※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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合流

海鳴鎮守府では、第六師団と海鳴鎮守府所属部隊が激戦を繰り広げていた。

双方共に強化外骨格と歩兵が入り交じった機械化混成部隊で、使用する武器弾薬は同じである。

この時、第六師団はある施設に向けて進撃していて、それを陸戦部隊を率いていた神代冬也中佐は気づいた。

 

「こちらグラウンドにて交戦している神代中佐。敵の狙いは、食糧生産プラントだと思われる! 敵は恐らく、食糧生産プラントを制圧し、長期籠城戦をしようとしていると思われる!」

 

『それは確かなんか!?』

 

『こちら、共に交戦しているフェイト・T・ハラオウン少佐です! 神代中佐の考えている通りと判断します! まだ正門付近と食糧生産プラントのトラックは健在な為、制圧した後に生産してある食糧を運び出そうとしていると思われます!』

 

第六師団は食糧生産プラントの周囲に停めてあるトラックには、一切攻撃していない。そこから、自分達で使おうとしているのは確かだ。

更に言えば、第六師団はグラウンドまでまっすぐ来ていた。その途中途中にも、海鳴鎮守府の大事な施設があるが、第六師団は大した人数は割かず、食糧生産プラントに過半数を投入している。

そう見ると、第六師団の考えは明らかだ。

食糧生産プラントを制圧・占拠し、食糧を確保して運び出そうとしている。

 

『させたらあかん! 何としても、食糧生産プラントを死守するんや!!』

 

「了解している!」

 

『何としても、守ります!』

 

はやての指示を受けて、冬也とフェイトは部隊に守備を徹底させた。

確かに海鳴鎮守府の陸戦部隊もかなり鍛えた部隊だが、相手は仮にも陸軍。陸戦では、相手の方に一日の長がある。ジリジリと迫る第六師団。

その時、プロペラの音を聞いた冬也は上を見た。

そこには、数機の大型ヘリが見えた。

 

「いかん! 空挺部隊か!」

 

少し離れた位置から、味方の対空機銃座による対空射撃が始まるが、そこに攻撃ヘリが機銃を掃射し、沈黙する。

 

「くそっ! フェイト!」

 

『うん!!』

 

冬也はフェイトと呼吸を合わせて、降りてくる大型ヘリに強化外骨格の30mm機銃を撃つが、大型ヘリの数が多く、対処が間に合わない。

続々と降下を始める人員、冬也も冷や汗を流し始めた。

しかしその時、甲高いジェット音が鳴り響き、全員の頭上を数機の戦術機がフライパスした。

反射的に、冬也はその戦術機のIFFを確認し、驚いた。

第一初音島鎮守府所属、第一戦術機甲大隊所属、トライアド中隊と表示された。

 

「トライアド中隊!?」

 

『初音島の!?』

 

『トライアド1より、海鳴鎮守府の部隊に通達する! これより、敵部隊に対して掃射を開始する!』

 

トライアド1、直哉機から通信が聞こえた直後、トライアド中隊はヘリ部隊や地上の歩兵部隊に対して一斉に砲撃を開始した。

次々と放たれる36mm徹甲弾、120mm榴散弾、400mm散弾砲が圧倒的破壊力を発揮し、凄まじい勢いで第六師団を撃滅していく。

そんな時、冬也は後方から更に反応が接近していることに、レーダーで気付き、振り向いた。

それは、最初は気付かなかったが戦術機部隊が下ろした二機の強化外骨格だった。

 

「このIFF……!?」

 

『裕也にティアナ!?』

 

そのIFFを知っていた冬也とフェイトは、驚いた。何せ、元海鳴鎮守府所属で今は初音島鎮守府で陸戦部隊の隊長役の裕也と副官になったティアナだったからだ。

二機は背中から補給物資のコンテナを下ろし

 

『初音島鎮守府より、救援に来ました』

 

『遅くなり、申し訳ありません』

 

と謝罪した。そのコンテナの中から、様々な種類の弾薬や銃。医療品が見える。

 

「八神大将。今しがた、初音島鎮守府から戦術機部隊と強化外骨格が二機救援に来たが……」

 

『此方でも、確認した。神代少尉、どういうことや?』

 

『榊原中将の判断により、自分達が救援部隊として派遣されました。只今、技術研究厰からも部隊が向かってきています。もう少し持ちこたえてください』

 

それは、祐輔の判断だった。

第六師団がもし初音島に来るならば、先に何処を制圧するのか。有力なのは、二ヶ所だった。

一つは、横須賀鎮守府。しかしそこは、須郷の起こした事件の後に強固な要塞化が図られ、海側だけでなく陸側にも海神部隊とトーチカが敷設され、簡単には落ちなくなった、まさに難攻不落の要塞になった。

しかし、海鳴鎮守府は食糧生産プラントがあるために簡単には要塞化が出来ないのだ。

しかも海鳴鎮守府内には大型飛行機とそれ用の滑走路があるから、そこを狙うはずと祐輔は判断し、戦術機部隊と裕也達を向かわせたのだ。

 

『……今回は、祐輔くんに感謝や』

 

『まだ後続に、こちらの陸戦部隊が揚陸艦で向かってきています』

 

『了解や』

 

どうやら、裕也率いる陸戦部隊がまだ向かってきているようだ。恐らく、あきつ丸と神州丸だろう。

とはいえ、戦術機部隊からの砲撃により、最早海鳴鎮守府に侵攻していた第六師団の部隊は殲滅されつつあった。

一部の強化外骨格が抵抗しているが、仮にもトライアド中隊は初音島でも精鋭と名高く、練度も高い。

しかも、トライアド中隊は対空能力が高い深海艦隊に突撃し、撃滅する能力を有している為に、たかが強化外骨格の弾幕程度は容易く避けて、一機ずつ確実に撃破していく。

とうとう、冬也の見ているレーダーから敵を示す赤い光点(ブリップ)が全て消えた。

 

『……八神大将。こちらフェイト少佐です。目視及びレーダーから、敵の反応全て確認出来ません』

 

『了解や。念のために、補給をして待機や。トライアド中隊。弾薬は確約出来ないけど、推進材だけでも補給を』

 

『感謝します、八神提督。トライアド中隊、残弾の多い機体から補給開始』

 

第一波と言っていいか分からないが、第六師団を撃滅した海鳴鎮守府・初音島戦術技術部隊は一度補給を開始した。

 

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