娘の名前は適当に決めちゃったけど何か良さそうなのが他にあったら変えます。
EXTELLA LINK編(1)
「ん……あんっ!」
ベッドから軋む音と共に甘い女の声が室内に響く。
「アス、トルフォ……ちょっとまっ―――――!」
静止の言葉も膣を貫かれて遮られる。
白野に覆い被さり、荒い息とともにアストルフォは腰を動かしていた。
普段は三つ編みにしている桃色の髪を解き、白野の焦げ茶色の髪と交わる。
片方の手の指を絡めながらもう片方の手で腰に手をやり、唇で首筋を中心に愛撫していた。
「まだ、ぜんぜん足りなくって……!」
「もう、3かいも射精してる、くせに……!」
「だってここ最近ずっとおあずけくらってたんだもん。久しぶりだから、いっぱいしたくて」
言いながらピッタリと肌を重ねて舌が顎から唇に移動し、口内に侵入する。
白野の唾液を舌で掬い自分の喉へと移す。
ゴクンと喉を鳴らすと顔を離す。
「ボクはまだハクノと繋がっていたいんだけど……ハクノはイヤ?」
訊かれて白野は顔を背ける。
そういう言い方は卑怯だと思う。
こちらを気遣う笑顔でそんなこと訊かれてしまったら拒否できないではないか。
無言を肯定と受け取ったのか止まっていた腰を再び動かそうとするアストルフォ。
アーッ!アーッ!アーッ!
ベッドの隣にある幼児用のベッドから赤子が泣き始めた。
それに反応して白野はアストルフォから体を離した。
「どうしたの、桃野?」
白野は娘の様子を見ると、どうやらお漏らししてしまったらしい。
「おむつ替えないと……」
そう言って慣れた動きで赤ん坊のおむつを替えた。
「ほーら、高いたかーい!」
アストルフォと桃野が再現された草原で遊んでいる。
愛娘の桃野は全体的に父であるアストルフォ似の顔立ちだが髪の色と若干眠そうなトロンとした目元は母譲りだった。
娘が産まれてアストルフォにも若干の変化が起きた。
以前着用していた女物の服をあまり着ることがなくなり、今も青いジーンズと白いYシャツを着ていた。
以前白野がそれとなく訊いてみたら。
『ん~ほら。桃野にお母さんが2人居ると思われるのはさすがにね~』
ということらしい。もっとも服装を変えたところで男性と判る人は少ないのだが。
聖杯戦争で自我に目覚めNPCである自分。
幾つもの偶然からこの電脳の月世界で生きることを許されて子を産み、平穏な日常を過ごしている。
それはなんて奇跡。
娘を抱きかかえながら不意にアストルフォがこちらに振り向いた。
「ねぇ、ハクノ。今、幸せ?」
確かめるような問いに飾らない笑顔を見せた。
「えぇ。とっても」
出来れば、こんな日々がずっと続けばいいと思えた。
されど、平穏は乱される。
不安定な月世界は平定には程遠く。僅かなアクシデントで大きく揺さぶられる。
現れた脅威。それが強大であればあるほど、英霊の力が出し惜しみされることはない。
「だーもう!なんなのさいきなり!エネミーがあんなにたくさん出現して!」
突如ローマを襲った大量の敵性プログラム。
以前より月に移住した魔術師たちが作ったエネミーは各地で被害を出していたが今回は規模が違う。
1つの都市を丸々飲み込む程の物量で各地に出現していた。
指揮能力を持つNPCやサーヴァントは各地で奮闘しているが、じりじりと押されていることは集めている情報から推測できた。
そんな中でアストルフォも英霊としての騎士服を着て防衛に出ていた。
今は小休止で戻ってきたのだ。
「アストルフォ、はいコレ」
白野は用意していた軽食をアストルフォに渡す。
それを受け取って口に放り込み始める。
こんな時にマスターとして一緒に前線に出られないことを歯痒い気持ちになりながら。
自分がここでやるべきことはサーヴァントと共に戦場を駆けるのではなく愛する娘を守ること。
桃野を抱きかかえながら不安そうに俯く白野にアストルフォが額にデコピンをした。
「なーに暗くなってるのさ!だいじょーぶだいじょーぶ!なんとかなるって!」
いつものように底抜けの明るさと共にウインクするアストルフォに白野は弱々しくも笑顔を取り戻した。
そうだ。これまで共に駆け抜けてきたパートナーを信じないでどうするのか。
「さてと!お腹も膨れたしもう一仕事してきますか!」
脱いでいた外套を着けるアストルフォ。
「アストルフォ」
「ん?どうし――――!?」
振り向こうとしたアストルフォに白野は後ろから体を預けた。
「気をつけて。絶対無事に帰って来て」
「うん。わかってる。ハクノもモモノをお願いね」
まだまだやりたいことがある。
娘の成長を見守り。
また3人で出かけて。
共に笑い。時々喧嘩して。そして手を繋いで歩いて行く。
そんな当たり前の日常がまたすぐ来るのだ。
アストルフォが家を出ようとしたとき、焦りの形相で振り向いてきた。
「ハクノ!そこから離れてっ!!」
「え?」
考える間もなくアストルフォが母娘を抱きかかえて窓から外へと跳んだ。
すると同時に天井から黒い何かが降ってくる。
「うわ……マズイなぁ。ボクの勘だとアレ、相当強いよ」
家の中に現れたのは全身鎧に黒い靄のようなモノを纏った騎士風の英霊だった。
「なにも、視えない?」
白野とて月の聖杯戦争でマスターとして参加した身だ。サーヴァントの情報は全てではないにしろ何らかの情報は
視える筈なのだがその鎧同様に覆い隠されたようにステータスが確認できない。
なにかの宝具だろうか?
「A――――urrrrッ!」
咆哮と共にそのサーヴァントは手にしていた鉄柱で襲いかかってきた。
「はやっ!?」
振るった鉄柱がアストルフォを弾き飛ばす。
「アス――――ッ!?」
叫ぶように愛する人の名を呼ぼうとしたがそれよりも眼前に立つ黒騎士に脚が竦んだ。
「あ……っ!」
それでも抱いていた我が子だけは守るように目を逸らさない範囲で隠す。
しかし甲冑を纏った手が白野に伸びる。
「ボクの、家族に触るなぁっ!!」
宝具である突撃槍を構えたアストルフォが黒騎士に接近する。
僅かに時間を稼ぎ、ヒポグリフでこの場を離脱しようとした。
しかし敵サーヴァントはそんな隙さえ与えなかった。
槍の一撃弾くとアストルフォの腰に差してあった剣を奪い取り、そのまま腹部に刃を突き立てる。
「え?」
その光景を理解するのに数秒を有した。
剣を引き抜かれたお腹から夥しい血が噴き出て倒れた伴侶に白野は小さく首を振りながら表情を歪める。
岸波白野の悲鳴がその場に響き渡った。
続きは全然考えてませんがほとんど白野視点で進むと思います。
ホントにここからどうしよう……。