「なるほどね……つまりここは、妖精の力で砂浜化した執務室なわけね」
と頷いていたのは、祐輔達から状況を聞いた里香である
その里香も、もれなく水着姿だ
普段は作業着で分かりにくいが、結構胸がある
「だからって、なんで僕が……」
その祐輔の頭には、見事なタンコブが出来ている
里香に殴られたのである
「あんたが買って、そうさせたんだから、あんたに責任があるわよ。祐輔」
祐輔の言葉を聞いて、里香がそう言った
「リズ、祐輔君だって被害者なんだから……」
「甘いわよ、明日奈。妖精の気紛れや能力を知ってたんだから、予想出来たはずよ」
祐輔をフォローしようとした明日奈に、里香はそう苦言を呈した
「ここまでなんて、分かりませんでしたよ……」
「甘いわね、祐輔。あたしなんて、技研の頃からの付き合いよ? もう、何が起きても驚かないわよ」
祐輔の言葉を聞いて、里香はそう言った
そして、太陽を見上げて
「しっかしまあ、砂浜までかぁ……流石は妖精。何年ぶりかに、水着なんて着たわよ」
と言った
そして、パラソルの下で寝転がった
すると、祐輔が
「あー……実は、一つ気付いたことがあるんですよ」
と言った
それを聞いた三人の視線が、祐輔に向くと
「実は……本当に少しずつなんですが……水位が上がってきてるんですよ」
と言って、ある方向を指差した
その先には、一本の棒が突き立てられてあった
そこには、海水が
「あの棒は、この状態になった時に僕が突き立てておいた棒なんです。波打ち際という場所を分かりやすくするために」
祐輔はそう言ったが、そこは海水に満ちている
「波打ち際処か、結構来てるな……」
「うん……本当に少しずつだけど、潮が満ちてきてるみたいなんだ……」
唯依の言葉に、祐輔は頷きながらそう同意した
「祐輔の試算だと、どれくらいでここまで来そう?」
「そうですね……後、一時間位かと……」
里香からの問い掛けに、祐輔は少し考えてからそう言った
それを聞いた明日奈が
「下手に移動も出来ないね……本当に、執務室に居ながら遭難しちゃう……」
と、困ったという表情で言った
それに、祐輔は同意するように頷き
「だから、まあ……」
と少し顔を赤くしながら、頭を掻いた
そして、少し間を置いてから
「三人は、僕に掴まってて……僕が、漂流対策の柱代わりになるから」
と言った
それから、約一時間後
「うわ……本当に来たわよ……」
「しかも、結構早い……」
「祐輔君、大丈夫?」
祐輔の予想通り、四人の居た場所にまで潮が満ちてきた
祐輔は、パラソルの傘部分を外した棒を掴みながら
「まあ、この位ならば大丈夫です」
と答えた
既に、明日奈、唯依、里香の三人は祐輔に掴まっている
水位は、四人の膝の位置にまで来ている
(……早く、誰か来て……)
祐輔はそう心中で祈った
だが、それから更に一時間後
「け、結構ヤバくない?」
「もう、足が着かないな……祐輔が頼りか」
「祐輔君、無理はしないでね?」
三人は、既に足が着かなくなっていて、祐輔に掴まって浮いている状況になっていた
そして祐輔だが、なんとか顔だけ出している状況だった
「だ、大丈夫です……」
祐輔はそう言うが、既に手がギリギリ棒の先端を掴んでいる状態で、顔が海面ギリギリに出ているレベルだ
長くは持たないだろう
(お願い……本当に、誰か来て……)
と祐輔は祈った
その直後、祐輔はズシンっという衝撃を感じた
その直後、祐輔は
「三人共! 僕に強く掴まって!!」
と声を上げた
その言葉を聞いた三人は、祐輔に強く抱き付いた
その直後、凄まじい勢いで水位が低くなっていく
その勢いは、渦巻きが出来る程だった
それを祐輔は、必死にパラソルのポールを掴んで耐えていた
そしてその祐輔に抱きつく形で、明日奈、唯依、里香の三人も耐えていた
そして、水位が低くなり始めて数分後
「海水が……完全に無くなった」
と明日奈が言った
その言葉の通り、満ちていた海水は綺麗に無くなっていた
そして気付けば、ドアの位置に拳を振り切った姿の秋月が居た
その肩には、幾らか濡れているアリアが登っている
どうやら、アリア艦隊の秋月がドアを破砕したようだ
三人抱き付かれて倒れていた祐輔は、その秋月に
「うん、助かったよ。ありがとうね」
と感謝の言葉を述べた
その後、執務室から出ると祐輔は、端末を使って執務室を元に戻した
恐ろしいことに、昼休みからそんなに時間は経っていなかった
どうやら、時間の流れも違ったようだ
そして、体を拭いて着替えてきたアリアやアリア艦隊の秋月を迎え入れた
来た理由は、演習に関するアドバイスを聞きたかったかららしい
そして、ドアを破砕した理由は
「え? 経験があるの?」
「はい……前に居た艦隊で、同じようなことを経験してまして……」
どうやら秋月は、以前に居た艦隊で同じような経験をしていたらしい
それにより、ドアを破砕した方が確実と判断して、破砕したようだ
「まあ、本当に助かったよ……鎮守府に居ながら遭難するかと思った……」
祐輔がそう言うと、秋月は
「そうならずに、本当に良かったです」
と苦笑していた
そして、祐輔は執務を再開
明日奈達も、通常業務に戻った
その後、川内がドアを修理
波打ち際の砂浜床は、明石の指揮の下で、通常仕様に戻されたのだった
どういう話を書いてほしいですか
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