※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

152 / 178
|゚Д゚)))オ,オマタセ


切り札

日本国内、ある場所

 

「何故だ! 何故、こうも上手く行かない! 呼応した部隊はどうした!?」

 

次々と派遣した部隊の撃滅の報を聞き、長田は頭を乱暴に掻いていた。すると、副官の一人が

 

「呼応各部隊の報告からになりますが、陸軍、海軍、航空宇宙軍、近衛軍の合同部隊により迎撃され……」

 

「合同部隊だと!? 誰が総合指揮を……まさか!?」

 

長田はその時になり、悠陽が指揮を執り始めたと気付いた。特に近衛軍は悠陽と天皇の指示しか受け入れない為、悠陽が指揮を執り始めたと考えるのが自然だった。

 

「あのお飾りめ……! お飾りならお飾りらしく、人形のように座っていればいいものを……!!」

 

長田は、悠陽の事を軽視していた。

実は長田は、須郷を通じてアメリカ軍と繋がりがあり、そのアメリカ軍の高官が長田にある条件を告げた。

それは、クーデターが上手くいった場合、アメリカ軍が後ろ楯になって軍の最高責任者にしてやる。というものだった。

今の地位に不満を抱いていた長田はそれに飛び付き、今回のクーデターを引き起こした。

須郷からの横流しの試作兵器や、単冠湾の提督を通じて入手したアメリカ軍の兵器(・・・・・・・)を日本各地の隠し拠点に運んで入念に手回ししていた。

だが、結果はどうだ。

予定より呼応した部隊は少なく、派遣した部隊は次々と通信途絶。何もかもが、上手くいっていなかった。

予定では、呼応する部隊は陸軍の半数と航空宇宙軍の凡そ二割。それと海軍の単冠湾と鎮海警備府の二ヶ所。

しかし、実際に動いたのは陸軍は5%程で、航空宇宙軍は動き無し。海軍も無し。

しかも、既に長田の第六師団は半数が消えた。

何よりも、切り札の気化弾道。10発の内4発(・・)が喪われた。

その4発で海軍の重要拠点の海鳴と初音島鎮守府を潰し、残りの6発で近衛軍と呼応しなかった軍を消し、《既に引き入れたアメリカ軍》で帝都城を占拠し、悠陽を消して、冥夜にすげ替える。

そういう手筈だった。

だが、虎の子の潜水艦枯れたの通信は途絶えた。

 

「何故だ……何処で計画から逸脱した……!」

 

呆然と呟く長田を見て、副官が冷たい目をしながら

 

(……こいつはもう駄目だな……仕方ない、サブプランに移行するか……)

 

そう判断し、袖の中から小型拳銃とスイッチを取り出した。

場所は変わり、統合司令部。

 

「なんだと、本当なのか?」

 

「どうしました、黒鉄大将」

 

部下からの報告を聞いた黒鉄大将が声を挙げると、悠陽が問い掛ける。すると黒鉄大将は

 

「殿下。新たに、所属不明部隊が出現し、帝都城に向かいつつあると」

 

「所属不明部隊?」

 

黒鉄大将の報告に、悠陽は思わず片眉を上げた。

 

「は……帝国軍の物とは違う装備の部隊が突如現れ、攻撃を仕掛けてきたと……こちらに映像が」

 

黒鉄大将はそう言いながら、悠陽に端末を見せた。

確かに、帝国軍とは違う装備。防弾アーマーやヘルメット、小銃を持った部隊が非常に統率の取れた動きで侵攻している。

悠陽はその部隊を見て

 

「……確かに、帝国軍とは違う装備ですね……照合で出せますか?」

 

とオペレーターに照合するように要請した。

そこへ、武仁が入室し

 

「殿下。悪い情報が入りました。どうやら単冠湾はアメリカ軍と接触したようです」

 

と言って、持っていた端末を差し出した。

 

「アメリカ軍と?」

 

「はっ。桐ヶ谷技術少佐の解析により、アメリカ軍から装備を入手した事が確認出来ました。他にも、通信が有りましたが、現在解析中です」

 

どうやら、第一報を持ってきたらしい。それを聞いた悠陽は、黒鉄大将が出した端末を見て

 

「つまり、先ほどのはアメリカ軍の装備という訳ですか」

 

と呟き、それを聞いた武仁が苦々しい表情を浮かべた。どうやら、事態を察したらしい。

 

「まさか、アメリカと繋がるとは……思いもよらず……申し訳ありません、殿下」

 

「……防人大将」

 

「はっ。なんでしょうか」

 

「単冠湾ですが……もしかしたら装備だけでなく、人員も引き入れた可能性があります」

 

悠陽の言葉に、武仁と黒鉄大将は驚きの表情を浮かべた。あり得ないとは言えないからだ。

 

「そうなれば、この所属不明部隊も分かります……この練度はアメリカ軍……それも恐らく、海兵隊でしょう」

 

悠陽の推測に、司令部の要員達はざわついた。しかし、悠陽が

 

「落ち着きなさい。アメリカのこれ以上の介入を許す訳にはまいりません。防人長官、黒鉄大将」

 

『は!』

 

「虎の子を出します」

 

悠陽の言葉に、武仁と黒鉄大将は僅かに驚きながらも

 

「承りました」

 

「直ぐに手配します」

 

と告げて、一度司令部から出た。

 

「殿下」

 

「今は安寧が重要……機密を気にしている余裕はありません」

 

真那にそう言うと悠陽は、毅然とした態度で

 

「霞部隊を動かします」

 

と告げた。

どういう話を書いてほしいですか

  • 戦闘多め
  • 日常多め
  • エロ多め
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。