この素晴らしい世界に種付けおじさんを! 作:星見 秋
断言しよう。種付けおじさんは最強の人類である。
日本においても外国においても、宇宙においても異星においても異世界においても。どんな場所であろうと彼はのっそりと現れ、数合も交わさない内に相手を無力化させる。そうしてオモチャにしたり、ペットにしたり洗脳したり欲望の限りを尽くしたりして昏倒させるのだ。例え相手が女神だったり機械人間だったり獣人だったり、果ては男やモンスターだったとしてもそこに例外は無い。
生きとし生ける者は皆おちんぽがだいしゅきなのだ。ましてや種付けおじさんのそれはブルジュ・ハリファもビックリの超極太だ。一度貫かれたら最後、枯れ果てるまで虜と成ってしまう。体を自由に出来るなら、心も自由に出来ない道理は無い。もし精神では嫌がっていたとしても体は自然にそれを求めてしまう。即ち肉便器と成り果てる。
それを堕落と見るのか、はたまた最強の人類の肉便器と成れて光栄と見るのかは人それぞれだろう。「でもエロいならOKです」とサムズアップする人だっている筈だ。価値観というのは人によって変化するわけで、だからどれが正しくてどれが間違っていると言い切ることは出来ない。
一つ確かに言えることは、種付けおじさんはただ己の欲求に従って行動しているということだ。欲望を抑えることをせず、己の赴くままに襲いかかり、無力化して、レイプする。双方の合意なんて知ったこっちゃない。ただヤりたいからヤるのである。
……そして、それはこの素晴らしい世界であっても何も変わらない。
この物語は、種付けおじさんの素晴らしい世界での日常を描いた、よくある普通の官能小説である。
『はじまり』
気付いたら、種付けおじさんは神殿の中で突っ立っていた。
澄んだ空気に暖かい光。古代ローマの神殿のような建物は神々しいこと甚だしい。
……が、種付けおじさん――種おじは困惑した。ここ最近、古代ローマにタイムスリップした記憶はない。あまり古代ローマ人は顔面偏差値が高くなく、加えて露出度も古代ギリシアに比べればイマイチだ。端的に言ってムラムラしないのである。
にも関わらず、彼はこんなところにいる。
一体どういうことなのだろうか。種おじが訝しんでいると、誰かに話しかけられた。
「ようこそ死後の世界へ、―――さん……。私はあなたに新たな道を案内する天使。辛いでしょうが、あなたの人生は終わったのです」
声のした方を見る。すると、何時からそこにいたのだろうか。美少女が物憂げな顔をして椅子に腰掛けていた。
ゆるふわウェーブの金髪に、天使が着用していそうな白い羽衣、天使の翼。光る輪っかのようなものが頭の数センチ上に浮かんでいる。
どうやら、この少女は本当に天使であるらしい。林檎が木から落ちるように、種おじはすとんと違和感も無く理解した。
しかし、死んだとはどういうことなのだろう。種おじはスキマを操る天下の大妖怪であろうと星一つ破壊し得る機人だろうと簡単に無力化できる実力の持ち主だ。殺されるというのはあり得ないし、老衰で死ぬような年齢でもない。種おじは死因を尋ねた。
「……え、覚えてないんですか? 崖から足を滑らせてしまったようなのですが……」
なるほど、それは死ぬ。種おじは納得した。
いくら屈強な益男であろうと高所から落下すれば普通に死んでしまう。種おじとて人間だ。地獄の業火に炙られようと胴体を分断されようとトラックにぶつかろうと破壊光線を浴びようと死ぬことはないが、落下の衝撃には流石に耐えられない。種おじはモンスターではないのである。
「落ち着いていますね。普通、自分が死んだとなればもっと狼狽したり絶望したりするものだと思うのですが」
天使が意外そうに見つめてくる。実際、種おじは落命したことに何の感傷も抱いていない。彼はただいい女と男と機械と獣と植物を抱ければいいのである。性への執着はあっても生への執着はない。
何なら天国に行ける分、死んだ方がいいのではとさえ思っている。天国には超綺麗な天使やねーちゃんがいっぱいいると相場が決まっているからだ。
目の前の天使が街を歩けば誰もが振り返ること受け合いの美少女なのがその証左であろう。
「……あの。天国っていうのはそんな素敵なところじゃないんですよ? 体も無く、娯楽も無く、その……えっちなことも無く、ただひたすら日向ぼっこでもしながら先人達と世間話をする。そういう退屈なところなんですよ?」
それは困る。種おじは慌てた。欲望のままに動く彼にとって娯楽もえっちも無いのは死活問題だ。しかし既に死んだ身。常識的に考えて、天国に行くことは免れない。
今になって生への執着が生まれた種おじだったが、後の祭りである。かくなる上は、目の前の天使を犯してから天国に向かうしかない。
