※この作品はR-18です。

八神はやてといちゃいちゃしたい①   作:stan

9 / 40
八神はやてといちゃいちゃしたい⑤終

 

カタカタと、薄暗い室内にキーボードの音が響き渡る。

「主任?」

「ん~?」

 

「今日早めに上がらせて貰っていいですか?」

「いいよ~。」

「感謝します。」

 

「いいよ。いいよ~。今別に忙しくもないしね~」

「まあもう少ししたら忙しくなるだろうけどさ」

「そう言えば新人のデバイス作成するんでしたっけ?」

「そう。それも4つも。まだ術者のデータ取れてないから、作業出来ないけどね~」

「そう言えば、デバイス作成、なんで俺に回したんですか。」

「主任より良いもの作る自信なんかないんですが」

「ん~?いやぁ久しぶりに弘義のデバイス作成見たいなぁって」

「私にとっても刺激になるし、やってみせてよ?」

「はやてにも受けるって言っちゃったし、まぁやりますよ。」

「ありがとねー」

 

軽い感じで感謝され、多少イラつく。

俺は、少し焦っていた。

はやてが何時に来るのかわからないからだ。せめて部屋くらい掃除したい。

特に男子の嗜みの本はなんとか隠し通さなければ!

 

「じゃあすみませんがお先に失礼します」

「お疲れ様ー」

 

        ◇シャーリーside◇

そそくさと帰る彼を見つめながら、今日のお昼の事を思い返す。

 

すると、無意識に唇の両端が上がってしまう。

 

ここまで計画通りに進むとは‥!

邪魔な二大エースは、はやてさんが潰してくれた。追風が吹いている。やはり彼は私と結ばれる運命なのだ‥‥!

 

「オーホホホ!オホホッ!オホホホーホホー!」我慢出来ずに高笑いをしてしまう。ハッとして周りを見渡し、誰もいない事を確認する。

しかし、お昼のはやてさんと言ったら、完全に私を信頼しきっていた。それを思い返すと、また笑いがこみ上げてくる。

このまま、はやてさんの信頼度を稼ぎつつ、彼との距離を少しずつ詰めていく。案ずる事は無い。

ジョーカーは既に手中にある。なに、多少ははやてさんにもいい夢を見せてあげよう。

待っててね。弘義。

私がふと視線をあげると、モニターには自分の顔が写っていた。その顔はまるでゲマのような嫌らしい笑みを浮かべていた。

いけない。いけない。ハッとして私は慌てて、顔を手で揉みほぐす。こんな顔、弘義にはとても見せられない。

       ◇弘義side◇

足早に自宅に帰りついた俺は、垂れる汗を拭おうともせず、掃除を始める。

お宝本の隠し場所の前に立ち、思考する。このまま、隠しておくべきか、それともいっそ棄ててしまうか。

お宝本を出して、ベッドの上に拡げる。全部棄てるのはいささか勿体ない気がする。

厳選するか。

まずは持ってるだけで殺されそうな、この金髪ツインテールと、栗色のポニーテールのおんなの子が表紙の本は処分しよう。

この茶髪のショートカットの子と、茶髪のロングの眼鏡っ子はとっておこう。

そうと決まれば、残す二種類を

隠し場所に放り込み、棄てる二種類をヒモで厳重に結ぶ。さて、ゴミ捨て場にダッシュだ。入り口のドアの覗き穴から、外を伺う。

「こちらスネーク、今からミッションを遂行する。」

[こちらに向かっているであろう、はやてと鉢合せする事なく、ついでに御近所さんにもあまり見られないように、エロ本をゴミ捨て場に廃棄するんだ!スネーク!]脳内に響くカズヒラの声に了解と返しながら、再度覗き穴を覗く。異常なし!

流れる汗を拭いながら、一度唾を飲み込む。そして、ひとつ深呼吸をすると、ドアを開け、一気に外へ転がり出る。遮蔽勿のあまり無いステージに舌打ちをひとつこぼす。

そして手早く周りを確認する。

手摺りから身を乗り出し、表を確認する。はやての姿はまだない。

その事実に少し安心しながら、立止まってる暇はないと、外へと通じる階段へと走り出す。この建物は普通のマンションタイプ。階段を下りれば、そこはエントランス。エントランスを出てぐるりと建物の周りを回った所にゴミ捨て場はある。

仕事を早く終わらせた為、今の時間帯には住人と、外で遭う事はほぼ無いだろう。エレベーターよりも階段の方が早いかと、

跳ぶように階段を駆け降りる。ほどなく一階に到達する。エントランスを抜けて、外壁に背を着けながらジリジリと回り込む。ようやく、ゴミ捨て場の通りへと出る。ゴミ捨て場の周りには誰もいない。視界、クリアー!手に持つお宝本を確認する。足もまだ動く。オールクリアー!クラウチングスタートの体勢をとり、足に力を溜める。

ゲットセット。

ゆっくりと尻を持ち上げる。

ゴー!

 

俺はゴミ捨て場に向かって、ダッシュした。

 

やり遂げた。もう‥ゴールしてもいいよね?

ゴミ捨て場迄もう少し

!というところで路地の先からこちらへ向かって曲がってきたはやてが視界に入った。手には夕食の材料だろうか、スーパー袋を持っている。

 

あかん!

はやてを視認したと同時に無意識に俺はジャンプしてしまった。空中で俺は思考を巡らせる。

 

今この瞬間の最適解はなんだ?

まずは最悪の事態を潰す。チラリと手に持っているお宝本を見る。

やむを得ん!空中で身体をひねり、回転する。

 

ここだ!

 

そして

ゴミ捨て場目掛けて、手に持つお宝本を投げこんだ。そのまま、回転しながらスタイリッシュに着地を決める。

俺がすっくと立ち上がると、目の前にはポカーンとした顔ではやてが立っていた。

なにそれ‥可愛いな。

「えーと‥何してるん?」

「えーとスラムダンクごっこ?」

 

「ふーん‥」

チラチラとはやてがゴミ捨て場を確認している。

ゴミ捨て場の中には、衝撃の為かヒモがほどけ、て表紙が丸見えになった2冊のお宝本が見えていた。サーっと血の気が引く音がして、脂汗がだらだらと出てくる。

 

俺は、はやての顔が見れず、はやてに背中を向ける。

 

 

なんたる事だ‥

なんたる事だ!

ガシッと肩に手を回され、はやてが横に立つ。

 

 

 

「さあ‥説教や‥!」

俺はぼろぼろと出てくる涙を拭う事さえ出来ずに俺は震えていた。

「なんて日だ!!」

「やかましいわ!アホ!」

この光景を見ていたマンションの住人に二人は夫婦と勘違いされるのだが、それは別の話。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。