大井達が乗る二式大挺が襲撃を受けていた時間、鎮守府は慌ただしくなっていた。
「二式大挺一番機からの通信途絶!」
「何が起きた!?」
「通信自体に、酷いノイズがあります! ジャミングされたと思われます!」
祐輔からの問いかけに、通信将校は機器を操作しながら答えた。恐らくだが、何とか通信を繋げようとしているのだろう。
通信将校の報告を聞いた祐輔は、少し黙考してから
「二番機と三番機の発進用意! 秘匿武装の使用も許可する! 敵対する者は、例え友軍だろうが撃破!」
と声高に命じた。その指示を受けて、更に動きが慌ただしくなる。そこに
「提督殿、遅くなりましたであります」
とあきつ丸を筆頭に、神州丸とまるゆが現れた。
「どうでした?」
「当たりでありました。一派閥が、独断で部隊を動かした形跡があります」
祐輔の主語を抜いた問い掛けに、神州丸が胸元から手帳を取り出しながら答えた。それを聞いた祐輔は、僅かに間を置いてから
「……旧統帥派ですか?」
「その通りであります」
「その中でも、艦娘など不要と豪語する過激派が動いたようであります」
以前のクーデター未遂事件により、統帥権を失った旧統帥派。その中でも、更に過激派の連中が勝手に動いているようだ。
「既に殿下は、その者達に対して国家反逆罪を適用しようとしています」
「……殿下が」
どうやら、悠陽もその一派の動きを掴んでいて、国家反逆罪を適用しようとしているらしい。悠陽も、頭に来ているのかもしれない。
「それと、未確認なんですが……」
そこまで言うと、神州丸が祐輔に耳打ちし、それを聞いた祐輔は目を見開いた。
「……なるほど……それなら、殿下の動きにも納得した」
神州丸の話を聞いて、納得した。
それは、旧統帥派の艦娘不要派は、一人の少女。
非公開だが、実は悠陽には双子の妹が居るのだ。
それが、御剣冥夜だった。姓が違うのは、冥夜は煌武院の臣下の家系たる御剣家に養子に出されたからになる。
これは煌武院だけでなく、五摂家全体になるが、双子が産まれた場合、家督争いになるから死んだことにするのが暗黙の了解になっていた。
それは、悠陽と冥夜も例外ではなかった。
しかし、悠陽は冥夜を大事にし、出来るだけ様々な事を裏で融通してきた。
その冥夜を利用しようとしたのならば、悠陽は断じて許さないだろう。
「……」
祐輔が黙考していると、通信将校が
「提督、大本営から通信です!」
「繋いでください」
祐輔が指示を出した直後、祐輔の目の前のパソコンのモニターに長官の姿が映った。
「長官」
『すまない。こちらの把握が遅くなった……先ほど、殿下からの通達で、陸軍第六師団は全員に国家反逆罪が適用された……今しがた、こちらも部隊を編成。向かわせる途中だ』
どうやら、長官も事態を把握しているようだ。こうなれば、後は早いだろう。
「……すいません、長官。今現在、我が艦隊の搭乗した二式大挺一番機と通信が途絶しています。もう少し疑うべきでした」
『いや。CSARを担当することになったのだから、仕方ない』
祐輔の言葉に、長官が励ました時
「提督! 長距離通信に反応がありました! このコードは……二式大挺一番機の物です!」
と通信将校から、驚きの報告があった。
「な!?」
『こちらに繋げよ』
「はっ!」
予想外だった為に祐輔は驚き、長官が通信を繋げるように促した。するとノイズ混じりではあったが、確かに大井の顔が見えた。
「大井さん! 無事ですか!?」
『なんとか、大丈夫です……IFFに応答の無い疾風の奇襲がありましたが、私の判断で秘匿武装を使用し、撃破……今、鎮守府に帰投してる途中です』
大井の無事を確認した祐輔は、安堵のため息を吐きながら椅子に深く腰かけた。すると長官が
『既に攻撃していたか』
『長官!? 今回の迎撃と撃破は、私の独断です! 提督に一切責任は!』
『責任は問わない。その機体は恐らく、陸軍第六師団に配備されていた機体だろう。構わない』
大井が弁明しようとしていたら、長官はそのように言った。大井が混乱していると
「大井さん。陸軍第六師団は、いわばクーデターを起こしたんです。それにより、国家反逆罪が適用されました」
と説明した。それを聞いた大井が安堵していると、レーダー士官が
「レーダーに感アリ! ……二式大挺一番機の反応です!」
「誘導を開始! しかし、油断するな! 総員、警戒態勢を厳に! それと、二式大挺二番機と三番機の発進は中止!」
レーダー士官の報告を聞き、祐輔は新たに指示を下した。まだ、問題は終わっていないのだ。
『榊原提督。ワシの権限で命ずる。以後、近づく不審か船・飛行機が確認された場合、即座に攻撃せよ』
「はっ! 了解しました!」
今、帝国全土は厳戒態勢に入った。
どういう話を書いてほしいですか
-
戦闘多め
-
日常多め
-
エロ多め