俺は、はやてに会いに隊長室を訪れていた。
コンコンとドアをノックする。
「はい?」すぐにはやての返事が聞こえる。
「俺だけど」
「どうぞ?」
「失礼します」
俺は、敬礼と、共に部屋へと入る。
「弘義が急に来るなんて珍しいな?」
「うん。ごめん。ちょっと話したい事があって」
「そっか。もうすぐ仕事終わるから申し訳無いけど、ちょっと待っててもらえるか?」
「もちろん」
俺は、はやてに促され椅子へと腰を下ろす。フカフカの柔らかい椅子は予想以上に俺の腰を飲み込む。
流石は隊長室だ。
「それで話って?」
「ごめん。ちょっと真面目な話なんだ」
そう、俺ははやてに話を聞きにきたのだ。何故、シャーリーとのデートを許可したのか、はやての気持ちを
確認したかった。ちょっと聞くのが恐いが‥
無いと思うが、俺は嫌われてしまったのだろうか。最悪の想像ばかりが浮かんでくる。
「‥よし?弘義?!」
「はいっ!」
気がつくと俺は、はやてに肩を揺すられていた。
「どうしたんや?顔真っ青やで?」
え‥気がつくと、シャツはびっしょりと汗で濡れていた。
「じゃあ、行こうか?」
「え‥?仕事は?」
「こんな状態の弘義放っておけるわけないやろ?仕事はもう殆ど終わってるし、リィンにちょっと残業頼むわ」
ペロッと舌を出していたずらっ子のような顔をするはやては、今日も可愛かった。
「じゃあ、駅前の喫茶店にでも」
「ん。了解や♪」
そう言って微笑む彼女を見ていると、いつの間にか
心でうずいていたしこりは消えていた。
喫茶店にて、注文したブレンドに手をつけたところではやてが口を開いた。
「それで、話たい事って?」
「うん‥」
「言いにくい事なんか‥?」
俺が口ごもっていると、はやてが急かしてくる。
「なんで、シャーリーとデートするのを許可したんだ?」
「え?なんやそれ?」
予想外の返事に内心驚きつつ、話を続ける。
「今日、シャーリーに昨日の事で、礼を言ったんだ‥ほら、コンドーム‥とか」
俺が言いづらそうに言うと、はやても赤面しながら納得した。
「ああ‥」
「そしたらお礼にデート連れてけって言われて」
「それで、ウチの許可は貰ってあるって?」
はやての怒気が上がっていくのを感じながら、俺は頷いた。
「うん。それで、なんではやては許可したのかなって俺の事、嫌いになったのかなって、不安になって‥」
「してへん」
「えっ?」
「だから!デートの許可なんてしてへん!」
はやてはものすごく怒っている。
そしてはやては俺の顔を両手でそっと挟むと自分へと向かせる。
「弘義を嫌いになるなんて、死んでもありえへんから‥」
その言葉を聞いた俺の目からは自然と涙が溢れた。
「うん。ありがとう。俺も、はやてを嫌いになることは、死んでも有り得ないから!」
「うん♪」
そう言って、彼女はまるで花が咲くように微笑んだ。なにこれ‥無茶苦茶可愛い。犯罪的だ‥!
見ろよ?可愛いだろ?怒ってたんだぜ‥これ。
その後彼女は急に、下を向いてブツブツ言い出した。
「まさか、シャーリー師が‥裏切ったんか‥いや。始めから計画通りだったとしたら‥合点がいくな」「危なかった‥弘義が話しに来てくれなかったら、やられていたかもしれんな‥」
どこか不穏な事を呟いているはやて。
話の見えない俺は、少し冷めてしまったブレンドを口に運んだ。その時、急に声が響いた。
「あー見つけたですぅ~」
声の方を見ると、喫茶店のガラス張りの窓にリィンフォースが張り付いていた。
はやても驚きで声を失っているようだ。
リィンフォースは少々御機嫌斜めそうな表情で窓からこちらを恨みがましそうに見ている。何故だか、とても微笑ましい。
リィンフォースが窓から離れ、間もなく、喫茶店の店内に団体客が入ってきた。1人は燃えるような紅い髪を後ろで束ねた、凛凛しいという表現がピッタリくる女性肩で風を切りながら、こちらへ歩いてくる。
1人は肩迄伸ばした金髪のサラサラな髪をなびかせている、こちらは優しそうな女性、やはり一直線にこちらへ向かってくる。巨乳だ‥めっちゃ揺れてる‥やだ‥なに‥あれ?
