◇はやてside◇
深夜。私はおなかに痛みを感じて、眠りから覚めた。
ごりごり‥
んんっ。今日はよく動くなぁ‥
赤ちゃんが動いて、こうして夜中に起こされるのは初めてではない。眠れないのは辛いが、元気に育っているようで嬉しくなる。と、そこで、自分のおなかに手が置かれていることに気付く。見ると、ベッド横で弘義が寝ていた。少し目立つようになってきた私のおなかに、優しく手を添えながら、
赤ちゃんが元気なのはこれが理由かと苦笑する。パパを感じているのかもしれへんな。
すると、弘義は寝ぼけながらも手を動かし、お腹を擦る。その手はとても優しくて、私はとても暖かい気持ちになる。すると、その手がするすると上に移動して、パジャマのボタンの間から、中に滑り込み、
あ。こら。
ムニュッ
「ぁんっ」
弘義は本当におっぱいが好きやな。
しょうのない人やで。
すると、揉まれた事が原因かわからないが、赤ちゃんが更に暴れだす。
あ、ちょっと‥そんなに蹴ったらあかん。
私が痛みに黙って耐えていると、弘義が起きた。
「大丈夫か?すごい動いてるな‥」
「誰のせいやと思ってんねん」
「え?」
頭の上にハテナマークを浮かべて、弘義が聞いてくる。
「これ!」
私がいまだに私のおっぱいを掴んでいる、弘義の手を指差すと、
弘義はあたふたとし出す。
「えっと、すまん?」
ようやく手を離す弘義。
まったく‥困った旦那様やで。
「眠れそうか?」
彼が心配そうに声をかけてくる。
「うーん。多分?」
「眠くなるまで話でもしようか?」
そんな提案をしてくれる彼に私は嬉しくなる。
自分も朝からすることいっぱいあるのに、それでも私を優先してくれる彼がとても愛しい。
「弘義も寝ないともたんで?」
「ばっか。はやてと話せる事以上に俺を癒す事なんかないし」
その言い方はずるい。
「ふ、ふーん?ほな仕方あらへんな?」
「そう。仕方あらへんねん」
彼の優しさがとても嬉しい。
私は身体を包むような彼の優しさでとても心がぽかぽかして、もう赤ちゃんの胎動はきにならなくなっていた。
「明日さ、はやての体調が良かったら、ベビー用品とか、色々買い出しに行きたいなって」
「ええな‥なんやそんなん言われたら、余計わくわくして寝れなくなるわ‥」
するとクスリと彼は苦笑して、私のお腹を、優しく擦る。
「弘義は親バカになりそうやな」
「ん?そうかな?」
絶対そうやわ。
そして彼は擦るのをやめ、ポン‥ポンと、リズミカルに私のお腹を、あやすように優しく叩く。
その手のリズムが、とても気持ち良くて、私は多幸感につつまれながら、微睡みへと身を任せ、意識を落としていった。今夜はよく‥眠れそうやわ‥