうだよ。やっぱり止める、マスター?」
そう問われた瞬間、白野は脚を動かしてライダーに密着する。
「ま、マスター!?」
「やめ、ないで……このまま……おねがい、アストルフォ……」
自身の真名を呼ばれて彼の最後の躊躇いは消し飛んだ。
「ああ、もうっ!?いちいちかわいいなぁ、マスターは!痛かったら声に出して良いからね!」
アストルフォは中へと進み、処女膜へとぶつかるが、マスターの願い通り、躊躇うことなくそれを破った。
「あっ……!?」
膜が破られたことにより白野の秘部から血が流れる。
「大丈夫かい、マスター?」
「ハァ、ハァ、ハァ……」
呼吸を荒くしながらも白野はコクンと頷く。
「マスターの膣内、きもちいい……スゴく締め付けてくるよ」
離さないと言わんばかりに白野の膣内はアストルフォの肉棒を締め付けてくる。
アストルフォは動きたい衝動を抑えながらどうするかなと思案する。
理性の大半が蒸発していると言われている彼でも目の前の処女を失った鈍痛に耐えているマスターともなれば躊躇ってしまう。
「アストルフォ……いいよ、動いて……」
「いいの?」
「うん。私も、もっとアストルフォを感じたいから……でもね、マスターじゃなくて――――」
―――名前で呼んで。
そう耳で囁かれた瞬間、アストルフォの理性は完全に蒸発した。
「ハクノッ!!」
アストルフォは腰を動かして抽挿を繰り返す。
腰を引いて突き射れる度に痛みに耐えていた白野もだんだんと蕩ける表情に変わっていく。
「アス、トルフォッ!?や、だんだん、キモチ良く……っ!?」
「きもちよくなって!ボクもハクノの膣内、きもちいいよ!!」
白野がアストルフォに抱きつきながら少しずつ腰を動かしていく。
指を絡ませ、唇を重ね、アストルフォが白野の乳房にしゃぶりつく。
「ハクノッ!?あぁ、ボク、もう!?」
「アスト、ルフォ……わた、しも一緒に……!?」
「射精すよ、ハクノッ!?」
ふたりは、同時に絶頂を迎えた。
行為を終えたあと、白野は糸が切れたように意識を失ってしまった。
そんな愛しいマスターをアストルフォは後ろから抱きついて横になっていた。
「えへへ。ハクノの身体、あったか~い」
愛しいマスターの温もりを感じながらアストルフォはこれからのことに思いを馳せる。
聖杯戦争に優勝したらどうしようか?
またハクノと肌を重ねたいし、またアリーナへ探査に行くのもいい。
美味しいものを食べて、色んな人たちと触れあって。
アストルフォの中で既にレオとガウェインに敗北する未来はない。
だって勇気を、力を貰ったのは白野だけではないから。
理性が有ろうと無かろうと自分はこのマスターの下で勇敢に戦い、勝利を掴むのだ。
そして、幸せな日々を過ごすのだ。
アストルフォは白野の頬にキスをする。
「絶対勝とうね、ハクノ……大好きだよ」
翌日、爆睡したアストルフォのせいで予定時間を大幅に遅刻し、敢えなく不戦敗になりかけたのはまた別の話。
女白野は可愛いと思う。それで書いてみました。
億にひとつの可能性で要望があったらCCC編を1話だけ書くかもしれません。