一応前回の続きです。
奇襲してきたのは棘の刃が付いた足甲を付けたスレンダー美人だった。
以前相対したパッションリップやBB同様にその顔は桜に似ている。ただし彼女は若干目がキツメに見えるが。
咄嗟だったのだろう。ライダーは白野を突き飛ばして敵の攻撃を突撃槍で防いだ。
「素晴らしいわ。まさかこうも簡単に防がれるなんてね」
「あれだけ殺気をまき散らしておいて良く言うよ!いくらボクが弱いって言っても、あんな殺気に反応できないようじゃ、騎士なんてやっていられないさ!」
突撃槍を振るって敵を払う。
「退きなよ!ボクがここに立っている限り、マスターには絶対に傷ひとつつけさせない!」
突撃槍を構えながら言い切るライダーにどこか恍惚とした表情を浮かべる少女。
その少女は自身をパッションリップと同じアルターエゴを名乗る。
メルトリリスは現れた当初こそ白野に強い視線を送っていたがそれは徐々にライダーへと移す。
「少女のようなあどけない容姿。主を守ろうとするときの騎士としての素顔。自分を弱者と認めながら折れない精神。気に入ったわ!たまらないわ!大好きだわ!ライダー!私、あなたと恋がしたい!」
そう宣言したメルトリリスに白野は口元を引きつらせ、当のライダーに動揺が走る。
「い、いきなり何を言い出すのさ!マスターもなんで令呪の左手を握り締めてるの!」
ライダーの言葉に白野はハッとなる。
こんな状況で白野はどうやら令呪を使ってなにか命じようとしていたらしい。今はそんな場合ではないのだ。
「生意気な目ね。まずは予定変更よ!その人間を消してから
再度向かってくるメルトリリス。ライダーも応戦の構えを取る。
戦闘は、メルトリリスの一方的な展開だった。
こちらの攻撃が当たってもダメージを受けないという不可解な現象。まるで傷を負う、という概念が無いかのような。
今度はメルトリリスの蹴りでライダーが白野の傍まで跳ばされた。
「ライダー!?」
「大丈夫!しっかしアレどういう反則だよ!こっちの攻撃が全然……っ!?」
悔しそうに舌打ちをするライダーにメルトリリスは笑みを浮かべる。
「これでわかったでしょ?あなたでは私に傷ひとつ付けることはできない。大人しく私のモノになりなさい」
「お断りだよ!ボクが
「察しが良いのね。そうよただ殺すだけじゃ燃え上がらない!嫌がるあなたを徹底的にこの足で蹴り倒してあげる!」
そこでメルトリリスに変化が起きた。白野の五停心観が脈動し、メルトリリスのSGが現れる。
しかし、今までのように分身体ではない為、SGを手にしても敵が消えることはなく、更なる攻撃態勢に入る。
だが、その危機もサポートしてくれていた生徒会面々の活躍により、拠点である旧校舎に強制帰還することが出来た。
戻って来た白野たちを凜が労う。
「色々と危なかったけど、SGが2つ手に入ったのは収穫だわ。お疲れ様」
桜のスキャンにより肉体的な異常は認められないが、精神的な疲労が目立つとして、マイルームで休むよう凜に言い渡された。
いつも通り、マイルームに戻るとライダーがベッドでゴロゴロし始める。
「今日は疲れたねマスター……」
「ウン、ソウダネ」
「まさか敵にあんなこと言われるとは思わなかったよ、も~」
「ウン、ソウダネ」
「メルトリリスだっけ?また狙ってくるんだろうなぁ。まいったなぁ」
「ウン、ソウダネッ!」
メルトリリスの名前を聞いた途端、白野は手で転がしていたアイテムのひとつを強く握る。すると手の中にあったアイテムがメキッと音を立てて壊れた。
「……マスター。何でさっきから表情が固定されてるの?それに目に光が無くて怖いんだけど」
「ライダーの気のせいだよ」
にっこりと笑う白野。しかしどういうわけかライダーはその表情に怖気が走った。
それから立ち上がると扉の方へ歩いて行く。
「マスター」
「ゴメン。ちょっとひとりにして……」
ライダーからの答えを待たずに白野はマイルームから出て行った。
マイルームから出ると白野は壁に額につけてハァ~と息を漏らす。
ライダーの口からメルトリリスの名を聞いた途端、白野は言いようのない不快感が込み上げてきた。
しかしそれはおかしい。別段ライダーがメルトリリスの好意に嬉しそうにしているわけではない。
メルトリリスの攻撃にも自分を守ってくれた。
疑うべきところなんてひとつもない。嫉妬する理由もない。だが、
白野は自分の心を歩きながら整理しようと努める。
岸波白野はライダーに好意を抱いている?
