※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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祐輔の風邪3

 

 

 

祐輔が風邪を引いて、二日目。

 

「37、8℃……昨日よりかは下がったけど、まだ高いね」

 

そう言ったのは、確認に来た百合だった。

百合は体温計を仕舞い

 

「確認だけど、渡した薬はちゃんと飲んでる?」

 

「うん……飲んでるよ」

 

祐輔が言うと、百合の補佐役の妖精が薬の入った紙袋を台座の上に置いた。

 

「確かに……まあ、祐輔は几帳面だから大丈夫かな……あ、ちゃんと最後まで飲むように」

 

「うん、分かってるよ。姉さん……けほ」

 

祐輔に注意した百合は、カルテに記入して

 

「まだゆっくり休む事。無理は厳禁だからね」

 

と祐輔の額を小突いてから、部屋を出た。

祐輔は額を軽く触り

 

「……懐かしかったな、今の……」

 

百合が額を軽く小突くのは、何かを言い聞かせる時にやる癖のようなものだった。

なお対象は、祐輔だけでなく、よく忘れ物をした父親もだった。

祐輔からしたら、約十年振りだった。

そして祐輔は、明日奈が作ったおかゆを口にして、薬を飲んだ。

その後寝ていたら、ふと気配を感じて起きると、雷の姿があった。

 

「あれ……雷ちゃん……」

 

「あ、起こしちゃったかしら」

 

祐輔の声に反応した雷が振り向くと、その手には濡れタオルがあった。

 

「体を拭くわよ。汗で気持ち悪いでしょう?」

 

「……ありがとう……雷ちゃん」

 

祐輔はゆっくりと起き上がり、何とか服を脱いだ。

すると雷は、慣れた手付きで祐輔の体を拭いていく。

 

「孤児院での経験が活きるわね」

 

雷は楽しそうにしながら、祐輔の体を拭く。

面倒見良い雷だから、楽しいのだろう。

 

「それに、少し前に暁が体調崩したから、予行演習にもなったわ!」

 

「あははは……」

 

雷の言葉に、祐輔は乾いた笑い声を出すしかなかった。因みに、暁が体調を崩した原因は、お腹を出して寝てしまい、お腹を壊して寝込んだ。

その世話を、雷がしたのだ。

 

「だけどね、司令官。もっと私達を頼ってくれていいのよ? 努力家だし頑張り屋さんなのは良いと思うけど、抱え込み過ぎるのは良くないわ!」

 

祐輔の上半身を拭きながら、雷は祐輔に駄目出しする。流石は、駆逐艦寮の寮母なだけはある。

 

「暁達も、試験兵装の運用してみたいらしいわよ? まあ、暁は無くしそうなのは心配だけど」

 

雷の言葉に、祐輔は苦笑いを浮かべた。

実は過去に、暁は一回近接戦闘用のナイフを紛失した事がある。

その時雷は遠征で離れていたから、その事を知らない。

 

「それにしても、司令官って細身だけど筋肉凄いわね……惚れ惚れするわ」

 

「まあ、衛士ですからね」

 

衛士は体力、筋力を必要する為、祐輔は日課としてランニングと筋トレを欠かさない。

 

「はい、背中と前は拭き終わったわ! 流石に可哀想だから、下は勘弁しておくわね」

 

「あははは……」

 

雷の優しさに、祐輔は乾いた笑い声が出た。

 

「私はこれを片付けてくるから、司令官は水分補給しなさい。水筒は麦茶が入ってて、ボトルはハチミツレモンになってるわ」

 

雷は桶とタオルを持ちながら、祐輔のベッド横の棚を指差した。そこには、大きな水筒と500サイズのペットボトルが置いてあった。

喉が乾いていた祐輔は、ペットボトルの方を一気に飲み干した。

喉もだが、じんわりと体に染み渡る感覚を、祐輔は感じた。

そうして、片付けが終わった雷が戻ってきて

 

「それじゃあ、私は駆逐艦寮に戻るわ。多分、誰か問題起こしてるかもしれないからね」

 

と言って、部屋から去ったのだった。

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