おはずかしながら、完結ロスに陥りましてw
寂しさを紛らわすために外伝として後日談を書いてみました。余計な事しやがってというかたもいるかもしれません。そこは申し訳ありません。
やがみはやてはマタニティでもいちゃいちゃしたい
春。新しい命が芽吹く季節。
俺は朝からコタツに入っていた。
暦の上では既に4月だが、まだまだ朝は肌寒い。
故に未だにしまえずにいるコタツに潜り込み、至福の時を堪能していると。
「あ~天国かここは?」今現在、はやてはこの家にいない。それもあって、俺は緩みきっていた。
と、刺すような視線を感じ、身体を起こす。
そこにはまるで汚物を見るような目でこちらを見ているヴィータがいた。
一緒に住み始めた頃はお兄ちゃんお兄ちゃんと、どこに行くにもついてきていた、あの天使はどこに行ってしまったのか。
「ヴィータ~ミカンとって~」
すると豪速球でミカンが飛んできた。
「田村みかんっ!?」
俺が華麗なる顔面キャッチを披露し、鼻に襲い来る激痛に悶絶していると、ヴィータがいつの間にかコタツをくぐって俺の隣に来ていた。そして俺の鼻をさすりながら
「いたいのいたいのとんでけ~」
「グハッ!」
俺の妹がこんなに可愛い訳がない。
どうしよう?これ可愛いすぎない?
お嬢様學校にサンプルとしてゲッツされそうでお兄ちゃん心配なんだけど。
俺はヴィータのお陰で痛みの治まった鼻をさすりながら、年末のことを思い出していた。
悪夢のようなクリスマスパーティーを過ごした後、え?お前いい思いしてただろって?あの後、はやてにこっぴどく叱られたからね?収支的には赤字だよ。てか、俺完全に巻き込まれた側だよね?それで怒られるのおかしくない?だが。口には出さない。惚れた弱味がなんとやらだ。その後、俺達は地球へと小旅行した。
グレアムさんに、結婚の挨拶をするためだ。
「へー‥ここが地球‥はやて達の故郷なんだ?」
「うん。なのはちゃん達の故郷でもあるけどな」
「ここって魔法普及してないんだよね?」
「そやで。」
「そこ出身の三人が三人共エースって凄くない?」未だに、魔法の才能のメカニズムは解明されていない。遺伝によるものが大きいくらいだ。例外は一応あるが。俺の両親も魔法は使えないしな。だからこそ、魔法の普及してないこの世界で生まれた三人の異質さが際立つ。
天より与えられた才。まさに天賦の才ということなのだろう。勿論本人の努力もあっただろう。しかし魔力の有無については、どれだけ努力しようが、関係ないのが現状である。
「ここや」
と、はやてが西洋風の家の前で立ち止まった。
ピンポーンとはやてが呼び鈴を鳴らすと同時に家のドアが開いた。
「はやて!よく来たな!」
白髪で口廻りにも髭を蓄えた老年の紳士が、とても老年とは思えないスピードで両手を広げながらこちらへ歩いてくる。この老紳士はギル、グレアム。元管理局の重鎮で、今は引退して隠居生活を営んでいるが、闇の書事件ではやてに深く関わり、その時の事を悔い、それ以後はやての援助をしてくれているいわばはやてにとっては親みたいな方だ。後ろに猫耳の美少女二人を従えている。
「ご無沙汰してます。」
はやてにならい、俺も頭を下げる。
「まあとりあえずはいってくれ」
促され、俺達は室内へと歩き出す。
広い応接間へと通され、各々座ると、猫耳美少女達が飲み物を運んできてくれた。
「それで、今日はどうしたんだい?年末年始の訪問ではないんだろ?」
「はい」
はやてが短く答えた後、俺の肘を肘で小突く。
ああ、俺が言うんすね。
「突然の訪問すみません。私は島津弘義と、申します。」俺は立ち上り頭を下げながら、自己紹介する。
「現在、八神はやてさんと交際させて頂いております」
「ほう‥」
その瞬間、目の前の老人から威圧感が発された。
今迄の好々爺然とした雰囲気はどこへやら、
顔をしわくちゃにして笑顔ではあるのだが
眼鏡の奧の両目はまるで笑っていなかった。
自分は今見定められている。
負けてたまるかと、その両目を見つめ返す。
永遠ともいえるかのような時間が過ぎ、俺が危うく目を反らしそうになった時、ポン。と俺の肩に手が置かれた。
そちらに目をやると、そこには猫耳美少女二人が笑顔で立っていた。だが、目は笑っていない。
「お前、何とうさまにメンチきってんだ」
ええ‥
突然猫耳美少女の一人が俺の背後に回り、羽交い締めにする。そしてもう一人が俺の正面で拳を振りかぶる。
「ボディが‥甘いぜ!」
その瞬間、俺の顔面に彼女のこぶしがめり込んでいた。
ボディじゃねえし‥
チカチカと脳で火花が散っているような痛みに俺は耐えていた羽交い締めされていなければ、即座に踞っていただろう。
羽交い締めされている事で背中に至福の感触が当たっていたことも一応記しておこう。
「‥ロッテ、‥アリア‥やめなさい」
「「でも、とうさま‥」」
二人が俺を解放する。
止めてくれてありがとうございます。でも、出来れば殴られる前に止めてほしかったっす。
いや。嘘です。猫耳美少女に殴られるとか我々の業界ではご褒美ですから。
「こほん‥それでな、今度私達、結婚します!」
はやてが咳ばらいをひとつして宣言してしまった。いやお前が言っちゃうのかよ。
「それにな‥ウチ‥」
と、はやてはそこで自分のお腹を愛しそうにさすりながら、おい‥まさか。
「お腹に‥彼の子が‥おるんや!」
な、なんだってー!
