だって、タイトルいちゃいちゃしたいなのに全然いちゃいちゃしてないんだもの。というわけでもうちょっといちゃいちゃさせたいと思います。そんなんええから早く完結させろや!って方もいると思います。申し訳ない。申し訳ないですが、もう少しstanの妄想にお付き合い下さいませ。
冬の寒空の中、朝から俺は走っていた。
今日ははやてからお誘い頂き、デートなのだ。
走っているといってもべつに遅刻しそうなわけではない。むしろ待ち合わせ時間迄はまだ30分はある。
誰でも経験はあるだろう楽しみ過ぎて待ちきれなかったのだ。それでつい早めに家を出てしまった。それだけでは飽きたらず、つい鉄腕DASHしてしまっているというわけだ。
やだ‥俺ってばはやての事好き過ぎ?
待ち合わせ場所につくと、案の定、まだはやては来ていなかった。今日はショッピングのお誘いだ。近場のモール迄は、電車で行く手筈になっている。駅の改札から駅構内の時計をボーっと眺める。待ち合わせ迄はまだ余裕がある。
早く来すぎだろ俺。
その時突然、後ろから衝撃が俺を襲った。
「お待たせ。弘義」
衝撃の正体ははやてであった。俺の首に腕を回し、まるでおんぶのように俺にもたれかかりながらはやてが言ってくる。
「全然待ってないよ!」
「お、おう」
元気良く答える俺にはやては若干引いているようだ。‥つらたん
「おはようはやて。今日も可愛いね」
するとはやては多少赤面しながら
「おはようさん,う、うん。ありがとう‥な」
少しどもりながら返してくれた。
「まったく弘義は‥嬉しいけど、他の子にはそういう事言ったらあかんよ?通報されてまうからな?」
「お、おう、マジか。もう言わないように気をつけるわ」
容姿褒めただけで通報されちゃうのかよ。凄いな俺。
「他の子には!言ったら、あかんよ?」
「お、おう。なんで二回言ったの?そんなに大事な事なの?あれ?若干ニュアンス変わってる?」少しむくれ気味なはやてに慌てて、フォローを入れる。
「分かったってもう言わないから」
「わかってへん!」
さらにお怒りモードに‥何故だ。
今日のはやては白いモコモコの長袖セーターに真赤なミニスカートに黒パンストといった出で立ちだ。うむ、やはり黒パンストは良いものだ。人類が次代に伝えるべき芸術だよな。今日は少し寒いから、気が立っているのかもしれない。俺は彼女の少し赤くなっている手を握る。
彼女は一瞬握られた手を不思議そうに眺めると、すぐに笑顔になり、歩きだした。
どうやら機嫌は治ったようだ。
電車に乗り込み、流石に手を離す、と、彼女の機嫌がまた悪くなってきた。
ええ‥まだご所望なんですか?
「‥流石に電車の中じゃ‥」
俺が説得を試みるが、
「ウチと、手、繋いでるんが恥ずかしいんか?」
「そんな事ないけど‥むしろはやては俺ノモノだと全世界に発信して回りたいけど‥」
「お、おう」
また引かれた‥つらい‥
まあ、御姫様がお望みなら仕方ない。俺が再び、手を繋ぐと、彼女はすぐに機嫌を治した。ニコニコしている彼女を見て、結局のところ、彼女が喜んでいるなら何でもいいかと、思っている自分に気付く。やだ‥もうバカップルの事馬鹿に出来ない‥
今迄爆ぜろとか思っててすんませんした。
しかし、これはなかなかなかに恥ずかしい。
「心がつらい‥」
はやてが真赤な顔で呟いた。
ええ‥
「まだ一駅も進んでないけど‥離す?」
「死んでも離さへん‥」
彼女がフルフルと首を振りながら答える。
死を決意してまですることじゃないんだよなぁ‥
しかし、俺もさっきから心臓の鼓動が凄い。
世の中のバカップルって凄いな‥こんな羞恥プレイを日常的にこなしてんのか‥
バカな‥やつらのメンタルは化け物か‥
電車が駅に止まり、お客さんがたくさん乗ってくる。俺ははやてを反対のドア側へ誘導し、彼女に覆い被さるように他の乗客からガードする。
俺の胸に顔を埋める形になっていたはやてはチラリとこちらをみあげ、
「フフ。めっちゃドキドキしてるな?」
「はやてが可愛いのがいけない」
俺が目をあわせて答えると、ボッと彼女の顔が一瞬で赤く染まる。
「弘義って時々むっちゃキザだよね?」
はやてがこちらをチラチラ見ながら言ってくる。
「嫌か?」
「嫌やないけど、他の子に言うたらあかんよ?」
「通報されるから?‥あれ?3回目?」
「そ、そうやで。私以外に言ったら則通報されるで」
