※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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鎮守府の一日

月は変わり、6月の下旬

季節は夏に差し掛かり、初音島も気温が大分高くなってきた

それにより、着ている軍服も夏服に変更

そんなある日、一人の艦娘がある人物を見ていた

その艦娘というのは、陽炎型駆逐艦娘の浜風だ

そんな浜風が見ているのは、新しく配属された海防艦娘達に教師役として戦術機のことを教えている直哉である

 

「直哉……さん……」

 

浜風は小さく、直哉の名前を呼んだ

その時

 

「浜風ぇ! 演習するわよ!」

 

と自身の姉艦

陽炎に呼ばれた

すると浜風は、気を取り直して

 

「今行きます」

 

と答えた

彼女、浜風の性格を一言で現すならば、真面目だろう

訓練や出撃を全力でこなし、演習も手を抜かない

そんな彼女が、なぜ直哉を見ていたのか

それは、彼女が配属された少し後にまで時期は遡る

その時期彼女は、夜間哨戒班に編成され、詰め所で待機していた

だがそんなある日、彼女は少し起きるタイミングを間違えて、夕食を食べ損ねてしまったのだ

そんな時、同じく夜間待機だった直哉があらわれて

 

『なんだ、どうした』

 

と問い掛けた

その後浜風は、夕食を食べ損ねたことを言った

すると直哉は間宮に事情を説明して、食材を別けてもらい、詰め所のキッチンを使って料理を作ったのだ

そして、浜風が料理を食べている間は代わりに施設の見回りに行った

そして浜風が料理を食べ終ると、食器を洗ってから夜間哨戒に出る浜風を見送ったのである

それが、直哉を意識した切っ掛けだった

しかし直哉には、既に恋人が居た

それは、自身が所属する艦隊の総秘書艦娘の吹雪(少佐相当艦)だ

少尉階級の自分からすれば、上官にあたる

そもそも、駆逐艦娘で少佐扱いという部分から凄いと浜風は思った

聞いた話では、吹雪は姫級の撃沈もしているとのこと

それが、駆逐艦では異例の佐官扱いなのだろう

そして浜風は、演習が終わった後に今日は即応班に編成されていたので、詰め所で待っていた

そして、どれほど待っただろうか

ある時、甲高い警報音が鳴った

そして、続けて

 

『哨戒艦隊から入電! 軽母ヌ級1を含む艦隊が接近! 即応艦隊は出撃せよ!!』

 

と放送が流れた

すると、第一即応班の班長になっていた古鷹が

 

「浜風ちゃん、龍驤ちゃん、那智さん、足柄さん、霧島さん、出撃するよ!」

 

と言った

呼ばれた面子は、即座に立ち上がり第一出撃ドッグに向かった

そこでは、新たに配属された整備士達が里香の指示に従い走り回っていた

その中には、整備士妖精も混じっている

それを傍目に、六人は艦娘用カタパルトの上に立った

そして、一人ずつ

 

「旗艦、重巡古鷹!」

 

「駆逐艦、浜風!」

 

「軽空母龍驤!」

 

「重巡那智!」

 

「重巡足柄!」

 

「戦艦、霧島!」

 

と自身の艦種と名前を叫んだ

その直後、一斉に

 

『抜錨!!』

 

と告げた

その直後、足下と頭上のハッチが開いて、アームに保持された各員の艤装が出てきた

それらは指定の場所に当てられると、整備士達が最終確認をしていく

そして、大丈夫なことを告げながら離れていく

そして整備士が全員離れると、正面の装甲隔壁が開いていく

装甲隔壁が完全に開いたのを確認し、古鷹が

 

「即応艦隊、出撃!!」

 

と言った

その直後、各艦娘がカタパルトで射出されていく

そして、全員が外に出ると

 

『艦隊、第四戦速! 単縦陣で向かいます!』

 

と古鷹からの通信が、全員に聞こえた

それに従い、即応艦隊は速度を上げつつ陣形を取った

そして、しばらく進むと

 

『龍驤から各艦娘へ! 彩雲が敵艦隊を捕捉したで! 1時の方向、距離三万! 編成は、リ級F、へ級E2、駆逐イ後期型2、ヌ級E1や!!』

 

と龍驤から通信が来た

それを聞いて、古鷹は

 

『龍驤ちゃんは、艦載機発艦! 霧島さんは、三式弾用意!』

 

と言った

すると、霧島が

 

『21号対空電探に感アリ! 10時の方向から、敵艦載機接近!』

 

と言った

方向から考えて、大回りしてきたのだろう

すると、龍驤が

 

『艦載機の皆ぁ! お仕事お仕事!!』

 

とまず戦闘機たる紫電改二を発艦開始

それを見ながら、古鷹は

 

『艦隊、対空戦闘用意!』

 