これは間違いなくイエスと回答できる。そもそも自分のサーヴァントだろうが好意もない相手と肌を重ねるほど白野の貞操感は乱れていない。ただ、これほどまでにライダーに依存していた自分に戸惑っているのだ。
その答えはすぐに思い当たる。宝具が使用できるようになったあのライダーの心の中で出会った本能のライダー。
岸波白野と契約する前のライダーに言われた他人としての言葉。そして封じられた彼と再び会えた時の喜び。その時の想いはまだ消えていない。
「ほう?珍しいな岸波白野。君がサーヴァントを連れずに出歩くなど」
階段を下りた白野に話しかけてきたのは長身の神父でBBによって購買の店員という役割を与えられた言峰綺礼だった。
「何か買っていくかね?購買を利用するのは一部のNPCを除き、基本マスターたちだけなのだが、最大の利用者であったレオナルド・ビスタリオ・ハーウェイが消えたことで私も暇になってしまってね」
言峰の言葉に白野ははぁ、と曖昧な笑みを浮かべて答えながら、先程までのライダーへの態度がちょっとアレだったのを思い出し、お詫びというわけではないが、なにか甘いものでも買って帰るのもいいかもしれない。
販売リストを見ているとある商品名が目に留まる。
以前にもその商品を目にしたときはなんでこんなものが購買で売られてるんだろうと首を傾げたものだが、今の白野には【これ】が必要なのではないかと思えた。
しかもそれなりに値段の付いた商品ではあるが、手が届かない額ではない。だが、高いことには変わりなく、買う必要もない商品だ。それをパートナーに黙って購入することなど許されるのだろうか?
リストの前で悩む白野に神父が提案してきた。
「ふむ。この商品か。どうせ買い手のつかない品だ。今購入するならば半額で譲ってもいいが?」
「ください!ついでにプレミアムロールケーキも2つ!」
勢いのままに白野はその商品の購入を決めた。
「というわけで、今日は一緒に寝よう、アストルフォ!」
「へ?もう寝るけ……あ、そういう意味か。珍しいね、ハクノの方から誘ってくるなんて」
月の裏側に落ちてから肌を重ねることは定期的にあるが、いつもライダーの気分で決まり、白野の方から誘ったことはない。ちなみに情事に及ぶ際にはお互いを名前で呼ぶのが2人の暗黙の了解となっている。
「うん。ちょっと今日は新しい趣向に挑戦したいというか。いつも誘ってくれるのを待ってるだけじゃダメかなって気付いたというか」
両の人差し指をつんつんさせながら言い淀む白野にアストルフォは首を傾げるも、すぐに思考を中断する。
「ま、いいや。それならベッドに行こうか。それともお風呂でする?」
「ベッドで……それと少し着替えるから待ってて!」
そう言って着替え用のカーテンを閉めた。
「着替え?なんで?」
カーテンの向こうでは着擦れの音が聞こえる。カーテンが再び開けられた。
現れたのは茶色を主とした布地に腰のあたりに白いエプロンが付けられた服。
エプロンドレス。解り易く言うとメイド服と呼ばれる衣装だった。
「た、たまにはこういうのもいいかなって。その、似合うか、な……」
「うん、似合う!似合うよマスター!」
手をぱちぱちさせて絶賛するアストルフォに白野は安堵の息を吐いた。
実はメイド服に着替えながら自分は何をしているんだろう?と疑問に思い始めていたのだ。これでアストルフォにそれを指摘されたら泣いていた自信がある。
「ハクノがボクの為に着てくれたんでしょ?嬉しいよ!」
そう言ってアストルフォは白野の腕を引いてベッドに倒れた。
「ん……はぁ……ふっ……」
白野はベッドで横になったアストルフォに覆い被さりシャツのボタンを外して乳首を舐め始めた。
舐めながら、白野はベルトに手をかける。
「今日、は……ずいぶん、積極的だね、ハクノ……」
「うん。いつもしてもらってるし。私も、アストルフォとこうするの、慣れてきたから……」
舐めていた乳首を少し強めに歯を立てるとアッ、とアストルフォの声が上がる。その間に外したベルトからズボンを下ろさせて肉棒に触れ、上下に摩り始める。
「気持ちいい?アストルフォ?」
「うん。いいよ。ハクノもボクの乳首を舐めてて楽しい?」
「アストルフォにこうしてあげて……声を聞いてると、女の子にしてあげてるみたいで、変な気分になるんだけどね。アストルフォの出す声、好きだから……」
ハクノが喜んでくれるのは嬉しいが、なんか納得できない部分もあり、アストルフォはメイド服のボタンに指をかける。
「アストルフォ?」
「そろそろ、ハクノのおっぱい、見たいな……」
「なら自分で……!」
「ボクが外してあげたいの!ほら外すよ」
アストルフォに上のボタンを外されていくと、メイド服の中から綺麗な乳房が出て来た。
「あ、ブラジャーは着けてなかったんだ」
