『ちくしょう! こういうことだったのか……しまっ!?』
『05!?』
『このIFF……あいつらも、同じ00部隊じゃねえか!? なんでぇ!?』
『全機、後退しろ! 12を逃がす!』
『そんな!? 隊長!!』
『12……いや、祐輔! お前は生き残れ! 生きて、俺達のことを伝えるんだ!!』
『しかし!』
『お前だけなんだ! 今無傷なのは! だから、お前に託す!』
『隊長ぉぉぉぉ!!』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「はぁっ!?」
深夜に祐輔は飛び起きると、自分の体を掻き抱いた
見た夢は、祐輔の過去
後ろ暗い、未だに囚われている辛い過去
そのことを知っているのは、極一握りのみ
隣で寝ている明日奈も知らない
機密も関わっているが、祐輔はどうしても話す気にはなれなかった
やっていたことが、余りにも後ろめたいことだったからだ
祐輔は自分を落ち着かせようと、爪が食い込む程に自分を掻き抱いて、荒く呼吸を繰り返していた
その時
「……どうしたの? 祐輔君?」
と明日奈の声
気づけば、明日奈が目元を擦りながら、上半身を起こしていた
寝る前に交わっていたので、二人して裸身にタオルケットを巻き付けているのみだ
明日奈の問い掛けに、祐輔は笑みを浮かべて
「大丈夫……ですよ、明日奈さん……少し、夢見が悪かっただけですから……」
祐輔がそう言うと、明日奈は
「本当に……大丈夫? 泣きそうな顔、してるよ?」
と祐輔の顔を、覗きこんだ
その言葉に、祐輔の目から僅かに涙が流れた
すると、そんな祐輔の頭を、明日奈は優しく抱き締めて
「大丈夫……大丈夫だよ……ゆっくり……落ち着いて……」
と言いながら、優しく撫で始めた
気づけば祐輔は、明日奈に抱き付いていた
明日奈に抱き付き、明日奈の鼓動を聞いていた
規則正しく、トクントクンと聞こえる鼓動
それを聞いていると、少しずつ祐輔の気持ちは落ち着いていった
そして気づけば、二人はまた眠っていた
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
翌日、祐輔と明日奈は何時も通りに執務していた
その時
「失礼するわ!」
と長い紫がかった黒髪の少女
特Ⅲ型駆逐艦娘の暁が入ってきた
その身長は高く、姉妹の中では一番高い
しかしある順序では、雷、電、ヴェールヌイ、暁となっている
名誉のために、詳細は伏せるが
「暁ちゃん、どうしたの?」
と祐輔が問い掛けると、暁は
「裏手の砂浜に、艦娘の遺体が流れ着いてる!」
と告げた
それを聞いて、祐輔は
「分かった……明石さんと電ちゃんを呼んで……」
「もう呼んであるわ! 急いで!」
祐輔の言葉を遮りながら、暁はドアから廊下に出た
その後を、祐輔と明日奈は追い掛けた
そして数分後
「祐輔、ここ!」
「祐輔さん!」
明石と電が先に居て、祐輔に手を振っていた
その場所に行くと、確かに一人の艦娘の遺体が流れ着いていた
「明石さん、死後どの位経過してますか?」
「大体、六、七時間ってところね……」
「捨て艦ではないのです」
祐輔の問い掛けに明石が答えると、電が破損している武装を掲げた
20.3cm連装砲だ
「長良型軽巡洋艦の五十鈴……ですね……この姿は、改かな?」
祐輔はそう言うと、両手を合わせた
明日奈も手を合わせてから
「多分……遠征帰りに、襲撃された……ってところかな?」
と首を傾げた
それを聞いた祐輔は、頷きながら
「とりあえず、明石さんと電ちゃんは遺体を収容して、司法解剖……その後は、遺体を燃やします」
と指示を出した
そして祐輔は、明日奈に視線を向けて
