「……吹雪ちゃん、報告お願い……」
「はい……えー……天龍さん、鬼怒さん、大破。翔鶴さん、中破。駆逐艦、小破未満が数名。それと、施設の一部破損……以上です」
吹雪の報告を聞いて、祐輔は深々と溜め息を吐いた
そして、目の前で正座している数名を見て
「一つずつ、聞いてこうか……朝潮ちゃん!」
「はい!」
祐輔が呼ぶと、朝潮は背筋を伸ばした
「朝潮ちゃんというより、朝潮型全員だけど……何がしたかったの!?」
「全力で鬼を退治しようとしました!」
「全力過ぎ!! おかげで、鬼怒ちゃんが大破したよ!?」
朝潮の言葉を聞いた祐輔は、そう言って視線を横にズラして
「次に電ちゃん! なんで機銃使ったの!?」
「鬼だったのです!?」
祐輔の言葉に、電は涙目でそう言った
確かに、天龍の頭の艤装を考えれば、鬼に見えないこともない
「僕には、電ちゃんの方が鬼に見えたよ!? 天龍さん、蜂の巣だったよ!?」
そこまで言うと、祐輔は更に視線をズラし
「川内さん、神通さん!?」
「いやぁ……夜になったから、ついテンション上がっちゃって……」
「その……私も興奮してしまいまして……」
「自分達の
川内と神通の練度は、90に到達している
それを考えると、確かに大破が出なかったのは奇蹟だろう
そして、次の人物に視線を向けて
「霧島さん!?」
「待ってください!? 私のお豆は挟叉でした!」
「主砲で撃つから、壁に穴空いたんでしょ!? 艤装まで持ち出して!?」
祐輔がそう叩いた壁は、見事に穴だらけになっていた
その壁を見て、明石が頭を抱えて唸っている
「翔鶴さんは何があったの!?」
という祐輔の問い掛けに、瑞鶴が気まずそうに
「あー……翔鶴姉は、完全に事故なのよ……」
と言いながら、手を挙げた
「説明!」
「えっとね……発端は、軽空母達が中心になって飲み始めたのよ……その時に一人が、酒のつまみにポン菓子を作ろうって提案したのよ……参加者だった陸奥さんの艤装を使って……そこに、翔鶴姉が通りがかって……」
「あの
「はいはーい」
祐輔の指示を聞いて、蒼龍は苦笑いを浮かべながら部屋から退室した
正規空母蒼龍
祐輔艦隊では、最古参の正規空母である
実はある人物の艦隊から移籍してきた空母艦娘であり、祐輔のことは昔から知っていて、心境的には姉に近いだろう
「あーもう……今回のことで、資材がっ!?」
予想される資材の消耗に、祐輔は頭を抱えた
そして、深々と溜め息を吐いて
「朝潮型の皆は、全員で遠征に回ること!」
「は、はい!」
「川内さんと神通さんは、その旗艦になること!」
「はい!」
「霧島さんは、暫く即応班に編成します! 今週の休暇は返上!」
「はい!」
とこの場所に居た全員に、沙汰を通達
そこに、蒼龍が隼鷹を引き摺ってきて
「はーい、連れてきたよー」
と言った
しかし、その件の隼鷹は
「待って、吐く……吐きそうっ!?」
と顔面蒼白になりながら、口元を押さえた
それを見た祐輔は、無言で窓を指差した
それだけで蒼龍も察したらしく、蒼龍は隼鷹を窓際まで引き摺っていき、顔を外に出させた
少々お待ちください、ただ今隼鷹が吐いてます
「さて、隼鷹さん……申し開きはありますか?」
「えっと……アタシだけ?」
「後程、他の参加者達にも同じ通達をします……ですが、まずは隼鷹さんです」
隼鷹の問い掛けに、祐輔は満面の笑みを浮かべながらそう告げた
何時になく、祐輔は怒っていた
一日の内に、余りにもトラブルが多発し過ぎていた
そして祐輔は、隼鷹に給与二割減と次の休暇返上を通達
その後、他の参加者達にも同じ通達を下したのだった
そして、消費資材を記した書類を見て、頭を抱えている祐輔に
「あははは……大丈夫?」
と明日奈が、声をかけた
すると祐輔は、小さく
「頭が痛いです……」
と答えた
それを聞いた明日奈は、ソファに腰掛けると
「おいで、祐輔君」
と手招きした
呼ばれた祐輔は、フラフラと明日奈に近寄り、隣に座った
すると明日奈は、優しく祐輔の頭を膝に乗せた
つまりは、膝枕だ
そして明日奈は、祐輔の頭を優しく撫でながら
「ゆっくり休んで、祐輔君」
と告げた
その後、祐輔が復活するまで、明日奈は祐輔の頭を撫で続けたのだった
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