「ですから、大抵の人はそんなところに行きたくないと言うんですよ。しかし、そうなると生まれ変わって赤ちゃんからやり直すくらいしか選択肢が無かったのです。
でも、それも自分という存在が消えるようなものなので、やりたくないという方が多いのです」
種おじは天使に向かって歩を進めた。こんな早く、唐突に人生最後のセックスが訪れるとは思ってもみなかったが、これまで好き放題やってきた報いなのかもしれない。
いや、まあ反省する気はなかったが。むしろ最後の相手が美少女の天使であることに喜びを覚えないでも無い。
どうしようもなく、種おじは欲望に従って生きていた。
「ですから、そんな方々のための最後の案として、チート特典を貰って滅びかけの異世界に行くという……、……あの。どうして近付いてくるんですか?」
種おじはにっこりと笑って言った。
貴女を犯すためである、と。
「……えっ」
暫し、天使は固まった。いきなり何を言い出すのかと、理解できない者を見る目を種おじに向けた。
しかし、そんなものを気にも留めないで服を脱ぎ始めたのを見て。
「ちょ、ちょっと待ってください! 何ですかいきなり!」
勢いよく後退る天使に、種おじが言った。
天国でセックスが出来ないなら、今ここであんたを犯すことを以て溜飲を下げよう、と。
「何言ってるんですか貴方! っていうかさっき代替案の話をしてたじゃないですか! 別に天国に行かなくても問題ないんですよ!」
そんなの知るか。種おじは尚も近付く。
理屈はどうでもいい。彼はただ単にヤりたいだけなのだ。
「ヒッ……や、やめて! 来ないでぇッ!」
悲鳴じみた声を聞き流しながら、種おじは――
――天使の着ていた羽衣を、真っ二つに引き裂いた。
「……え?」
呆然とする天使。いとも簡単に衣服が破かれたことに、羞恥を覚えるより先に困惑したようだ。
しかし、このくらいは種おじにとって何でもないことである。数多くの雌(と時々雄)にレイプを敢行した実績は伊達ではないのだ。
当然、どういうアプローチでいけば見栄えが良くなるのかも熟知している。今回の衣服を真っ先に破くやり方は、被虐性は勿論のこと、ボロボロになった衣服がチラリズムを誘うのだ。
全裸よりも少し隠した方が興奮度は増す。パンモロよりもパンチラの方が断然エロい。世界の常識である。古事記にもそう書いてある。
「……あ、ああ……」
種おじの類い稀なる技術を目の当たりにした天使は絶望に染まった声を漏らした。素手で服を破けるような男に抵抗できる訳がないと分かってしまったから。下手をすれば、純潔を散らすどころでは済まなくなる気がしたから。
最初に服を破くやり方は、このような二次効果までもたらしてくれる。これなら初心者であっても容易にレイプが出来る。取り合えず物理で服を破っとけば女は従ってくれるのだ。
つまり初心者レイパー向け。故に王道。やっぱり王道を往く……服破りが最強なのだ。
露わになった天使の肌に、種おじは人差し指だけをすーっと滑らせた。
膨らみきれてない慎ましやかな胸。白磁と見間違うほど白い肌。透き通った藍色の瞳は、恐怖と絶望で目一杯開かれている。
種おじは胸を鷲掴みにした。掴みにくく手のひらに収まる程度のボリュームしか感じられないが、その分感触を堪能できるというもの。
胸を揉む。手からずり落ちそうな感触が手に直接伝わってくる。
胸を押す。ただでさえ薄い胸が一層ぺしゃんこになり、ほんの少しだけ、やわらかな感触。
そのままぐにぐにと手を動かす。手の動きに合わせて胸の形が変化していく。
「あっ……」
天使が甘い吐息を漏らす。胸を散々弄り倒されて感じてしまったご様子。
種おじは下卑た笑いを浮かべた。所謂、「あれ~? 何感じてるんですか~? やっぱ(卑猥遊戯)好きなんすね~、この淫乱め」展開である。
「そ、そんなことはありません!」
抗議の声を聞き流しながら、種おじは天使の口を塞いだ。
口で。
天使の口腔内に舌を這わせ、情熱的に口を吸ったのである。
初めの方こそビックリしていた天使だったが、やがて応えるように舌を絡ませてきた。人は突飛な事態を前にすると、よくよく間違った行動をしがちなものである。
ましてやこの天使にとって、ディープキスは初体験。歯茎を絡めとり、唾を流し込まれ、舌を交わす感触に頭を沸騰させられても仕方がないことだったろう。そして沸騰した頭というものは、中々簡単に冷めるものではない。
この瞬間、死後の世界を案内する天使は事後の世界に案内される淫乱天使と化した。
種おじはパンツを脱いだ。見事という他ないブルジュ・ハリファが明らかになった。
それを見た天使は躊躇すること無く飛び付いて、これまた躊躇無く舐め始めた。
