※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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対のネックレス

工房から帰ると、祐輔と明日奈の二人は汗を流すために少し早目のお風呂に入ることにした

 

「どう、祐輔君。痒い所はない?」

 

「はい、大丈夫です」

 

そして今二人は、家族風呂を借りて一緒に入っていた

二人は互いの体を洗うと、湯船に入って窓から見える景色を見ていた

青々と繁った木に、快晴の空

二度の大戦と深海大戦が始まったことで、大分数と種類が減ってしまったが、空を鳥が飛んでいく

すると明日奈が

 

「……平和だね」

 

と呟いた

それを聞いた祐輔は

 

「確かに、そうですね……戦時下ということを、忘れそうです」

 

と同意した

それほどに、ゆっくりと時間が過ぎていた

軍では、何かと時間に追われていたから、その感覚はひとしおだろう

その後二人は、入浴を終えると部屋に戻った

そして、のんびりしていると

 

「あの……明日奈さん」

 

と祐輔が、明日奈を呼んだ

 

「ん、なぁに?」

 

呼ばれた明日奈は、視線を祐輔に向けた

すると祐輔は、バッグの中から二つの木箱を取り出した

そして、中を確認すると

 

「これ、どうぞ」

 

と明日奈に手渡した

その木箱を受け取った明日奈は、祐輔に

 

「開けても?」

 

と問い掛けた

その問い掛けに祐輔は、恥ずかしそうにしながらも頷いた

それを見た明日奈は、木箱の蓋を開けた

中には、青緑色の宝石が使われたネックレスが入っていた

 

「これって……」

 

「明日奈さんの誕生石……アイオライトを使ったネックレスです……瑠璃さんの所で、買いました」

 

明日奈が驚いていると、祐輔が頬を掻きながらそう告げた

それを聞いた明日奈は

 

「これの値段、私も見たけど……高かったでしょ?」

 

と祐輔に問い掛けた

すると祐輔は

 

「いえ、それほどではなかったですよ? 大体、30万というところでした」

 

と平然と答えた

そして続けて

 

「僕、元々お金はそれほど使ってなかったんで、かなり貯まってるんですよ。気にしないでください」

 

と言った

実際、祐輔の口座には年齢からしたら、圧倒的金額が貯金されている

その金額からしたら、30万というのは大した金額ではないのだ

だが、それを聞いても明日奈は

 

「で、でも……」

 

と躊躇していた

すると祐輔は

 

「実は、結婚してからまともにプレゼント出来ていなかったのを、少し気にしてたんです。指輪だって、急いで用意したので、安物ですし」

 

と言った

安物とは言ったが、一つ十数万する代物である

だが、祐輔としては納得していなかったようだ

そして

 

「だから、受け取ってください……僕からの、気持ちです」

 

と言って、ネックレスを持っている明日奈の手を優しく両手で包んだ

すると明日奈は、目尻に涙を滲ませて

 

「祐輔君、ありがとう……」

 

と感謝の言葉を口にした

そして、祐輔にそのネックレスを手渡して

 

「着けて、くれる?」

 

と祐輔に背を向けた

それを聞いた祐輔は

 

「はい、わかりました」

 

と言って、不慣れながらも明日奈の首にネックレスを掛けた

すると明日奈は、宝石が嵌め込まれてる部分を持ち上げて

 

「ありがとう、大事にするね」

 

と笑顔で告げた

そして、もう1つの木箱を見て

 

「そっちは?」

 

と問い掛けた

すると祐輔は

 

「あ、こっちは、瑠璃さんが特別にと……」

 

と言って、蓋を開けた

その中から出てきたのは、琥珀色の宝石だった

それを見た明日奈は

 

「トパーズだわ……確か、10月の誕生石」

 

と言った

それを聞いた祐輔は

 

「偶然かな……僕の誕生月が、10月ですね」

 

と呟いた

それを聞いて、明日奈は

 

「10月14日、だよね?」

 

と言った

それを聞いた祐輔が頷くと、明日奈が

 

「着けてあげるから、背中を向けて」

 

と言った

それを聞いた祐輔は、背を明日奈に向けた

すると明日奈は、慣れた手つきで祐輔にネックレスを掛けた

そして、祐輔のネックレスを見て

 

「同じ意匠で、お揃いだね♪」

 

と上機嫌に言った

その言葉に頷きつつ、祐輔は内心で

 

(そういえば、この二つだけ同じ意匠だったな……なんでだろう?)

 

と首を傾げていた

白雨瑠璃こと村雨

彼女は、約数年前まである鎮守府である提督の秘書艦を勤めていた

しかしある日、その鎮守府がたった一隻に敵艦に襲われて壊滅した

その日は、村雨を含めた主力艦隊は出撃しており、鎮守府には低レベルか負傷した艦娘しか残っていなかった

その隙を突かれて、鎮守府は壊滅

多くの同僚と提督は、死亡してしまった

彼女が愛して、結婚する予定だった提督が

鎮守府が壊滅し、提督が死んだ

そう聞いた彼女は、一時は自殺すら考えた

だがそれを覆したのは、提督がいまわの際まで持っていた箱の中身だった

その箱には、当時から彫金に興味があり、独学で作った二つのネックレスと手紙が入っていた

その手紙には、提督からの遺言が綴られていた

どうか、生きてほしい、と

だから村雨は、生きた

生きて、当時作ったネックレスを完成させた

二つの宝石は、工房の鉱山で採掘された宝石を使った

提督の誕生石たるアイオライトと、結婚する時に村雨の誕生日として登録する予定だった10月の誕生石のトパーズを

工房にて完成させた直後は、売るつもりはなかった

しかしある日、誰にも見せずに終わらせるのも嫌だと思った

だから、売ることに決めた

ただし、一対としてではなく、別々に

だがそこに、祐輔が買いに来た

大事な女性(明日奈)に、プレゼントしたいと

だから村雨は、二つをセットにして売ったのだ

本来の姿として

しかし、祐輔と明日奈はそれを知らない

だが知らなくても、別たれることはないだろう

失われない限り

そして二人は、ゆっくりと時を過ごしていく

どういう話を書いてほしいですか

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