といってもなぁ…あの二人相手にどうしたもんやろか…うーん、とりあえず介入してから、かんがえよか。
「やあ‥奇遇やなぁ‥」
声を掛けると三人が一斉にこちらを向く。
「うっ‥」
三人の視線にさらされ、多少たじろぐ。
なんのこれしき。
六課部隊長をなめるんやないで!
「ウチもたまには、食堂で食べようおもてなぁ。あ、一緒していい?」
「もちろんかまいませんよ。」
彼が席を立ち、嬉しそうに迎えいれてくれる。
こういう所がカワイイ。
すると彼は向かいの席に行き、イスを引いて、手を差しのべてエスコートしてくれる。
なんや照れ臭いな‥
「ありがと」
礼を言ってそこに座る。
そこで彼が席に戻ろうとする。
その瞬間、脳内に先程のシャーリーの言葉が響いた。
「フェイトさんにきをつけて下さい」
その瞬間、頭が高速で思考を始める。
まるで、いつもの任務の時のように‥
スッと目線を上げて、席順を確認する。
と、同時に、彼の腕を掴む。
訝しげに彼がこちらを見てくる。
「君はここや。」
そう言って、自分の隣を目で指す。
「了解」
有無を言わせぬ、私の雰囲気に彼はすんなり受け入れる。
これによって、彼をフェイトちゃんから引き離し、自分が隣になれる。
うん‥これこそが、神の一手やわ。
私が自分の成果にドヤ顔を披露していると、フェイトちゃんがこちらを睨んできている。
ふん。と、鼻を鳴らして、その視線を受け流す。
文句があるならかかってきいや。
さて‥まずは小手調べや。
まぁ、これで終わってしまうかもしれんけどな。
先程シャーリーに言われた事を、自分なりにアレンジし直して、より二人にダメージを与えるように‥なのはちゃん、言葉借りるで!
夜天の主は、恋も全力全開や!
「ああ。弘義君?」
「はい」
「今夜、夕食作りにいったるから、夜は真っ直ぐに帰るんやで?」
「はぃ‥はいぃ?」
私の放った言葉で、三人の動きがピタッと止まった。
なんやおもろいなぁ。
「この間はだいぶ酔っ払てたしなぁ。もっかい、素面の時に遊びに行きたかったんや」
「」「「ちょっと待っ(つの)たあ~!」」
すると、二人がハモって乱入してきた。
「二人とも、食事中は静かにな」
「「ごめんなさい‥」」
二人はシュンとしながら、謝罪してくる。
「じゃなくて!どういう事なの?この間とか?」
いち早く、再起動したフェイトちゃんがなおも問い質してくる。
へえ。意外やな。なのはちゃんがくるかと、思ったわ。
なるほど、なのはちゃんはまだ、自覚してないと、いったところか。なら、好都合やわ。
不屈のエースオブエースも、目標が定まってないなら、相手にならんわ。
と、未だにフェイトちゃんと私を交互に見てオロオロしているなのはちゃんを鼻で笑うと、私はトドメを刺しに行く。
すまんな。二人とも。
だけど私も負けるわけにはいかんのや。
「どういう事もなにも、言った通りやで」
「二人にはまだ言うてへんかったな‥」
いざ宣言するとなるとやっぱりちょっと恥ずかしいな。顔が熱くなるのを感じながら、私は言葉を紡ぐ。
容赦は出来ん。ここで二人には脱落してもらうで
そして、私は、ジョーカーを切った。
「私。弘義君と今付き合ってるんや‥」
二人の動きがピタリと止まった。
「うそ‥」
「うそやないで、」
ああ‥親友二人のこんな顔見たくなかったなぁ。
ごめんなぁ。絶望したような顔の二人は、ゆっくりと弘義君に顔を向けると、
「本当‥なの‥?」
震える声でなんとかそれだけ絞り出した。
弘義君はまわりを気にしながら、こちらへ視線を向けてくる。
彼の危惧を察した私は、苦笑してゆっくりと頷く。
「本当です。」
そして二人を真っ直ぐ見て、答えた。
まるで時間が止まったかのような静寂が場所を支配した。どれくらい時が経ったか、わからない頃に、フェイトちゃんがゆっくりと、口を開いた。
「‥そう」
一言だけ。呟いた。その一言に色んな感情が込められていて、私はいたたまれなくなる。
ごめんなぁ。ごめんなぁ。
私が脳内で謝っていると、いつの間にかフェイトちゃんは何処かへ歩いて行ってしまった。