イヴにはやてにプロポーズしてOKをもらって翌日。デバイスルームにて、俺は、ヴィータさんから届いたメールとにらめっこしていた。
メールにはこうある。
?「昨日につづいて今日もはやてと過ごすってホントか?‥‥‥‥‥‥‥‥どうしても?」
なんだかのっぴきならない感情が見え隠れして気になって仕方ない。
はやてに聞くか。
令室の扉をノックする。
「はーい?」
「俺だけど?」
「どうぞー」
「失礼します」
俺は敬礼をして司令室へと身体を滑り込ませる。
はやては俺の姿を認めると、
嬉しそうな顔で聞いてきた。
「どないしたん?ウチに逢いたくなったんか?」
「逢いたいのは否定しないけど。ちょっと気になる事があってさ‥」
そう言って俺は件のメールを見せる。
はやてはそのメールを見ると、タメ息をひとつこぼして、頭を抱えた。
「今日も弘義と過ごすやろ?」
「え?うん」あれ?今日も約束してたっけ?してないよね?
俺が戸惑っていると、
「過ごさへんの‥‥?」
はやてが顔面蒼白で聞いてくる。
今にも泣きそうな彼女に慌てて返事を返す。
「もちろん一緒に過ごすでしょ!当然だよ!」
あれ?そういえば、なのはさんにも誘われてたような‥ヤバい。
俺は脂汗が吹き出すのを誤魔化すように言葉を続ける。
「そ、それで?このメールはどう繋がるの?」
「うん?つまりな、昨日と今日の八神家の食事はシャマルが作るっちゅーことなんや」
「は?それだけ?」
それだけでこんな悲愴感漂うメールを送ってくるの?
「うん」
大仰に、まるで何でもないことのように頷くはやて。
「シャマル先生って‥‥そうなの?」
「せやで」
俺の具体的な事の何も無い問いにはやてが即座に頷く。
いやいや。たかが料理程度で、鉄鎚の騎士ヴィータさんがそんな‥ねえ?
「以前、」
何の前触れもなくはやてが語りだした。
妙な迫力に圧され、俺は黙って聞く。
「2日連続でシャマルの料理を食べたシグナムはその後一週間‥「かゆ‥うま‥」しか喋らんくなった。」
いやいや、それどこのラクーンシティー?バイオテロなの?
あのシグナムさんが‥シャマル先生‥恐ろしい人!
「それでしばらくたってようやく戻った思ったら今度は志摩子さん志摩子さん言うてな。私の事は祐巳さん言うし、あの時はほんとにどうしたらいいのかわからんかったわ」
は、はあ‥」
確かにそれがホントなら、これは正真正銘の危機だ。ヴォルケンリッター壊滅の危機だ。
あのメールは正真正銘のSOSだったのだ。流さないで良かった。
「ふむ。じゃあ‥どうしよっか?」
その時、弘義に電流走る!これだ!全てを解決する‥たったひとつの冴えたやり方。
「じゃあさ、今日ははやての家でパーティーしない?」
「え?ウチで?」
「うん。なのはさんやフェイトさんも誘ってさ。みんなでパーッとやろうよ」
ピシッ
「なのはちゃんとフェイトちゃんも誘って?」
あっヤバいか?!
くっ勢いで流せるかと思ったが、そう上手くはいかないか‥だがまだだ!まだ終わらんよ!
「うんそこでみんなに発表しないか?」
「発表?」
「うん。俺達結婚しますって」
「発表か‥」
そう呟きはやての目が泳ぎ出す。多分今、脳内で色々な計算をしているのだろう。しかしすごい泳ぎっぷりである。ドーバー海峡横断しそうな勢いだ。
「わかったわ。ほなそれでいこか。」
「うんありがとう。俺もヴォルケンリッターの面々のマジニ化は見たくないしな」
ザフィーラはなんか似合いそうだな。いかんいかん。流石にザフィーラに失礼だ。
「ほな今晩な」
「うん。楽しみにしてる。二人っきりはまた今度にね。俺達にはまだまだ時間あるんだし昨日もたっぷり愛し合ったしね。」
一応フォローとばかりにはやてに囁く。
それを聞いて真赤になる彼女。
今日もやっぱり彼女は可愛い。
司令室を後にしてデバイスルームへと歩き出すと、フェイト隊長と鉢合せした。
「ぁ‥弘義‥」
「ご無沙汰してます」
プール以来の邂逅に若干の気まずさを感じつつ、お互いに挨拶を交わす。
ちょうど良い。今晩の誘いをしてみるか。
「フェイト隊長、今日はクリスマスですけど今晩は何か予定がありますか?」
「え⁉️私?多分家でなのはとパーティーかな」
「そうですか。私もはやてとはやての家でパーティーをするのですが、良かったら御一緒しませんか?」
「え?大丈夫なの?」
「え?ああ。はい。はやてには伝えてあります」
「そっか‥そうなんだ‥うーん。わかった‥じゃあお邪魔させてもらおうかな‥」
「はいっ!。楽しみましょうね」
「‥っ!」
フェイトさんが、瞬間顔を歪めた。
どうしたのかなと、観察していると、プールの一件が甦る。
「‥あっ!すみません!俺って本当にデリカシー無くて‥」
「ふふ。良いんだよ。その代わり、あんまり油断してると、奪っちゃうからね‥!」
トン‥っと、俺の胸にひとさし指を当てるフェイト隊長。
「ばぁん‥!」
と、鉄砲を撃つ振りをする。
瞬間、俺の胸が高鳴った。だって撃った瞬間のドヤ顔くっそ可愛かったんだもの。
突然の雷神からの宣戦布告に、俺の心はしばらくざわついていた。
「あ、なのはさんも誘わないと。」
「なのはには私から声掛けとくから平気だよ」
「そうですか。すみません助かります。」
俺がフェイト隊長と別れ、ヴィータさんへ、メールの返信をすると、直ぐに返事は帰ってきた。
そこにはヴィータさんとリィン曹長の満面の笑顔(若干涙目)の写メが添付されており。とても眼福でした。とりあえずその画像は保護して仕事を片付けにデバイスルームへと戻る。デバイスルームへと戻ると、シャーリーが燃え尽きていた。ここ1ヶ月程ずっとこんな感じだ。白く干からびたようにイスにもたれ掛かっている。お前はどこの矢吹さんだ。俺に髪を剃って眼帯しろとでもいうのか。
元気付ける為にクリスマスパーティー誘ってやるかとも思ったが、こいつ俺とはやてとの件で色々な暗躍をしてたらしいんだよな
とりあえずほっとくか。