悪神の魂を宿した兵藤一誠 作:岩喰う
全員が自己紹介を終えて着替えを済ませた後、僕は話を切り出した。
「お姉さん達って神様なの?」
その問いかけに対してアンラお姉さんがこう言って来る。
「うん、神様。」
そう言いながらアンラお姉さんは僕を膝の上に乗せて頭を撫でて来る。
撫でられるのなんて何時ぶりだろう、そう思っているとアンラお姉さんがこう言って来る。
「一誠はこれからどうしたいの?」
「これからって?」
アンラお姉さんの言葉を聞いて疑問符を浮かべていると、アエーシュマお姉さんがこう言って来る。
「復讐に生きるか、自由に生きるかという事だ。」
アエーシュマお姉さんの言葉に僕はこう言った。
「復讐って何?」
「復讐というのは簡単に言えば仕返しですね。」
僕の問いかけにマナフお姉さんが教えてくれた。
「じゃあ、僕は復讐に生きるよ。」
その言葉にアンラお姉さんは膝から降ろして座らせると、僕の前にお姉さん全員が傅きこう言って来る。
「一誠がそれを望むのならボク達はそれを全て肯定する。」
「一誠に全てを捧げよう。」
「一誠を苦しめる者、虐げる者には絶望を。」
「一誠の存在を否定する者には死よりも凄惨な地獄を」
「一誠に敵対する者は無慈悲の破壊の鉄槌を」
「一誠を拒む者は暴虐を」
「一誠の加護を受けし者には情愛と寵愛を」
「一誠の復讐の意思は我等の意思」
「一誠に宿りし我等がゾロアスター教の悪神の名に誓って」
「「「「「「「「「一誠の願いを叶えよう!!!」」」」」」」」」
お姉さん全員が息ぴったりにそう宣言した後、タローマティお姉さんが僕にこう言って来る。
「一誠、今からお前にワシらの力を与える。」
それを聞いた僕はこう言った。
「神様の力って渡す事が出来るの?」
そう問いかけると、アパオシャお姉さんがこう言って来る。
「普通は出来ないんだけどね~、一誠には僕達の魂と適合出来てるから出来るんだよ~。」
そう言いながらアパオシャお姉さんは僕を抱き上げる。
すると、アンラお姉さんが近づいて来てこう言って来る。
「それじゃあ、ボクから渡すね。」チュッ
「へ?」
一瞬、何が起きたのか分からなかったけど、キスされた事が分かった。
アンラお姉さんがキスした後、他のお姉さん達も僕にキスという方法で力の譲渡をしてきた。
それを終えると、僕の顔は真っ赤になっていた。
すると、アンラお姉さんがこう言って来る。
「一誠、それじゃあ一旦現実世界に戻ろう。」
「へ?」
いきなりの言葉に僕はまたもや呆けてしまう。
「ここは一誠の心の中だからな、現実の世界とはまた違った世界なのだ。」
「ここが僕の心の中か、なんか変な気分だな。」
アエーシュマお姉さんが説明をしてくれる中、僕は心の中についての感想を言うのだった。
「それじゃあ、一誠の意識を現実世界に戻すよ。」
「うん。」
アンラお姉さんの言葉に返事をした瞬間、僕の目の前は黒にへと染まった。
「・・・う、・・・ううん。」
僕が目を開けると、そこには何もない空間が広がっていた。
「ここはどこ?」
そう言いながら周囲を見渡していると、頭の中からアンラお姉さんの声が聞こえてきた。
『一誠、聞こえる?』
「アンラお姉さん、聞こえてるよ。」
僕がそう返事をすると、アンラお姉さんがこう言って来る。
『今、一誠がいる所は私達が作った異空間の中に居るの。』
「異空間・・・。」
『そう、異空間。』
アンラお姉さんの言葉に僕はそう言うしかなかった。
すると、そこへアンラお姉さんがこう言って来る。
『一誠、まずはご飯食べよう。』
「それには賛成だけど、お金が無いよ。」
アンラお姉さんの提案に賛成するが、金が無ければ無理だ。
すると、ドゥルジお姉さんがこう言って来る。
『それなら私の力を使うといいわ。』
「ドゥルジお姉さんの力って?」
『私は【虚偽】と【不浄】の力を持ってるの、この【虚偽】の力を使えば簡単にご飯を食べる事が出来るわよ。』
ドゥルジお姉さんの説明を聞いて僕はこう言った。
「分かった、ドゥルジお姉さんの力を使えばいいんだね。」
『そうよ。』
その会話を受けた後、僕は異空間の中から出て飲食店へと向かうのだった。
「ふぅ~、もう食べられない。」
そう言いながらファミリーレストランから出てきた僕はある親子連れを見つける、それは俺の母親と弟だった。
その二人の姿を見た瞬間、胸の中からどす黒い何かが溢れて来る感覚があった。
『一誠!!』
アンラお姉さんの大声が頭の中に響き、意識をハッとさせる。
「どうしたの、アンラお姉さん?」
僕は小声でそう言うと、アンラお姉さんがこう言って来る。
『一誠、今は我慢して。』
「どうして、すぐそこに復讐の相手がいるんだよ。」
『力の行使には文句を言うつもりは無いが、その後はどうする気だったんじゃ?』
アンラお姉さんの次はタローマティお姉さんがそう言って来る。
『確かに復讐するのなら早い方がいいが、ワシらの力を攻撃に使うにはかなりのリスクが付いてくる。』
「リスクって何なの?」
僕は不機嫌そうにそう言うと、アエーシュマお姉さんが説明してくる。
『我らは神なのだ、しかも悪神という危険な存在でもある。その存在はこんな所で力を解き放てばどうなるかくらいは検討が付くであろう。』
そう、僕の身体に居るのは悪神という存在で、その力は計り知れない。
『それにゾロアスター教には悪神と対をなす存在・善神というのがいる。それを力の扱いに慣れていない一誠では一瞬で消し飛ばされてしまうぞ。』
善神、悪神とは対の存在。
「それじゃあ、力の扱いを覚えればいいの?」
『あぁ、一誠お前が我らの力を使いこなせば問題は無い。』
アエーシュマお姉さんは俺の問いかけにそうはっきりと言い切った。
それなら、やる事は一つ。
「じゃあ、使い方教えてよ。それであいつらに復讐してやる!!」
こうして、僕は悪神の力を使いこなすべく修行に入るのだった。