※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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突然の休暇

祐輔と結婚して数日後、明日奈は吹雪と二人で話していた

 

「祐輔さんに、休んでもらう方法……ですか」

 

「うん……祐輔君。調べてみたら、休暇が貯まってるんだよね……」

 

実は祐輔、提督になってから一回も休暇を取ってないことが分かったのだ

しかし、ある意味では仕方ないのだろう

初音島は最前線だ

しかも、アリアが来るまで提督は祐輔のみだった

だから、中々休暇を取れるような状況ではなかった

 

「んー……まあ、一つ確実な方法が」

 

「それは?」

 

吹雪が指を一本立てながら言うと、明日奈は思わず身を乗り出した

その明日奈に、吹雪は

 

「それはですね……」

 

小声で、明日奈に耳打ちしたのだった

それから、更に数日後

 

「……休暇命令……」

 

「うん。長官から命令が来てるよ」

 

明日奈はそう言うと、祐輔に一枚の書類を差し出した

要約すれば、そこには

 

《榊原祐輔提督に対して、三日間の休暇を命令する》

 

と書かれてあった

 

「三日間……」

 

「祐輔君。何日間休暇が貯まってると思ってるの?」

 

明日奈のその問い掛けに、祐輔はしばらく考えていた

すると、吹雪が

 

「80日貯まってますよ」

 

と教えた

それを聞いた祐輔は、思わず

 

「え、そんなに?」

 

と問い掛けていた

すると、明日奈が

 

「だから、長官から命令が来たんじゃない」

 

と言った

実を言えば、それは二人が長官に連絡して、休暇命令を出させたのである

そして長官も、祐輔の休暇状態を把握していたから、渡りに船と乗った

しかも、隠れて仕事させないようにと、お目付け役として明日奈も休暇を取得していた

用意がいいにも、程があると祐輔は思った

しかし、そうさせたのは自分

だから、自分に非があると納得した

 

「分かりました……それで、明日からでしたね?」

 

「はい。明日から三日間。祐輔さんは休暇です」

 

祐輔の問い掛けに、吹雪はそう言った

それを聞いた祐輔は、深々と溜め息を吐いて

 

「平時の指揮権は、篁少佐に任せます。まあ、吹雪ちゃんや古鷹ちゃんが居れば、大丈夫か」

 

と言った

確かに、唯依は艦隊指揮経験は殆ど無い

しかし、長い間祐輔を支えた二人が居るならば、何も問題は無い筈である

 

「もし判断に困ったら、アリア中佐か八神中将に聞くようにね」

 

「分かった。任せておけ」

 

祐輔の言葉を聞いて、唯依は頷いた

そうして祐輔は、その日の執務を終わらせた

そして、翌日

 

「さてと……」

 

祐輔と明日奈は、鎮守府の地下ハンガーに居た

とは言え、居るのは航空機用ハンガーである

これから、飛行機で本土に向かうのだ

 

「この間のを除けば、久しぶりの本土か……しかも、軍務以外の」

 

「そうなんだ」

 

と二人が話している間に、準備が整い二人は搭乗

二人が乗った飛行機と、護衛の戦闘機は本土に飛んだ

その後は、列車に乗って、一路北へ

そして、初音島を出て数時間後

 

「ここが……」

 

「はい、僕の産まれ故郷……小間町です……とはいえ、跡形も無いですが……」

 

二人は、祐輔の産まれ故郷に来ていた

今から約10年前に、深海棲艦の大規模侵攻により滅んだ町

今居るのは、その後に建てられた鎮守府の関係者のみとなっている

 

「まあ、仕方ないんですけどね……生き残りは、僕だけですから……」

 

祐輔はそう言って、ある大きな石碑の前に立った

その石碑の一番上に刻まれてるのは、慰霊碑

その下に、大規模侵攻によって亡くなった方達に、哀悼の意を表する

と彫られていて、当時の政威大将軍の名前もある

そしてその下には、夥しい数の名前

 

「こんなに……」

 

「約三千人が亡くなりましたからね……」

 

祐輔はそう言って、ある一ヶ所に指を這わせた

そこには、榊原祐斗、榊原雪音、榊原百合と彫られてあった

それを見た明日奈は

 

「それが……祐輔君の?」

 

と問い掛けた

それを聞いた祐輔は、頷き

 

「はい……僕の家族です……父さんは漁師で、母さんは町の郵便局で働いてて、姉さんは軍の医療班に居たそうです……」

 

と答えた

そして、小さく

 

「父さん、母さん、姉さん……久しぶりに、帰ってきたよ……」

 

と言って、両手を合わせた

それを見て、明日奈は無言で両手を合わせた

その後二人は、小間町から少し内陸部の山間にある小さい旅館に向かった

小さいながらに山の幸をふんだんに使った料理と、温泉が有名な旅館だ

 

「ここ……随分昔に、家族旅行で来たんです」

 

祐輔はそう言って、自分のと明日奈の荷物を車から下ろして、旅館に入った

すると、優しそうな笑みを浮かべた女将さんがやってきて

 

「いらっしゃいませ……ご宿泊ですか?」

 

と出迎えた

 

「はい、急ですみません。二人一部屋です」

 

祐輔がそう言うと、女将は

 

「大丈夫です。失礼しますが、お名前は?」

 

と問い掛けた

その問い掛けに、祐輔は

 

「あ、はい。榊原です」

 

と答えた

それを聞いた女将は

 

「榊原……」

 

と呟くと、祐輔をジッと見詰めた

その反応に祐輔は、思わず首を傾げた

すると

 

「もし間違っていたら、申し訳ありません……もしや、約12年前にご家族でお泊まり頂いた、榊原様ですか?」

 

と女将は、祐輔に問い掛けた

その問い掛けに、祐輔は驚いた様子で

 

「確かに、家族できましたが……よく覚えて……」

 

と言った

すると、女将は

 

「それはもう……私が女将になった年にいらっしゃった、小間町からの最後のお客様ですからね」

 

と言った

すると、女将は

 

「あら、無駄話をしてすみません。これから、お部屋にご案内致しますね」

 

と言って、二人分のスリッパを用意

二人が靴を脱いで靴箱に仕舞うと、案内を始めた

二人が案内されたのは、二人で過ごすには広い部屋だった

しかも部屋の外には、専用の湯船まであった

 

「わあ、素敵……」

 

窓から外を見た明日奈は、思わずそう呟いた

そこからは、見事な滝が一望出来る

 

「こんな良い部屋、いいんですか?」

 

と祐輔が問い掛けると、女将は

 

「はい、大丈夫です。どうやら、新婚旅行の様子ですので、こちらでご用意出来る最高のお部屋です」

 

と答えた

どうやら、二人の左手薬指の指輪に気付いていたようだ

 

「ご夕食のお時間は、夜七時から九時となっています。それと大浴場は、午後一時から三時の間以外ならば、何時でもご入浴可能となっています。では、ごゆっくり」

 

女将はそう言うと、静かに襖を閉めた

こうして、三日間の休暇は始まったのだった

どういう話を書いてほしいですか

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