衝撃の発表に俺が固まっていると、突然、羽交い締めにされた。そして背中に当たる二つのお山。
あ。この感触は‥すると俺の正面にはやはり猫耳美少女が、大きくふりかぶって。
「歯、食いしばれ☆」
そして俺の腹へと、高速の拳が吸い込まれた。
今度はボディなのかよ。
「アリア、ロッテ。やめなさい」
そして図ったようなタイミングで止めてくれるグレアムさん。もうあなた絶対確信犯でしょ。
てかむしろ念話とかで指示してない?そして羽交い締めが解かれる。
背中に当たっていた感触が無くなった為、リジェネの効果も無くなった俺は、耐えきれず、その場に崩れ落ちた。
「弘義ー!いややー!死なんといてー!私とこの子を置いていかんといてー!」
いや。死なねえよ。はやてさんなんか楽しんでるでしょ。
すると。はやてが急に俺の手をつかんで自分の胸に当てた。
「ほーら弘義の大好きなおっぱいやでー」
身体に10秒チャージ。はやてのおっぱいは最高だぜ。俺がすっくと立ち上がると。がっしと、羽交い締めがされた。
え。またっすか。
俺がげんなりしていると、バインドが俺の脚に巻きつき肩幅に開かせ、固定される。すると正面では、猫耳美少女が屈伸していた。
「姉者。スカイラブハリケーンで行こう。」
「わかった」と、羽交い締めが解かれる。がバインドはそのままなので、俺は動けない。
そして俺の後ろから正面に回り、部屋の端迄ゆっくり歩いていく。
ナニがハジマルンデス?
「お姉さま。あれを使うわ」
「ええ。よくってよ」
なんかキャラチガクナイッスカ。
そして、彼女はこちらへ走り出した。
すると、正面にいた彼女が、仰向けに寝転がり、膝を曲げ、両足を上に向け、ググっと力を溜める。あ、パンツ見えた。
走り込んだ彼女が高く飛びあがり、その着地点には寝転がった彼女の両足が、その両足に着地した瞬間。寝転がった彼女が両足を空へ蹴りあげた。
その勢いで天井近くまで飛んだ彼女は
天井に手と足をつき更に、勢いをつけて、こちらへ跳んでくる。
「うわあああああああ!!」
突如、雄叫びをあげる彼女。
「すぅうぱぁあああ!イナズマぁあ!」
「キぃいック!!」
あ。これガチで死んだわ。
物凄い勢いでこちらへ向かってくる足を見ながら、
ピンクか‥等とjpgファイルを脳内フォルダにしまっていると俺の前に一人の男が飛び出した。
ザフィーラだ。
「はあああああ!」
気合いを入れて、両腕をクロスさせてキックを受け止めるザフィーラ。
「ぬううううううっ!!」
だが勢いを殺しきれず、足を踏ん張りながら、後ろへと押されだす。
「やらせはせん!やらせはせんぞおおおお!」必死に耐えてくれているザフィーラの背中を見ながら、俺は涙が溢れだすのをとめられなかった。
「もういい!もういいよザフィーラ!これ以上はお前がっ‥!」
すると、ザフィーラがこちらを肩越しに見ながら、
「お前は家族だ。家族を守るのは当然だろう」
おお‥ザフィーラ‥ありがとう‥
帰ったら、新しい散歩コース開拓しような!
