※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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撃破

出撃した霞部隊は、戦術機は108機兵士は約3000人だ。それを、各中隊規模に編成して判明した第六師団関連の拠点に送った。

戦術機は12機ずつ、兵士は約100人程になる。

相手の人数は未知数なのだから些か無謀なのでは、と思えるのだが、そこは特殊任務部隊。全員が古参の腕利きが揃っている。

一人の兵士は見張りとして立っていた一人を音を立てずに、静かに始末。その間に、別の兵士が静かに鍵を開けて設置されているカメラの有無や位置を確認し、死角を通って監視室に入ると監視室自体を無力化した。

最初の一人を始末してから、数分と経っていない間の早業だった。

その後、仲間を引き入れて拠点の制圧を開始。拠点の制圧も静かに進み、一人、また一人と始末されていく。

静寂の制圧。

それしか表現出来ず、ある拠点の指揮を任されていた士官は、最後の瞬間まで拠点が制圧されていた事に気付かなかった。

その拠点を制圧した霞部隊は、すぐに調査を開始した。

あらゆる資料を探し、必要な情報を探した。

そして、ある情報を見つけた。

 

「……隊長、報告です」

 

場所は変わり、帝都東京は品川。

そこのとある会社の倉庫。そこの会社というのは、第六師団が用意したペーパーカンパニーで、名目上は倉庫業を営んでいる。

敷地内には様々なコンテナが並び、何台かフォークリフトも駐機していた。

その中で船に乗せる大きなコンテナが、不意に開いた。

中から現れたのは、今や世界的に配備されているFー15型戦術機だった。

それも、一機二機の話ではなく、軽く中隊規模のFー15が姿を現した。

更に別の区画のコンテナからは、強化外骨格を纏った兵士達も現れ、Fー15型戦術機の肩アーマーを装着し、兵装が入ったコンテナから複合突撃砲を持ってきて、装備させていく。

本来なら左肩に所属する国の国旗が描かれているが、無地のままだ。

出撃準備が整った戦術機部隊は、跳躍ユニットを噴かして飛び立った。

目指すは、現在悠陽が居る国防省。

現在国防省に展開しているのは、警備部隊として常駐している二個歩兵中隊と戦術機が一個小隊のみ。

他の部隊は、第六師団の制圧に回されている。

 

『そこは、黄色い猿共(ジャップ)に感謝しておこう……おかげで、軽く任務が遂行出来る!』

 

出撃した品川から国防省のある新宿まで、戦術機では目と鼻の先になる。

歩兵部隊は囮の為に、帝都城に向かわせた。適当に戦ったら後退するように指示してある。

その間に、国防省を襲撃し統合司令部に居る悠陽を始末する。

そうすれば間違いなく日本は混乱に陥り、アメリカが催眠暗示で従わせた政治家が悠陽の妹。御剣冥夜を旗頭に新政権を樹立し、日本はアメリカの傀儡国になる。

そうなれば、後はアメリカの属国に出来る。

それが、アメリカが書いた今回のクーデターの筋書きだった。

 

『世界の中心は、我々アメリカだ……! 極東の猿共ではない!』

 

深海棲艦が現れてから、アメリカの権威は失墜していた。海軍は壊滅的打撃を受けて、陸軍と空軍は現代兵器が効かなかった為に陸上侵攻を許してしまい、海岸を奪われて海路も大打撃。今は日本の海軍が西海岸と東海岸に拠点を構えている。

ハワイは艦娘を率いた帝国海軍により解放され、ハワイの住民は今やアメリカより日本人を信じる有り様。

 

『誇りを捨てた者達など、最早知るものか……!』

 

今回の計画が上手くいったら、アメリカはハワイを切り捨てるつもりで、既に深海棲艦を撃滅する名目で核の発射準備も完了している。

そうなれば、またアメリカは世界の代表に返り咲ける。

この指揮官もそう信じていた。

 

『さあ、大将軍をヤルぞ! 直接小娘を殺した奴は、将来遊んで暮らせる金が渡されるぞ!』

 

と告げた瞬間、レーダーがノイズだらけになった。

 

『なんだ!?』

 

しかも気付けば、レーダーだけでなく通信も酷いノイズに支配されている。

 

『電子戦だと!? 極東の猿がそんな装備を持っている訳が!!』

 

アメリカは日本の技術を低く見ており、電子戦装備を持っている訳がないと考えていた。

しかし、ただ公表していないだけで、有ったのだ。

そして、指揮官が気付かない内に、最後尾の一機が撃破された。

 

『くそっ……AIに解析させて……!』

 

指揮官は電子戦パターンをAIに解析させて、ジャミングを無効化しようと試みた。しかし、それに意識を割いた為に部隊が次々と撃破されている事に気付くのが遅れ

 

『なんだ!?』

 

警告音がした為に周囲を見回した時、自機のコクピットブロックに短刀が突き込まれて撃破された。

アメリカの敗因は、実戦経験が乏しく予想外な事態に弱い人員を派遣した事だった。

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