◇はやてside◇
私が玄関を開けると、そこには予想通り、なのはちゃんとフェイトちゃんがいた。
二人とも、覚悟を決めたような、挑戦的で真っ直ぐな表情をしている。
その顔を見て、私は悟った。
ああ、本気だ。この二人は本気で私から弘義を奪いに来た。
今日、決着を着けるつもりだ‥と。
私は正直迷っていた。
なのはちゃんもフェイトちゃんも私にとってはかけがえのない友人であり、恩人である。
その二人が本気で望むなら私は引くべきではないかと‥
いっぱい考えて悩んだ。
「選んだのは、闘って勝ち取って行く事。
見えない未来を、望んだ形に変えていく事」
私はもう迷わん!弘義がくれたこのリングに誓って!夜光の光よわが手に集え!
行くで!親友共!
「いらっしゃい。ささ入ってー?」
「「お招きありがとう。お邪魔しまーす」」
「邪魔するなら帰ってー」
するとなのはちゃんはズテーンと転ぶ。
「はやてちゃん相変わらずなの」
苦笑いしながらそんな事を言ってくるなのはちゃん。
「きちんとノッてくれるなのはちゃん好きやで」
「うん。私もはやてちゃん好きだよ」
私がなのはちゃんを起こそうと手をさしのべると、なのはちゃんはその手をしっかり握って、立ち上がった。
はやて「さっきのあながちボケでもないんやけどなー」
なのは「はやてちゃんったら冗談キツいの」
私達は手を握りあったまま笑い合う。
なのはちゃんがギュッと手を強く握ってくる。
私も強く握り返してやる。
ウフフ‥ウフフと笑い合いながらお互いの手を骨がきしむほどに握り合う。
何故か、フェイトちゃんはそんな私達をひきつった笑顔で見ていた。
「おーいはやてーどうしたー?」
そこへ、なかなか帰ってこない私を心配してか、
弘義がやってきた。
その瞬間、二人同時に手の力は抜け、
何事もなかったように弘義へと向き直る。
「ああ‥今行くわそれじゃ二人とも上がってー」
パタパタと弘義へと近付き、彼の腕を組む。
そしてチラリと後ろを向き、「ドヤア」ドヤ顔を披露してやる。
ギリッ!
なんか変な音がしたが気にしない。
弘義を連れてリビングへと戻る。
「なのはちゃん達来たからテーブルちょっと移すなー」
「弘義手伝ってー」
「ん。了解」
私達はいそいそと新しいテーブルの準備をしていく。なのはちゃんとフェイトちゃんを新しいテーブルへと案内し座らせる。
シグナ「高町。テスタロッサ良く来たな」
なのは「シグナムさんお邪魔してまーす」
フェイト「シグナム、久しぶり‥お邪魔するね?」
シグナ「邪魔をするなら帰れ」
シグナムはドヤ顔で言いはなった。
ピシッ。空気が凍った後、
なのはちゃんとフェイトちゃんは同時にひっくり返った。
ひっくり返ったもののとまどっている二人を見ながらシグナムが困惑していた。
そんな光景を見ながら、私は苦笑いしつつ、シグナムに声をかける。「シグナム。そのくだりはもうやったで」
「ええっ‥そうなのですか?すまない。高町にテスタロッサ」
若干頬を染めながら二人に謝罪するシグナムは可愛い。
なのは「にゃはは‥気にしないで?」
フェイト「うん‥慣れてるし‥」
はやて「フェイトちゃん?慣れてるってどういう意味や?」
フェイト「そのままの意味だけど‥?」
私の牽制にフェイトちゃんは小首を傾げて
なにか?
という顔で返してくる。
フェイト「はやてって普段は色々考えてちゃんとしてるのに、そういうの全部取っ払って良いってなったらすぐ暴走するし‥私となのははいつも振り回されてるもん‥」
親友の的確な指摘にぐうの音も出ん。
シグナ「ウチの主がいつも迷惑をかけてすまないな」そう言ってシグナムが二人に頭を下げる。
ちょっそういうのこっぱずかしいからヤメテー
私はいたたまれなくなり、準備の継続の振りをして、その場から逃げ出した。
「はやてー料理これで最後かー?」
と、弘義が最後の料理を運んできてしもた。
「せやな。あとは飲み物用意手伝ってな?」
「ほい」
弘義を一人でここにおいてくわけにはいかんからな。ここは獣の巣や。飲み物の準備をしながら、弘義に声をかける。
「弘義‥」
「んー?」
「今日はずっと‥私のソバにいるんやで‥?」
「了解」
弘義は軽く返事を返してくる。ホンマにわかってるんやろか。今日は、一瞬たりとも気は抜けないんやで‥。私がしっかりせんとな!
