【ラブライブ μ's物語 Vol.2】僕らのバイブ 君との愛撫 作:スターダイヤモンド
『Can't stop lovin'you! ~花陽ちゃんへの愛が止まらない~』の『先輩禁止(にこ編)第62話~第63話の間に起こった『裏ストーリー』です。
にこの葛藤 その1
にこの隣で寝息を立てているのは、今日一日を、彼女の妹たちの面倒を見て過ごした…小泉花陽…だ。
ふたりは一緒にベッドに入ると、少しばかり過去のことや、これからのことを話して…どちらからともなく眠りへと落ちっていった。
そう、にこも一旦は熟睡していたのである。
だが…なんとも言えない夢に襲われ、ハッとして目を覚ましたのだった。
ふと、時計に目をやるが、体感ほど針は進んでいない。
随分グッスリと寝た気がしたが、ベッドに入ってからまだ、2時間ほどしか経って居なかった。
美容と健康の為、睡眠時間には充分気を使うにこではあるが、一方で幼い妹たちの世話をしてから学校に出掛ける彼女は、実は早起きをそれほど苦にしていない。
一旦、起きたら、わりと直ぐに頭も身体も動くタイプらしい。
起床時間を気にするあまり、必要以上に早く目を覚ましてしまうこともよくある。
バイオリズムがどうこうよりも「早く起きなくちゃいけない」と、ある種の強迫観念に囚われているのだろう。
ナポレオンは3時間しか寝なかった…と言われているが、彼女もどちらかと言うとショートスリーパーなのかも知れない。
もっとも、今は別に時間が気になって起きたわけではない。
「!?」となるような信号が、脳に送られてきたからだった。
「…あぁ…暑い!暖房点けて寝たんだっけ?…」
いつもは独りで寝ているベッドだが、今日は違う。
隣に花陽がいる。
夏はとうの昔に過ぎだが、36℃強の熱源に接していれば、そうなるのは必然である。
にこはベッドから抜け出し、部屋の電気を点けた。
慣れない子守りを終え、相当疲れたのだろう。
突然の眩しさにも、花陽はピクリともしない。
何事もなかったように、規則正しく、小さな寝息を立てている。
きっと今は、どんなに大きな声で叫んでも、どんなに激しく身体を揺さぶっても起きないだろう。
泥のように眠る…とは、まさにこのことを言うのね…と、彼女は思った。
花陽は仰向けになり、真っ直ぐに身体を伸ばして寝ている。
その寝姿は、彼女の実直さを表しているようだった。
「どんだけ真面目なのよ!」
にこは呆れたという顔しながら、しかし
「まぁ、そこが好きなんだけどね…」
とすぐに表情を崩した。
彼女が鼻で呼吸する度に、掛けた羽布団が上下に揺れる。
特に、にこにはない豊かな胸元のせいで、その動きは余計大きく感じられた。
「それにしても…エライものを持ってるわね…」
にこは花陽のそこを凝視する。
そして、自分のそこに目を移す。
「…」
しばし無言のあと、
「はぁ…ま、まぁ…今更どうにかなることじゃないし…」
と、彼女は一度深いため息をつき、自分に言い聞かせるように呟いた。
「…この時間にシャワーってワケにもいかないわよねぇ…」
そう言うとにこは、汗だくになった自分の身に着けているものを脱ぎ去り、タオルで身体を拭き、下着と…一度は花陽に貸し出して「小さい」と返却されたパジャマ…に着替えた。
「それにしても…さっきの夢…」
ベッドに入る前に、一旦、そこに腰を掛けたにこは、目覚める瞬間のことを思い出す。
「とても…人に言えないような内容だったような…」
にこはそれを見たから、ハッと目を覚ましたのだ。
しかし、それがどういう内容だったか、具体的には覚えていないらしい。
夢とは不思議なもので、直前まで見ていたハズなのに、起きた途端、記憶から消え去ってしまうことが多々ある。
見た内容を記録可能になれば、どれほど面白い作品が出来上がるのだろうか。
「確か…虎太郎(こた)が出てきて…どうなったんだっけ?…あ~スッキリしない!」
にこは…そこまで必死にならなくても…というほど、足掻いたのだった。
~つづく~
この作品の内容について
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