「艦隊の様子は!?」
「今現在、姫級率いる艦隊と交戦中! 陸奥以外は戦闘に支障無し!」
「陸奥さんの状況は!?」
「陸奥は敵の魚雷により、小破! ただ、当たりどころが悪かったようで、速力低下! 現在15ノット!」
部下からの報告に、祐輔は歯噛みしていた。
陸奥は軍艦時に弾薬庫で謎の爆発事故が発生し、沈没したという経歴がある。その為、被弾等による爆発が起きると混乱しやすいという特徴がある。
しかも、速力の低下まで起きている。パニックを起こしている可能性すらある。
「味方の艦隊は?」
「只今、元帥の艦隊を筆頭に順次出撃を開始しています。先頭の艦隊は、約20分程で交戦海域に入るかと」
祐輔からの問い掛けに、別の士官が戦況マップを広範囲に拡大表示しながら報告した。
今現在、祐輔の艦隊は60以上の深海棲艦と交戦している。
しかも、上空に展開している警戒管制機の
そちらも、交戦海域に入るまで約20分。紙一重だろう。
「……最前線の皆を信じるしかないな……」
祐輔はそう言って、帽子を被り直した。
同時刻、千州島にて
「急げ! 初音島艦隊が、装甲空母姫率いる深海艦隊と交戦している!」
元帥の艦隊の武蔵が、千州島に常駐していた艦娘達に出撃の指示を下し、艦娘達は次々と艤装を装着し、海原を駆けていく。
彼女達は、千州島で作業している大本営の土木作業班が新しい基地を建設していて、それを守るのが任務となっている。
祐輔の艦隊だけに、戦闘をさせる訳にはいかないのだ。
『武蔵、聞こえる?』
「む、大和か」
艦娘達に指示を出していた武蔵に、最前線に向かっている同じ元帥の艦隊の大和から通信が入った。
『初音島艦隊が試製02式警戒管制機を上げてて、今データリンクを同期させたの……そしたら、深海艦隊の増援を確認したわ』
「増援だと?」
実は飛鴎はまだ試作機で、データリンクの周波数を合わせる必要がある。大和は飛鴎からの通信で周波数を聞き、データリンクの周波数を合わせて、深海艦隊の増援が来ている事に気付いた。
『凄い数ね。最低でも、60は来てるのが確認出来た』
「そんなにか……」
60以上の敵の増援。
千州島に常駐している艦娘達の人数も、約60人だ。
その全員が出撃して、ようやく同数になる。
しかも、深海艦隊はまだ来る可能性がある。
「だが、友軍を見捨てる選択は無いな」
『その通りよ、武蔵』
数で劣ろうが、最前線で戦う仲間を見捨てて、後退するという選択肢を、彼女達は取らない。
『そろそろ、最大射程が届くわね……先に戦闘に入るわ』
「ああ。武運長久を……無事に帰れよ、大和」
その言葉を最後に、通信は切れた。
そして武蔵は、少し考えると
「補給処、聞こえるか? 補給艦隊を編成する」
と告げた。
再び場所は変わり、最前線
「陸奥のフォローがしたいが、前から敵駆逐艦が次々と突撃してくる!」
『私はいいから、撃ち続けて!!』
長門の発言の後に、陸奥から通信が入った。
速度の低下により徐々に落伍しつつある陸奥だが、後方から砲撃を放っている。
その時、上空の飛鴎からデータリンクに
《後方から、味方の支援砲撃》
と表示が入った。
「味方の支援砲撃?」
と長門が訝しんだ直後、長門達の真上を数発の砲弾が通過し、そのまま深海艦隊に降り注いだ。
「あの威力……大和型か!」
乱立した水柱の大きさから、その砲弾が大和型の主砲だと長門は気付いた。後方から次々と飛来していく砲弾は、まるで雨のように深海艦隊に降り注ぎ、時々爆発が起きている。
「味方艦隊が来たぞ! 勝負時だ! 全力攻擊!」
大和の砲弾の後、今度は夥しい数の編隊が飛来。後方の空母艦娘達が発艦した爆撃機や雷撃機、戦闘機が深海艦隊に向かっていき、続けて祐輔艦隊も砲撃と艦載機を発艦させた。
「陸奥! もう少しだけ堪えてくれ! 後方の味方艦隊に救援要請を出した! 回収してくれる筈だ!」
『私は自力で何とかするから、行って!』
長門の言葉に答えながら、陸奥は全力で砲撃を続行。次々と砲撃を繰り返し、一発でも砲弾を敵に叩き込むという気概を感じた。
どういう話を書いてほしいですか
-
戦闘多め
-
日常多め
-
エロ多め