天枷研究所から帰った翌日の昼
医務室
「ん……ここは……」
と寝かされていた少女
睦月型三番艦、弥生が目を覚ました
すると、弥生が寝ていたベッドを囲んでいたカーテンが開き
「起きましたか?」
と羽黒が問い掛けた
「羽黒さん……ここは……」
弥生が問い掛けると、羽黒は微笑みを浮かべながら
「ここは、初音島鎮守府ですよ。弥生ちゃんは、近くの浜辺で倒れてたんです」
と説明した
それを聞いて弥生が沈黙している間に、羽黒はある机の上にあった電話の受話器を取り
「祐輔さん。彼女が目覚めました」
と短く伝えた
それから数分後、ドアがノックされて
『入って大丈夫かな?』
とドア向こうから問い掛けられた
すると、羽黒が
「はい、大丈夫です」
と答えた
すると
「失礼するよ」
と祐輔、吹雪、明日奈の三人が入ってきた
そして弥生は、祐輔の姿を見ると一瞬体を強張らせた
それに祐輔は気付いたが、そのまま弥生の近くの椅子に座った
そして
「初めまして、弥生ちゃん。僕はこの第一初音島鎮守府の提督。榊原祐輔大佐。こっちは、総秘書艦の吹雪ちゃんと、副官の結城明日奈少佐」
祐輔は自己紹介をすると、背後に立っていた二人の名前を教えた
それを聞いた弥生は
「睦月型三番艦の弥生……です」
と名乗りながら、軽く頭を下げた
それを聞いた祐輔は頷き
「楯山第三警備府所属の弥生ちゃん……だよね?」
と問い掛けた
すると弥生は、一瞬体を震わせた
そして、ゆっくりと頷いた
「君は二日前、この鎮守府裏手の浜辺に倒れてたんだ……大破状態で」
祐輔がそう言うと、弥生は
「二日……も?」
と首を傾げた
どうやら、二日間意識を失ったことを驚いたらしい
祐輔は頷き
「なんで、あんな嵐の中を進んでたのかな? それも、非武装で」
と問い掛けた
それを聞いて、弥生は俯いた
すると、祐輔は
「もしかして……捨て艦にされた?」
と問い掛けた
捨て艦
それはわざと武装を全て外して、高難易度海域や次の攻略海域に進ませて、沈むまで進ませながら情報を送らせるという戦法である
確かに情報は揃いやすく、主力艦隊に損傷も無しに行ける
しかし、このやり方は艦娘を使い捨てにする
このやり方は、強硬派に属する提督がよく取る手法だ
しかし、本来は禁止されている
それは勿論、人道に背くからである
しかし、強硬派の提督達の言い分は
『艦娘は兵器なのだから、使い潰すのは当然』
というものであった
これを受けて大本営は艦娘にも人権を与えて、保護しようと法の改正を急いでいるが、中々上手くいかないのが現状だ
祐輔の言葉を聞いて弥生は、無言だったが涙を流しながら
「私だけじゃないです……あそこでは、駆逐艦娘が捨て艦に使われました……」
と告げた
それを聞いた明日奈は
「許せない……」
と呟いた
彼女は穏健派の筆頭たる海軍長官の部下だったし、彼女も艦娘のことを一人の人間として認識している
だから、許せなかったようだ
すると、弥生が
「それに時々……何人かが艤装を解体されて、トラックに乗せられてました……それで、司令官にお金が渡されてました」
と言った
それを聞いて、祐輔は目を細めた
艦娘は全員が、見目麗しい美少女や美女である
建造やドロップ艦娘も艤装を解体すれば、人間として過ごせるようになる
それを良いことに、一部の提督は人身売買に手を染めている
勿論、これも禁止されていることだ
艤装を解体された艦娘は、きちんと人権が与えられることになっている
しかし中には轟沈したことにして、艤装を解体し人身売買で娼館や研究所に売るということをしている輩も居ることが判明している
年に数人がそれで逮捕されているが、後を絶たない
すると弥生が
「それで私は……どうなるんですか?」
と祐輔に問い掛けた
祐輔は微笑みを浮かべながら、弥生の頭を撫でて
「弥生ちゃんが望むなら、人間にして、学校に行けるようにしてあげるよ」
と言った
そして祐輔は立ち上がり
「吹雪ちゃん、今の話は?」
「全て纏めてあります。大丈夫です」
祐輔の問い掛けに、吹雪はそう答えた
そして
「それを大本営に送付しといて」
と言って、医務室から去った
そして数時間後、ある部屋にて祐輔はパソコンの前で静かに待っていた
すると
『さて……全員集まったようだね』
と低い声が聞こえた
それを聞いた祐輔は
「桜」
と告げた
すると
『鼠』
『影』
『剣』
『銃』
『風』
と男女の声が聞こえた
それは、所謂PC会議
しかも、秘匿会議だった
そして最後に
『閣下』
と先程の低い声が告げた
『鼠から伝えられた情報は、既に全員に送付し、見てもらった筈だ……全員の判決は?』
と閣下が問い掛けた
すると全員は同時に
『黒』
と告げた
それを聞いて閣下は
『満場一致により、粛清することを可決する。投入戦力は、桜と鼠、影と銃だ。桜は02式で向かってくれ』
と告げた
『了解』
それを聞いて、呼ばれた四人はそう返答した
そして、パソコンの電源が落ちると祐輔は立ち上がり
「リズさん」
と静かに呼んだ
するとスッとリズが姿を見せて
「02式なら、何時でも動けるわ……黒穴に搭載済み」
と告げた
それを聞いて、祐輔は
「ありがとうございます……では、行ってきます」
とリズに帽子を預けた
するとリズは
「いい? 絶対に帰ってきなさいよ……機体なら、幾らでも修理してあげるから」
と言った
すると祐輔は
「はい……ありがとうございます……」
と言って、姿を消した
それから数時間後、楯山第三警備府は壊滅した
死者は艦娘以外の全員
合わせて、約300名
どういう話を書いてほしいですか
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