祐輔からの問い合わせの後、巖谷は副官と一緒に倉庫の管理者を問い詰めた。そうして、管理者は白状した。
管理者は以前、須郷と共同して試験装備を提督や陸軍に売却していた。と、語った。
しかもそれが、須郷の脅迫等ではなく自ら協力したという事も判明した。
陸軍の中には、過激な思想を持つ者が多数居る。その者達に装備を売り渡し、多額の金で豪遊したと述べた。
巖谷はその管理者を一先ず逮捕させ、牢屋に投獄させた。
そこまでは良かった。だが、巖谷からしたら管理者から得た売却物リストに頭を抱えた。
その中には、試作型だが気化爆弾が存在した。
「何て物を横流ししたんだ、あのバカ共は……!!」
今現在、帝国軍の
その数、100発。
その殆どが、かつての深海悽艦による陸上侵攻の際に使われたのだが、極少数。10発が残され、解体される筈であった。
だが、須郷がいつの間にかデータを改竄しており、管理者が須郷と共に売り払ったのだ。しかも、今行動を起こしている第六師団にである。
「急がないと、不味いな……!」
巖谷はそのリストを持ちながら、ある場所に向かった。
ほぼ同時刻、帝国軍総軍省。
そこの正門では、激しく銃撃戦が繰り広げられていた。
攻めているのは、防衛側だった。
攻撃側の第六師団は、その身にハードプロテクターや強化外骨格を纏って攻撃してきているが、帝国軍総軍省を守っている近衛軍・陸軍合同部隊は烈迫の気合いで第六師団を攻撃し、撃破していた。
陸軍は分かるが、何故近衛軍が警備に就いているのか。それは、悠陽が帝国軍総軍省に居るからに他ならない。
今日は帝国軍総軍省で、予算分配や装備の調達、人員分配の会議がされていたのだ。
陸・海・航空宇宙軍。そして近衛軍からの会議をしていた矢先に、第六師団が襲撃してきたのだ。
そして勿論、海軍と航空宇宙軍の代表者達は陸軍の代表者達を激しく責めていた。
「貴様ら! 此度の落とし前はどう着けるつもりか!?」
「このような、殿下に弓引く等という大それた事が、許されると思うか!?」
「我々としても、今回の元第六師団の行動は知らなかった! これは、元第六師団の独断行動だ!」
二軍からの問い詰めに、陸軍の代表者は反論するが、誰も信じていない。また二軍から激しく責めが始まるが
「静粛に」
悠陽のたった一言で、紛糾していた会議室が静まった。
「各軍の代表者たる皆さんがそれでは、部下に示しが付かないでしょう。落ち着きなさい」
『は! 申し訳ありません!』
悠陽の一言に、三軍の代表者達は深々と頭を下げた。
圧倒的なカリスマ性故に、成せる事だろう。
「それで、
「はっ! 此度の暴走、我々陸軍省は一切知りませんでした……もし、殿下の身。何かあれば……自分は腹を切る所存!」
粟城参謀長は悠陽からの問い掛けに答えながら、床に頭を着けた。それを見た悠陽は
「両軍参謀長。陸軍の言葉、まだ信じられませんか?」
『いえ、信じます!』
悠陽が顔を向けると、海軍と航空宇宙軍の参謀長はさっきまでの態度からは打って変わっていた。それ程に、悠陽という存在が大きいのだ。
そこに、扉が開き
「失礼します! 先ほど、技術研究厰の巖谷准将から緊急電が来ました!」
と一人の下士官が、悠陽に紙を手渡した。それを一読した悠陽は
「……即座に手を打たなくては、いけなくなりました。これを」
と各参謀長にその紙を読ませた。
それは、第六師団が買ったと思われる試験装備の一覧。
特に重要なのが、気化爆弾。
「気化爆弾だと……!?」
「高々一部隊の隊長が持つ物ではないぞ!」
「急ぎ、対処せねば!」
「今より、近衛軍も含め、帝国全軍は私の指揮下に入れます。元第六師団。及び、それに同調した部隊を撃滅します!」
『はっ!!』
悠陽の号令に、三軍の参謀長は頷いて立ち上がった。
どういう話を書いてほしいですか
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