※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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大規模作戦 終

大規模作戦が始まり、約三週間が経過。

大規模作戦は大詰めを迎え、帝国軍は深海艦隊の本隊に攻撃を開始した。

だが、今回の深海艦隊の旗艦は新種だった。与えられた名前は、南方戦艦新棲姫だ。

今まで確認されてきた南方方面の戦艦棲姫より、能力がかなり高い姫級だった。

この南方戦艦新棲姫との戦いは、苛烈の一言だった。

最終局面まで来た提督達の艦隊にも、少なくない被害が出て、中には資源の面から作戦を断念した提督も多数居る。

そんな中、祐輔の艦隊は奮戦し、南方戦艦新棲姫を徐々にだが追い詰める事が出来ていた。

だが

 

『ぐあっ!?』

 

『武蔵! ぐうぅっ!?』

 

『武蔵、長門被弾! 大破!!』

 

「連合艦隊、撤退してください」

 

首里連合艦隊の火力を担当していた長門と武蔵の二人が被弾し、大破。それを聞いた祐輔は、即座に撤退を決断し指示を出した。

そして祐輔は、残資源量が記載された書類を見て

 

「……ここまでですね……」

 

と目を閉じた、作戦に合わせて持ってきて、更に随時遠征を出して補充してきた資源だったが、燃料と弾薬が底を突いた。

 

「……僕は本部に向かい、これ以上は無理と伝えてきます……帰還した艦隊にも、これ以上の出撃は無いということを伝えてください」

 

「分かりました……」

 

残念だが、祐輔の艦隊はここまでだった。

南方戦艦新棲姫の周囲に展開していた深海艦隊の大部分を削り、更には南方戦艦新棲姫にも幾らか砲弾を叩き込んだが、肝心の資源が無ければ戦えない。

祐輔は割り振られたテントから出ると、ラバウル泊地の司令部を目指した。

そして司令部に到着すると、祐輔は最高司令官として来ていた武仁に歩み寄り

 

「長官。当鎮守府の資源が底を突きました……申し訳ありませんが、自分の艦隊はここまでです」

 

と告げた。すると、それを聞いた司令部詰めの作戦参謀の一人が立ち上がり

 

「どうせ、臆病風に吹かれたのだろう!? 途中で脱落など認めるか! 今すぐ戻って指揮を執れ!!」

 

と怒鳴った。だが

 

「……君は、彼の艦隊の戦果を把握してないのか?」

 

と武仁が、静かだが威圧しながら問い掛けた。するとその参謀は、少し気圧されながらも

 

「そんな若造の戦果など、大したことなど」

 

と言って、別の将校が差し出した祐輔の艦隊の戦果が記載された書類を受け取り、読んで固まった。

そして、数秒すると

 

「こんな戦果、偽りに決まっている! 本当の戦果を言わんか!! 階級を上げたいが為に偽るなど、言語道断だ!!」

 

と祐輔に詰め寄り、襟首を掴んだ。その直後

 

「大佐、そこまでだ」

 

とその側頭部に、拳銃が突き付けられ、更には周囲を憲兵隊が包囲し、小銃を照準した。

 

「国木田憲兵大佐、貴様! 向ける相手が違うだろ!」

 

「いや、大佐で合っている……大佐、彼を知らないのか?」

 

国木田憲兵大佐の問い掛けに、再度祐輔の顔を見た大佐は

 

「こんな若造など、知らん!」

 

と告げた。それを聞いた国木田憲兵大佐は、ため息混じりに

 

「……長官、この大佐は情報収集不足が過ぎますね……仮にも上官の襟首を掴むなど、本来は有ってはいけない事……更に、彼ほどの有名な提督を知らぬなど……」

 

と武仁を見た。

 

「……上官? ……な、中将!?」

 

国木田憲兵大佐の言葉を聞いた大佐は、改めて祐輔の階級章に視線を向けて固まった。何せ、祐輔の階級は大佐より二階級も高い中将だったからだ。

 

「こんな若造が中将など、あり得ない! 貴様、何度偽りの戦果を報告した!?」

 

大佐はそう言って、腰の拳銃に手を伸ばした。だが

 

「それ以上はやめよ、大佐」

 

鞘に入った状態だが、武仁が首筋に刀を当てた。

 

「ちょ、長官……! なぜ……!」

 

「貴様を、現時刻を持って一時任を解き、更に上官侮辱罪を適用し、拘束させる……彼の事を、牢屋の中で知るのだな……国木田憲兵大佐、連行させよ」

 

「はっ……武器を押収し、連行しろ!」

 

大佐は武仁を見るが、武仁は冷静に国木田憲兵大佐に指示を下し、国木田憲兵大佐はその指示に従って拘束するように指示した。

国木田憲兵大佐の指示に従い、憲兵隊は大佐の腰から拳銃とナイフを押収すると手錠して連行していった。

それを見送りながら、祐輔は乱れた服装を整えた。

 

「榊原提督……確認するが、先の申告は本当だな?」

 

「はっ……こちらをご確認ください……燃料と弾薬が、最早底を突きました……これ以上は、経戦は難しいです、申し訳ありません……」

 

武仁の問い掛けに、祐輔は大淀が纏めた資源量が記載された書類を手渡した。それを一読した武仁は

 

「……確かに、これ以上は無理と判断する……榊原提督、此度の作戦の貢献は評価する……先駆けて、そちらの艦隊にこれらの艦娘を配属する」

 

と秘書艦の霧島が差し出した書類を、祐輔にそのまま手渡した。それを受け取った祐輔は、一読してから

 

「はっ! ありがとうございます!」

 

と敬礼し、司令部から退室した。祐輔の艦隊が離脱して二日後、南方戦艦新棲姫は大打撃を受けて戦域から離脱していったのが確認された。

こうして、大規模作戦。星一号作戦は幕を下ろした。

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