悪神の魂を宿した兵藤一誠 作:岩喰う
黒歌と白音という二人の新しい家族を得る事が出来た僕・兵藤一誠は二人へのプレゼントを買いに駒王デパートに来ていた。
服などの日用品に関しては既に本人達を連れて直接選んで貰っ
て手に入れたのだが、その際に黒歌には散々下着選びで揶揄われてしまったけど…。
せっかく家族になったのだから何か贈り物をしたいと思うのは変だろうか?
いや、そんな事は無いはずだと思いたい…、そんな不安を抱きながら僕はプレゼントを選んでいく。
ちなみに、今黒歌と白音の二人はアークディウスの指導を受けて戦闘力向上と猫魈としての力を高めていく修行に勤しんでいる。
その理由はいつまでも守って貰ってばかりでは居られない、僕の隣で一緒に戦いたいからだとか。
そう言ってくれるのは嬉しくは思うけれど、二人が傷つくのは見たくないなと考えながら商品を物色していると、あるものを見つける。
それは黒猫と白猫のキーホルダーだった。
確かに、二人を表しているがありきたりかもしれないと思ってしまうのは僕だけだろうか…。
そこで、僕はある事を思いついた。
それはこのキーホルダーにある仕掛けをする事にしたで僕はキーホルダーを持ってデパートを後にした
そして、僕は家族の待つ亜空間にへと戻ってきた。
すると、そこにはアークディウスの指導を受けて疲れ切っている二人が倒れ込んでいた。
それ程迄に自分を追い込んで成長しようという意思は見事だと思うけど、どこかしら荒れ放題になっているのはどういう事だろうか…?
「あっ、イッセーにゃ‼」
「イッセー兄様‼」
「ただいま黒歌、白音」
「おかえり(なさい)、イッセー(兄様)」
黒歌と白音が僕に気付くと嬉しそうに声を出してくるのを見て思わずホッコリとしてしまう。
「お帰りなさいませ、イッセー様」
「あぁ、ただいまアークディウス」
その後、僕に声を掛けて来たのが二人を指導していたアークディウス。
「それで、二人の力はお前から見てどう思った?」
僕がそう聞くと、二人はビクッとさせながらアークディウスの言葉を待つ。
すると、アークディウスが口を開く。
「そうですね、猫又の上位存在である猫魈であるのも加えて黒歌さんの実力は中々のモノでした。しかし、嵌め手や搦め手も多いので純粋に自身よりも強力な力の持ち主には弱いですね。次に、白音さんは圧倒的経験不足です。これについては経験を積んでいくことで解消されるでしょう」
「そうか、分かったよ」
アークディウスの悦明を聞いて僕はこう言った。
「それじゃあ、今度は僕が相手になってあげる」
そう言った瞬間、黒歌と白音の顔が青くなった。
「どうしたの、顔真っ青だけど?」
「イッセーが特訓相手じゃすぐに動けなくなるにゃ」
「姉様の言う通りです」
「ガーン‼」
まさかの拒絶に僕は床に膝をぶつけながらも平然としていたが、不思議な事に心が痛かった。
「それに、イッセーには成長した私達を見て欲しいから待っていて欲しいのにゃ」
「そうです、兄様には見守っていて欲しいんです」
そうか、二人の意思は固いんだな。それなら仕方が無いなと思いながら立ち上がってこう言った。
「そういう事なら分かったよ、頑張れ」
「えぇ」「はい」
僕の言葉に二人は笑みを浮かべるのだった。
そして、僕は懐から例のキーホルダーを取り出した。
「これ、二人へのプレゼント」
「これはキーホルダーかにゃ、どうして急に?」
「二人が僕の家族になったから何か一つ贈り物をしたいなと思ってね、それでキーホルダーにしたんだ。しかも、それにはある仕掛けがしてあって二人が危機的状況になると僕が召喚されるって言う仕掛けがしてあるんだ」
「凄いですね、兄様」
「そういう事なら遠慮なく貰っておくにゃ」
二人はそう言ってキーホルダーを受け取ってくれた。
「それでは、修行を再開しましょう」
アークディウスの言葉に二人の表情は真剣さを帯びていた。
「そういう事だからもうしばらく外でゆっくりしてくるにゃ」
「この修業が終わったらご飯を食べましょう」
「分かった、あんまり無理をしちゃだめだよ」
そう言って僕はまた現実世界にへと出かけるのだった。
とはいっても、現実世界に来た所で今は何をするか決まってはいないから暇を持て余すしかない。
すると、僕の元に二人の眷属がやって来る。
「主、お供させてくれ」
「右に同じ」
そう言って来るのはヴェファルとルヴォニクスだった。
「分かった、許可する」
二人がいる事に別に気にしなかったので許可を出して場所を移動していく。
フラフラと気の向くままに歩いていくと、両親と共に歩く子供が目に入る。
「俺も今頃なら父さん達と…いや、もうどうでもいいや」
俺は目を閉じ、こう言った。
「俺は復讐のために生きる、それだけだ」
その宣言を聞いていた二人の顔が悲しそうなことにも気づかずに…。