「ロッテ。アリア‥やめなさい」
そして、おやくそくのようにグレアムさんが二人を止める。
いや。だからさ止めるならもっと早く止めてよ。弘義知ってるよ。さっきはやてのおっぱい揉んでた時こめかみに青筋浮かべてた事。
だが今はそんなことどうでもいい。
「はやて‥ホンマでっか?」
「ホンマやで」
「でかした!」
家族が増えるよ。やったね弘義。
俺は感極まって、はやてを抱きしめる。
抱きしめた途端、はやての目から涙がこぼれる。
「どうした?どこかいたいのか?」
俺がわたわたしていると、彼女はゆっくり首を振って、
「なんや‥こんな幸せでええんかなって‥」
「良いに決まってるだろ!まだまだ幸せにするからな!覚悟しろよ!」
「うん。期待してます‥弘義‥ありがとうな」
俺はそこでグレアムさんに改めて頭を下げる。
「絶対に幸せにします!はやてさんを僕に下さい!」
「ああ。任せた。はやてを
‥幸せに‥してやってくれ‥」
そう言ったグレアムさんの瞳はとても優しかった。「はい!」
何かとても重いバトンを受け取った。そんな気がしていた。
それから俺達は早々にミッドに帰る事にした。
グレアムさんは夕食を一緒にと誘ってくれたが、はやてのつわりが始まってしまった為、固辞した。
とりあえず海鳴大学病院へ、石田先生に看てもらおうということになり、俺達は病院へと、直行した。シャマル先生にも来てもらい、はやてが診察を受けている間、俺は待合室でずっと考えていた。勿論これからの事だ。
やがて診察が終わり、俺達は石田先生と対面していた。
「おめでたです。おめでとう」
「ありがとうございます!」
「4ヶ月ってところね。順調に育ってると、思います」
「出来る限りバランス良く栄養をとらせるようにしてください」
「後、胎動で、夜眠れない事があるかもしれません。そういうときは昼寝などで睡眠自体はきっちりとるように」
「はい」
俺と共に、はやても頷く。
「まだ入院の必要はないけど、出来れば仕事は産休とってね」
「わかりました」
「後は何かわからない事があったら、些細な事でもいいからいつでも遠慮なく連絡してらっしゃい」「この病室は空いてるから、少し休んでいきなさい」
「「はい。ありがとうございます」」
二人で揃って頭を下げる。
「私、皆に連絡してくるわね石田先生にも少し医体調管理の点で聞きたい事あるし‥」
石田先生とシャマル先生が退室して、俺ははやてに向き直る。
先程考えていた俺達のこれからを話し合う為に。
「はやて‥式とハネムーンは落ち着いてからにして、
とりあえず年内に入籍だけしちゃわないか?」
「うん。それでええで」
「後は局関係の手続きは‥情けないけど、俺がはやての扶養家族になるってことでいいかな?」
「ま、仕方ないやろ」
「年賀状で結婚の報告もするとして、はやてが自分で書きたい人をピックアップしといてもらえるか?」
「フォーマットは俺の方で明日中に作ってくるからチェックよろしく」
「了解や」
「はやての仕事の方は‥以前ストーk‥秘書活動してたから、リィンに手伝ってもらえば、事務的な事はなんとかこなせると思う」
「なにがどう転ぶかわからんな」
「ホントだな」くすりとお互い小さく笑う。
まさかストーkしてたことが吉とでるとは。
過去の自分が無駄じゃなかったとあって嬉しくなる。
「子供の名前だけど、はやては希望とかある?
「弘義は?」
「男だったら。久歳。女の子だったら‥まだ考えてない。可愛く育ってくれるような名前がいいな」
「そやな‥祝福の追い風‥みたいな名前がええわ‥」
「ふむ‥」
「追い風なら順風とも書けるし、順子とか?」
「祝子(のりこ)とか?」
「うーん、悩むなぁ‥ちょっと考えとくわ」
「ん。了解」
「あとは‥ベビー用品とかは一緒に選びたいよね体調良い時に一緒に行こう」
「入院の準備はネットで調べて、俺がしとくね」
くそこで、くすりとはやてが微笑む。
「どうした?」
「頼もしい旦那樣やなって」
「惚れ直した?」
「うん。これ以上惚れようないんやけど」
そう言って微笑む彼女は、母親になったからだろうか、以前より素敵に見えた。俺はまた彼女を好きになってしまった。
コンコン。
俺達が微笑み合っていると、病室の扉がノックされた。石田先生だろうか?
