※この作品はR-18です。

艦隊これくしょん・絆の旋律   作:京勇樹

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天枷研究所 1

外出届けを得た二人は、祐輔の運転で外出した

 

「まず、何処から行く?」

 

「天枷研究所から行きましょう」

 

明日奈の問い掛けに、祐輔はそう言ってハンドルを切った

 

「天枷研究所?」

 

「はい。さくらさんに……明日奈さんのことを、ちゃんと説明しようかと」

 

明日奈が問い掛けると、祐輔は少し気恥ずかしい様子でそう言った

そして、続けて

 

「一応、手紙では軽く伝えましたが……まだきちんと話してないので」

 

と言った

それを聞いた明日奈は、笑みを浮かべて

 

「うん。それは、大事だね」

 

と言った

そして、鎮守府を離れて十数分後

 

「申し訳ありません、関係者の方以外は……」

 

と二人は、天枷研究所の警備員に止められていた

それに祐輔は、軍を示す身分証明書を取りだそうとしたが

 

「大丈夫です。彼は、さくらさんの知り合いですよ」

 

と後ろから、声がした

二人が振り向くと、そこには二人の美少女が居た

一人は長い髪を大きなリボンで纏めていて、もう一人は二つのシニョンで髪を纏めている

その二人を見て、警備員が

 

「ああ、音姫さん。由夢さん……本当ですか?」

 

とその姉妹に問い掛けた

彼女達の名前は、朝倉音姫(あさくらおとめ)と由夢(ゆめ)

姉妹である

祐輔と義之の二人とは、浅からぬ縁がある姉妹だ

 

「はい。彼は、弟君と同じようにさくらさんが引き取ってました」

 

「だから、大丈夫ですよ」

 

と二人が説明していると、奥から別の警備員が現れて

 

「すいません、こいつは新米でして……ほら、説明したじゃないか。芳野博士の養子とその親戚と」

 

と入り口に居た警備員に言った

すると、その警備員が

 

「あ……」

 

と懐から、手帳を取り出して開いた

そしてその手帳と祐輔を見比べて

 

「し、失礼しました! 貴方でしたか! 提督殿!」

 

と姿勢を正した

その際に手帳に挟まっていたらしい写真が、一枚ヒラリと落ちた

そこには、提督の制服を着た祐輔の姿があった

どうやら、私服だったことから気づかなかったようだ

 

「いえ、大丈夫ですよ。こちらは、僕の副官を勤めてくれている」

 

「榊原明日奈中佐です」

 

明日奈は名乗りながら、敬礼した

その名前を聞いて、音姫と由夢は少し驚いている

すると、後から来た警備員が

 

「はい、お名前は伺ってます。どうぞ」

 

と入り口を開けた

そして、中に入ると

 

「久しぶり、祐輔くん。弟君は、どう?」

 

と音姫が聞いてきた

彼女が言う弟君というのは、義之のことである

 

「義之なら、最近は艦娘の子達に人気ですよ。特に海防艦の子達に」

 

「あー……見た目、小学校一年生位の子だね」

 

「納得です」

 

祐輔の説明を聞いて、音姫と由夢の二人は何処か納得した様子で頷いていた

そんな二人を見て、明日奈が

 

「祐輔君……彼女達は……」

 

と問い掛けた

すると、二人は敬礼しながら

 

「初音島仕官学校上級士官コースを習ってます、朝倉音姫です」

 

「同じく、医務コースを習ってます、朝倉由夢です」

 

と名乗った

そして、明日奈が返礼していると

 

「彼女達は、さくらさんの親戚です。まあ、僕や義之からしたら兄妹みたいなものですね」

 

と言った

なお、祐輔と音姫は同い年

義之は、その二歳下で、由夢は更に一歳下である

 

「私としては、祐輔さんがいきなり居なくなったことに驚きましたよ……」

 

「そうだよ。私達に何も言わないで、仕官学校に行って……心配したんだよ? しかも、ニュースで深海悽艦の大侵攻に、多数の繰り上げ任官衛士が交戦したって聞いて……生きた心地がしなかったよ……」