飲み物を持ってテーブルへと戻り。弘義と一緒に座る。すると、トテトテとヴィータが走ってきて弘義の腕に抱き付いた。は?いやいやいやヴィータ?何してるん?
すると弘義も弘義でそれが何でも無いことのように
ヴィータと会話を始めた。
え?私がおかしいんか?
◇弘義side◇
ようやく準備が終わり、俺とはやては一緒に席へと着く。
すると、
トンっと左側から衝撃が来た。と思ったらヴィータさんだった。
ニコニコ笑顔な彼女へと話しかける。
「昨日ははやてを借りてすみませんでしたね」
「今日来てくれたから‥いいよ」
「昨日はどうだったんですか?」
「シャマルの‥あいつの料理から‥いきなり触手が生えて‥抵抗したんだけど‥無理矢理‥うう‥」
「一人でよく頑張りましたね今日は俺も手伝いますから」
「うん‥ありがとう‥な‥」
震えながら涙ながらにお礼を言い服をギュッと握り締める彼女の頭を優しく撫でつつ、
え?ヴィータさんが勝てないモンスターに俺が何が出来るんだって?シャマルさんに料理させなければ良いんだろ?自慢じゃないが一人暮らし長いからな。料理くらいはそこそこできる。はやてもいるしな。
ふと、目を上げると、シグナムさんとフェイトさんとなのはさんとはやてで会話が弾んでいた。
話しの種ははやての暴走についてらしい。
まあわかる。はやては普段はしっかりしてるのに、そういうの気にしないでいいとなると、全部ぶん投げるからな。ストレス貯まってるのかなぁ。偉い人間には偉い人間なりの気苦労があるだろうし、俺がうんうんと頷きながら話しを聞いてると。はやてがジト目で睨んできていた。
「なに納得してるんや」
「んー?でも大体会ってるし‥」
フェイト「ほらね?」
フェイトさんが我が意を得たりとドヤ顔をしている。可愛い。
「俺も最近は慣れたけど、たまに置いていかれるし‥」
はやて「なっ⁉️」
俺の言葉にショックを受けたように赤面するはやて。
「この間、突然躍りだした時はどうしようかと思ったぞ」
俺の言葉に赤面しながら段々小さくなるはやて。可愛い。
シグナ「島津、ウチの主がすまないな‥」
シグナムさんが頭を下げてくる。
「いえいえ。そんなはやてが俺は好きなんで、全然気にしてないですよ」
「うーっ!」
はやてが唸り声をあげながらこちらへ抗議の視線を投げ掛ける。
ふう。とタメ息をつき、俺ははやてに頬を差し出す。と、つねられる。
「イチチチチ‥」
解放されて涙目ではやてを見ると、いつも通りムフーと、ご満悦であった。良かった。機嫌は直ったようだ。と、そこで周りが静まりかえっているのに気付く。ポカーンとこちらを見ている。
ヴィー「な、なあ?この前もそれやってたけど、いつもそんな感じなのか?」
「え?そうですね。大体こんな感じですね」
ヴィー「そ、そうなのか‥」
ヴィータさんはびっくりしているようだが何かおかしいかな?
