初音島鎮守府、地下司令部
そこでは、様々な士官が走り回っていた。
今現在、初音島に接近しつつある深海艦隊は最初の6体から増えて30になっている。
今現在、初音島鎮守府の祐輔艦隊の主力は威力偵察や装甲空母姫との交戦に出払っており、不在。
音姫とアリアの艦隊は、音姫はまだ練度、数共に低い為に支援に徹する事が決まった。
アリア艦隊は祐輔艦隊の残存戦力と共に編成され、出撃を始めた。
戦況マップを広範囲に変更すると、海鳴鎮守府から出撃したはやての艦隊が、徐々に近づいてきているのか確認出来た。
しかし此方も、戦闘が始まってから合流になるだろう。だから、打てる手は打つ。
そう判断した祐輔は
「鎮守府にある全爆撃機、雷撃機、戦闘機は全て出撃! 更に、海神隊も展開!」
と指示を下した。その直後に、飛行場の格納庫に警報が鳴り響き、基地敷地内だけでなく、港にも地下を通って海神隊が次々と展開を始めた。
「外郭連合艦隊、接敵!」
「始まったか……」
初音島鎮守府の二面戦闘が始まった。
初音島近海
「敵正面! 距離8000! 交互砲撃、撃てぇ!!」
外郭連合艦隊帰還の比叡の号令の直後、祐輔艦隊の海外艦娘の一人、リシュリューも砲撃を開始。
それに遅れて、アリア艦隊の妙高と那智が砲撃を開始した。
何発もの砲弾が空を飛んでいき、目標海域付近の海面に次々と水柱が乱立する。
「レーダーにノイズ……ジャミングと判断! 各艦、光学観測砲撃に切り替え!」
先程まで無事だったレーダーに突如、ノイズが走ったのを確認した比叡は、素早く判断と指示を下した。
なお件のジャミングは鎮守府でも確認しており、戦術機部隊も光学観測重視に変更し、その情報をデータリンクに上げていく。
「データリンク照準に切り替え! 全艦、一斉砲撃!」
戦艦、重巡洋艦隊は、徹頭徹尾砲撃に集中した。
比叡以外は近接戦闘に不安がある為、後方からの徹底的な面制圧。
そして、最前線にて
「全艦抜刀! すれ違いざまに斬りなさい!」
『了解!』
川内、神通をそれぞれ旗艦にした水雷戦隊が、各々刀や短刀、中には山刀や戦鎚を手に面制圧を何とか超えて現れた敵艦隊に突撃。
真っ先に斬り込んだ川内、神通はあっという間に3体ずつ斬り捨てた。
一体は首を斬り飛ばし、一体は胴体を両断し、一体は心臓を穿った。
その後に続いて、朝潮、不知火、時津風と駆逐艦娘達も続いて突撃。
乱戦に突入し、深海棲艦の誤射も利用して戦闘を行い、確実に数を減らしていく。
だがそれでも、深海棲艦の数は無尽蔵と呼べるレベルで、気付けばデータリンクで確認出来る敵を示す赤い
だが、初音島連合艦隊は止まらず戦い続ける。
後方の本土から、味方を待ち、更には初音島だけでなく本土を護る。
それが、元々の初音島鎮守府の役割だったから。
「決して足を止めないでください!」
「最低でも、二人一組を維持! 止まるな!!」
神通と川内はそう言いながら、敵の砲撃を身を屈めて回避。その直後、川内は一本の魚雷を敵の戦艦タ級の顔面に投げつけ、神通はル級の胸元に魚雷を投げた。
そして振り向き、二人は同時に飛びかかってきていた駆逐艦ロ級を斬り捨てた。
その横を通り抜けて、三日月は持っていた戦鎚でへ級の頭部を叩き潰し、へ級の残骸で雷巡チ級の砲撃を防御。へ級の残骸を蹴り飛ばしてチ級にぶつけ、魚雷を放って撃破した。
その相棒役の初霜が、横から撃とうとしたリ級の頭に短刀を突き刺し、砲塔内に爆雷を詰め込み、近くに居たヌ級の方に投げてから機銃を連射。
何発かが爆雷に命中し、ヌ級を吹き飛ばす。
その後二人は、交互に航行しながら砲撃と格闘で進路上の敵を撃破していく。
そこに、データリンクで味方の航空隊の接近を確認し
「総員、一時後退!」
「味方の攻擊範囲から離脱を図りつつ、敵に攻擊!」
『了解!』
川内と神通が殿戦闘で味方の後退を支援しつつ、出来るだけ敵を削り、航空隊の支援もした。
その後、上空から爆撃機が急降下爆撃を。雷撃機が海面スレスレで魚雷を投下し攻擊。深海艦隊に大打撃を与えた。
開戦の時から見たら、3割は削れている。
しかし、まだ終わらない。
少ないが、航空隊にも被害は出ており、初音島艦隊はなるべく生還した妖精を回収していく。
初音島の戦いは、こうして始まった。
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