※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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迎撃戦 終

戦闘が始まって、数時間

未だに、祐輔艦隊は奮戦していた

しかし、深海悽艦は無尽蔵とも言える程に侵攻してきている

その物量を前に、祐輔艦隊は徐々に押されていた

だが、諦めていなかった

友軍が来ることを信じて、戦い続けた

 

『飛龍、被弾! 中破!』

 

「飛龍は後退。代わりに、大鳳出撃! アリア艦隊は、どうなっている!?」

 

『アリア艦隊は現在、全艦後退し、補給を受けてます! 再出撃まで、約300秒!』

 

祐輔からの問い掛けに、司令部の大淀はそう返答した

その間に祐輔は、一隻の戦艦ル級を斬撃で撃沈

そして明日奈は、へ級を36mmで沈めた

だが祐輔は、内心で焦っていた

 

(不味い……どう考えても、一手足りない……戦力が足りない)

 

倒しても倒しても、深海悽艦は新たな戦力を投入してくる

幾ら祐輔艦隊が高い練度だろうが、相手の物量に太刀打ち出来ない

アリア艦隊は幸いにも無傷だが、弾薬の補充に後退している

このままだったら、押し込まれる

祐輔は内心で、冷や汗を流していた

その時だった

 

『全艦隊、主砲斉射! 凪ぎ払え!!』

 

と聞き覚えのある声が聞こえて、深海悽艦の真横に砲撃が放たれた

そこに

 

『間に合ったようやね……海鳴鎮守府の八神はやてや。傘下の艦隊、三個連合艦隊と予備艦娘……合わせて、60。救援に駆け付けたで!』

 

とはやてから、通信が来た

それを聞いた祐輔は

 

「八神中将、感謝します!」

 

『こっちで、敵を引き付けるから、そっちは敵の首級を!』

 

祐輔が感謝の言葉を言うと、はやてはそう言ってきた

それを聞いて、祐輔は

 

「了解!」

 

と返答し、構えた

そして

 

「02、着いてきてください! 目標は、敵姫級! 雑魚は構わないで!!」

 

と言って、突撃を開始した

祐輔は明日奈機を伴い、海面ギリギリを這うように飛んだ

その機動はかなり際どく、後方から追随していた明日奈は

 

(なるほど……確かに、並大抵の腕前じゃ、祐輔君に追い付けない……私でも、かなりギリギリ!)

 

と思っていた

明日奈も、自分の腕には自信があった

自慢ではないが、大本営所属戦術機部隊の中では、トップランクの腕前だった

だがその明日奈ですら、祐輔の腕前には追随出来るかギリギリだった

祐輔は道中の通常級は機動でやり過ごすか、むしろ踏み台に利用

奥に居る敵姫級に迫った

装甲空母姫と戦艦悽姫

しかも一体は、頭に傷があった

それを見た祐輔は

 

「敵戦艦悽姫は、スカーヘッドと断定!」

 

と告げた

それは、所謂二つ名持ちという個体だった

二つ名持ちとは、過去に行われた大規模作戦や海戦で生き残った個体を差す

今現在確認されているのは、約二十

その全てが、異常なまでの生存力が確認されている

撃沈させるのは、並大抵にはいかないのだ

しかし撃沈させれば、大本営から勲章と報奨が与えられる

 

『スカーヘッド……第10位の個体ね!?』

 

二つ名を聞いて、明日奈は驚愕した

スカーヘッドは、かなり上位に位置着けられる個体であり、過去に幾つもの鎮守府を襲撃し、全て生き残ってきた猛者の一体だ

 

「参る!!」

 

祐輔はそう言って、跳躍ユニットを設計限界ギリギリの出力で噴かした

そこに、装甲空母姫が出していたらしい艦載機が向かってきた

だが、それは

 

『させない!』

 

と明日奈が、持っていた突撃砲で牽制と撃墜

その直後、祐輔が

 

「まず……お前だ!」

 

と長刀を、装甲空母姫に振り下ろした

推力と遠心力を乗せた、重い一撃

通常種だったら、その一撃で轟沈は間違いないだろう

しかし、相手は仮にも姫級

一撃で撃沈出来る訳がなく、艤装にダメージを与えた程度だった

しかしその一撃で、装甲空母姫はカタパルトに大打撃を受けて、艦載機を出せなくなった

だが諦めず装甲空母姫は、副砲を指向した

それを見た瞬間、祐輔は装甲空母姫の艤装を蹴り、その場から離れた

装甲空母姫の撃った砲弾は空を穿ち、風切り音と共に遠くで水柱が上がった

直撃を受ければ、無事では済まないのは明白である

その直後

 

『祐輔君!』

 

と明日奈が声を上げ、祐輔は跳躍ユニットを下に向けて、垂直に上がった

その瞬間、祐輔機が居た場所を、数発の砲弾が走った

その砲弾は、スカーヘッドが撃った砲弾だった

 

『すぐ近くに、装甲空母姫が居るのに!?』

 

「なるほど……これが、二つ名持ちになった理由か!」

 

深海悽艦には、味方撃ちをしないという習性があった

それは、上位個体でも同じで、射線上に味方が居れば、撃ってこなかった

しかしスカーヘッドは、躊躇いなく撃ってきた

恐らくは、通常種や普通の鬼姫級とも違うのだろう

それが、異常な生存力の正体なのだろう

いざとなれば、味方艦を見捨てる冷徹さが

 

「だったら……そういう風に戦えばいい話だ!」

 

祐輔はそう言って、視線である操作を行った

それは、対Gリミッターの解除

戦術機の全機能を解放する操作だ

勿論だが、祐輔の視界には危険を示す赤い文字が映る

祐輔はそれを、強引に削除

装甲空母姫に突撃した

 

「はあ!!」

 

祐輔は流れるように、長刀を横凪ぎに振るい、艤装に更にダメージを与えた

もはや、残った戦闘力は一門の副砲と数基の機銃のみ

そこから祐輔は、一気に上昇

スカーヘッドの砲撃を回避した

その上昇速度に、明日奈は

 

『まさか、リミッターを!?』

 

と驚愕していた

その明日奈も、姫級達を助けようとしたらしい重巡リ級を撃沈

戦艦タ級を大破させた

そして祐輔は、装甲空母姫の機銃を回避しながら、装甲空母姫の本体たる人型部分に、長刀を振り下ろした

その一撃で、装甲空母姫は撃沈

沈み始めた

装甲空母姫の撃沈を確認した祐輔は、スカーヘッドに攻撃しようとした

だが気付けば、スカーヘッドの姿は無くなっていた

どうやら、途中で逃げたらしい

 

「逃がしたか……」

 

祐輔は悔しそうにしたが、機体の何ヵ所かが危険域一歩手前だとステータスで確認し

 

「02、無事で?」

 

と明日奈に問い掛けた

すると明日奈は

 

『私は大丈夫。敵は、撤退を始めたみたい……祐輔君は?』

 

と言った

その問い掛けに、祐輔は

 

「僕も無事です……アサルト1より、全艦隊並びに戦術機部隊に通達。敵戦力は、出来うる限り撃破せよ。ただし、深追いは厳禁」

 

と指示を下した

こうして、深海悽艦の襲撃の迎撃は成功したのだった

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