はやて「さて、そろそろ乾杯しよか?」
はやての言葉に合わせて、各々飲み物を掲げる。
「えー、今日はお集まりいただきまして‥長い挨拶は嫌われるんで、とりあえず。メリークリスマス!」
「「メリークリスマス!」」
思い思いにチンとグラスを合わせて、飲み物を口に運ぶ。
「ヴィータさん。これ‥クリスマスプレゼントです」
俺は一応用意しておいたプレゼントをヴィータさんに差し出す。
ヴィー「ノロイウサギのぬいぐるみ‥!」
ヴィータさんは中を確認すると、目を輝かせて、ぬいぐるみを袋ごと抱きしめた。
喜んでくれたようだ。良かった。
「島津!ありがとうな!」
目に涙を滲ませてお礼を言ってくる彼女に俺はプレゼントして良かったと、嬉しさを噛み締めるのだった。
やはり良い子にはプレゼントせなあかんやろ。
まぁたまたま見かけて、思い立っただけなんだけどな。
そこでソッとはやてが手を握ってきた。
「弘義。ありがとうな‥」
ヴィータさんが喜んでいる姿を見て、彼女も喜んでいるようだ。
「これくらい何でもないよ?」
シャマ「あらあら‥うふふ。そうしてると三人ホントの家族みたいね?」
シャマルさんがからかってくる。俺もはやてもヴィータさんすらも、三人とも顔が真赤になっている。
丁度いいタイミングかなと、はやてに視線を送る。するとはやても頷いた。
それを受けて、俺は立ちあがり声を発する。
「えー。ちょっとここで俺から発表があります」
周りの目が一斉にこちらへ集まる。
うぐっと、少し怯む。
「昨日、俺ははやてにプロポーズした。そしてOKをもらえた」
そこではやてに視線を送る。すると、はやては立ちあがり、俺が送ったリングを嵌めた左手を掲げ、
「うん。ウチは、この弘義と、共に生きていく決意を固めました。皆様にはどうか、この未熟な二人を見守っていただければ、と思います。」
俺もはやてと共に、頭を深々と下げる。
そんな俺達を拍手が包んでくれた。
ヴィー「なあ?プロポーズってなんだ?」
シャ「弘義君が新しく、私達の家族になるってことよ」
「そうなのか。あたしは全然構わないぜ!はやても幸せそうだしな!弘義のことも嫌いじゃないし!」
なのは「ちょっと待ったーなの!」
フェイト「ちょっと‥!なのは!やめなよ!」
なのは「HANASE☆」
フェイトさんが止めようとするがなのはさんはフェイトさんを振り払い、更に言葉を続ける。
なのは「私は認めないの。こんな現実、粉砕玉砕大喝采なの!」
なのは「はやてちゃん。私と勝負して!弘義君を賭けて!」
パーン
その瞬間、フェイトさんがなのはさんをひっぱたいた。
なのはさんは叩かれた頬を抑えて、驚愕の瞳でフェイトさんを見ていた。
フェイト「ちょっと‥頭冷そうか?」
「痛い?」「でも、大切なものを奪われた人はもっと痛いんだよ?弘義は、はやてを選んだんだ
」
「なのはのやろうとしていることは、はやてだけじゃなく、弘義にもそういう痛みを味合せるって事だよ?」「私はそんななのはは見たくない!」そしてなのはさんはその場に崩れ落ちた。
「ごめんなさい‥」
消え入りそうな声で謝罪して帰ろうとするなのはさん。
「ちょいまち?」
そんななのはさんをはやてが呼び止めた。
不思議そうな顔ではやてを見るなのはさん。
「勝負はせんでええんか?」
「え‥」
「このまま終わったら‥しこりが残るやろ?ウチはそんなのイヤや。なのはちゃんは大切な友達やからな」
「はやてちゃん‥」
なのはさんは今にも泣き出しそうだ。
「それで、何の勝負をするつもりやったんや?」
「マリオカートとか‥」
「はあ、ごめんやったことないわ」
はやての家にはゲーム無いからな。
それを見越してチョイスしてるんだとしたら‥汚い!流石魔王!汚い!
なのは「じゃあ‥ポッキ―ゲームとか?」
それゲームってついてるけど、勝ち負け尋常じゃなく曖昧だからね?てか何?なのはさんとはやてでキスするの?ポッキ―ゲームと聞いてドキッと胸が高鳴る。なのはさんを見るといたずらっぽくこちらを見ていた。たまらず視線を逸らす。
「んー‥じゃあ王様ゲームする?」
「選択肢おかしいでしょ?」
堪らず突っ込んだ俺はわるくないはず。
「王様ゲームって罰ゲームの類いだとおもうんだけど‥勝ち負けよくわかんねえし‥」
なのは「うーん、じゃあ王様ゲームで弘義君を弄って楽しむの!」
はやて「それええな!」
ちょっと‥未来の嫁さんがソッコーOK出してるんだけど?しかも俺を弄る事前提になってるし、不安しか感じねえよ。
フェイト「じゃあ‥早くやろうか‥!」
フェイトさんが既に準備を整えている。なんでそんなヤル気なんすか‥
ワクテカしているフェイトさんに脅威を感じていると、フェイトさんの胸囲に脅威を感じる。
あ、今俺上手い事言ってない?
え?言ってない?
デスヨネー。
そして何故か王様ゲームがホントに始まるのだった。
どうかしてるぜ!
文字数怖いから一先ず投稿(´д`|||)皆様のお望みの展開になってるか自信はないですが、次回は一応最終回!の‥つもりです。長らくお付き合い下さいました皆様ありがとうございました(ノ´∀`*)