「マジかよ。こええな‥現代社会‥」
そうこうしているうちに目的の駅に着く。
俺とはやては二人して駅に降り立つ。もちろん手は繋いでいる。
はやてはニコニコと俺の手を引っ張り急かしてくる。
「ほら?早く行くで」
「なのはちゃんやフェイトちゃんに聞いてな早くきたかったんや」
「よし。楽しむか」
俺も急かされるままに、走り出す。
出来たばかりのモールということもあって、人で溢れている。
「さて、どこから行こうか?」
「私が決めめてええの?」
「もちろん」
俺の答えを聞くと、はやては嬉しそうに俺の手を引っ張り始めた。
「一緒に選んでな?」
「戦力になれるかわからないけどな」
「弘義に選んで欲しいんや」
嬉しい事をおっしゃる。
彼女は、鼻唄を歌いながら、服を次々とカゴに入れていく。そして試着室の前へ行く。
「じゃあちょっと待っててな?」
うーん、なんだろな‥この手持ちぶさた感。
女性物のコーナーで一人になると、急に落ち着かなくなってしまう。慣れてないからな。ちかたないね。
キョロキョロと回りを見ていると、黄色いリボンに目がいく。なんだろう。はやてに似合いそうだなーと思うとすぐさま一本手に取り手早く会計を済ませる。喜んでくれるだろうか。このリボンをつけたはやてを妄想していると、試着室のカーテンが開いた。
「どうや?」
「ちょっと露出高過ぎない?」
「せやろか」
そういうと再びカーテンが閉じられる。
まだまだファッションショーは続くようだ。
眼福ではあるから、べつにいいのだが、あとどれくらい続くのだろう‥終わりがわからない‥というのは、なかなかにツラいものがある。飯はどうするかなぁ等と、このあとの予定について想いを馳せていると、
再び、カーテンが開いた。
「どや?」
「ドヤ顔がむちゃくちゃ可愛い」
「服をみんかい!」
彼女は朱に染まった頬を膨らましながら、カーテンを閉じた。再び俺はあるものを手に取り、会計へと向かった。
俺が試着室へと戻ると、ちょうどカーテンが開いた。
「どうや?」
「これ‥プレゼント」
俺がおずおずと会計を済ましたばかりの品物を渡すと、
「え‥」
俺が渡したのは水色のシンプルなデザインのストールだ。
その場ではやてがストールを羽織ってみせる。
うん、はやてにぴったりの色合いだ。
俺が一人で納得していると、
はやても鏡に向かって色々ポーズを取りながら、なにやら頷いている。
顔はむちゃくちゃニヤニヤしているのが、こちらとしても嬉しい。喜んでくれているようだ。
すると、またカーテンが閉じた。
そして、次に開いた時には、はやては来た時の衣装にストールを羽織った状態で、カゴに何点かの品物を入れていた。
こちらはお眼鏡にかなった品物なのだろう。
はやてからカゴを引き取り、更に先程買ったリボンを渡すと、はやては不思議そうな顔をする。
「これも似合うかもって思って」
そう言って、俺は会計へと歩き出す。
後ろでなにやらはやてがぱにくっているのが聞こえるが気にしない。
俺が会計を済ませて戻ると、彼女は鏡とにらめっこしながら、リボンを着けていた。
左側の前髪に巻きつけるようにリボンを付けた彼女は、角度を変えながら何度も鏡を見ていた。
「思った通り可愛いよ?」
俺が声をかけると、彼女はビクッとこちらを振り向き、
「あ、ありが、あり、が‥とう‥ありがとう弘義‥」
彼女は消え入りそうな声でお礼を言うと、最後に花が咲くように、微笑んだ。
うん。この笑顔が見れただけで、今日来た甲斐があった。
「これからどうする?ご飯でも行く?」
「うーん‥ラーメンはいかんで?」
はやては顎に指を置きながら首を傾げつつ、答える。
なにそれ‥むちゃくちゃ可愛いな‥
まるでMAP兵器だ。もちろん「魂」と、「必中」が掛かっている
なんなら「努力」と「幸運」迄掛かっている。
俺が複数人いたら残らず殲滅されていただろう。まさにはやては俺専用の決戦兵器だ。
と、俺が
はやてに虐殺されていると、はやてが俺の手をとり歩き出す。
しかし、はやて今度は先程迄とは違い、指の間に指を通し、いわゆる恋人繋ぎというやつだ。
お互いに照れて真赤になっている。
「なんか‥ええな‥」
「うん。なんか‥良いよな‥」
お互いの意志を確認しあいクスリと、ほぼ同時に笑い合う。手だけでなく心迄繋り合っていると感じ、嬉しくなったある冬の日だった。