「はい?」
「フェイトです」
「どうぞ?」
そしてドアが開き、
「「どうも~」」
自分たちで拍手をしながらフェイトと、シグナムが入ってきた。二人ではやての前に立つ。
俺とはやては当然ポカーンとしている。
フェイト「いやいやいや、シグナムはん。今日はおめでただそうでね~」
シグナム「めでたいですね~」
フェイト「妊娠。というと色々大変ですよね~」
シグナム「大変?なにがですか?」
フェイト「夜のプレイも出来なくなっちゃいますから!旦那さんも貯まって貯まって‥そら大変ですよ~」
シグナム「あ~確かに。大変ですな~」
シグナム「でもそこはね!奥さんも大変な時なんやから、旦那さんにも気張ってもらわんと!」
フェイト「いやいやシグナムはん?そうはいうても、旦那さんもまだまだお若い方ですから?」
フェイト「男性の方は溜まると大変らしいですから!」
シグナム「大変?何が大変ですのん?」
フェイト「何って‥そりゃナニがですがな!」
フェイト「溜まるとね~色々誤作動とかも起こすらしいですよ?」
シグナム「誤作動?何が誤作動しますのン?」
フェイト「いやいや、さっきからゆうてるでしょうが!ナニが!ナニ‥g」
シグナム「言わせねーよ?!」
シグナム「どうしたんですかフェイトはん?何で今日そんなに下ネタにハングリーなんですか?」
フェイト「ちょっと!なのは!この脚本ナニさ!」
するとなのはさんがドアからゆっくり入ってきた。なのはさん脚本なのかよ。
なのは「ナニってナニnの‥」
フェイトシグナム「「言わせねーよ!」」
「「もうええわ!どうもありがとうございました!」」
そしてお辞儀をして三人が頭をあげる。
はやてはずっとケラケラ笑っていた。
シグナム「主‥高町、テスタロッサ感謝する」
なのは「ううん。はやてちゃんがよろこんでくれたなら私も嬉しいの」
「脚本、なのはさんなんすか‥?スゴイですね?」するとなのはさんは若干顔を赤らめて、
「急な話しだったから突貫工事ではずかしいの。」
「急だったんすか」
「うん。昼にシグナムさんから急に念話が来て、おめでた用のネタを書いてくれっていわれて、流石に焦ったの
」
フェイト「シグナム。練習頑張ってたもんね」
練習したのかよ。確かに、新喜劇のお約束すら出来なかったシグナムである。たどたどしく何でやねんの練習をしていたあの頃からは考えられない。
なのはフェイト「「おめでとうはやて(ちゃん)」」
「うん。二人ともおおきにな」
「シグナム。ちょっと」
俺はシグナムを呼んで、部屋を出る。
「今夜、騎士全員集めておいてくれ。緊急家族会議だ」
「承知した」
シグナムと別れ部屋に戻ると、はやてとなのはさんとフェイトさんがキャッキャッしていた。
「あー三人とも?すまないがここは病院だ。もうちょい静かにね?」
「「はーい」」
「はやて、俺ちょっと石田先生に話聞いてくるわ」
「うん」
妊娠は週刻みで、体調とか変わるらしいしな。大まかなスケジュールだけでもきいとこう。
入籍の書類は今日作成して、明日出しいくか‥あ、はやて一緒に来たがるかな‥後で聞くか。
そんなこんなで俺の嵐のような一日は過ぎて行った。
石田先生に話しを聞いて、出産予定日はおよそ半年後、5月辺りらしい。となるとハロウィンの時だろうか。やれやれと胸を撫で下ろす。昔、「お前9月産まれ何だって?じゃあお前は両親がクリスマスの時にノリで作った子供なんだな!」とか言ってきた時の村田の下卑た笑顔は忘れない。9月産まれはみんなクリスマス作成とか頭涌いてんのかとも思ったが、ああいう輩は構うと付け上がる真正かまってちゃんなので無視しておいた。まあともかく自分の子供がそんな思いをすることがないのは良いことだ。
俺が病室に戻ると、なのはさん達は既におらず、ベッドで寝ているはやてがいた。彼女の手を握り、寝顔を眺める。俺はがまん出来ずにはやてに軽い口付けを落とした。するとはやてが目を開けた。
「ごめん。起こした?」
「寝込みを襲うなんてひどい人やで」
「寝顔見てたら、嬉しくなっちゃって‥」
「嬉しく?」
「俺の恋人はこんなに可愛いんだって」
「奥さんじゃないん?」
「うーん。今も変わらず恋しい人だし、」
俺がそう言うと、はやては真赤になり、布団を被る。だがすぐに目だけだして、
「‥ばーか」
と、言ってきた。なにそれ可愛い‥はやてはいつまで経っても可愛いな。身体は可愛いでできてんのかな。無限に可愛いを作り出す、俺の恋人は最強だわ。
「ひどいな。俺は夫婦になってもいつまでも、はやてとは恋人のようにいたいんだけどな」
「大丈夫や。きっとウチらなら大丈夫‥」
「弘義、大好きやで」
「うん。俺も。」
「あ、そうだ。今日この後、入籍の書類書いて明日出しにいくけど、はやて一緒に行く?」
「うん。行きたい」
「そう言うと思った」
俺の言葉に彼女は照れ臭そうに笑う。
この笑顔を守る為なら、これから先どんな辛い事だって耐えられる。
俺がソッと唇を寄せると、彼女もすぐに応じてくれた。
ご希望があるようでしたら、続けようと思います。