その日、明日奈は久しぶりに鎮守府の執務棟を歩いていた。
運動も兼ねた祐輔の様子見だ。
最近は人員の育成と整理が功を奏し、書類仕事が更に減ってきていた。
だから最近祐輔は、技術研究廠と章三と映像会議をして、新たな技術の開発も取り組み始めた。
少しでも、深海棲艦との戦闘を有利に進める為だ。
『こちらが、今現在開発を進めてる新型の対潜迫撃砲の設計図とシミュレーションのデータになります』
『ふむ……此度は有線式か』
「着水後の有線による誘導ですか……」
明日奈が静かにドアを開けると、祐輔はパソコンの前に座り、会議していた。
『ネックは有線の長さになります……今のところ、最大400mとなっていますが』
『長さもだが、自然環境への影響もだろう』
「回収は考えているので?」
『今のところは、考えては……』
祐輔の問い掛けに、技術研究廠の技師は言葉を詰まらせた。どうやら、回収は考えてはいないらしい。
『それでは、漁業への影響が未知数だ。それに、船のスクリューに絡まる危険性も高い』
「そうですね。それらは無視出来ません……回収機構を考えておきましょう」
『分かりました。こちらでも、考案してみます』
章三と祐輔の言葉に、技師は頷いた。
『では、私からはこちらの小型無人偵察機だ』
次に提案してきたのは、章三だった。画面には、まるでブーメランのような機体が表示された。
『小型無人偵察機ですか』
『ああ。最大約2mで、翼の上面に太陽光パネルを貼り付けてある。理論上でだが、太陽が出ている間はずっと飛んでいられる。太陽が沈んでも、内蔵バッテリーで最大3時間まで飛行が可能だ』
「それは中々ですね。最高高度はどれ程ですか?」
『実験段階では、約6000mまで上げられた。こちらがその記録になる』
祐輔からの問い掛けに、章三はその時の映像を表示させた。
『高度5800……5900……6000に到達しました!』
『よし、映像はどうだ?』
『……少し荒いですが、十分に艦影が分かります!』
『次は、夜間の映像だな』
とそこで映像は切り替わり、夜になった。
『高度6000に到達!』
『夜間映像はどうか?』
『ノクトビジョン……成功です!』
『よし。バッテリーの消耗具合は?』
『今までの消耗具合から考えますと……夜間でも、最長3時間まで飛行は可能です!』
映像からも、実験に参加している研究者達が喜んでいるのが分かる。
『映像は以上になる』
『なるほど……』
「運用は、小型艦娘達でも可能、と見ても宜しいんですか?」
『ああ。駆逐艦娘でも運用が可能と考えている』
確かに、約2mとなれば駆逐艦娘でも運用は可能だろう。場所にもよるが、海防艦娘でも可能だろう。
「わかりました。初音島鎮守府で試験運用をしてみます。一式送ってくれますか?」
『分かった。一週間以内に必要な機材をそちらに送ろう』
『では、今回はここまで……ですかね?』
技術研究廠の技師がそう言って、映像会議は終了した。その時になり、祐輔は
「明日奈さん。お待たせして、すいません」
と振り向きながら、明日奈に声を掛けた。
「あ、気づいてた?」
「はい。途中から」
祐輔は笑みを浮かべながら、明日奈の隣に立ち
「ですが、流石に招き寄せる訳にはいかなかったので」
「うん。それは分かるよ。今の私、まだ育児休暇中だから」
そう会話しながら、食堂の方に向かっていった。
どういう話を書いてほしいですか
-
戦闘多め
-
日常多め
-
エロ多め