情事を行うため、あえて着けてなかったのだが、指摘を受けて白野の顔が真っ赤に染まる。
しかし、胸も左右に開かれたメイド服のせいか、胸が若干圧迫されていつもより形が若干卑猥に見えた。
それにアストルフォのイタズラ心が刺激される。
「エイッ!」
自分の肉棒に触れると白野の胸で擦り始めた。他にも肉棒で乳首を押したりして白野の胸で遊ぶ。
「アストルフォ!ちょっ!ヤメッ!」
「ア、これ以外と気持ちいい!それにハクノの表情も、たまらないよ!」
白野の身体の感触。そして潤んだ瞳と上気した頬で息を荒くする主の表情がアストルフォを興奮させた。
次第にアストルフォは白野の胸を掴んで自分の肉棒を挟み、パイズリを始めた
「あ、ちょっとっ!?」
「ゴメン、ハクノ!ボク、一回射精したい!」
アストルフォの熱い肉棒から精液が射精され、顔にかかった。
「ハァ、ハァ……その格好だとなんだか余計に興奮して……」
白野は何も言わず、一度アストルフォを押し倒すとスカートの中で履いてあったストッキングを自分で秘部の部分を破いた
「ハクノ?」
「今日は私が上になるね……!」
肉棒を握って自分の秘部へと導くとゆっくりと腰を落とす。
「―――――っ!?」
スカートの裾を口に咥えて声を我慢する白野。
根元まで入ったらゆっくりと腰を動かし始めた。
その目が気持ち良いか問うていた。
「少しずつ、ハクノの膣がボクの形になってるのがわかるよ……!最初はただ締め付けてくるだけだったけど、今はボクに合わせて締め付けてくれる。きもちいいよ、ハクノ……」
アストルフォに褒められたためか、膣内の締め付けがさらに強まる。それにアストルフォは咥えていた裾を放させる。
「アストッ!?」
呼ばれる途中でキスをして舌を絡ませた。腰も動かして白野の気持ちよい部位を刺激する。
「~~~~っ!」
既に白野の理性は溶かされ、しがみついてアストルフォの絶頂まで耐えていた。しかもその間にも胸やお尻を揉んでくる。
「ハクノ、そろそろ!ボク、限界……!」
「うん!わかるよ!だから、一緒に……!」
白野の膣内にアストルフォの精液が射精されると同時に達した。
浴槽の中で白野とアストルフォはまったりと過ごしていた。
あの後、体に力が入らなくなった白野をアストルフォがお姫様抱っこで運び、脱衣所で服を脱がして浴槽に入れた。今はアストルフォを背にしてぐったりしている。
「それにしても今日はどうしたのさ?なんか必死で、見ていて辛かったよ」
きもちよかったけどね、と笑いながらも質問の答えを待つ。
少し言い辛そうにしながらも白野はポツリと答えていった。
「アストルフォに、もっと必要とされたかった、からかな……」
もっと求めて欲しい。必要とされたい。一緒にいて欲しい。
そうした欲求が暴走して今回の件に繋がった。
だが、一度冷静になれば顔から火が出るほど恥ずかしい思い込みだった。
「ねぇ、ハクノ。ハクノはボクのことどう思ってる?」
「え?」
「もしボクよりずっと強くて頼もしいサーヴァントが現れて、ハクノのサーヴァントになりたいって言ったらハクノはボクを捨ててそいつを選ぶの?ただ、自分のサーヴァントだったから身体を重ねるの?」
「そんなことあるわけないでしょっ!?」
あまりにも心外な言葉に白野は声を上げる。それに重ねてアストルフォは質問を繰り返した。
「なら、ハクノにとってボクは、なに?」
岸波白野にとってアストルフォという英雄はなんなのか。そんなこと考えるまでもなく出せる答えだった。
「私にとってアストルフォは一番大切で、大好きな人、だよ!」
その答えにアストルフォは笑顔を浮かべた。
「やっと……言ってくれたね」
その呟きに白野はあ、と声が漏れる。
そういえば白野自身から好意を口にしたことがあっただろうか?
伝わっていると思っていた。事実伝わってはいたのだろう。だが、それが言葉にしなくていい理由になるのだろうか。
目の前の少年は何度も自分への好意を口にしてくれていたというのに。
その事実に気付いて白野は涙が出そうになった。
「ごめん。ごめんね、アストルフォ……」
そんな白野を後ろから手をまわした。
「ボクはハクノのサーヴァントだよ。もし契約が切れても、この記憶と魂が在る限り、ボクがハクノのサーヴァントじゃなくなるなんてこと、あるわけないんだから……」
「うん……うん……」
疑うなんてバカバカしくなるほどの純粋な好意。それが、地上での記憶を持たない白野の心にどれだけ染み渡ったか。
たとえこの先にどんな結末が待っていようと、決してその手が離れることはないだろう。
この存在を終えるまで、きっと―――――。
一応言っておきますがEXTRA CCCに主人公のメイド服なんて売られてません。
それにしてもアストルフォにSGって存在するのだろうか?