 

二人がそう言うと、祐輔は苦笑いを浮かべて

 

「あははは……そう言われると、返す言葉が無いですね……」

 

と言いながら、頬を掻いた

やはり、兄妹同然だからだろう

心配したようだ

すると音姫が、明日奈を見て

 

「しかも、こんな美人な奥さんまで居るなんてね」

 

と言った

 

「はい……所作から、かなりいい家の出のようですが……」

 

「私の旧姓は、結城です」

 

由夢の疑問に、明日奈がそう言った

すると、音姫が

 

「まさか、帝国近衛の結城家!?」

 

と驚いていた

 

「なんで、近衛の方が海軍仕官に……」

 

「えっと……まあ、色々とね……」

 

由夢が呟くと、明日奈は濁しながらそう答えた

すると音姫が、軽く由夢の頭に手刀を当てて

 

「ダメだよ、由夢ちゃん。そういうことを聞いたら」

 

と怒った

そこに

 

「おやぁ? 珍しいメンツだねぇ」

 

と幼い声が聞こえた

見てみれば、銀髪の少女が居た

 

「あ、久しぶりです。アイシアさん。お元気そうで、何よりです」

 

その少女を見て、祐輔が頭を下げた

すると明日奈が

 

「祐輔君、彼女は……」

 

と祐輔に問い掛けた

すると、祐輔は

 

「彼女は、アイシア・マロースさん。さくらさんの補佐をしてくれている学者さんです」

 

と教えた

するとアイシアが

 

「初めまして、アイシア・マロースだよ。よろしくね?」

 

と挨拶した

 

「初めまして。私は、榊原明日奈です。祐輔君の副官を勤めてます」

 

「おぉ! さくらから、話は聞いてるよ! 本当に美人さんだねぇ!」

 

明日奈が名乗ると、アイシアは楽しそうにそう言った

かなり明るい性格なのが伝わる

 

「さくらが待ってるよ、着いてきて!」

 

アイシアはそう言うと、四人の前を歩き出した

すると祐輔が

 

「さくらさんは、何処に?」

 

とアイシアに問い掛けた

 

「さくらなら、地下の90番に居るよ」

 

「90番って、まさか……」

 

アイシアの言葉に、祐輔は思わず息を飲んだ

この時、後ろでは

 

「彼女……芳野博士の補佐が出来る技師さんなんだ……」

 

「はい。機械工学の世界的権威の一人なんですよ」

 

「見た目は、さくらさんみたいですがね」

 

と女三人が会話していた

 

「……先に言っておきますけど、アイシアさんはさくらさんと同い年なんですよ……」

 

「お爺ちゃんと同い年だから……今年で、70だったかな……」

 

「え……それで、あの見た目……?」

 

音姫と由夢の話を聞いた明日奈は、驚いた表情を浮かべた

まあ、仕方ないのかもしれない

見た目10歳位なのに、実年齢は70

アンチエイジング処ではない

 

「さってと……そっちの三人、今から行く場所の事は喋ったらダメだからね?」

 

先にエレベーターのスイッチを押したアイシアは、三人にそう言った

そのタイミングで、エレベーターのドアが開き

 

「早く入って」

 

とアイシアが手招きした

そして、三人が中に入るとアイシアが

 

「よ……っと」

 

と懐から出した鍵を、スイッチ下のシリンダーに入れて回した

すると、スイッチを押してないのに、エレベーターが下がり始めた

 

「今から行く階には、帝国の重要機密があるから……他の人には喋ったらダメだよ?」

 

「は、はい」

 

「わかりました」

 

アイシアの言葉を聞いて、訓練生の音姫と由夢は緊張した様子で頷いた

その時、後ろ側の窓ガラスから下が見えたのだが、そこから見えたのは

 

「あれは……まさか、新型戦術機!?」

 

下には、鋭角的なデザインの戦術機が見えた

すると祐輔が

 

「……あれもまた、不知火弐型ですよ」

 

と言った

 

「正式には、不知火弐型フェイズ3……別名、極光」

 

その横たわった巨人を見て、祐輔はそう呟いた

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