※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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非常事態

「あの、榊原提督……大規模作戦への参加は……しなくて、よろしいのですか?」

 

と問い掛けたのは、アリア艦隊所属の川内型軽巡洋艦の三番艦娘の神通である

彼女は弥生が所属していた館山第三警備府の所属だったが、祐輔が根気よく交渉した結果、睦月型だけでなく、彼女も来たのだ

なお、他にも所属艦娘は居たが、退役を希望して受諾された

そんな彼女の視線の先には、演習海域にて行われている教導を見守る祐輔の姿があった

本来ならば今は、大本営が発令した大規模作戦に参加している筈だが、祐輔艦隊とアリア艦隊は参加を拒否していた

なお、それぞれの理由は

祐輔は、敵姫級に備えて

アリア艦隊は、準備が不十分とした

すると、双眼鏡を外した祐輔が

 

「まあ、ここは仮にも本土防衛の最前線です。空ける訳にはいかないですから」

 

と言った

しかし、それでも納得いかないらしい

神通は

 

「しかし……」

 

と呟いた

すると祐輔は

 

「これは僕の勘ですが……近い内に、何か起きそうなんですよね」

 

と言った

それを聞いた神通は

 

「何か……ですか?」

 

と首を傾げた

それを聞いた祐輔は、コクりと頷いて

 

「まあ、六年間最前線を生き延びた勘。ですよ」

 

と言って、振り返った

そして

 

「それじゃあ、そろそろ僕はこれにて」

 

と言って、歩き出した

どうやら、執務棟に戻るようだ

神通はそれを見送り、行われている教導に視線を向けた

その教導は、アリア艦隊の睦月型艦隊相手に、祐輔艦隊の神通が行っていた

その神通の服装は、アリア艦隊所属の神通と同じデフォルトの物だ

しかし、その動きは完全に別物だった

そして、それを見たアリア艦隊の神通は

 

「あの練度ならば、改二になっていても可笑しくない筈ですが……」

 

と呟いた

そして、事が起きたのは翌日早朝だった

初音島鎮守府全体に、警報音が鳴り響いた

その内容は、泊地水姫が出した大規模艦隊の侵攻だった

それを聞いた祐輔は、鎮守府全体に戦闘態勢を発令

そして、初音島の自治体に非常事態を発令した

それを受けて、初音島は全体で避難を開始

その後に、その敵艦隊の総数が判明した

その数は、優に百を越える

もしアリア艦隊だけだったら、簡単に突破されていただろう

そして、もしかしたら初音島が新たな敵泊地になっていた可能性が高い

そうなったら、今の本土の戦力では絶望的だっただろう

祐輔の勘は当たったのだ

 

「主力艦隊は?」

 

「第一から第四まで、編成完了!」

 

「全員の艤装も、整備完了!」

 

「戦術機の補給は!?」

 

「今、ホワイトファング中隊が終わりました!」

 

そして、地下司令部は喧騒に包まれていた

その時

 

「あの、私達は」

 

とアリア艦隊の秋月が、祐輔に声を掛けた

アリア艦隊の練度は、全体的に低く20程

しかし、秋月だけは約40だった

すると祐輔は

 

「念の為に、水雷戦隊を編成して待機してて。ですよね、アリア少佐?」

 

と秋月の足下に居たアリアを見た

すると、アリアは

 

「ぷいにゅ!」

 

と頷いた

その時、大淀が

 

「祐輔さん! 敵艦隊の編成が分かりました!」

 

と言って、一枚の書類を祐輔に渡した

それを見て、祐輔は目を細めた

 

「戦艦級が20、空母級が30、重、軽巡洋艦級が40、駆逐級が50……そして、戦艦悽姫と装甲空母悽姫が1ずつ」

 

それは、紛れもない大艦隊だった

すると大淀が

 

「なお、戦艦級の中にレ級は確認されず……幸いでした」

 

と言った

それを聞いた祐輔も

 

「確かに、幸運だった……」

 

と同意した

戦艦レ級

戦艦と銘打ってはいるが、その性能は鬼や姫級に匹敵する程で、万能艦だった

たった一隻で、重雷装艦並の雷撃に、正規空母並の艦載機運用能力。そして、戦艦並の砲撃能力を有しているのだ

これは、約10年前から確認され始めた新型戦艦級だった

なお、これと接敵したのは当時、最前線に出ていた横須賀鎮守府の精鋭艦隊だった

しかし、そのレ級単艦に大和型二隻と長門型二隻を含めた艦隊が敗北したのである

その後、今度は水上打撃連合艦隊が接敵

戦闘の結果、過半数が大破

それでようやく、撃退に成功したのである

正しく、化け物

もしそのレ級が居たら、幾らなんでも危うかっただろう

 

「水上打撃連合艦隊と空母機動艦隊を編成! 水上打撃は、第一を旗艦長門、武藏、陸奥、伊勢、隼鷹、飛鷹。第二艦隊旗艦は那珂、北上、大井、時雨、夕立、青葉!」

 

祐輔がそう言うと、呼ばれた艦娘達が整列した

そして、続けて

 

「空母機動艦隊、第一艦隊旗艦は蒼龍、飛龍、赤城、加賀、金剛、比叡。第二艦隊旗艦は川内、響、綾波、古鷹、加古、瑞鳳!」

 

祐輔がそう言うと、再び呼ばれた艦娘達が整列した

その24名を見て、祐輔は

 

「この24名が、敵主力艦隊と交戦することになる。被弾した場合、適宜報告! 損傷具合によっては、後退させて編成を入れ換える!」

 

と言った

その語気は、普段とは全くの別物

そして、全員を見回して

 

「全員、生きて帰ること。いいね?」

 

と言った

その直後

 

『了解!!』

 

と斉唱が帰ってきた

そして祐輔艦隊は、戦闘に突入する

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