当然、淫乱とはいえ処女。テクニックなんて何もなく、ただ舐めとるだけの素人である。本場のビッチやサキュバスには爪の先ほども及ばない。
だがそれがいい。彼女達のそれは気持ちよすぎる。フェラチオ中でも我慢できずに射精してしまうくらいだ。それと比べれば、この天使のフェラチオは気持ちいいものの気持ちよすぎることはない。射精を我慢できない、なんてこともない。
だがそれはそれとして種おじは射精した。欲望を抑えずに生きる種おじにとって我慢することは悪である。何故射精を我慢しなければいけないのか。出さなきゃいけないから出すのであって、そこに我慢なんか挟む必要なんか無いのである。
そういうわけで口腔内に精液をぶちまけられた天使であったが、嫌な顔なんて微塵も見せない。むしろ幸せそうに顔を歪めている。
――天使の輪っかが段々黒く染まってきた。段々翼から羽が抜け落ちていく。
フェラチオを続ける彼女に、種おじは提案した。
そろそろ、"本番"をしないか、と。
天使はクリスマスプレゼントにWiiを与えられた子供のように、あるいはスマブラにロックマンが参戦することが判明したときの外国人のように。心底嬉しそうに跳ね回った。悲鳴を挙げていた頃の面影はどこにもない。
天使は進んで尻を差し出した。四つん這いになって種おじの方をチラチラと見てくる様は可哀想ですらある。
――天使の輪っかは黒く染まりきった。白い羽毛に覆われていた翼から全ての羽が抜け、蝙蝠の翼のような骨格が露になる。
勿論ここで躊躇するような種おじではない。無垢な少女の体に向かって、種おじは思いっきり男根をぶちこんだ。
「んひぃ!」
矯声。天使の体が大きく跳ねる。構わず、男根は上下運動を繰り返す。
ずっぽずっぽずっぽずっぽ。
「ひぃ……あ、あああ」
ずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽ。
「にょおお……あ、ああ、お、おほお!」
ずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽずっぽ……。
「あ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
○
そこは神聖な空間であった。神社の境内に差し込む木漏れ日のような神聖なる光。澄んだ空気に、古代ローマの神殿のような勇壮なる建物。
ここは神々が住まう空間である。そう断定されても疑うものはいないくらい、そこは神気に満ちていた。
種付けおじさんと、素っ裸の
「おほぉ……しゅごい、しゅごかったのぉ……」
腟内から精液を垂れ流しつつ、
種おじに完全に屈服した天使は、性欲の虜と成ってしまった。天使は神の使い。ましてやこの天使は水の女神アクアの部下。
浄化を司る水の女神の部下に、性欲に敗北した穢れなんていらない。というか、七つの大罪の一つに完全敗北した時点で天使として使い物にならない。
故に天使は堕天した。翼は蝙蝠のそれになってしまった。また真っ黒に染まった輪っかは割れてしまい、頭に突き刺さった僅かな破片を残して消滅してした。傍目から見たら、角が生えているようにしか見えない。
……とどのつまり。天使は悪魔へと堕天してしまったのである。
それも、性行為に定評のあるサキュバスに。
「わらし、これからはせっくすのことしかかんがえないでいきていくのぉ……。ぢごくで、さきゅばすとしていきていくのぉ……」
心がぶっ壊れた
が、思い出したかのようにサキュバスに問いかける。
――そういえば、天国に行かなくてもいいとか言っていたが。
「ああ……忘れてたぁ。異世界にチート特典を貰って転生するっていう選択肢が残されていたのぉ。これなら体も残るし、記憶も残るのぉ……」
種おじは手を叩いて喜んだ。何だ、じゃあそれ以外選択肢なんて無いじゃないか、と。
「ふふふ……。わらしに新しい世界を教えてくれたご主人様はそうゆってくれると思ってたのぉ。
わらしからのお礼と餞別として、特典は特別に二つあげるのぉ……」
種おじは仰天した。そんなことしていいのだろうか。スタンドが原則一人一つしか持てないように、特典も一人一つしか持てないのではないか。
「確かにそぉなんだけど、わらしはもう悪魔だから、天界規定に逆らったって関係ないの……。そんなものよりも大事なものを与えてくれたご主人様の方が、よっぽど大事なのぉ……」
そういうことなら拒む理由もない。種おじは言った。
――じゃあ、洗脳能力と時間停止能力が欲しい。
アクアの後任の天使がサキュバスになって、かつこの天使が後任を指定しなかったことにより空席状態に。
↓
原作でカズマさん以降転生者が登場しなくなる
っていう考察。
……各所から怒られそう。