1人は奨学生くらいの身長で、独創的なマスコットのぬいぐるみを帽子に縫い付けた、朱い髪の少女。どこかこちらを威嚇するように睨みながら、こちらへ歩いてくる。
えーと、皆様ご存知八神家の面々のご登場だちなみにリィンフォースはヴィータさんの帽子の上に腰を下ろしている。表情はしてやったり‥みたいなドや顔をしている。はやてが驚いているのが嬉しいのだろう。
「お邪魔しますね」
シャマルさんがこちらに声をかけてくる。
「アッハイ」
よくわからない威圧感に圧され、横にずれて席を空ける。はやてに密着する形になるが、お得感半端ない。はやても心無しか嬉しそうにしている。そう、何故か俺とはやては四人用の席に隣り合って座っていたのだ。なんでって?言わせんな恥ずかしい。
「この人が最近はやてちゃんのお気に入りの人ですよ~」
「ほう‥」
ヒエッ‥
シグナムさんの視線の温度が目に見えて下がった。
「意外とガッチリしてるのね~」
そう言いながら、シャマルさんが俺の身体をペタペタ触ってくる。あ、なんかいい臭いする‥
そこで、はやてが急に咳払いをした。
ハッとしてはやてを見ると、不機嫌オーラが立ち上っていた。
「やだ‥はやて、拗ねてる‥」
「拗ねてへん!」
「ほっぺぷっくりしてる‥」
スッと頬を差し出す。
そしてつねられる。
「いタタタタタタ」
つねり終わると、はやての機嫌は治っていた。
そんな俺達を八神家の面々はぽかーんと見ていた。
ヴィータ「どうおもう?」
リィン「とってもお似合いだと、思うのですよ~」
シグナム「魔力も無いやつに主を任せるわけにはいかん」
シャマル「はやてちゃんに先を越される‥なんて‥」
シグナム「やはり、根性を試すか‥」
シグナムさんが不穏な事を呟きながらレヴァンティンの柄に触れる。
ええ‥俺が戦々恐々としていると、はやてが口を開いた。
「心配せんでも、シャマルは医者やからな」
「それなんにも安心出来ないからね?」
シャマル「はーい♪風の癒し手、湖の騎士シャマルちゃんにお任せですよ」
ヴィータ「うわっキツッ」
ヴィータさんがポツリと呟く。
やめて差し上げろ。
シャマル「ヴィータのご飯はこれから一週間私が作るわね」
ヴィータ「」
その瞬間ヴィータさんが青白い顔でガタガタと震え出した。
なんだか気不味い雰囲気だ。俺はオロオロしながらなんとかフォローをと考えていた。
「シ、シャマルさんみたいな美人のお姉さんの手料理が食べられるなんて、ヴィータさんは幸せですね?」
ヴィータ「っはは‥そうだろ?羨ましいだろ?」
俺のフォローに気づいたのかヴィータさんも慌てて調子を合わせる。
シャマル「そんなことないわよーウフフフフ」
シャマルさんの機嫌は治ったようだ。
俺とヴィータさんはホッと一息つく。だがまだ終わっていなかった。
はやて「美人のお姉さんな?弘義はシャマルみたいなのが好みなんか?」
「うえっ?!」いつの間にかアングリはやてちゃんになっている。
「俺の好みは、はやてだけですが?」
「ふ、ふーん?」
そう言うと、はやては急に俺に寄りかかってきた。え?ナニコレ?俺が混乱していると、そのままはやては俺の膝に頭を着地させた。
「えーと‥」
膝枕するのはべつにいいのだが、流石に公共の場では、少し恥ずかしい。八神家の方方ぽかんとしてるからね。今日何度目だろうこの光景。
仕方ないかと、俺は苦笑をこぼし、はやての頭へそっと手を這わせ、そのま優しく撫でてやる。
すると、くすぐったいのかはやてがクスクスと笑いだした。
「なんだか不思議やな。弘義にくっついてると、凄くドキドキするんやけど、凄く落ちつくんや‥」
「嬉しい事をおっしゃる」
ヴィータ「なあ?誰か私のコーヒーに砂糖入れたか?」
八神家の方方の呆れたような視線すらも心地よい。つまるところ、はやてと一緒なら俺は何でもいいのかもしれない。
読んで頂きありがとうございます(*^^*)八神家の面々を登場させてみましたがどうでしたでしょうか?これじゃない感があったらすみません。
複数人での会話はstanにはレベル高かったです。読みにくかったと思います。力不足です。申し訳ない。それでも読んで下さった方方に心よりお礼申し上げます。それとお疲れ様でした。