「僕達は、行方不明者届けが出されてないか、調べましょう」
と言った
それから、数十分後
「……あ、あった!」
と明日奈が、声を上げた
「何処ですか?」
「えっと……第一新潟西鎮守府」
祐輔の問い掛けに、明日奈はそう答えた
それを聞いた祐輔は、通信を試みた
「こちらは、第一初音島鎮守府提督の榊原祐輔提督です……第一新潟西鎮守府、聞こえますか?」
『こちらは、第一新潟西鎮守府です。どうしました?』
祐輔の問い掛けに、第一新潟西鎮守府の通信士が出た
「そちらの提督に、大至急伝えたいことがあります。繋いでほしいんですが」
『分かりました。少々お待ちください』
通信士がそう言うと、無機質な電子音で音楽が流れ始めた
そして、数十秒後
『はい、お待たせしました! こちらは、第一新潟西鎮守府提督。沖田十蔵大佐です!』
と男の声が聞こえた
「初めまして。第一初音島鎮守府提督、榊原祐輔少将です。今回は急にすいません」
『いえ、こちらも急いでおりますので。手短にお願いします』
祐輔の言葉に、沖田大佐はそう答えた
それを聞いた祐輔は
「では、本題を告げます……そちらが行方不明届けを出されました五十鈴ですが……遺体で収容しました」
と切り出した
『なっ!?』
祐輔の話を聞いて、沖田大佐は驚きの声を上げた
「今から、見つけたプレートの番号を言います……照合を」
祐輔はそう言ってから、12桁の番号を言った
すると、沖田大佐は声を震わせながら
『間違いありません……こちらの、五十鈴です……』
と答えた
それを聞いた祐輔は
「遺体は既に、荼毘に臥しました……後日、こちらに取りに来ていただければ、そちらに引き渡します」
『分かりました……ありがとうございます……近日、伺います……』
そう会話すると、祐輔は受話器を置いた
その直後、すぐに電話が鳴った
「はい、祐輔です」
『あ、祐輔? あの五十鈴の遺骨を、地下の第三遺骨収納所に収納しました』
祐輔が出ると、明石がそう言った
それを聞いて、祐輔は
「分かりました。ありがとうございます……艤装のほうは?」
『隣の廃艤装置き場に』
祐輔の問い掛けに、明石はそう答えた
それを聞いた祐輔は、その五十鈴に割り振られた番号を聞いた
そして、祐輔が受話器を置くと
「ねえ、祐輔君」
と明日奈が呼んだ
呼ばれた祐輔が、視線を向けると
「遺骨収納所……見ていいかな?」
と祐輔に問い掛けた
それを聞いた祐輔は、少し考えてから
「吹雪ちゃん、少しの間お願いね」
と言ってから、明日奈を伴ってエレベーターで地下に向かった
そして、数分後
「ここです」
祐輔はそう言って、カードキーをスキャナーに通して解錠
扉を開けると、電気が自動で点いた
そして明日奈は、棚に所狭しと納められた箱を見て、固まった
「こんなに……」
「これでも、まだ一部なんです……」
明日奈が驚いていると、祐輔は悲しそうにそう言った
「ここのは、変換主が見つかってない遺骨が納められてます……中には、軍籍に登録されてる遺伝子から、人間からなった子の遺骨は返せているんです」
「そう……なんだ……」
明日奈はそう言うと、両手を合わせて拝んだ
そして、顔を上げると
「執務室に、戻ろう」
と収納所から出た
その時明日奈は、その通路の奥のドアに第五格納庫という文字を見つけた
(第五格納庫? 確か、私や祐輔君。直哉君達の機体が第一格納庫……唯依さん達のが、第二……妖精用のが、第三……第四は確か、予備って聞いたけど……第五格納庫?)
と明日奈が首を傾げていると、祐輔が
「明日奈さん、行きますよ」
と呼んだ
呼ばれた明日奈は、急いで祐輔と一緒に執務室に戻ったのだった
どういう話を書いてほしいですか
-
戦闘多め
-
日常多め
-
エロ多め