と号令を下した

そして数十分後、即応艦隊は見事に勝利

鎮守府に帰還したのだった

その後第一即応艦隊は、損傷した艦娘はすぐに入渠した

浜風も、大破寸前の中破相当のダメージを負っていた

そして、湯舟に浸かっていると

 

「お疲れ様、浜風ちゃん」

 

「はい、お疲れ様です。吹雪さん……って、吹雪さん!?」

 

隣に、気付けば吹雪が居た

気付かぬうちに居た吹雪に、浜風は驚いた

そして、恐る恐る

 

「なぜ、ここに居るんですか?」

 

と問い掛けた

すると、吹雪は

 

「ん? 第一と第二艦隊も出撃したからだよ」

 

と事も無げに答えた

それを聞いて、浜風は首を傾げた

すると、吹雪が

 

「えっとね、浜風ちゃん達第一即応艦隊が出撃した後に祐輔さんがね、哨戒艦隊が見つけたのは、囮かもしれないって言って、私達を出撃させたの」

 

と説明した

それは、祐輔の勘だった

祐輔は即応第一艦隊が出撃した後に、少しして

 

『この敵艦隊……囮かも』

 

と言って、吹雪を含めた主力第一艦隊と第二艦隊をそれぞれ南北に別けて出撃させたのである

そしてその勘は、当たりだった

それぞれ南北に、初音島のレーダー範囲外を、戦艦ル級F改率いる水上打撃艦隊と機動艦隊が本土向けて侵攻していたのだ

主力艦隊は、即座にその敵艦隊と交戦を開始

激戦の末に、撃滅することに成功したのである

 

「まあ、私は戦闘中にル級F改の砲撃を、クラインフィールドで弾き損ねちゃって、中破手前の小破になっちゃったの」

 

「なるほど……」

 

クラインフィールドというのは、非常に高い練度に到達した艦娘だけが使える特殊な力場である

大抵の砲雷撃ならば、これで十分に防げる

しかし吹雪は、クラインフィールドを張った時に角度が僅かに甘かった

それにより、衝撃が貫通

損傷を負ったのだ

とはいえ、そこは祐輔艦隊最高練度の吹雪

本来だったら大破もやむ無しの戦艦の砲撃

しかも、通常級では破格とも言えるル級F改の砲撃を、小破で耐えた

話を聞いた浜風は

 

(今の私だったら、間違いなく大破する……)

 

と確信した

そして、無言になった時

 

「浜風ちゃん……何か、私に隠してることあるでしょ?」

 

と問い掛けた

その問い掛けに、浜風は酷く動揺し

 

「な、ななな!?」

 

と言葉にならない声を上げた

恐らくは、なぜ!? と言いたかったのかもしれない

すると、吹雪は

 

「ん? 女の勘かなぁ」

 

と言ってのけた

そして、続けて

 

「もしかして……直哉のことかな?」

 

と問い掛けた

その時点で、浜風は固まっていた

完全に見透かされていたように思えた

そして、浜風が顔を真っ赤にして固まっていると

 

「怒らないから……ね?」

 

と優しい笑みを浮かべて、浜風に問い掛けた

それに観念して、浜風はゆっくりと話したのだった

そして、話を聞き終えた吹雪は

 

「あー……直哉らしいなぁ……直哉、昔から面倒見が良かったからね」

 

と納得していた

すると、浜風は

 

「昔と言いますと、孤児院の?」

 

と吹雪に問い掛けた

すると、吹雪は頷きながら

 

「うん。私や直哉を含めて、かなりの人数が居たよ。でも、面倒を見てくれる人が足らなくって、一部の年長者が一緒に面倒を見てたの……直哉も、率先して手伝ってたなぁ」

 

と懐かしむように言った

そして、浜風に

 

「実はね、その孤児院の頃から直哉を狙ってた女の子ってね、結構居たんだよ? 私含めてね」

 

と言った

話を聞いていた浜風は、納得した

自身もそうなのだから

そして吹雪は、自身と浜風の入渠時間を一瞥して

 

「他に、何か聞きたいことある?」

 

と問い掛けた

すると、浜風は

 

「それでは、直哉さんの昔話を……」

 

と言った

すると吹雪は、クスリと笑ってから

 

「いいよ、それじゃあね……」

 

と言って、昔話を始めた

その頃、シミュレーションルームでは

 

「へっくしょいっ!!」

 

と直哉が、くしゃみしていた

 

「直哉、てめえ……」

 

しかもそのくしゃみは、たまたま正面に居た一夏に直撃していた

 

「おう、悪い……」

 

直哉は軽く謝ると、鼻を啜った

すると、弾が

 

「珍しいな、風邪か?」

 

と直哉に問い掛けた

すると直哉は

 

「いや、これは吹雪が変な話をしていると見た」

 

