祐輔は雷から差し入れされた飲み物を飲みながら、ゆっくりと食事し、薬も飲んだ。
そして、二日目の夜
「祐輔くん、体拭くよ」
明日奈がタオルとお湯を入れた桶を持って、部屋に入ってきた。
「お昼に雷ちゃんが拭いてくれましたが……」
「それでも、また汗かいたでしょ? 拭かないよりはマシな筈だよ?」
祐輔の言葉に、明日奈は反論する。
確かにその通りなので、祐輔は拭かれる事にした。
明日奈は優しくゆっくり丁寧に、祐輔の体を拭いていく。その手つきに、祐輔は
「もしかして、雷ちゃんから習いました?」
「あ、気付かれちゃった……うん。祐輔くんの体を拭いた雷ちゃんが、色々教えてくれたんだ。体の拭き方」
祐輔からの指摘に、明日奈は少し恥ずかしそうにしながら語った。
「赤ちゃんへの拭き方は、祐輔くんと一緒に習ったから分かるんだけど、病人相手はやった事無くて……いつも使用人さんがやってたから、知らなかったの」
まあ、近衛の元譜代武家だったら使用人が居ても不思議ではないから、知らないのも無理はない。
「だから、雷ちゃんが教えてくれて、助かったの」
「流石は、駆逐艦寮の寮母で、駆逐艦娘達のお母さんですね」
祐輔艦隊、駆逐艦寮寮母の雷の面倒見の良さは正に随一で、駆逐艦寮で何か困ったら雷を頼れ、と言われている程である。
因みに、そんな雷の補佐として浦風と夕雲の二人が居て、その二人の面倒見の良さも中々である。
「前に駆逐艦寮に行ったら、雷ちゃんが寮の前を掃除してて、凄く似合ってた」
「想像しやすいですね」
明日奈は偶々駆逐艦寮に行く用事があり向かったら、雷が箒と塵取りを持った雷が、寮の前を掃除していたのだ。
その姿が完全にお母さんで、明日奈は思わず固まった程であった。
「雷ちゃんも言ったみたいだけど、私達を頼ってね? 何時でも手助けするから」
「はい、次からはそうします」
明日奈からの言葉に、祐輔は素直にそう返した。
今回の体調不良の原因は、一人という訳ではないが、様々な試験兵装を短期間で試験運用したから疲労が蓄積したのが大きな要因だ。
流石に祐輔も懲りたようだ。
「そういえば、明日奈さんの方は大丈夫ですか?」
「というと?」
「その、明佑の面倒を見ながら、僕の面倒もって……負担が大きくなってますよね」
祐輔の話を聞いた明日奈は、納得した様子で
「それなら大丈夫。雷ちゃんもだけど、鳳翔さんとか、色んな娘達が手伝ってくれるから、実は結構楽なんだ。なんだったら、もっと祐輔くんと一緒に居てって言われるの」
と語った。
祐輔艦隊には、何だかんだ世話焼きな艦娘が多く居る。それが、人員増員まで艦隊の運営が上手く回っていた大きな理由の一つになる。
食堂は鳳翔を筆頭にした料理が得意な艦娘が、書類は几帳面な艦娘が、艤装の整備は整備が得意な艦娘達が手伝ってくれたから、ギリギリだったが運営が出来ていた。
今は人員の大増員により、余裕を持って運営が出来るようになってきた。
「まあ、戦術機部隊は中々増員が難しいんですが……」
「まあ、衛士は一朝一夕には育成出来ないからね……」
衛士育成課程は、最低でも2年掛かる。
1年目は歩兵として体力作りを中心とした練兵。そうして総合技術演習を超えても、適性がなければ弾かれるのが衛士だ。
しかも怪我して、少しでも障害が出たら落第。
花形だが、同時に狭き門でもあるのだ。
「一応衛士の増員も打診はしてますが……」
「焦らないでいこうか」
そう結論づけて、祐輔と明日奈はその日は就寝したのだった。
どういう話を書いてほしいですか
-
戦闘多め
-
日常多め
-
エロ多め