と断言した

実際その通りなので、経験だろう

そして直哉は、書類を見て

 

「さて、桜内少尉との初訓練はどうだったかな?」

 

と二人に問い掛けた

その問い掛けに、一夏と弾の二人は

 

「まあ、任官時期を考えれば、中々な腕前だな」

 

「後は、経験を積めば一角の衛士になるな」

 

と忌憚なき意見を言った

それを聞いた直哉は、頷いて

 

「俺と同意見だな」

 

と言った

そして、次の書類を見て

 

「それじゃあ、次は技研から送られてきた新しい試作兵装のテストをシミュレーションで行う」

 

と言った

再び場所は変わり、執務室

そこでは、祐輔と明日奈

更に、重雷装巡洋艦の大井が書類を捌いていた

大井は、出撃した吹雪と古鷹の代わりに、書類仕事を引き受けていた

三人の机の上には、大量の書類が乗っている

これでも、大分減っているのだが

その時、祐輔が大きく背伸びした

すると、明日奈と大井の耳に盛大に骨が鳴る音が響き渡った

すると、大井が

 

「マッサージしましょうか?」

 

と微笑みながら言った

すると祐輔は、肩をグルグルと回しながら

 

「久しぶりに、やってもらいましょうか」

 

と言った

それを聞いた大井は立ち上がり、祐輔の後ろに回ると、マッサージを始めた

それを見ていた明日奈は

 

「なんか、この大井さんも違う」

 

と呟いた

すると、その大井本人が

 

「殆どの私は、クレイジーサイコレズとか呼ばれてますよね」

 

と苦笑いを浮かべた

そして大井は、祐輔にマッサージしながら

 

「私の前の所属は、技術研究厰なんです。その頃は、まだ軽巡洋艦でしたが」

 

と言った

それを聞いた明日奈は

 

「あ、祐輔君と同じ所からだったのね」

 

と言った

それに、大井は頷き

 

「私は人間から艦娘になって、技術研究厰で新しい魚雷や主砲のテストをしてました」

 

と語りだした

 

「そんなある日、技術研究厰を一人の提督が視察に来たんですが、その提督が私を犯そうと襲ってきたんです」

 

「つっ!?」

 

大井の話を聞いて、明日奈は息を飲んだ

いくら艦娘とはいえ、艤装を何か一つでも装備しなければ艦娘としての力は発揮出来ない

その提督はそれを知っていたのだろう

 

「そんな私を助けてくれたのが、祐輔さんでした」

 

大井がそう言うと、祐輔が

 

「あの時は、たまたま地下の射撃練習場で拳銃の練習をした帰りだったんです。艦娘用のロッカールームのドアが、少し開いてたんです。最初は閉め忘れかなと思って、閉めようとしました。そうしたら、中から短い悲鳴が聞こえたので、拳銃を構えながら突入したんです。そうしたら、その提督が大井さんの服を破いてたので、頭を蹴って気絶させて、拘束しました」

 

と話した

すると、明日奈は

 

「その提督、今は?」

 

「そいつなら、その後に他にやった悪事がバレて投獄されました。艦娘を娼婦として売っていたんです」

 

明日奈の問い掛けに、祐輔はそう答えた

それを聞いて、明日奈は安堵した

そのような提督は、百害あって一理なしだ

 

「そこから祐輔さんと話すようになって、髪を切ったり、マッサージしたり……それで、祐輔さんが提督になったと聞いて、岩谷准将に嘆願したんです。祐輔さんの鎮守府に行きたいって」

 

「それを、岩谷准将は聞き入れてくれたんだ」

 

「はい……」

 

明日奈と会話しながら、大井はマッサージを続行

そして、少しすると

 

「どうですか?」

 

と離れた

すると祐輔は、肩を軽く回して

 

「大分軽くなりましたよ。ありがとうございます」

 

と微笑んだ

そのタイミングで、昼を告げる鐘が鳴った

それを聞いて、明日奈は

 

「祐輔君、お昼食べに行くよ」

 

と言った

すると大井が、祐輔の右脇に腕を通して

 

「結城中佐、引きずっていきましょう。何かと言って、書類仕事をしようとする筈ですから」

 

と言った

すると、明日奈は

 

「もしかして……」

 

と大井と視線を合わせた

すると大井は、ニッコリと笑いながら

 

「技術研究厰の頃から、ブロックレーションを食べながら書類仕事してました」

 

と言った

そして祐輔が震えていると、明日奈が左脇に腕を通して

 

「はーい、祐輔君。食堂に行くよー」

 

「今日はなんでしょうねぇ」

 

と二人に引きずられ始めた

祐輔は

 

「僕は宇宙人じゃなーい」

 

と抗議するが、二人はそのまま食堂まで祐輔を引きずっていったのだった

どういう話を書いてほしいですか

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